まだ来ない・・・・あの人が・・・・
由利川 瞳、6年前に離婚した40歳になるバツイチ女性だ。
結婚は遅く、30歳を過ぎてからのゴールだった。
生きていれば、小学校に入学するはずだった一人息子は、
1歳の誕生日を迎える直前に突然死でこの世を去っていった。
それ以来、夫との言い争いが絶えず瞳に対する暴力も始まった。
息子の死の悲しみを募る間もなく、夫の暴力によるストレスと
逃げ出したくなるようなセクシャルハラスメント・・
耐えかねた瞳は、僅か3年で夫との結婚生活にピリオドを打った。
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現在、瞳は、独身時代から勤めている会社で総務を担当する役職者だった。
今は、2年前に知り合ったある男性と
ステディな関係にあり充実した毎日を送っていた。
瞳は、アジアンベーシックな模様で彩られたバーで、デュベルを口にしていた。
モルトの風味は強いが、ベルギービールにしては、かなりドライだ。
独特の青臭さがあるが、瞳にとってはこの上ない好みの一つだった。
底に細工がしてある特製のグラスに、ゆっくりと注いだデュベルには、
一筋の泡が優雅に立つ仕掛けになっている。
その色の美しさから、デュベルは、黄金ビールとも呼ばれている。
瞳は、残りのデュベルを艶やかな唇にゆっくり運ぶと
大きく、そしてセクシーな吐息をグラスに残った泡に向かって吐いた。
飛んだ泡を見つめる瞳・・・・
(・・・・・・亮一さん・・・・・・遅いわね・・・・・)
瞳は、1ヶ月ぶり会う亮一の来店を首を長くして待っていた。
亮一とは、瞳にとってかけがえの無い男性であり
残り全ての人生を亮一のために掛けてもいいと思うほどの親密な関係だった。
亮一は、瞳より二つ年上で42歳になるが、結婚暦は無く今まで独身を貫いてきた。
決して縁が無かったわけではなく、また心身ともに欠陥があるわけではない。
ただ、単に仕事と趣味に掛けてきた時間によって結婚を逸していただけだった。
仕事は、機械設計士で、精密機械からコンピューターを使った高精度機器まで
企業オーナーから依頼された、あらゆる工業機械を設計デザインする仕事だった。
瞳は、二本目のデュベルを店員に注文した。
その時、瞳の背後から男性の声が店員に掛かった。
「すみません追加で・・・デュベルは2本ください。
それからスモークソーセージとオニオンサラダを。」
男性は、亮一だった。
瞳は、驚きながらも嬉しそうに亮一に囁いた。
「びっくりしたわ。」
「ハハ・・ゴメン・・・待ったかい?」
「ええ・・・ちょっと。仕事が早く終わったから来ちゃったの。」
亮一は、瞳の肩に手を掛けながら隣に座った。
「瞳、忙しくてゴメンな。今日でなんとか一仕事片付いたよ。」
「うぅん、しょうがないわ。売れっ子設計士ですもの。」
「そんなことは無いさ。」
そう言いながら、バッグから小さな袋の包みを取り出し瞳に手渡す亮一・・・
「え?・・・なあに。」
「瞳の仕事着はスーツだろう。」
「・・・・・え・・・ええ。」
「あまり派手じゃないけど、ちょっとお洒落心で付けたらどうかなと思って。」
「え?」
「僕が趣味で作ったブローチだ。銀で出来てるんだ。」
「亮一さんの手作りなの?」
「ああ・・・気に入るかどうか。」
「開けていい?」
亮一は、笑顔で頷いた。
瞳は、さっそく包みを開けてブローチを手に取った。
薔薇を象った台に、細かな彫刻を施してあり、
光加減で輝きが変化をしていく煌々な美しさが見事だった。
「わぁ・・素敵・・・・凄く素敵なブローチだわ。」
「ハハハ、綺麗だろう・・・光の当たる角度を計算して刃を入れたんだ。
結構苦労したんだぞ。・・でも、作ってるときが一番楽しかったけどな。」
瞳は、そのブローチを着ているジャケットに付けてみた。
「どうかしら?」
「凄く似合ってるよ。・・・・シンプルだし君には抜群に似合うな。」
「ありがとう亮一さん・・・大切にする。」
亮一は、瞳の喜びように、至極、満面な笑みを浮かべていた。
「亮一さん・・・今日は・・・・いいの?」
瞳は、甘えたような言葉で妖艶な瞳を亮一に投げた。
「ああ・・・二日間休みさ・・・。」
亮一は、瞳が自分の気持ちを直ぐに察知できるようなおどけた視線を返しながら呟いた。
瞳も頬を赤く染め、恥ずかしそうに亮一に気持ちを訴える。
「私も今日から3連休なの。」
「そうか・・・じゃ、火曜日の朝まで二人でゆっくり過ごせるな。」
「ウフフ・・・・嬉しい・・・」
瞳の優雅さを思わせるほどの笑顔と全体から感じ取れる
大人の女性としての艶やかさが、亮一の全身を見事に覚醒させていった。
「・・・・夜、ブローチを彫りながらいつも瞳のことを考えていた。」
「・・・え?」
「早く抱きたいってさ。」
「も・・もぉぅ・・・亮一さんったら・・・」
しかし、瞳も亮一と同じ気持ちだった。
この一ヶ月間、亮一と会えない寂しさを何度、自慰で慰めようと思ったことか。
「お待たせしました。」
照れ笑いする二人にナイスタイミングで店員が注文のメニューを運んできた。
「お、来た来た・・・腹ペコなんだ。」
亮一は、美味そうに湯気を立てるスモークソーセージを見て喉を鳴らした。
「よぉし、早速、乾杯しよう。」
「ええ。」
二人は、運ばれてきたデュベルをグラスに注ぎ乾杯をした。
グラスを重ねる音が、リオンの再会の鐘のように響き
今から過ごしていく二人の空間を華麗に演出していった。
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亮一は、自宅マンションに瞳を誘っていた。
シックにもかかわらず高級感が溢れる上下パールグリーンの下着・・・・
雪のように白い瞳の肌に限りなく近い色をしたサスペンダーガーター・・・・
亮一は、瞳が服と下着を剥ぐ様子をこの上なく満足しながら眺めていた。
(綺麗だ・・・・・・全てが・・・・・)
時折、照れた笑みを浮かべながら、亮一に見られている事に満足感を感じる瞳・・・
厭らしさを感じさせない亮一の紳士的な仕草と態度に
瞳の子宮は、自然と妖しく蠢いてきていた。
ショーツ一枚の姿になった瞳を、亮一は正面に向けた。
毎日鍛えているのであろう均整の取れたプロポーション・・・・
手入れも怠らないのだろう艶のある肌・・・・
「瞳・・・素晴らしい・・・・」
はにかんだ瞳の表情は、亮一の心魂を一気に充満させていく。
瞳は、サフラン色のソファに座る亮一に向かってゆっくりと歩き出した。
手を差し伸べる亮一・・・
亮一の差し出した手を握ると、瞳は静かに引き寄せられた。
「アンッ・・・・」
亮一の腰に倒れこむ瞳・・・・
瞳は、崩れた態勢を立て直し亮一の腰の上に跨っていった。
亮一は、瞳の腰に手を回した。
瞳は、妖艶な視線を亮一に突き刺していく。
「ウフフッ・・・・」
亮一と瞳はしばし無言で見つめあったまま、目で会話をしていた。
(・・・・・亮一さん・・・・・私を満たせて・・・)
(・・・瞳・・・・)
亮一の腰に回していた手がゆっくりと上に上がっていった。
瞳の項を這い、髪を掻き揚げられる。
瞳は、まるで魔法に掛かったように自ら亮一に唇を重ねていった。
「ゥゥッ・・・」
亮一の首に手を回し嵐のようなキスを見舞っていく瞳・・・
亮一の手がヒップに移り巧みな愛撫に変わると瞳の舌が激しく亮一に絡んでいった。
「ンゥゥ・・・ンッ・・・」
その瞬間、亮一の肉塊は海を割るポセイドンのように唸りを上げ、
瞳のローズウォールからは、妖精が銀壷からミルウォークする
スターシャワーのように女蜜を溢れさせた。
「・・・ンゥゥ・・・ゥゥッ・・・・ッ・・・」
(瞳・・・・・)
亮一の指先が巧みに瞳のヒップを撫で上げていく。
瞳の柔らかく、まるで神秘のような舌の動きは性器のような心地良さだ。
亮一は、ルームライトを消すと、自らデザインし
カッティングまで施したスポットライトをリモートで点灯した。
光が抱擁を繰り返す二人の上部に当たった。
下弦の月に照らされるような幻想的な雰囲気に瞳の快感はピークに達する。
「ンゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・」
亮一の舌裏を先で激しく摩擦していく瞳・・・
ピラミッドが、天辺から解けていくような絶頂感を瞳は一ヶ月振りに体感した。
舌の絡みを解き恍惚な表情を浮かべる瞳・・・・
「・ァァッ・・・ダ・・・ダメ・・・ダメェ・・・」
そう言うと同時に、亮一はショーツの上から瞳の女芯を強く擦り上げた。
全身に鳥肌を立て、亮一を胸に引き寄せながら瞳は仰け反った。
「ウゥゥッ・・・ンァァァァァァァァァァァァァァァー・・・・・」
瞳は、甘くセクシーな声を上げて昇天した。
ショーツを通り越して蜜が亮一の指に付着する。
「瞳・・・・凄く濡れている・・・僕をこれ以上なく興奮させるほどの量だ。」
キスと亮一のフィンガータッチだけで逝ってしまった瞳は
一ヶ月の我慢を露呈させてしまった恥ずかしさもあったが
とてつもなく襲ってくる幸福感と亮一の自分に対する愛が照れを消滅させていた。
「亮一さん・・好き・・・愛してる・・・・あなたを愛してる・・・・」
「瞳・・・・僕もさ・・・君を離したくない。」
亮一はソファの背もたれに掛かるシルクのサリーを瞳の身体に巻いた。
「・・・・?」
瞳を抱き上げベッドに移動する亮一・・・
「アンッ・・・・」
「さて、今度は、僕が逝かせてもらうとするか。」
亮一の言葉に瞳の欲心が一気に加熱されていく。
「亮一さん・・・今日は、空っぽになるまで苛めて・・・・」
瞳の嫌味に聞こえない淫言と濡れたような艶やかな瞳に
亮一は、このまま瞳と共に星になっても後悔はしないと思うほど心が焦がれた。
ベッドに瞳をゆっくりと寝かせる亮一・・・・
ショーツに手を掛けると瞳は腰を浮かせて亮一を助けた。
ガウンを脱ぐ亮一・・・・
はちきれんばかりに怒張した亮一の肉塊・・・・
それを見た瞳は自然と足が左右に大きく開いていく。
「亮一さん・・・・」
亮一は、ベッドに手を付きゆっくりと瞳の両足の間に割り込んでいった。
「瞳・・・・」
「・・・キテェ・・・」
亮一は、瞳に覆い被さると、甘い蜜が溢れる花弁を押し開きゆっくりと挿し込んだ。
「!・・・ァ・・・・ァァァ・・・・ァァァァァァァァァー・・・」
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瞳は、二度による昇天でベッドに横たわっていた。
亮一は、そんな瞳をよそ目にバスタオルを腰に巻きベッドから降りていく・・・・
「亮一さん・・・・」
「喉が渇いたんだ・・・カクテルでも作ろう。・・・・何がいい?」
優しく微笑みながら瞳の注文を待つ亮一・・・・
「・・・・・じゃ・・・プリストル・クリーム・・・」
「わかった・・・・」
「私も手伝うわ。」
「いいよ・・・・ゆっくりしてろ。」
亮一はそう言ったが、瞳はガウンを羽織るとベッドから居り亮一の後を追った。
「なんだ・・・いいのに・・・」
「一緒にいたいの・・・1ヶ月ぶりだから・・・少しでも長く・・・」
瞳はそういって微笑した。
既に十分に美しい瞳を一層引き立てる素晴らしい微笑だった。
亮一は、思わず瞳にキスをした。
「・・・ァ・・・・ウフフ・・・亮一さん・・・・・・」
「ずっとその笑顔を見ていたいよ。」
「・・・亮一さんといるからよ・・・・・・あ、オレンジを切るわ。」
「ああ・・・冷蔵庫に入ってる。」
瞳は冷蔵庫からオレンジを取り出すと
亮一のカクテル作りを楽しみながらオレンジをクォーターカットをしていった。
瞳の心の中は十分に充足をしていた。
この上ない幸福感と亮一と居るという心地良さが瞳の全身を包み込んでいく。
「OK・・・出来たぞ。」
亮一は、瞳のプリストル・クリームをこしらえると、
瞳のカットしたオレンジをグラスの上に落とし、
自分のグラスには、バーボンをなみなみと注いでトレイに乗せた。
「瞳、ソファに座ろう。」
「ええ。」
亮一と瞳は、二人掛けの総革張りのソファに座った。
亮一は、瞳のグラスの中のオレンジを摘み
指先で絞りながらカクテルの中に果汁を落としていく。
「さて・・・乾杯しよう。」
「何に乾杯するのかしら?」
「んー・・・君の存在と・・・そう、僕たちが愛し合っているという現実に。」
そういって二人はグラスを重ね合わせた。
瞳は、亮一の言葉に子宮が疼くほどの感激を覚えた。
「亮一さん・・・・・」
「ん・・・・なんだい?」
「私・・・怖いの・・・」
「何が?」
「こんなに幸せでいいのかって・・・」
「・・・・今まで、散々な悲しみや苦労をしてきたんだ。」
「・・・うん・・・」
「反対に僕で良いのかって気もするよ。」
瞳は、グラスを持ったまま亮一の肩にもたれ掛かっていった。
「・・・・亮一さんは、今の私にとって全てよ。」
「瞳・・・・・」
亮一は、瞳のグラスを持ってテーブルに置いた。
「・・・・え?」
「いや、また無性に瞳を抱きたくなってきた。」
瞳は、亮一の言葉で自らガウンを肌けると
亮一のバスタオルを外して腰に跨っていった。
「亮一さん・・・・いつでも受け入れOKよ。」
「くくくっ・・・さすが瞳・・・・こっちも僕たちの趣向は合っている。」
そういって微笑む亮一と瞳・・・
しかし、直後に瞳の声はソプラノを奏でていった・・・・・
「亮一さん・・・ゎ・・・私・・・・・・気持ちよくて・・・・ァァァ・・・・」
「瞳・・・最高だ・・・・・・」
亮一は、瞳の奥深くを貫いていた。
肉棒に纏わりつく肉襞の感触は、亮一の頭の中を真っ白にしていくほどだった。
「アァァァァァァァー・・・・亮一さん・・・・ま・・・また・・・アァァァ・・・」
瞳は、亮一の腰の上で激しくロデオを演じていた。
「ウゥゥーッ・・・イィィィィィィィィーッ・・・・」
「ひ・・・瞳・・・・・もう少し・・・・ローペースで・・・・」
「アンッ・・・亮一さん・・・・・・私が・・・」
瞳の腰を掴み動きを制する亮一・・・・
「ふぅぅー・・・瞳の凄さでいってしまいそうだよ。・・・」
「もぉぅ・・・亮一さんったら・・・せっかく気持ち良かったのに・・・」
瞳は、そういって亮一に唇を重ねていく。
「・・・瞳・・・・」
「なぁに・・・?」
「瞳・・・・もう俺と付き合い始めて2年が経つ。」
「ええ・・・そうね・・・・・」
「・・・・・俺でよかったら・・・夫婦になろう。」
亮一の突然の言葉に驚く瞳・・・
しかし、その言葉は瞳が以前からずっと思い描いていた願望であり夢だった。
瞳は、嬉しさと感激が一気に込み上げてきて言葉が出てこない。
涙が頬を伝い、亮一の胸に落ちていく。
「瞳・・・明日、朝食を済ませたら役所に籍を入れにいこう。」
「・・・ぅ・・・嬉・・・・嬉し・・・ぃぃ・・・ゥゥゥ・・・」
「泣くなよ。・・・・俺は、瞳を愛している。・・・・ずっとだ・・・」
瞳は、亮一にしがみ付いて号泣した。
心の底から亮一を慕い、尊敬し、そして精一杯の愛情を注いできた瞳にとって
亮一の言葉は、自分の愛を亮一が底から信じてくれた証でありプレゼントなのだと。
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遂に亮一は、瞳と同時に3回目の昇天を迎えた。
抱き合いながら互いの性器を愛撫しあいフレンチを飽きることなく繰り返している。
「・・・ぁぁ・・亮一さん・・・・蕩けそう・・・」
「俺もだよ・・・瞳・・・」
瞳の柔らかく滑らかな舌が、亮一の唇を何度も往復していく。
その時・・・・
0時近い時間であるにもかかわらず、けたたましく電話が鳴り始めた。
瞳との愛絡を中断したくない亮一は電話を無視していた。
しかし、一向に鳴り止む気配は無い・・・・
「ったく・・・何なんだ。・・・こんな遅くに・・・」
亮一は、渋々、瞳から離れるとベッドから降りて
ボードの受話器を手に取った。
「もしもし・・・・・ああ・・・今日はどうも。
ところでどうしたんです?・・こんな遅くに。」
電話の相手は、今日、亮一が設計した大型機械を工場に配置した担当者からだった。
内容は、社員の誤操作で、機械がハングアップしてしまったという内容だった。
明日から、その機械を使用して運営が始まるため、遅くまで社員を残して
説明をしていたらしいのだが、コンピューター制御をしているため
設計した亮一にしか、誤作動で停止した機械を修復できないのだ。
「・・・・ふぅぅー・・そうですか・・・困りましたね。」
『な・・・何とかなりませんか・・・・先生?』
相手の担当者は今にも泣きそうな声で亮一にせがんだ。
「・・・・わかりました。・・・いきましょう。」
『あ・・ありがとうございます。』
亮一は、仕方ないといった表情で電話を切った。
「どうしたの、亮一さん?」
亮一は、今の話の内容を瞳に説明し、
自分が行かなければ機械が修復できない事を伝えた。
「それは、大変だわ・・・行ってあげて・・亮一さん・・・・」
「ああ。・・・すまない、瞳・・・朝までには帰ってくるから。」
「いいのよ、お仕事なんですもの。」
「2日間、せっかくの休みなんだ。急いで直してくる。」
「美味しい朝食を作って待ってるわ。」
亮一は、着替えを済ますと、瞳に濃厚なキスをして部屋を出た。
「じゃ、いって来る。7時には帰れるだろう。」
「ええ・・・運転気をつけて。。」
笑顔を作り、軽く手を上げて玄関を出て行く亮一・・・
瞳は、主人を送り出すような気分に思わず赤面しながら亮一を見送った。
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− 翌朝 −
(・・・ひ・・・瞳・・・瞳ぃぃぃぃぃーっ!)
「・・・!・・・りょ・・・亮一さん!・・・・・・?」
瞳は、夢の中で亮一の叫び声を聞き目を覚ました。
「・・・夢か・・・・」
時計を見る瞳・・・
まだ、6時前だ。
しかし、瞳はそろそろ帰ってくるであろう亮一のため
朝食の準備に取り掛かかろうとベッドから起き上がった。
寝ないで機械の修復をしている亮一のために
栄養のあるものを作ろうと手の込んだ朝食を考えていた。
下着一枚の姿でキッチンに立つ瞳・・・・・
時間を掛けて、料理を作っていく。
調味料を取るため腰を屈めたり、背伸びをするたびに
エレガントなレースのショーツが瞳のヒップにセクシーに食い込んでいった。
瞳は、1時間を要して朝食を作り上げた。
「・・・よしと・・・後は亮一さんの帰りを待つだけか。」
瞳は、キッチンから出るとシャワーを浴びようと浴室に向かった。
昨夜の二人の愛の結晶がまとわりついた身体を綺麗に洗い流していく。
さっぱりとした身体を英国製のフィアのバスタオルで包みながら瞳は浴室から出てきた。
時計を見ると既に7時半を回っていた。
(・・・・・・・遅いわねぇ・・・7時には帰るといったのに。)
瞳は、新しいショーツを穿き、同じく英国製のシルクのガウンを羽織ると
湯の沸いたポットを銀製のサティーに注ぎフレーバリー・ティーを作った。
ベルガモットで香りをつけたフレーバリー・ティーを
ストレートで飲むのが亮一は好きだった。
(早く帰ってこないかなぁ・・・)
二人で購入した大き目のティーカップを並べる瞳・・・
瞳は、濃く茶を出して自分のカップに注ぐと
ミルクをフレーバリーにたっぷりと注いだ。
ゆっくりとお茶を飲みながらニュースを見ようとテレビのスイッチを押す瞳・・・・
妙に落ち着かない自分に首を傾げながらもテレビを見入っていく。
昨日のニュースを女性アナウンサーが流暢に喋りだした。
暫くして経済、スポーツと続いた後、
死亡事故のニュースが流れ始めた。
男性の事故死のニュースだ。
(かわいそうに・・・・)
家族の同情を思いながら、その詳細を報道しようとしたとき電話が鳴り響いた。
「・・・ぁ・・・亮一さんだわ。」
瞳は、急いで受話器を取ろうと走っていく。
その時、テレビ画面には亮一の顔が映し出され
女性アナウンサーが死亡事故のニュースを伝えていた。
「もしもし、亮一さん?」
テレビ画面を見ながら声を上げる瞳・・・
『今日の早朝、三京機械工業株式会社で、事故があり男性が工業機械に挟まれ
死亡しました。男性は、如月亮一さん42歳で、この会社に納入した機械の
設計者であり、社員の誤作動で停止した機械の修復をしているところ、急に
機械が動き出し、全身を挟まれました。社員は機械を止める方法を知らず
如月さんは、圧死という形で命を絶ったそうです。』
「もしもし、私警察のもですが、あなたは家族の方ですか?」
電話は、警察からだった。
ニュースから流れる女性アナウンサーの声と
受話器から聞こえる警察官の声が瞳の耳に重複した。
僅か数秒の間に亮一との思い出が瞳の頭の中で回想されていた。
『もしもし・・・もしもし・・・・・聞こえますか?・・・もしもしっ!』
受話器が手から離れ、床に座り込む瞳・・・・
呆然とする瞳の表情が一気に崩れていく。
「・・・・亮一さん・・・モーニングティーを・・・・入れて待ってるのよ・・・」
『もしもし・・・・直ぐに来てください!』
瞳は、フラフラとリビングに歩き出した。
今ほど入れたフレーバリー・ティーを見つめた。
無意識に亮一の空のカップを手に取る瞳・・・・
「亮一さん・・・・ぅぅ・・・・ぅぅぅぅぅ・・・りょ・・・りょう・・・
・・・・亮一さん・・・・・・いやぁ・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
カップを抱きしめながら大声で泣き叫ぶ瞳・・・・・・・
《・・・亮一さん・・・ゎ・・私もいく・・・・・貴方と一緒に行く・・・・》
瞳は、亮一のカップを握ったまま
夢遊病者のようにベランダに向かって歩いていった・・・・・