熱い吐息が心地良かった。

彼女、立花優香の湿った唇が俺の首筋をスウェードしている。

俺は、静かに優香の頭部を抱えそっと身体を横にずらそうとした。

「・・・・もうちょっと、こうしていたい・・・・」

「・・・・・・」

俺は、優香の要望に応えそのままの体勢を維持することにした。

「・・・どうした・・・・珍しいな。」

「・・・・そうかしら?」

「・・ああ・・・・珍しいよ。」

「・・・・・・ん・・・・そうね・・・・そうかも・・・」

俺は、いつもと違う優香に、心なしか戸惑いを隠せなかった。
妙に優香の体から醸し出される冷めた体動が不安を一層募らせていく。

優香は、俺の手を優しく退けると寂しそうな顔を浮かべて上体を起こした。

「翔太さん・・・・」

「・・・・・・どうした・・・優香・・・・」

優香は、一旦、顔を背けたあと肩で大きく深呼吸をして俺に振り向いた。

「・・・昨日・・・・翔太さんの奥様から電話があったわ。」

「・・・ぇ・・・えっ?・・・・女房から?」

俺は、驚愕した。
何故、妻が優香に電話をしたのか・・・・
いや、それ以前に何故、優香と俺の関係を妻が知っていたのか。

俺は、頭が混乱した。

優香は、黙ったままだった。

暫くの間、俺は身体が硬直していた。
頭の中が真っ白になるとは、まさにこういう状態だ。

必死で、思考を繰り返す俺をよそ目に、優香は無言のまま浴室に消えていった。

「・・・ゆ・・・優香・・・・」

振り向くことなく浴室のドアを閉める優香・・・・

俺は、無造作に煙草のパッケージを握ると
そのまま口で1本を咥え慌しく火をつけた。

何度も深く煙を吸い込んでいく俺・・・・
妙に影った紫煙が身体を包み込んでいく。

(・・・・・・和子が・・・優香に・・・・何故・・何故、ばれたんだ・・・)

俺の妻、和子は同じ歳で40歳になる。
清楚で賢妻、そして自分を犠牲にしてでも夫を立てるという
男にとってはこれ以上ない理想の妻像を地でいく女房だった。
一方、俺自身も和子を大切にしていた。
会話の中でも和子に対し自分は不倫などするような人間ではないと言い続けていた。
和子は、その態度と雰囲気から確実に俺を信じている目をして頷いていた。

だが、やはり自分を疑っていたのだろうか。

だとしたら、浮気を調べる方法としてはいくらでも見当はつく。
俺の携帯電話を見ることなど妻であれば朝飯前だ。
パソコンだって共有しているし、メールソフトもロックなど掛けていない。
仮にそれが無理だとしても探偵を雇ったとすれば納得がいく。

しかし、もしかということを考えてた俺は違う疑問を抱いた。
いつも、その対策は万全だったはず・・・・
家では、その気配すら見せたことはない。
つまり俺を疑うこと自体が信じられなかったのだ。

俺は、頭が混乱してきた。

(・・・・何故だ・・・?)

しかし、浮気がばれたのは事実だ。
冷静に和子の性格と最近の態度を思い出していく。

(いや・・・・待てよ・・・・和子がそんなことを・・・)

俺は、思った。
仮に浮気をしているという疑念を和子が抱いていたとしても、
携帯を盗み見したり探偵を雇うようなことをするとは考えられなかったからだ。
しかし、疑問はさらに進んだ。

それは、俺の浮気を確信し、優香との関係を知った妻が
何故、優香に電話をしたかということをだ。

(・・・・・・・)

もはや、俺の頭の中は整理がつかなくなってきた。

10数分後、バスローブをまとった優香が浴室から出てきた。

表情は至って普通の様相である。

俺は、優香に対し何も声を掛けれないでいた。
優香は、部屋に備え付けのクローゼットから着てきた服を取り出した。

思えば、優香との出会いは偶然的なものだった。

3年前、アダルトサイトの掲示板で意気投合し
軽いノリで会おうという事になって、その日のうちに関係を持った俺と優香・・・

いつも抱いたあとに妻、和子の顔が浮かぶ俺ではあったが
妙に、そのスリルと不埒な快感が俺の性癖を扇いでいったのだ。

だが、それも今日を持ってピリオドを打つだろう。

無言で服を着終わった優香・・・・・・

俺は、雰囲気を察し、何故か優香との破局を咄嗟に覚悟した。
それは、自分にとっては不思議と潔いものだった。

(しょうがない・・・・和子には正直に話して謝ろう・・・・)

俺は、和子がきっと許してくれると信じていた。
いや、そういう女なのだ。

(・・・・・いいさ・・俺は和子だけで十分満足できる。)

和子も優香に負けず劣らずの良女だった。
身体のラインも決して優香に引けをとらない。
いつも和子と戯れるときなどは、その妖艶さに惚れ直すこともしばしばだった。

化粧を直し、立ち上がる優香・・・

「翔太さん・・・お風呂は?」

「え・・・あ・・・ああ・・・いいさ後で入る・・・・」

「後でって・・・一緒に部屋を出ましょうよ。」

「え?・・・あ・・・あの・・・優香・・・・」

「どうしたの?」

「どうしたのって・・・・・しかし・・・さっき・・・」

「奥様から電話があったって話?」

「・・・あ・・・ああ。」

「だから?・・・・」

「・・・・・・・だ・・・・だからって・・・・」

「私は、奥様から電話があったって言っただけよ。」

「・・・・・・・・」

「翔太さんの態度見てると、もう私と終りって風に見えるんだけど・・・」

俺は、淡々と話す優香に戸惑いを隠せなかった。

「優香・・・・・何を言いたかったんだ?・・・君の態度こそおかしいよ。」

「そう?」

「そうって・・・・おかしいだろう。」

「そうね・・・そうよね・・・・」

「俺と君の関係を知った女房が、君に電話をしたんだろう?」

冷笑気味に顔を崩す優香・・・・・
優香は、気持ち首を傾げて俺をからかうような仕草で見つめた。

「気の毒な人・・・・心からそう思うゎ・・・・」

「何・・・どういう意味だ。」

「聞きたい?」

眉を吊り上げ、無言で頷く俺・・・・・

「驚かないでね。」

「・・・・・・・」

「翔太さんの奥様ね・・・・4年前から私の旦那といい仲なの。」

俺は、一瞬、優香が何を言っているのか理解できなかった。
が、しかし・・・短時間の間に俺の脳内に激震が何度も襲った。

小刻みに身体が震える俺・・・・・

「私に掛かってきた翔太さんの奥様からの電話の内容はね・・・・
 うちの旦那とは上手くやってる?・・・って言う電話だったの。」

「・・・・・・・な・・・・なに・・ぃ・・・・っ・・・・」

「私は、凄く良好よ。って答えたわ。」

「・・・ぅ・・・く・・・・・っ・・・・っ・・・・・・・・・」

「それを聞いて和子さんね・・・・こう言ったわ。・・・アァ、良かったって。」

「・・・ク・・・クッ・・・グ・・ググッ・・・・嘘を言うなぁぁぁぁーっ!」

優香は、表情を崩すことなく話を続けた。

「それで奥様もね、優香さんはどう?って聞くから私も答えたわ。」

「・・・・・・・」

「私も、凄く良好よって。いつも私の中にタップリと注ぎ込んでくれるしって。」

「ゆ・・・優香・・・お前ぇぇーっ!」

「そうしたら、和子さんも興奮気味に返答したわ。
 私もよ。って・・・避妊手術した甲斐があったって。」

「!!・・・・な・・・・なんだとぉぉぉぉーっ・・・・」

妻、和子が避妊手術をしたという話をいま始めて知った俺は我を忘れた。
もはや俺は、尋常な精神状態ではなかった。

その後、朗読のように話した優香との会話が
忘れようにも忘れられずに俺の頭にこびり付いている。

《こんな事になった発端はね・・・・・私の夫なのよ・・・》

《・・・どういうことだ・・・・》

《私の夫は、私が他の男性に抱かれることを性癖としてるの・・・・私もSEXは
 嫌いじゃなかった。というより、大好きな部類かな。私が、そんな性異常の夫に
 感化されるのに、さほど時間はかからなかった。確かに最初は抵抗があったけど。》

《・・・・・》

《そのスリルと快感に直ぐに虜になったわ。夫も、私公認で色々な女性を抱いていた。
 時には私の目の前でもよ。・・・・・それを見た私は、凄く興奮したのを覚えてる。》
《・・・ゆ・・・優香の目の前で・・・他の女を・・・か?》

《ええ、そうよ・・・もう見てるだけで快感が走ったわ。・・・そしてある時、
 夫が出会い系の掲示板である女性とと知り合ったの。・・・・翔太さんの奥さんよ。》
《な・・・なんだって・・・・・和子が?》

《ええ、そうよ・・・知らなかったでしょ。》

《・・・・・》

《そして、夫はね、翔太さんの奥様を家に連れてきたのよ。》

《・・・・・!・・・・な・・・なんだってっ・・・》

《・・・・・そして3人でSEXをしたわ。・・・翔太さんの奥さん、和子さんは
 狂喜乱不の状態で何度も快感を現していた。それはもう凄かったわよ。
 夫が私に言ったの。俺は、この女と付き合うから、それがバレないように、
 和子の旦那をお前が上手に誘い出せって。そうすれば逆に疑われなくなるからと。
 ・・・・翔太さんが、そういう掲示板を見ていることを和子さんは知っていた。
 それを聞いた私は、あの掲示板で翔太さんに声を掛けたのよ。これで理解できた?》

《・・・・・ク・・・・グゥゥゥゥゥ・・・・》

《和子さん凄いのよ・・・・アナルもするって知ってる?》

《な!・・・・・なにぃ・・・・・う・・・嘘を言うなぁぁー・・・・和子は・・・》

《やっぱり知らなかったのね・・・凄いのよ・・・和子さん。》

聞き終えたとたん、俺の肌の温度は急激に下がった。
頭が真っ白になった俺は、離し終えた優香を押し倒し
乱暴に服を引き千切って犯すように性交を開始した。

優香の頬を叩き、髪を引っ張り、押しつぶすように乳房を鷲掴みにし
さらには乳首を引き千切らんばかりに摘み上げ優香を痛めつけた。

優香は悲鳴にも似た声をあげ抵抗をする。

しかし、それが俺の勘違いと解ったのは優香の菊門に爆発をした直後だった。

優香は、涙を流しながら絶叫をし快感の潮を勢いよく噴き上げた。

《ウックゥゥゥゥゥゥゥゥゥー・・・・イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ!》

《・・・・ぇ!・・・な・・・・・・》

《最高ぉ・・・最高よぉぉ・・・凄いぃぃぃぃー・・・・》

菊門に入ったままの俺の肉棒を握った優香は
妖艶の眼差しで俺に振り向くとこう言った・・・・

《もっとぉ・・・・もっと、痛めつけてぇぇー・・・》・・・と。

俺は、そんな優香を見て咄嗟に自分が変化したことに気づいた。
萎えた肉棒が瞬時に怒張し、優香の要望どおりに続きが開始されたのだ。

知らず知らずのうちに悪魔が宿り、遂には大声を上げて俺は笑い声を上げた。






― 2週間後 ―





俺と優香・・・





そして、妻の和子と優香の夫は・・・・






互いにスワッピングによる相互鑑賞をすることになった。






そう・・・どちらが先に相手の女房を昇天させるかという賭けをするために・・・・





俺は・・・俺は、優香と、その夫の魔性に洗脳されてしまった・・・・・