結婚して、2、3年が、経った頃だった・・・・・
俺と、妻は、朝まで、ずっと向き合ったまま眠れないでいた。
外が、徐々に明るくなってきている・・・・午前4時くらいだろうか・・・・
終始無言でいた状態が、耐えられなくなってきたのだろう。
妻方から、先に言葉を発してきた。
「コーヒー、入れようか? それとも・・・・少し寝る?」
「・・・・・ん・・・・・・・・・・・眠れそうにないな・・・・」
「・・・じゃ、入れてくるわ。・・・・・アイスコーヒーでいい?」
俺は、無言で頷いた。
妻は、ベッドから下りると、静かに寝室を出ていく・・・・・
妻の後姿を目で追う俺・・・・・
(・・・・・後悔してるのかな・・・)
しばらくして、妻が、コーヒーを入れて戻ってきた。
表情は、普通だ・・・・
「アイリッシにしてくれないか・・・」
「うん。」
アイリッシュウィスキーのブルーボトルを開け
妻がコーヒーの入ったグラスに注いでくれる。
心なしか、手が震えているように見えた・・・・・・
俺と、妻は、昨夜の経験によって、
身体と脳の興奮が、いまだに冷めやらないでいたのだ。
妻は、俺の後ろに移動すると、自分のコーヒーを手に持って
俺の背中に自分の背を合わせてきた。
背中どうしを通して互いの体温が伝わってくる。
「・・・・ねぇ・・・・どうだった・・・・・」
「・・・・お前は、どうだった・・・・」
「先に言ってみて。」
「・・・・・・・・・・異常なくらい興奮した・・・かな・・・」
「・・・私は・・・・・うぅん、私も、・・・・気を失いそうだった・・・・」
「・・・・相手の夫婦も始めてって言ってたな。」
「・・・こうして、私たちみたいに、まだ起きてるのかな?」
「・・・んー・・・かもな・・・・・・」
それきり、俺と妻は、またもや会話が止まり、
静粛と考察を繰り返していった。
ボードに置いた、コーヒーグラスの氷が、音を立てた。
その音を機にしたのかは、定かでないが、妻が俺の手を握ってきた。
「ねぇ・・○○さん・・・・・・私を、・・・・・嫌いになった?」
「・・・ぇ?・・・・なんで?」
「だって・・・貴方以外の男性に抱かれたのに・・・・感じてしまうなんて・・・」
「・・・それは、俺も・・・・・・・一緒だろ・・・」
「・・・・・・あのね・・・・・私・・・・・・・・
いま、凄く、あなたに抱いて欲しい感じなの・・・」
「・・・・・」
「何故だかわからないけど・・・・私の本能がそう言ってる・・・・」
「・・・何て?」
「・・・・私と貴方の愛が本物かどうか・・・調べろって・・・」
俺は、妻の真意を捉えた言葉に、全身が、急激に覚醒していった。
激しく求め合った・・・
異常に汗ばんだ俺の額の汗を、妻が手で拭き取っている・・・
「・・・ね、その時・・・・私の顔を見てた。」
「・・・・ああ・・・」
「その時も、・・いま、抱かれているときと同じ顔だった?」
「・・・どうかな・・」
妻は、これ以上ない力で、俺に抱きついてきた。
「私、・・・貴方を信じる・・・・・・・愛してるから。」
俺は、妻のいまの言葉で人間が変わった・・・・・・
下着を穿きながら、一時も、俺から視線を外さず、
今まで、一度たりとも見せたことの無い妖艶な笑顔を俺に投げかけてきた。
俺は、その笑顔によって妻と同じ事を感じ取ったのだ。
この体験によって、俺と妻の愛を求める形が変わった。
まさに・・・・・・・そう、まさに、愛欲の世界に突入した瞬間だった・・・・