雑学談話室


この部屋はいろいろな話題を巡って雑談するところです.


お知らせ 新井英一・前橋ライブ4 

魂の歌い手、新井英一の前橋ライブ4のお知らせ第1弾です。
日時 11月20日(金) 午後6時半開場
場所 前橋文学館3階ホール
前売 3500円

詳しくは第2弾、第3弾で御連絡します。


乱歩歌舞伎「京乱噂鉤爪」

国立劇場で乱歩歌舞伎第2弾「きょうをみだすうわさのかぎづめ」を見ました。人間豹の続編です。人間豹恩田乱学が最後にとても内省的な人間的なセリフを吐くのに少し違和感を覚えましたが、人形愛、鏡地獄など乱歩アイテムをちりばめた舞台を堪能しました。特筆は人形花かたみを演じた中村梅丸。瞬きをせず、ぎくしゃくとした人形の動きを見事に演じました。こんな美形の人形なら鏑木幻齊ならずとも手元に置きたい!どうぞご覧下さい。2009/10/6


美術展2つ

9月最後の日曜日。2つの美術展をはしごした。
伊香保ハラミュージアムアーク。新設された観海庵を見に行く。黒い方舟はそれだけでも見る価値があったが、展示で出会った束芋という作家のビデオ作品に魅入られた。真っ暗な部屋、波の音、延々と繰り返される寄せては返す波。鏡を使い不思議な空間を創造していた。
渋川市立美術館「なんなん?どうなん?そうなんだ!」音のカタチという展覧会。実際に叩いて音を聞くことができる。金属人間たちの愉快な演奏会にも出会えます。10月18日まで。2009/9/27


映画「エヴァンゲリオン劇場版 破」庵野秀明監督

ふっと表記の映画を観た。この「破」というのは序破急の破らしい。スーパー科学とノスタルジックな日常が混在するよく分からない世界。当然のことながら、ストーリーの説明はないので、シト(多分使徒だろう)との戦いがなぜ起きているのかはこれだけ見ても分からない。分からない人は多分見ないんだろうな。見ながらすこしいらいらする。弁当を食べる中学生とこの世界がつながらない。どうやら父と子の話らしい。そう思ってみているうちに父の顔が天馬博士に似ている(もっとも浦沢版鉄腕アトム)と思った。途端に主人公碇シンジの顔がアトムにダブって、随分伝統的なテーマを扱っているのだと思った。2009/9/11


世界最大の望遠鏡 TMT

ハワイ・マウナケアの山頂に今度直径30mの超巨大天体望遠鏡が作られるらしい。昔から天文に興味があり、望遠鏡を覗くのは大好きだった。ところで、新聞記事によると、鏡は1枚ではなく6角形の小さな鏡を492枚並べるというのだが。正6角形の鏡では平面になってしまい放物面にならないし、中心に1枚置くとすると鏡は必ず奇数枚になるはずだが、どんな設計になっているのだろうか? 2009/9/7


映画「マン・オン・ワイヤー」ジェームズ・マーシュ監督

高崎シネマテークで表記の映画を観た。綱渡りの大道芸人フィリップ・プティ、彼は今はなきニューヨーク世界貿易センタービルの地上400mの空間に綱を張り、その上で綱渡りす夢にかける。ついに夢を実現するまでのドキュメンタリー。この綱渡りは「史上、もっとも美しい犯罪」といわれたそうだ。文字通り、手に汗握る緊迫感に覆われた傑作映画。2009/8/23


歌舞伎「真景累ヶ淵 豊志賀の死」「怪談乳房榎」

歌舞伎座で表記の歌舞伎を見ました。どちらも三遊亭円朝の夏向き怪談劇。福助の豊志賀と勘三郎の早変わりです。累ヶ淵は四谷怪談と並んで有名な怪談ですが、恐いシーンなのに会場から笑い声がでるのが不思議。でも豊志賀の死だけだと、全体の構成が分からないだろうなあ。豊志賀の死は志ん朝のCDで聞けます。怪談乳房榎の勘三郎の早変わりは見物でした。すれ違った瞬間に人が入れ替わるのはびっくり。2009/8/13

夏芝居 また棺桶がでてくるぞ 眞鍋呉夫


数学教育協議会2009年全国研究大会

09年度の数教協全国大会は8月4〜6日に松江で開かれました。はるばる松江までの旅は長かった。思い出せば、初めて全国大会に参加したのは28年前の米子・皆生大会でした。今回は中学校部会に参加。関数や図形について討議してきました。ブラックボックスの有効性について少し挑発的な発言をしたので、議論になってよかった。最後の日にサロンで計算の教材をいくつか紹介しました。これはその少し前に北海道地区の数教協大会で発表したものの焼き直し。少しネタがなくなってきたぞ。そう言えば、大会では北海道でお世話になった方に何人も会いました。パズルは難しかったけど。
来年は琵琶湖大会です。2009/8/13


最近の傑作パズル「RECT」

最近入手した傑作パズル「RECT」。実は発売前なのだが特別に作者から分けていただいた。5ピース+1ピースで長方形をつくれというパズル。切り方は有名な正方形分割を思わせる。なめてかかったらひどい目にあった。難しい!単に長方形にするだけでこれだけ難解になるとは思っても見なかった。悩んだ末に完成したが、シンプルで楽しめるパズルの傑作。残念ながら著作権もあり、ピースの形はいずれ発売になるものを見て下さい。2009/7/12


小林裕児と物語展 中ノ沢美術館 7/12-9/23

赤城に中ノ沢美術館という美術館がある。木々に囲まれた静かな美術館で、展覧会のほかにコンサートなども開かれる。そこで表記の美術展をみた。小林裕児の作品には以前榛名の新生会という施設で巡り会い、その不思議な表現に心をひかれた。シュルレアリステッィクなどことなく懐かしく、しかし非日常の心象風景を精密に描いている。この展覧会も不思議な魅力に満ちている。目の大きなちょっと古風な男や少女が空中を馬に寄り添うように、電信柱の上でこちらを見ている。たしかにここからたくさんの物語が紡ぎ出せそうだ。会期が長いのでぜひ大勢の人に見てもらいたいです。2009/7/12


映画「剣岳 点の記」木村大作監督

表記の映画、見たいと思っていたので見ることができよかった。CGを使わないロケの撮影は迫力があり、出演俳優香川や浅野が命の危険を感じたというのは本当だろう。自然を相手のドラマなのでその分、人間のドラマが少し薄まった感じがあるが、とてもいい映画だった。2009/7/2


映画「ゼラチンシルバーLOVE」繰上和美監督

ファッションカメラマンの繰上が73歳にして初めてメガホンをとった映画。宮沢りえと永瀬正敏が主演。いかにもカメラマンらしい映像と、なんとも形容しがたいエロティシズムの映画。宮沢の感情をあらわにしない演技がよかった。しかし、見る人を選ぶ映画だと思った。「ターミネーター4」も見ました。3まで見たので4を見ないわけにはいかない。ド派手な映像で退屈はしないが、ネタはすぐにばれるのでその分損をしている。2009/6/25


監督市川準を偲ぶ

09年の高崎映画祭では、還暦目前に亡くなった監督市川準を偲ぶ特集があった。再会した映画も多かったが、改めてこの監督の才能を感じ本当に惜しい人を亡くしたと思った。「トニー滝谷」の全編を覆う「寂しさ」「寂寥感」が好きだが、この映画を撮った様子を撮った映画「晴れた家」がとても興味深かった。もう一度監督に合掌。2009/4/14


2009年の高崎映画祭開幕

今年もまた高崎映画祭の季節がやってきました。昨年、茂木正男さんを失いましたが、今年も例年以上にいい映画祭になりそうです。開幕4本の映画を観ましたが、「接吻」が面白かった。ミステリ心理劇ですが、見応えあり。ただ、結末を主人公の一人の弁護士が何故予測できなかったのか、と思いました。話さない方が良さそうなので、奥歯にものの挟まったような言い方です。ぜひご覧ください。2009/3/29


フロッピーキューブ

不思議なキューブパズルが発売になった。1×3×3のルービック型のパズル。要するにルービックキューブの上一面だけというパズル。もちろん、解くのはそれほど難しくないが、不思議なのはその物理的な構造。コーナーのキューブがどうして落ちてこないのか、分解してみたい。2009/3/28


パズルブーム

数独の大流行などもあって、いまパズルが一種のブームかも知れない。電車に乗ると数独に夢中になっている人を見かける。こっちもチラチラとのぞき込んで、「あっ、5が入りますよ」と声をかけたくなるような。しかし、パズルの解説は難しいものです。間違っていると思われる解説もあるし、いや、それはこっちの解の方がエレガント、と言いたくなる解説もある。最近ある解説書でそんな例に出会いました。もっともそれを見つけるのが楽しくてという側面もあったりして。2009/3/21


数学書「現代数学の源流 上下」佐武一郎 朝倉書店

数学書なので本来なら読んだ本の中で紹介すべきですが、残念ながら、私の力では内容を紹介することができないので、この欄で紹介します。とてもいい本だと思いますが、難しいです。難しいことを承知の上で、現代数学の源流に当たってみたい人はぜひ格闘してみてください。実は本欄で紹介するのにはもう一つわけがあります。それは本書上巻10ページの次の言葉です。

「人類の自然認識の歴史上、その重要さにおいて双璧ともいうべき”虚数”と”地動説”が、その後それぞれどんな運命をたどったかを比較してみることは科学史上(むしろ人間の精神史上)非常に興味ある話題になるのではなかろうか。(現在でもアメリカには地動説を認めない協会が存在している!一方、日本には文部科学省教育審議会で2次方程式など実生活に必要ないから教えなくてもよいと主張した”学識経験者”がいたと聞く。) 2009/3/15


丑年年賀パズル

うし+うし+・・・・+うし+こうし=2009

うしは最大何頭でしょうか。そのときの、こ、う、しを求めてください。
ただし、こ、う、しはすべて異なる数で、う、こは0ではありません。

比較的簡単なパズルです。本年もよろしく。2009/1/1


乱歩歌舞伎「江戸宵闇妖鉤爪」(エドノヤミアヤシノカギヅメ)

江戸川乱歩「人間豹」がなんと歌舞伎になった。ちょっとびっくりしてなんとしても見たいと思い、国立劇場に行きました。松本幸四郎、市川染五郎、市川春猿という配役。これがとても面白い。原作を読んでいたので、一体どうやって歌舞伎に、と思ったのですが、見事に歌舞伎になっていました。犯人の性格が少し違うけど。引き続いて、乱歩が歌舞伎になるのだろうか。楽しみです。2008/11/4


新型ルービックキューブ

このところ新型のルービックキューブの発売が続いている。

(1)ミラーキューブ
すべて一色の銀色。えっ、誰でも完成できる安易なキューブ?ではありません。面の分割が不定形。大きさが違っている。廻すと形が崩れとても難しいのです。


(2)ボイドキューブ
真ん中のキューブがなく中空!ルービックキューブの枠だけでできている。どういう仕掛けで全体がまとまっているのかとても不思議。やっていたら、普通のルービックでは起きないと思う現象が起きてしまった。どうなっているのだろう。2008/10/15



ノーベル賞のこと

物理学賞同時3名受賞でびっくりしたら、今度は化学賞!すごいです。ところで、物理学賞を受賞した益川敏英さんは科学者9条の会の発起人の一人。毎日新聞だけが報道したようだが、とても嬉しいです。社会的な視野のある、反戦平和を貫いた人がノーベル賞を貰った。ある日本人受賞者の優生思想とは大違いだ。2008/10/8


あるミステリ

パズルにまつわるミステリ「数独パズル殺人事件」を読んだ。中でパズル数独にまつわるダイイングメッセージが出てくる。探偵役は理論数学研究所の女性研究者なのだが、この謎がすぐに解けないのはいささかお粗末。だって、僕だって見ただけで分かってしまった。もっとも、メッセージが読めても犯人は分からなかったけど。2008/9/29


映画「フラガール」李相日監督

遅ればせながら、フラガール見ました。高崎映画祭で見損なっていたので、とても観たい映画でした。よかったです。ひたむきな映画は観ていて疲れることが多いのですが、これはそんなこともなく、とても爽やかでした。涙も出ました。同僚のYさんが、日本には炭坑映画の伝統がある、と言っていて、おお、そういえば、「にあんちゃん」「ラドン」も炭坑だったと思い出しました。何度も見られる名画です。2008/9/20


フェルメール展

上野都美術館でフェルメールの展覧会が開かれている。日本初公開の作品も含めて7点が集まった。今回、休館日に特別鑑賞できるという企画があり、参加。待ち時間なしで見ることができたのはとても嬉しかった。青いターバンの女はきていなかったが、どれも光と影の陰影が素晴らしく堪能した。それと前期デルフト派の作品がとても良かった。ぜひご覧下さい。2008/9/17

追記:先日高崎線で親子連れの方が電車の中でフェルメール展のパンフレットを見ていました。鑑賞の帰りだったようです。2008/9/20


教育研究集会08年

今年の全日本教職員組合の教育研究集会は京都で開かれました。地の利もあってか、大きな大会になり、その分、右翼の宣伝も多かった。鳴り物入りでもう風物詩みたいなもんです。瀬山は小学校部会に参加しましたが、数学教育は低学年の方が難しく、角やグラフの読みとりの話などとても難しかった。でも参考になりました。全体会で高校の先生が発表した特殊相対性理論の分かりやすい説明がとても面白かったです。2008/9/15


数学教育協議会2008年全国大会

今年の数教協全国大会は東京の日大文理学部で開かれました。猛暑の中700人の人が集まり熱い大会でした。幾何教育で風船を作る実践が面白かった。幾何と関数の融合と言うべきか。恒例のごとく行き帰りの電車の中ではミステリを読みました。今年はクロフツの名作「クロイドン発12時40分」でも犯罪小説というべきでしょうか。2008/8/11


高名な数学者の自伝

最近、ある著名な数学者の自伝を読んだ。数学の世界で日本が世界に誇るべき業績を残した世界的な数学者である。いろいろな意味でとても興味深かった。共感できる部分も反発を感じる部分もあった。それにしても数学の世界で一流の業績を上げることの大変さを、思った。私自身は三流にもなれなかったへぼ数学愛好家だが、へぼなりの数学とのつき合い方もあるかな、と思っている。2008/7/22


映画「靖国 YASUKUNI」リ・イン監督

国会議員の事前検閲で逆に話題になった映画を観た。靖国刀を通して語られる戦争と8月15日靖国神社を舞台に演じられる**芝居を撮っている。じつは私は一度だけ8月15日の靖国がどんな空間になっているのかを眺めに行ったことがある。そのときの思いが甦ってきた。某議員が大きな宣伝をしてくれて、結構人が入っていた。慶賀に絶えません。2008/7/16


数学史家 村田全先生逝去(84歳)

日本を代表する数学史家、村田全先生が7月6日に榛名で亡くなられました。村田先生が最晩年に入所していられたホームは、私の両親を見送った場所でもあり、最後の数年間、行くたびに村田先生のお部屋にお邪魔し、先生が自ら入れて下さったコーヒーを飲みながら、数学史の個人教授を受けました。まことに至福の時間でした。アルキメデス、ユークリッド、オイラー、ライプニッツ。心残りは先生からゲーデルについてのお話が伺えなかったことです。村田先生、どうも有り難うございました。どうぞ安らかにお休み下さい。合掌。2008/7/10


映画「実録連合赤軍 あさま山荘への道」若松孝二監督

表記の映画を観た。三時間を超える長尺映画だが、結構人が入っていた。1970年、あの時代に同時に生きた者として痛みを感じずに観ることはできなかった。このままでいいはずはない、なんとしても日本を変えたい!という思いが、どこでどう狂ってしまったのか。山荘事件は戦争だった。ただし、一方の国はまだこの世に存在しない国だったのだ。2008/6/9


金沢21世紀美術館

前から訪ねたいと思っていた金沢21世紀美術館に行くことができた。プールのしたから水面をみることができる作品が有名で、水面に揺らぐ人の姿を下から見上げる経験はとても不思議。しかし、同時に開催されていたロン・ミュエック展に圧倒された。プラスチック素材で細部に至るまでリアルに造形された巨大な人体。人の心?なに言ってんだ。人はモノだよ!モノ!という迫力のなかに逆に人間の精神を浮かび上がらせている。08/6/6


河鍋暁齊展 京都国立博物館

京都国立博物館で河鍋暁齊の展覧会を見た。暁齊は「きょうさい」と読む、幕末から明治にかけての画家(浮世絵師)です。以前東京で見たことがあるが、今回の展覧会は圧倒された。奇想の画家暁齊、その幽霊画は鬼気迫るものがあり、見ることができ良かったです。同時に細見美術館で伊藤若沖の絵も見ることができ、こちらも大変に感動しました。2008/5/9


歌舞伎「四谷怪談」

初めて歌舞伎を鑑賞しました。出し物は通し狂言「四谷怪談」民谷伊右衛門に中村吉右衛門、お岩に中村福助という配役です。とても面白かった。髪梳きとか戸板返しなどの仕掛けも、知っていても迫力があります。映画「東海道四谷怪談」(中川信夫)とはまた違った怖さがありました。(新橋演舞場)2008/5/5


高橋靖史レイヤーワーク展 渋川市美術館

不思議な魅力ある展覧会を見た。渋川市美術館で5月18日まで開かれている「高橋靖史レイヤーワーク展」です。高橋は1962年生まれの彫刻家。段ボールを使い輪切りにされた断面を積み重ねた人体が浮揚している不思議な空間は、奇妙な魅力に溢れていた。段ボールの隙間を通して人体の向こうが透けて見える。その不思議な造形、とくにトルソーは驚くほど新鮮できれいな造形でした。2008/4/17


第22回高崎映画祭

春恒例の行事、高崎映画祭が始まった。何本か紹介します。

「ひめゆり」柴田昌平監督
沖縄戦で看護婦として戦場に送られたひめゆりの生存者の証言を集めたドキュメンタリー。涙が出てきた。これが本当の沖縄戦なのだ。ひめゆりの人たちは生き残った自分を見つめ必死に生きてきた。それが沖縄ノート裁判の原告となった、自分はのうのうと生き残った元軍人の、言葉では言い表せないほどの無責任さをあぶり出している。大勢の人に見て貰いたいです。

「バッテリー」滝田洋二郎監督
あさのあつこの原作。気持ちの良い青春映画だった。

「日陽はしずかに発酵し」ソクーロフ監督
セピア色の終末風景をうまく描き出している。最後まで引き込まれてみた。

他に「天然コケッコー」「サッドヴァケイション」「エルミタージュ幻想」など 2008/4/8


大江健三郎「沖縄ノート」判決下る。集団自決に軍の関与認定

それにしても、今回のイージス艦と漁船の衝突事故をみても、軍隊がそこに住む人を守るのではなく、「国」を守る仕掛けだということははっきりしていることではないのでしょうか。これを裁判で争わなければならないということが悲しいです。2008/3/29


祝 ビートたけし、数学会出版賞受賞

2008年春の数学会でビートたけしに数学会出版賞が贈られることになりました。コマ大数学科などの活動が評価されたようです。私は深夜番組はとても見られないのですが、学生から情報はもらい、本やビデオで見ています。数学、面白いでしょ。2008/3/21


謹賀新年 今年の話題

2008年も無事明けました。このところ毎年年賀状はパズルにしていて、今年もはやばやとねずみを使ったパズルをつくりました。ところが母の逝去で年賀状が出せなくなり、お蔵入り。かなり難解な自信作なのでここで公開します。解けた方は御連絡下さい。

           ねずみ×ねずみ=こねずみ×n

nの最大値を求め、こ、ね、ず、み、に当てはまる数を求めて下さい。
実は作ってから日が経ってしまい自分では解けなくなってしまった。そうしたら札幌のIさんから見事な解答が寄せられました。1時間半かかったとか。どうぞ解いてみて下さい。2008/1/8


映画「パンズ・ラビリンス」ギレルモ・デル・トモ監督

久しぶりに高崎シネマテークで表題の映画を見ました。内戦時代のスペインを舞台に、戦争という現実の迷宮とパンの住む幻想世界の迷宮を交差させ、一人の少女の現実と内面を描きます。それにしても、肉体的な痛みを伴った残酷な描写はあまり好きではないが、戦争という悪を描くには避けられなかったのでしょう。結末もハッピーではなく(これには異論もあるでしょう)重たい幻想映画でした。特撮は見事ですが、小さい子供には悪夢だと思います。興味ある方はどうぞ。2007/12/23


詰将棋・パズル作家花沢正純氏逝去

数学者にして第一級の詰将棋・パズル作家だった花沢正純さんが亡くなった。64歳の若い死だった。花沢さんは私の高校・大学を通じての先輩で、学生の頃から詰将棋・パズルをつくっていて、よく学生控え室の黒板に懸賞問題を出していた。景品は大学生協食堂のランチ。私も解いたことがある。ずっと大学で数学研究者をしていた。ばか詰めを第一級の将棋パズルに育てた人だったようだ。慎んでご冥福をお祈りします。2007/12/4


探偵小説作家天城一を悼む

数学者にして探偵小説作家天城一が11月9日88歳で亡くなった。その論理性に満ちた探偵小説は熱狂的なファンを生み出したが、私もその一人です。亡くなる少し前、あるきっかけで天城一が数学者中村正弘だということを知り、雑誌に公開の書簡(ファンレター)を発表した。すると天城一から丁寧な返書をいただき、私家版の書名本などもいただくことができた。日本評論社から3巻本の選集が出ていて、天城一の全貌を知ることができる。論理性に満ちたその小説は色あせないに違いない。中村正弘先生、慎んでご冥福をお祈りします。2007/11/13


あら何ともなきや きのふは過ぎて ふくと汁 芭蕉

また、茸の話。

先日友人のK君に誘われて、配偶者と一緒に茸狩りに参加した。K君の話で軽いトレッキングで茸が拾えるのならと喜び勇んで出かけたのだが、同行のUさん、現地案内人のKさん(女性)と分け入った山は、熊笹をかき分け、路なき斜面をはい上がるという難行。その斜面を案内のKさんは我が庭のごとく歩き回る。あたりは物音一つなく、僅かに獣道には鹿か猪の蹄のあと。すたすた歩くKさんの熊よけの鈴の音だけが頼りでした。それでも生まれて初めて採れた茸はタマゴタケ、ハナイグチ、クリタケ、シロハツ、そして戴いたクロカワ。家に戻りもう一度図鑑と首っ引きで茸汁に舌鼓。そこで一句。

あら何ともなきや きのふは過ぎて 茸汁 素骨 2007/10/8


外国の数学書

先日、昔我が文庫に通っていた近くの女の子が働く女性となって我が家を訪れてくれた。彼女の職業は出版社。今までコンピュータ関係の本を翻訳出版していたらしいが、今度数学の本も翻訳出版するという。その相談で何冊も数学の本を抱えて現れた。彼女は数学科出身で数学は専門家、しかも外国語にも強い。選んできた本にざっと目を通したが、実にセンスが良かった。数学と美術の関係(奇妙な彫刻)やパズルめいた本、素数の本などどれも(語学音痴の私にも読めそうで)大変に興味深かった。目を通した本の中から、一つ問題。

三姉妹とその母がいた。母に三人の年齢を訊ねると、歳の積は36になるという。それだけでは3人の年齢が分からないというと、三人の年齢の和を教えると言ったが、母は「それでも3人の年齢は分かりませんよ」という。ではもう少し何か教えて下さいと言ったら、「一番上の姉は犬が好きです」と教えてくれた。さて、三人の年齢はいくつだろうか?

これ、良いセンスの問題だと思いませんか?最後の情報は重要なのですが。これらの本はそのうち翻訳されるらしい。楽しみに待ちましょう。2007/9/17


続・続・茸の話

同じく校内の話。南門近くのおがくずの山に大型の茸がにょきにょき生えていた。直径は20センチはあろうか。近寄って見ると茸のいい匂いがする。早速一本採って持ち帰り図鑑で調べた。もしかして、あまり知られていない美味の茸か!あった、ありましたよ、図鑑に。名前「コレラ茸」猛毒!うーん、無念じゃ。仕方ないので干物にして記念品となりました。それにしてもうまそうだったが。2007/9/17


続・茸の話

大学の校内で霊芝が採れた!ちょっと格好は悪いが立派な霊芝。場所は・・・・。内緒です。また生えてくるかもしれないので。2007/8/24


映画「夕凪の街桜の国」佐々部清監督

いい映画を見た。原爆を扱った映画。監督の佐々部清は「出口のない海」という特攻隊を扱った映画も撮っている。今回の映画はこうの史代のベストセラーになった漫画の映画化。原作はすでにこの欄でも紹介した。映画も良かった。主人公は敗戦10年後に原爆症で死んでいく。「原爆を落とした人はまた1人殺せたと喜んでくれるんじゃろね」という言葉の重さを実感。大勢の人に見て貰いたいです。原爆がなぜ落とされたのか、日本とアメリカの責任に言及はしていないが、それが返って確固とした戦争反対のメッセージになっている。2007/8/24


展覧会4つ

目黒区立美術館で「線の迷宮U」という鉛筆による細密画の展覧会を見た。鉛筆のもつ表現力に圧倒された、迫力のある展覧会。その後、池田美術で「北川健治個展」を見る。この版画も硬質な叙情に溢れたいい版画だった。さらにシロタ画廊で「柄澤齊個展」こちらは今までの柄澤の版画とは違う彩色木版。そして最後に赤城の中ノ沢美術館で平島鉄也作品展。金属と木の彫刻だが、現実と幻想のあわいのような味わいがあり。とてもいい展覧会だった。この作品展は9月24日まで開かれているので、ぜひご覧下さい。2007/7/22


茸の話

友人に茸とりを趣味としている仙人がいる。しばらく前にアカヤマドリという茸を戴いた。これが茸汁にして食べると出汁がきいて実に美味い。ただし、茸自身はちょっと不気味な感じ。今度ヤマドリタケモドキという巨大な茸を持って現れた。図鑑のコピーを手に丁寧に説明してくれる。しかし、傘の直径が20センチもある茸にはいささかたじろぐ。仙人が食べてみたから大丈夫という。夫婦共倒れになると困るので、その晩は私が食する。美味い!近くの公園で採れたとか。まあ、普通の人は手を出さないだろうなあ。明日は夫婦で食べよう。2007/7/22


南研子さん講演会

「緑の地球環境を守る!アマゾンからの伝言」

日時 2007年6月26日(火)17:00〜19:00
場所 前橋テルサ けやきホール
入場無料

瀬山の大切な友人の南研子さんが前橋で講演をしてくれることになりました。南さんは 単身アマゾンで暮らし、現地の人たちと一緒に熱帯雨林(地球の肺とも言われる大切な、重要な緑です)を守る運動をしている方です。どうぞ多くの皆さんに聞いていただきたいです。2007/5/5


展覧会2つ

近代美術館で「靉光」の展覧会、神田古書店のがらんどうで「木下晋デッサン」を見た。どちらもとてもいい展覧会でした。靉光は「目のある風景」で有名で、日本におけるシュルレアリスムの先駆者と言われているが、会場で見た3点の自画像が圧巻だった。それにしても花の絵は終末風景。1936年という年代を抜きには語れないと思った。木下晋は鉛筆のデッサンだが、ハンセン氏病患者の方の横顔を描いていて、衝撃的な迫力の絵。見ていて言葉もなかった。圧倒されました。2007/4/22


21回高崎映画祭と溝口健二

今年もまた映画祭の季節がやってきた。去年も忙しくて余り見られなかったが、今年はそれに輪を掛けて忙しく、まだ4本しか見ていない。「ゆれる」は緊張感をはらんだいい映画だった。そのかわり映画祭と平行して開かれた溝口健二の映画をまとめてみた。「近松物語」「西鶴一代女」「雨月物語」「祇園の姉妹」「新・平家物語」「赤線地帯」の6本。溝口を見るのは初めてなのである。どれも面白かったが、とくに近松物語、赤線地帯がよかった。時代に復讐するおさん、茂平。赤線もそうだったが、近代的な自意識と時代との関わり合いを描いたある種の社会派映画だ。
さて、今年、後何本見られるかなあ。2007/3/31


ある展覧会の宣伝です。

参加している俳句の同人雑誌「鬣」が県立土屋文明記念館と共催で展覧会を開くことになった。期間は3月9−11日。同人を含む何人かが選んだ近代俳句と句集の展示がメインだが、第2部として、同人たちの遊び心に満ちたお宝の展示が楽しい。パズルあり映画のポスターあり仕掛け本あり稀覯本あり、中には競馬・競艇グッズ、もある。一見の価値あり。ぜひ見にきてください。無料です。キャッチフレーズ「本気で遊ぶ3日間」
場所 県立土屋文明記念館
日時 3月9日(金)ー3月11日(日)2007/3/4


映画2本「犬神家の一族」「硫黄島からの手紙」

新年、2本の映画をみた。一つは市川昆監督リメイクの「犬神家の一族」もう一本は話題のクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」犬神は残念ながら失敗作。もとの映画の方がずっと良かった。今風の顔は昭和22年には合わない。硫黄島は多少の危惧を持って観る。戦争をかっこよく描いていないことは確かで、醜悪な人間も描かれている。ただ、現実の硫黄島はこの何十倍も凄まじかったに違いない。20047/1/11


キャストパズル「ナットケース」

キャストパズルの新作「ナットケース」が発売された。早速買ってかちゃかちゃとやったが、まあ、そう簡単にははずれない。でも開ける原理だけは何とか分かり、内部構造の推測もついた。でも開かない。そうしているうちにゼミ生のN君が例によってニヤッとしながら分解できたナットケースの写真を見せてくれた。うーん、無念じゃ。家に戻りまたかちゃかちゃ。取れました。結局これは・・・・と同じ原理だという我がゼミ生たちの結論。S君、はずれたよ!2006/12/19


映画「紙屋悦子の青春」黒木和雄監督

久しぶりに高崎シネマテークで鑑賞。黒木監督の戦争連作は「明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」そして遺作となった「紙屋悦子の青春」です。戦争のため自分の思いを閉じこめなければならなかった男と女、それをしりつつ、その思いを引き受けた男。胸に迫るいい映画でした。ぜひご鑑賞下さい。この映画の時代が、教育基本法改悪強行とダブって見えます。2006/12/15


映画「ここに泉あり」今井正監督

同僚のMさんに借りてみました。いい映画でした。群馬交響楽団については当然昔から知っていたし、この映画も知ってはいたのですが、鑑賞したのは初めて。でてくる少年少女が高崎時代の私とダブって、胸に迫るものがありました。おすすめ。2006/12/15


GONINTEN'06

赤城中ノ沢美術館で表記の展覧会を見た。五人展です。染織(生田千鶴)ガラス(木村明)漆(窪田直弘)縮緬人形(下村咲子)陶磁(吉川千香子)です。きれいでした。ガラスの透明感、磁器の白さが印象的。10月29日まで(火曜休館)2006/10/15


映画「エノケンのとびすけ冒険旅行」 中川信夫監督

またまた、面白い映画。これも同僚のMさんから借りたもの。エノケンを今の人は知らないのかも知れないが、一世を風靡したコメディアンである。この映画、ともかくセットがいい。何とも前衛的な舞台装置の中、エノケンが動き回る。仕草は全くルーチンなのだが、奇妙に面白い。マタンゴの先祖がでてきたり、インディジョーンズばりの洞窟冒険があったり。見てよかった。Mさんに感謝。監督は中川信夫なのだ!2006/9/29


映画「憲兵とバラバラ死美人」 並木鏡太郎監督

表記の映画をMさんから借りた。自宅に伺ったのだが、楽器の凄さもさることながら、持っているDVD、LDが見たくても見られなかったものばかり。宝の山を見つけた!ということで、とにかく未見のものは順に借りよう。というわけで手始めにこの映画を借りた。新東宝特有のセンセーショナルな題で、中学生の時町で看板を見て、見たくてしょうがなく、しかし自己規制が働き見られなかった映画。これがなかなかの傑作。主役の憲兵の描き方がかっこよすぎるが、飯をくうシーンは笑えた。怪談だと思っていたのだが、そうではない。監督についてはほとんど知らない。Mさん、貴重な映画を有り難うございました。2006/9/20


数独にはまる!

数独というパズルが世界を席巻しているらしい。以前から知ってはいたのだが、熱中してやることはなかった。ところが、8月末から9月、ものに憑かれたように数独狂い。どうやら中級の域に達した。思い切って一番難しいのに挑戦。全く歯が立ちませんでした。しかし、この面白さ、幾何の補助線に似てます。ところで、配偶者が問題を1つ作った。これが初級の上程度の問題で結構面白かった。こんなことしてると時間が足りないなあ。 2006/9/7


証明とはなんだろう

この夏(2006)も東京の明星学園の合宿研究会に参加することができました。今年のテーマは「証明」。討議の中で、代数的な証明について、ある生徒が「証明は分かった、でもどうして成り立つの?」という衝撃的?な発言をしたことが紹介されました。証明は分かるけど、どうしてだか分からない。中学校の証明教育がはらんでいる問題点が凝縮されているような気がしました。これにどう答えるか。しばらく考えてみたいです。2006/8/23


映画「かもめ食堂」荻上直子監督

フィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」を経営する女性とそこに転がり込んだ二人の女性をめぐるお話。何も起きない。しかし不思議に暖かくおいしい。メインメニューはおにぎりなのです。自由に生きるとはどういうことかが伝わってくるとてもいい映画でした。高崎シネマテークで上映中。一緒に高崎市立美術館で「トリックアート展」を見ました。タイガー立石の絵にまた巡り会いました。虚数の楕円が秀逸です。2006/8/9


版画家柄澤斎回顧展 栃木県立美術館

木口木版画家柄澤斎の展覧会「宙空の輪舞」が栃木県立美術館で開かれている。超絶的な技巧で彫り込まれた宇宙に魅せられて、ずっと以前から柄澤版画を鑑賞しているが、そのモノトーンの世界を一望にできる大きな展覧会です。その魅力を一言で言い表すことは難しいが、肖像画シリーズやオブジェを見ていると、柄澤の本と活字に対するこだわりというか、刷るという行為の不思議な錬金術への偏愛が感じられて、そこに惹かれるのです。9月3日まで。その後鎌倉近代美術館でも開かれます。2006/7/30


作家北森鴻

1人の作家の本をこんなに短期間に何冊も読んだのは初めてかも知れない。4月頃、参加している読書会の大学図書館司書のAさんに紹介されて読み始めて7月終わりまでに9冊。最初読んだ鮎川賞受賞作は文章がやや生硬だったが、その後は文章のリズムもよく旗師冬狐堂も面白かったし、連丈も香菜里屋も面白かった。北森鴻自身がきっと料理好きなのだろう。それにしても、こんなビアバーに行ってみたいものだ。2006/7/26


伊藤若沖ルービックキューブ

国立博物館で伊藤若沖と江戸絵画展をやっている。友人が鑑賞に行きそこで販売されている若沖の絵のルービックキューブを買ってきて、見せてくれた。ところが、これが難しい。色を合わせるだけなら中心が回転していることは関係ないが、絵を合わせるとなると中心の回転が問題になってしまう。四苦八苦してあわせたと思ったら中心がずれている!しかも若沖の絵だからそもそも分かり難い。とんでもないものを買ってきたもんだと思ったらどうしてもほしくなり、配偶者が東京に行き展覧会を見てキューブを買ってきました。もったいないから崩さず鑑賞しております。2006/7/22


映画「花よりもなほ」是枝裕和監督

高崎シネマテークで表記の映画を見た。是枝監督は前作「誰もしらない」がとにかく話題になったが、私は今回の映画が好きです。前作は監督自身がメッセージを盛り込まずにと語っていたが、今回、会場での若い人の意見に関わらず、私自身はこれをはっきりとした反戦映画のメッセージとして受け取った。「仇討ちだけが親孝行ではないぞ」という石橋蓮司のセリフは重さがある。監督は軽いノリで撮ったと言っていた。映画の作りはそうかも知れないが、メッセージは重たい。私はすべての憲法改正論者にこの映画を見てもらいたいと思います。2006/7/16


あるベストセラー

「他人を見下す若者たち」という本を読んだ。書店で見かけて少し気になっていて、最近買ったのだが、先日新聞で本書が27万部のベストセラーになっていることを知った。表紙の腰巻きが特大で「自分以外はバカ」の時代!とあり、漫画が載っている。
「オレはやるぜ・・・・」
「何を?」
「何かを」
という科白で、これは面白いのだけどひどく冷たい視線を感じた。それに、じつは「べつにー」という科白のほうが当てはまりそう。それにしても本書を読む人は自分以外はバカと思っているのだろうか。そういえば、バカの壁という本もあったなあ。2006/6/25


映画「ヨコハマメリー」中村高寛監督

友人と高崎シネマティークで表記の映画を見ました。いい映画でした。人が生きることの哀しさがせつせつと伝わってきました。横浜に顔を白塗りにした街娼がいました。老女です。それがメリーさんです。50年間、街角に立ち続けた女をめぐるドキュメンタリー。彼女の内面に踏み込まないことで逆に観客に自分自身の内面に踏み込むことを要求する不思議な映画でした。どうぞ御覧ください。2006/6/18


数学者弥永昌吉先生逝去(100歳)

2006年6月1日、数学者の弥永昌吉先生が100歳で逝去なさいました。謹んでご冥福をお祈りいたします。もちろん、ぼくは直接教えていただいたことはありません。ただ一度、ある集会で隣に座ったことがあり、お声を聞いたことがあります。また、晩年のある時期、群馬の施設に身を寄せられ、その施設にぼくの母が入っていることもあって、親近感のある大数学者でした。数学者の反戦運動に積極的に参加された偉大な方でした。心からご冥福をお祈りいたします。2006/6/6


不可能物体

最近、ある読者からメールを頂き、もう一度不可能物体への興味が涌きました。
ついに完成した不可能組み込み。じっくりご覧下さい。2006/5/1


新井英一「清河への道」

ブルースシンガー新井英一が父の故郷清河でやったライブのDVDを仲間と観ました。 彼の父の国の言葉で、故郷で歌った「清河への道」観ていて涙が止まりませんでした。今度、前橋と桐生で新井英一のライブがあります。大勢の人とこの感動を共にしたいです。2006/4/28


第20回高崎映画祭

恒例の高崎映画祭は第20回を迎えました。今年は多忙で結局10本の映画しか見ることができませんでしたが、いい映画がありました。

「メゾン・ド・ヒミコ」犬童一心監督
ゲイの人たち専門の老人ホームを舞台にした不思議に暖かい映画。主役は花咲コウ、オダギリジョーですが、なんと言っても舞踏家田中民(本当はさんずいがつく)の圧倒的な存在感にうたれました。ローズさん、山崎さんもとてもいい。犬童監督はいい仕事をしたと思います。

「二人日和」野村恵一監督
老夫婦とそこに現れた自転車に乗った天使の話。夫婦の情愛をしっとりと描いて出色の映画。栗塚旭が病身の老妻を思う寡黙な男を見事に演じていました。いろいろなことを考えさせてくれる映画です。

「LOFT」黒沢清監督
ホラー映画ですが、実は会場で映画以上に怖いことがありました。ここでは書けません。映画を見た方はおわかりか。

今年は大作「輝ける青春」(上映時間6時間!)が見られなかったのが心残りでした。 2006/4/11


映画「博士の愛した数式」小泉堯史監督

話題の映画。数学の持つ透明な美しさを人の心の問題とだぶらせて、きれいな映画になっています。数学者とはエキセントリックな人種だという「偏見」が助長されるかなあ、とも思ったのですが、博士の全く私心を欠いた純粋さが心を捉える。それが数学とうまく調和しています。成長したルート(博士と心を通わせる少年のあだ名)が中学で数学教師になる。その授業がなかなか面白い。数学科の学生の皆さん、是非見て下さい。2006/1/26


映画「男たちの大和」佐藤純弥監督

また映画。少しの危惧を持ってこの映画を見ました。戦争をかっこよく描いて、国のために命を捨てることを美化するのではないかと。そんなことはありませんでした。見事な反戦映画になっています。若者たちを無謀な死に追いやったものへの怒りと、そのために命を捨てなければならなかった人たちへの哀しみと追悼。大和3000人の死は犬死にでした。それを犬死にしないのは、まことにアイロニカルなことですが、生き残ったものたちが彼らの死を犬死だとみとめることしかない。戦後60年、敗戦の時に生まれた僕たちが還暦を迎え、いま彼らの死を代償にして手に入れた憲法が瀕死の状態にあります。戦争を知らない若い人たちに見てもらいたいです。それにしても、最後に流れる歌はまったくの蛇足でした。 2005/12/26


映画「ALWAYS 三丁目の夕日」山崎貴監督

いろいろな話題と言いながら、映画ばかりになってしまった。今回は「ALWAYS 三丁目の夕日」です。昭和30年代、東京タワー建設途中の東京を舞台にした人情物語。原作は西岸良平の漫画です。青森から集団就職した中学生が鈴木オートに就職、それに万年文学青年茶川竜之介がからむ。原作では就職する中学生は男の子ですが、映画では女の子になっています。それと、鈴木オートの主人はもっとお人好し風だったけど。初めて東京タワーに登った日を思い出しました。2005/12/19


映画「いつか読書する日」緒方明監督

いい映画を見た。「いつか読書する日」緒方監督は「独立少年合唱団」という映画でデビューした新進の監督。過去の日を引きずり50歳になるまでの恋心を封じ込めて生きてきた男女の想いを、坂の多い町を舞台に鮮やかに描き出している。主演の田中裕子、岸部一徳の感情を抑えた演技が素晴らしい。ただ、最後に男が・・・、いやこれを言ってしまうとこれから見る人に叱られそう。ぜひご覧下さい。高崎シネマテークで上映中。2005/11/29


映画「コープスブライド」ティム・バートン監督

才人ティム・バートンのパペットアニメの傑作。前作「ナイトメアビフォアクリスマス」も傑作だったが、個人的には今回の作品の方が好きです。とにかく人形達の表情がよく主人公の人形が何となく芥川流「悩める青年」になっているのがいい。現実のブライドもコープスブライドもとても魅力的で、涙もろくなっている初老の男は、映画館の暗闇で涙を流したのでした。それにしても、コープスブライドは「死んだ花嫁」ではなく「死体の花嫁」えらく即物的です。しかし、傑作。見る部死。もとい、見るべし。2005/11/9


映画2つ

「こうのとりたちずさんで」テオ・アンゲロプロス監督

ギリシア現代劇。人が人為的に引いてしまった国境とはなんなのか、そのために人は場所に縛られるのか。失踪した政治家を巡る迷宮のなかの彷徨。映像美が目を見張ります。国境で片足を挙げてたちずさむ、こうのとり。

「ヒトラー最後の12日間」 オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督

ヨアヒム・フェストのドキュメンタリーの映画化。本も凄かったが、映像も凄い。ベルリン陥落の直前のナチス地下要塞での人間劇。地上では大勢の市民、老人、子どもたちが死んでいく。地下では戦争を引き起こした人間が毒をあおり拳銃で頭を撃ち抜いて死んでいく。地上は飢餓と死の極限状況。地下は酒肉と絶望の極限状況。しかし、両者は決定的に違う。何もない絶望と有りあまる絶望。肉体と観念。軍隊は市民を守らない。ゲッベルスの狂気に満ちた目つきが凄い。2005/10/28


展覧会2つ

キアロスクーロ ルネサンスとバロックの多色木版画 国立西洋美術館

ヨーロッパの古典木版画の展覧会。キアロスクーロとは陰影を出す多色木版画の技巧のことだそうです。彫るという技術だけで画面に陰影をだし、遠近法とは違った手法で奥行きを表現する。たしかに素朴な版画ですが、見応えがありました。パルミジャニーノが版画の原作を提供していたことを知りました。12月11日まで

チャールズ&レイ・イームズ展ー創造の遺産ー目黒区立美術館

イームズは現代的な家具、特に椅子のデザインで有名ですが、ぼくはずっと前に映画「パワーズオブテン」でイームズを知りました。晩年は映画の制作にも意欲を持っていたようです。この展覧会は彼の椅子から映画、そして多くのアイデアスケッチやコレクションまでを展示した展覧会です。イームズ夫妻がすごしたイームズハウスの模型もあります。時代とともに生きたイームズの原点が分かります。デザイン、実験映画、家具などに興味のある方はぜひご覧下さい。最後に、巨大なメビウスの輪が出てきます。イームズ、きっと数学にも興味を持っていたのでしょうね。12月11日まで 2005/10/11

追記:パワーズオブテンは10の累乗を扱った科学映画ですが、これをキューブリック監督も撮ろうとしていたという話を学芸員のFさんから伺いました。キューブリックが取っていたらどんな映画になったでしょうか。最近「シャイニング」を見なおしたばかりなので、とても気になりました。


映画「エレニの旅」テオ・アンゲロプロス監督

重厚な叙事詩でしられるアンゲロプロス監督の新作。赤軍ロシアに追われギリシャに戻った民が戦争、内戦に翻弄される姿を、澄みきった映像美で描き出した傑作。集団が黙々と近づいてくるトップシーンから始まり、愛するものすべてを失ったエレニが河のなかの息子の遺体にすがり号泣するラストシーンまで、ゆるむことがない。夫はアメリカに渡り、いい地位を得るために、音楽への情熱を振り捨てて沖縄戦に参加せざるを得ない。見終わって、・・・・、とにかく重い映画でした。しかし、集団を描くその迫力に圧倒されました。どうぞ、ご覧下さい。2005/10/3


三徳山三仏寺の投入堂

夏休み、休暇を取って島根の三仏寺を訪ねました。目的は国宝の投入堂を見ることです。険しい岩山の絶壁に、本当にどうやって建立したのか信じられないようなお堂。言い伝えによれば、行者役小角が法力によって投げ入れたものです。道なき道を木の根をよじ登り、岩を這って小一時間、最後の角を曲がった瞬間に目に飛び込んできた投入堂。思わず手を合わせてしばし呆然としていました。天候に恵まれて無事参観できたことを喜んでいます。2005/9/20

わあ、三徳山は島根ではなく鳥取でした。ご指摘下さったKさん、どうも有り難うございました。いいわけ:北関東の住人は中国地方のロケーションがどうも不慣れなのです。 申し訳ありません 2005/10/8



数学教育協議会第53回全国大会

表記の大会が広島で開かれました。(8/8-10)広島は暑かった。被爆60年目の今年広島で大会が開かれるのは大変に意義あることでした。僕は中・高の図形教育の分科会でささやかなレポートをしました。証明の意義を巡っていろいろな議論があり、覚えればいいのでは、という意見もありました。岩手の伊藤さんの、高校の図形=初等幾何+三角比、という提案はかつて高校生だった私の受けた図形教育を進化発展させたものと考えることができ、大変に具体的で示唆に富む提案だったと思います。詳しい報告は数学教育協議会のホームページをご覧下さい。 2005/8/11


映画「サスペリア」ダリオ・アルジェント

この映画は3回見た。今度DVDで買ってしまった。最初に見たとき、その流される血にいささかぎょっとして、2度は見ないと思ったのだが、結局ビデオで2回みて、今度はDVD。カリガリ博士の血の量を増やすとこの映画になる。建物や照明がすべて人工的なのがいい。冒頭の不安感をかき立てる音楽とジェシカ・ハーパーの怯えているのだが正体が分からない表情がいい。「第三の男」のアニタ・ヴァリが出ていることに気がついた。 たしかに、スプラッタ映画なのだけど、どこか違う。たぶんアルジェントの美意識というのだろう。ただし、感じやすい人には向いていません。05/7/26


乱歩と数学

江戸川乱歩は不思議な作家である。一般には探偵・怪奇幻想小説の作家として通っているが、その資質の中に奇妙に合理的な理性的な部分を隠し持ったアンビバレンツな作家で、そのあたりが私には大変に関心がある。そもそも、探偵小説とは何かを定義しようとしたり、トリックや怪談を分類整理しようという性格は数学好きに通じる。少し前、電通報という新聞に雑文を発表したとき、そのあたりに少しふれた。今度、どうしても読み返したくなって「魔術師」という通俗長編を読み返した。なかに魔術師の犯罪を「高等数学」にたとえた箇所があった。魔術師そのものはずいぶんと猟奇的、嗜虐的な小説(ある殺人場面に辟易とする人もいるだろう)だが、乱歩がその犯罪を高等数学にたとえたことに、私などとても共感してしまうのです。2005/7/11


映画「宇宙戦争」スピルバーグ監督

ウェルズの宇宙戦争の2度目(3度目?)の映画化。宇宙戦争は以前オーソン・ウェルズが放送劇化し、その手法が臨時ニュースという禁じ手を使ったので、パニックを起こしたことで有名。以前、バイロン・ハスキン監督がジョージ・パルという特撮監督を得て映像化した最初の映画はSF映画の古典的な傑作だった。たぶんエーメリッヒ監督の「インディペンデンスデイ」も宇宙戦争を下敷きにしている。今回は円盤ではなく、原作通り、三本足の機械(トライポッド)が地球を侵略する。特撮技術は格段に発達し、トライポッドの描写はすごい。これはSFというより、映画評にもあったように、9.11テロの余波を受けた終末感ただよう恐怖映画になった。その分、派手な戦争映画を期待すると当てはずれ。それにしても、スピルバーグは「未知との遭遇」「E.T」から「宇宙戦争」へと変わっていった。どうしても、誰もがテロやイラク戦争を想起するでしょう。2005/7/8


東海地区数学教育協議会研究集会

表記の集会が6月11日12日に伊豆長岡で開かれ、参加しました。圧巻は夜の交流会。日本知恵の輪協会会長の山本徹さんを講師にお招きして、知恵の輪の話を聞いたのですが、実物の知恵の輪がじつに楽しく、後半は皆、目の色を変えて知恵の輪解きに熱中しました。難しいのから易しいのまで2時間はアッという間。それにしても、山本さんが鉄工所をひらいているということからも分かるとおり、細工はプロで目新しい知恵の輪にもたくさんお目にかかりました。とても楽しい時間がもて、主宰の東海地区数学教育協議会の皆様に感謝いたします。なお、日本知恵の輪協会のホームページにもいろいろな話題があります。ぜひご覧下さい。2005/6/13


続 パズル シンメトリックス 

昨年度(2004年)から、研究室の前の黒板にパズルっぽい数学の問題を出し始めた。一応懸賞問題として、正解者数名にささやかな賞品を出している。解答期間は数ヶ月。最初に出題した角度を求める問題は正解者5名。これは最初工学部の学生さんが余弦定理を駆使して計算で求めてきた。自分が考えていた正解とは全く違っていて、力業とはいえ、それなりに面白かった。数学科の学生さんが補助線を見つけだしたのは、さすが数学科と思った。次の作図問題(マスケロニの作図)「定規を使わずにコンパスのみで線分の中点を見つけよ」これは講義の中でふれて正解を示さなかった問題。ところが、正解者0。おそらく高校での初等幾何学の衰退に関係しているのだろう。あと、図形の分割問題。これは純粋にパズルの問題だが、全く畑違いの国語科の女子学生が嬉しそうに正解を持ってきたときは、出した甲斐があったかなと嬉しかった。そして、本年度最初の問題がシンメトリックス。思ったよりずっと難しかった。正解者は数学科の学生のみ。しかもうち二人はパズルマニアといっていい学生さん。こうしてみると、図形に対する感覚がやはり落ちているような気がする。たまたま、今年の教育実習で中学校1年生の線対称の授業を見た。教生は一生懸命教えていて共感がもてたが、教える側にももう少し図形に対する感覚がほしい気がした。さて、次回の問題を検討中。今度は論理の問題にしようかと思います。 2005/6/10


モノクロ映画の魅力

最近立て続けにモノクロ映画の傑作と再会した。
「心中天網島」篠田正浩監督
「砂の女」 勅使河原宏監督
どちらも1960年代にとられた傑作映画。当時の前衛的な手法はいま見てもとても新鮮で面白い。光と影の織りなす美しさは何回も見ている僕にも目を見張らせるものがありました。2005/05/09


パズル シンメトリックス

表題のパズルを東京で入手。長野県の北沢忠雄氏の創作である。4つのピースを使う。
どれか2つを使って左右対称形を作れ
どれか3つを使って左右対称形を作れ
全部を使って左右対称形を作れ
というシンプルな問題なのだが、最初安易に取り組んだら、これができない。すべてを完成するのに正味数時間かかった。傑作です。どんなピースかは著作権の問題があるのでここには書きません。東京秋葉原のコスモ物産で販売しています。2005/05/09


話題の数学解説書

つい最近出版された話題の新書版数学解説書を読んだ。有名な数学者と文学者の対話で話が進む。文学者は数学者を主人公にした小説を書いてベストセラーになった方です。話はなめらかで面白いのだが、数学が役に立たないことを強調する論調が気になった。たしかに数学研究をしている人は直接の有用性など気にしないだろうし、ずっと後で役に立つこともあるのだろう。しかし、以前評論家の佐藤忠男が指摘していたことだが、数学だけが役に立たないことに開き直れるのはどうしてなのか。数学が世に認知されることに数学者は必死の努力を払ってきたのか。その開き直りはいまの社会の受験体制におんぶする事で成り立っているのではないか、という自己批判の視点がないのが気になった。


キャストパズル ラディックスその2

ラディックス、何とか出し入れ自由になりました。ある介護施設の職員の方で、知恵の輪大好き人間がおります。早速そこへ、「難解な知恵の輪」ということで持っていきました。これは難しいですよ、といってSさんに渡したところ、なっなんと、1時間もたたないうちに、彼はにこにこして「はずれました!」参った。時たたずして同僚のTさんもはずれましたといって返してくれた。なんだ、なんだ、できないのは俺ばかりか、と少し落ち込んだ一日でありました。うーん、修行が足らないのだ。2005/05/03


キャストパズル ラディックス

新しいキャストパズル「ラディックス」が発売になった。上京したおり、パズル専門店トリトへいったが、すでに売り切れ。ところが、トポロジーの講義の時間、N君が取り出したのがラディックス。すでにはずれたという。早速借りてかちゃかちゃ、とっとれない!実質5時間くらい挑戦したが、はずれない。なんかはずれないのではという気分になってきた。一週間後ともかくN君に返す。ところが、どうも仲間のN2君、S君、皆解けたらしくにやにやしている。無念じゃ。26日上京し今度は秋葉原のコスモ物産で購入。難易度4というのは間違い。ほんとは最高難度じゃないか。
そして帰宅の新幹線の中、すぐに取り出し、かちゃかちゃ。隣の席のおっさんが横目でちらちら。もう、恥も外聞もないのだ!
おお〜。新幹線が熊谷を過ぎたところで、ついにはずれた!もったいなくて元に戻せない。2005/04/27


映画「パッチギ」井筒正幸監督

表題の映画を見ました。(高崎シネマテーク)傑作です。1960年代終わりの京都を舞台に、府立高校と朝鮮高校との生徒たちの愛憎、葛藤をビビッドに描いています。府立高校の生徒が朝鮮高校の女生徒に恋をする。ところが、その女生徒の兄が朝鮮高校の名うての番長。日本の高校生のグループと対立抗争を繰り返している。高校生はめげずに女生徒に思いを告げる。あのころはやった「イムジン河」のメロディーにのせて、暴力と恋が繰り広げられる。イムジン河は実は放送禁止になった歌でした。60年代を描きながら、現在の日本と朝鮮半島の関係を描きじつに鮮やか。暴力シーンは迫力があります。一人の朝鮮高校生の死を巡り、在日の長老が腹の底から絞り出すセリフに涙を流しました。笑えるエピソードも多く、多くの人に見てもらい、いまの日本の状況を考えてもらいたい映画の1つです。見終わって在日の友人と話をしました。彼の思いが少しは分かったような記がしました。2005/4/22


アニメ「雲のかなた、約束の場所」新海誠監督

評判の高かったらしい新海監督のアニメ映画を見た。第2次大戦の結果、日本は津軽海峡で南北に分断され、本州側はアメリカに、北海道側はユニオンに占領されている。面白いというと語弊があるが、巧みな設定である。期待を持ってみたのだが、残念ながら、期待したほどロジカルでなく、分断国家という極限の状況設定があまり生きていたとは思えなかった。ノスタルジーを誘う絵がとてもよかっただけに、甘さだけが残ったような感覚です。興味ある方はご覧下さい。2005/04/15


ある数学書

アーベルについての数学書を読んだ。5次方程式がどうして解の公式を持たないのか、は多くの数学少女、少年が一度は知りたいと思う謎の1つでしょう。数学的にきちんと理解するのはたしかに難しい。それでもなぜかを知りたいと思う。その本はこの疑問に答える本として書かれたのだと思います。しかし、残念なことに意欲的な本ではあるのですが、初学者には向いていないと思いました。結局ガロア理論をきちんと学ぶ他ないのかな、と思いつつ、数学少年少女の疑問になんとか答える本が読みたいという思いが募ります。2005/04/11


映画「トニー滝谷」市川準監督

今年の高崎映画祭は4月10日に終わりました。今年は週末が忙しくて、あまり鑑賞する事ができませんでしたが、とてもいい映画に出会いました。表題の映画がそれです。村上春樹の短編小説を市川準監督が撮った映画で、主演はイッセー尾形と宮沢りえです。ある男と女の出会いと別れを不思議に情緒あふれる感覚で撮っています。見終わった後、胸がキュンとなり、お互いに決して分かりあえないにも関わらず寄りかかって生きていかなければならない二人のことを自分の中で暖めていました。2005/04/11


映画「ベルヴィル・ランデブー」シルヴァン・ショメ監督

フランスアニメの傑作。高崎シネマテークでロードショウをしています。大変な傑作。ともかくデフォルメされた表現がよく、登場する機械(蒸気機関車 船 自動車 そして自転車)たちへの何とも言えないオマージュがよく、それでいて生きていく人へのそこはかとない愛情がいい。マフィアに誘拐されたツールドフランスの選手シャンピオンを探すおばあさんが荒海を貸しボート屋の20分1フランの足こぎボートで乗り切る!そして着いたベルヴィルで巡り会う不思議な三人の老婆。この老婆(ベルヴィルトリプレット)がマクベスの三人の魔女。こういうアニメが見たかった。音楽がまたいいです。セリフがほとんどないのにストーリーがよく分かる。マフィアの手先がいいんですねえ。どうぞお見逃しなく。2005/3/7


展覧会「刻む人」

表記展覧会が高崎市美術館で開かれています。(4月3日まで)富田文隆・平出豊・三谷慎の三人展です。それぞれ異なった表現者の彫刻は見応えがありました。私はたまたま彫刻家三谷さんにお目にかかったことがあり、その静謐な魅力のあるブロンズに心引かれるものがありました。三谷さんは赤城山中で中ノ沢美術館を主宰している方で、美術館では音楽のコンサートなども開かれます。作品中、ノスタルジアと題されたうずくまる裸婦像は不思議な時間と空間を切り取っていて、心に沁みるものがありました。2005/3/3


映画「火火」高橋伴明監督

陶芸作家神山清子とその息子賢一を描いた力作映画。賢一さんは白血病で短い命を終えた方です。主演の田中裕子が素晴らしい。自然釉に自分の陶芸の命をかける生き様と息子への愛情のすべてを表現し尽くしている。それにしても、きっと大変な迫力と強靱な心を持って生きてきた人なのだろうなあ、と思いました。2005/2/19


映画「放射能X」ゴードン・ダクラス監督

もちろんDVDということですが、表記の映画に再会しました。1954年の(僕は8歳!小学校2年)作品ですが、いま見ても少しも古びない傑作。もっとも僕は劇場では見ていない。ただ、看板やスチール写真をみて通学した記憶があります。出だしの記憶喪失の少女との出会いから、不安感をかき立てる音楽まで、何が起こったのかが分からない不安をドキュメンタリータッチで見事に描いています。ゴジラとの違いはリアリズムということでしょうか。未見の若い人には絶対のお勧めの古典傑作。2005/2/15


映画「ハウルの動く城」宮崎駿監督

遅まきながら、ハウル見てきました。歩いていく城のメカニズムや、宮崎好みの飛行機械の描写は相変わらず見事です。しかし、どうも全体の印象が散漫だったなあ。戦争による大悲劇を目の当たりにしながら、世界全体を包み込んでいる平常な空気は何なのだろうか。全体の構想がよく理解できずに、フィナーレが来てしまいました。2005/2/4


映画「誰もしらない」是枝裕和監督

主演の柳楽優弥がカンヌで、史上最年少日本人初の主演男優賞をとり、2004年度キネ旬のベストワンに輝いた映画。期待して見に行きました。(高崎シネマテーク)うーん、父親と別れ、母親に捨てられた(この言い方は正しくないのかなあ、母親に出て行かれた、か)父親の違う4人の子どもたちがそれでも必死に(という言い方も正しくないか、ごく自然にかなあ)生きていく様子をほとんど判断停止の視点から描いている。子どもたちの自然体の演技はすばらしいし、生きていくことへの不思議なまなざしがある。しかし、私は監督の視点にいささかの疑問をもった。監督は意識して母親を悪者には仕立てたくないと考えた。しかし、こういう映画を撮る以上、中立はあり得ないという気がする。成熟した人間の責任を引き受けることができないものへの厳しい眼差しがないと、映画がよくできているだけに奇妙な免罪符を発行したような気になったのもたしかです。自分の中でもう少し考えたい。2005/1/30


野又穫展覧会「カンヴァスに立つ建築」

東京オペラシティギャラリーで表題の展覧会を見てきました。野又穣の展覧会は以前にも見たことがあり、その幻想建築に魅せられました。以前は建築途中とも、解体進行中とも見えた建築ですが、今度は建築が風化していく。寂しさというか、寂寥感というか、ふっと、詩人立原道造が「建築は廃墟になってからのことも考えてつくられるべきだ」といったことを思い出しました。とにかく印象深い展覧会でした。時間が早かったせいか、ほとんど配偶者と2人だけだったのが不思議でした。2004年12月26日までです。2004/12/22


映画「怪談呪いの霊魂」ロジャー・コーマン監督

結局買ってしまった。ロジャー・コーマンの「怪談呪いの霊魂」何とも不可思議な傑作。途中薄気味悪い、はっきり言って後味のよくないシーンがでてくる。アメリカの怪談作家ラヴクラフトの原作を映画化したものだが、すくなくとも「ダンウィッチの怪」よりは出来がいいと思う。それにしても、マイナーだなあ。2004/12/14


映画「隠し剣鬼の爪」山田洋次監督

話題作「隠し剣鬼の爪」鑑賞。なるほど、前作「たそがれ清兵衛」と筋立てはほとんど変わらない。主演の永瀬正敏が若い分、陰影が薄くなり、その変わり、活劇的な面白さ(仕掛け人ですねえ)が加わった。仕掛け人緒方拳が仕掛けられるのが面白い趣向で、最後の最後に鬼の爪の意味が分かるのはミステリ的な興味もある。松たか子が健康的すぎるという感想もありましたが、見て損はしません。永瀬はかっこいいです。2004/12/13

ほぼ時を同じくして、「ゴジラ ファイナルウォー」を見ました。ゴジラを見続けてきた者の務め。結局ゴジラは死ななかった。最終映画に最終なしだそうですが、とにかく、さよなら、ゴジラ!2004/12/13


映画「珈琲時光」ホウ・シャオシェン監督

高崎に小さいけれど素敵な映画上映施設「高崎シネマテーク」ができた。かわきりの映画「珈琲時光」を見た。21世紀の東京物語となっているが、台湾の監督ホウ・シャオシェンが日本で撮った映画。群馬の田舎町がちょっとでてくる。フリーターらしい女性の日常を淡々と描き、(その女性は妊娠していることを育ての母に告げるという事件はあるが)何事も起きない。それでいて何ともいえない情感があるとてもいい映画でした。鑑賞している最中に、あっ、ここで終わるのだろうなあと思い、そのとおり、そこで突然映画が終わった。ふっと、周りを見渡したくなる映画でした。2004/12/7


リーマン予想も解決か!?

ぶらぶらとネットサーフィンしていたら、リーマン予想解決か!という衝撃的なニュースに出会った。証明できたと言っているのはビーベルバッハ予想を解決した数学者らしい。少なくともただのがせネタではなさそうです。本当だとしたら、フェルマー、ポアンカレ、に続く大ニュース。数学界は潮目に来ているのだろうか。それにしても、クレイリサーチはここへ来て200万ドルの出費となるのかなあ。2004/11/11


仏作家フランソワーズ・サガン逝去69歳

ホームページ冒頭で掲げた「ブラームスはお好き?」の作家フランソワーズ・サガンが24日69歳で死去した。まだ69歳の若さ!もっとも18歳で作家デビューした天才だから、私と10歳しか違わないのだ。波乱の生涯だったらしい。ご冥福をお祈りします。合掌。2004/09/29


ポアンカレ予想解決!!!

ついに解けた!(らしい)詳しくは数学談話室をご覧下さい。とても興奮しています。 2004/09/09


驚愕ミステリ

この夏も何冊かミステリを読んだが、すごいのがあった。某有名ミステリ作家の短編を読んでいて、あっとのけぞる。

「世の中には自分と瓜二つの人間が一人はいるものだ」

おいおい、これでアリバイを主張されたらどうしようもない、と思ったが、じつはこの作家の某長編にもすごいのがある。監獄に入っている人間が犯人なのだが、

「なに、田舎の監獄にはよく抜け穴があるものなのだ」!!!

私はこの作家も、この作品も大好きです!2004/09/09


信州大学集中講義

Sさんに続き私瀬山も信州大学に呼んで頂き、集中講義をしてきました。4日にわたり延べ30時間の講義は思ったよりきつく、還暦目前の瀬山は2日目の午後には椅子に座って話をする有様でした。それでも、大学院生、研究生、韓国とガーナからの留学生の方が熱心に聴講して下さり、とても有意義でした。

「それで、肝心の講義の内容は?」
「まあ、Sさんと似たり寄ったりです。それよりもね」
「それよりなんだい?」
「立派なゲストハウスに泊まったんだけど宿泊者は僕一人、よりによって、持っていった本が「怪奇礼賛」という怪談の本。夜中にベッドの中で読んでいたらハウスのかすかな物音まで気になる。怖かったです。堪能してしまった」
「何しに信州まで行ったんだ!」2004/09/05


夏休み映画特集

この夏は珍しく忙しかったが、合間をぬって映画(ただしDVDも多い)を見ました。

父と暮らせば
原爆で死んだ父の幽霊と暮らす娘。自分だけが生き残ってしまったことに罪悪感を感じている。父は自分の分も生きろと娘を励まし、そして消えていく。「おとったん、有り難うありました」の言葉が重たい。黒木監督の戦争三部作の三作目。いい映画でした。宮沢りえもいいが、幽霊役の原田芳雄がとてもいいです。
父は永遠に悲壮である 朔太郎 しかし
父は永遠に滑稽である 素骨

西部戦線異常なし
この映画はもう何回もみた。反戦映画の古典名作。また見直したが、以前気がつかなかったこんなシーンがあった。
狂信的なファシスト教師に扇動された高校生たちが熱狂して戦線に赴く。そこには本当の戦争の現実があるのだが、そんな中一人の高校生が塹壕で数学の勉強をしている。彼は戦友の質問に答えて級数の話だという。なんでそんなもの読んでるのか?と聞かれた彼は「楽しいから」と答える。

シャイニング
キュブリック監督のホラー映画。怖かった。冬のあいた無人になるホテルの管理を引き受けた作家の男とその家族。男は原稿が書けず、孤独に耐えきれず、精神を崩壊させていく。その過程を描く。何ともいえない不安感と圧迫感がある。ほとんど血が流れないにも関わらず、怖い。2004/8/30


岩手大学集中講義(8/18-21)

珍しくS先生にお声掛かりがあり、岩手大学で集中講義をしてきたそうです。
「で、首尾はどうでした?」と聞いたらSさんは殊勝気にこんなことを言っていました。
「学生さんはまじめで、一生懸命聞いてくれた。それはとても有り難かったし、いつもの講義と違うのもそれなりによかったらしい。でも傑作はそのあと」
「なんですか?」
「岩手の若い高校の先生Iさんにお目にかかったんだけど、彼がジャグリングの名手!なんと5つ玉を操るらしい。彼に具体的な練習方法など聞けたのが最大の収穫」
おいおい、何しに岩手まで行ったんですか!とのどまで出かかったけど、まあ、Sさんの邪気のない笑い顔を見ていたら、こっちまで何となくほんわかしてしまって、口には出せませんでした。<2004/08/26>


数学教育協議会高山大会(2004/8/3-8/5)

表記の研究集会に参加しました。地理にうといぼくは、高山が名古屋の近辺だと思いこみ、名古屋から特急で2時間半もかかったのにびっくり。富山を回った方が近かったかなあ。
大会では中学校・高校の図形分科会に参加しました。中学分科会では三角形の内角和を170度と計算していて、恥をかいた。それはさておき、作図と図形の決定はおもしろい教材でした。時間はかかるかもしれないが、なぜ2辺と1角ではなく、2辺夾角なのかは論理の話題としてもいいと思いました。
高校では球の体積と表面積の教具に感心。なるほど、教具の力(直接経験の大切さ)を改めて実感。しかし、職人芸だなあ。
自由交流で他大学で教員養成に携わっている人たちと、数学教員養成の問題点を討議しました。結論はでるはずもないのですが、数学の教え方について重要な議論ができたと思います。これが生かせるか。
朝市は楽しかったです。2004/8/9


怪談映画万歳!

暑い夏にふさわしく怪談映画の話題を一つ。毎日新聞の日曜版に連載されている落語家快楽亭ブラックの映画評論は実に面白く痛快だが、今回は中川信夫の怪談映画だった。ブラックによれば中川怪談映画の最高傑作は「亡霊怪猫屋敷」だ!よくぞ言ってくれました。そこで、老後の楽しみに怪談映画の傑作を密かに収集することにした。手始めにグレゴリー・ペックの「お面」もとい「オーメン」を買い、じっくりと見た。これがやはり傑作。怖いし最後がいいねえ。このあと「サスペリア」「エルム街の悪夢」など買う予定。一渡りそろったら、怪談映画における数理論理というタイトルで講義をしよう。2004/07/19


映画「ザ・デイ・アフタートゥモロウ」

エーメリッヒ監督の表記の映画を見ました。僕の「見せ物映画論」にふさわしいパニック映画です。特撮は確実にすごくなっていて、竜巻がロスを襲うシーン、大波がニューヨークを襲うシーン、超大粒の雹が東京を襲うシーン、自由の女神が氷河に閉ざされるシーンなど迫真の出来でした。本を燃やして暖をとる、しかし、グーテンベルグの聖書だけは燃やせない、老婦人が「本とは燃やすだけに役立つのではないのよ」というシーンなどとてもよかった。本当にこんな気象異常が起こるとは思えませんが、京都議定書の行く末に関心がある方、どうぞご覧下さい。2004/07/05


外伝

白土三平論という長編力作の評論を読んだ。(詳しくは本の談話室参照)その白土の漫画「カムイ外伝」というタイトルは当時とても新鮮でした。ちょうどそのころ、雑誌数学セミナーに「高校数学外伝」という連載があった。高校数学に飽き足らない数学教師たちが共同で執筆した数学教育論は、外伝というタイトルと相まって、それまでの数学教育の枠を乗り越えて新しい数学教育を模索する大勢の教師たちの共感するところとなった。今読み返しても、そこで提起された問題は新しい。願わくば、数学教育がこれを乗り越えて発展していくことを。2004/06/28


巨星墜つ。芦ヶ原伸之氏逝去

先日久しぶりに秋葉原のコスモ物産を覗いた。店主平野さんは元気に啖呵売をしていたが、衝撃的なニュースを聞いた。パズル作家の芦ヶ原さんが亡くなったらしい。一瞬声を飲み込んでしまった。しかし、芦ヶ原さんのことだ、実はジョーク,はは、また騙しちゃったとにやにやしながら出てくるのではないか、と思いたい。
でも、本当だったら、謹んでご冥福をお祈りいたします。
生前、一度だけお目にかかったとき、初対面にも関わらずトリックジョークを仕掛けられ、まんまとはまってあほ面をさらけ出してしまったのも懐かしい思い出です。2004/6


続・続・パズル・エニグマ

群馬大学の女子学生Kさんが研究室に来訪。エニグマ解けた!そうです。彼女は僕のパズルの講義を受講している人で、知恵の輪大好き人間だとか。
ところで、俳句雑誌「鬣」の最新号に埼玉の高校の先生Tさんがエニグマを主題にしたエッセイを書いています。枕元に置き、かちゃかちゃやっているらしい。いかにもマニアっぽい。とれたかなあ。2004/5/26


続・パズル・エニグマ

はっはっは。エニグマ解けました。19日の夜、疲れたので早めに横になってうとうとしていたら、耳元で「はずれた!」の声、思わず目を覚ますと配偶者が一つはずれたエニグマを持っている!ところが残りの二つがはずれない!ややあきらめムードで20日の朝、朝食の食卓でかちゃかちゃやっていたら・・・・・。とれたー!証拠写真をアップします。どうだ!来週は学生に自慢しよう。2004/5/20


黄敬ギターコンサート

黄さんは前橋在住のギタリストです。表題のコンサートが5月16日に赤城山の中ノ沢美術館で開かれました。瀬山はギターをたしなむのですが、もちろん人に聞かせられるようなものではありません。今回のコンサートは、現代音楽の作曲家たちがギターのために作曲した曲が演奏されました。実に迫力があり、新しいギターの音を堪能しました。自分が知っているギター曲はメロディアスなものが多いのですが、そうでないギターに新しい発見があり、演奏者の高い技術ともあいまって、多彩な音色に酔いました。人数的には小さいコンサートでしたが、また参加したいものです。2004/5/17


パズル・エニグマ

金属製の知恵の輪「キャストパズル」はたくさんの種類が発売されていて、僕もずいぶん買いました。パズリストの端くれとしていままでに購入したものは一応全部解いています。(解答みたのもあったけど)
この4月、最難問という「エニグマ」が登場した。5月末日までにバラバラになった写真を発売元に送ると記念品をくれるという。購入。とっ解けない!しばらくさわりちょっと休憩。ところが、連休明け、数学科の学生たちとゼミをしたとき、N君がにこにこしながら携帯の写真を見せてくれた。解けている!4日かかったという。感心していたら、今度はS君がおもむろに何かを取り出した。なっなんと!バラバラになったエニグマ!うーん、思わず教えて!といいそうになる気分。くそ!なんとしても解くぞ!と神に誓ったのでありました。でも、どうしてもだめだったら、N君、S君解答教えてね。 2004/5/14


川村記念美術館 ロスコの部屋

先日友人たちと千葉県佐倉市の川村記念美術館を訪ねました。目的は開催中の中西夏之の展覧会をみることでした。実に立派な美術館で初めてみる絵画もたくさんありひとときを楽しく過ごしましたが、一番印象深かったのは画家ロスコの6点の絵画でした。一室がこのために用意されていて、静謐な不思議な迫力のある空間になっています。ロスコの絵は抽象絵画ですがその色といい質感といい圧倒されました。着物に関係する友人が、ロスコの部屋を訪ねるだけで川村記念美術館に行く価値があるといっていましたが、本当です。未見の方、是非訪問して下さい。2004/5/11


映画「イノセンス」

先日東京都現代美術館でひらかれた「球体関節人形展」をみました。関節人形ではなんといってもベルメール、日本では四谷シモンですが、今回の展覧会も大変に見応えがありました。人形という存在自体が懐かしさ、不気味さを体現していて、そのエロティシズムは息を呑むものがある。しゃがみ込んで目を合わせていると吸い込まれそうでした。図版ではその雰囲気がうまく表現できないのが残念です。
ところで、この展覧会は押井守監督の映画「イノセンス」の公開にあわせたものだそうです。近々観に行きたいと思っています。2004/03/25

映画「イノセンス」全編にちりばめられた哲学的なセリフがいいという人もいれば、鼻につくという人もあろう。しかし、このセリフはバトーが喋っているわけではなく、背後の人間全体の歴史という名の記憶装置が喋らせている。人間と人形はなにが違うのだろう。書斎の片隅に転がっている人形の首と対話してみたが、何も教えてはくれなかった。


研究集会報告

3月6,7日に岡崎で開かれた数学教育の研究集会に参加しました.数教協ではつとに有名な西三サークルの集会です.いろいろと面白い実践に出会いました.
盛岡の下町さんの講演では,ビデオプロジェクターを2台駆使したフラクタルの映像が圧巻.合わせ鏡の原理のようですが,スクリーンにフラクタルが映し出されたときは思わず拍手してしまいました.奈良の大西さんのカライドサイクルの研究もたいへんに面白かった.実物をつくったことはあるのですが,発展させた研究は聞き応えもあり関心を深めました.これからも何とか時間を作り他のサークルの集会にも参加したいものです.それにしても,出発地点の前橋は雪,岡崎は晴れ,日本の細長さを実感した週末でした.04/3/8


展覧会「遠近法をめぐる現在の15相」

うらわ美術館で「遠近法をめぐる現在の15相」というとても刺激的な面白い展覧会を観ました.遠近法を巡る現代芸術の展覧会です.なかでも川村直子さんの作品が圧巻.極細の針金にきちんと等間隔に小さな鉛の塊がつけてある.その針金をたくさん部屋の天井から下げてある.等間隔に並んだ点が宇宙の果てを見せているような,何とも言えない浮遊感覚を醸しだし,無限を垣間見せる.写真で見るのではその感覚は伝えられないのが残念.興味ある人はぜひ浦和に足を運んで下さい.亡くなられたタイガー立石さんの油彩もあります.タイガーさんとの絵本の仕事が懐かしく思い出されました.2004/2/13
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ヒッチコック

どうも最近本を読まずに映画ばかり見ている.それというのも,去年導入したDVDってえ奴がくせ者.書店にいっても書棚ではなくDVDコーナーを見る始末.とくに2000円以下で買えるDVDは本と同じように気軽に買ってしまう.
というわけで,最近も行きつけの書店で本ならぬDVDを買ってしまった.ヒッチコックの名作「最古」もとい「サイコ」よくできている.それにしても,我が家のビデオが初めの部分をずっとカットされているのが分かった.それと,最後の精神科医の説明が少し冗長かなあ.劇場で観たときの怖さがよみがえりました.2004/2/9


映画「透明人間」「美女と液体人間」「電送人間」「ガス人間第一号」

同僚のMさんは僕など足下にも及ばない映画ファンです.Mさんから表記のビデオを借りて見ました.
東宝特撮シリーズです.子どもの頃映画館で観たときはあまり気がつかなかったのですが,全編に色濃く戦争の影が残っているある種の反戦映画でした.ご都合主義が気になる所も多いのですが,とくに「電送人間」は戦争が終わって14年もたったときでも,その傷は多くの人に残っていたことが分かります.それにしても「ガス人間」の若かりし八千草薫は古典的な美人です.ガス人間が入れ込むのも無理はないです.2004/1/29


道脇義正先生逝去

群馬大学名誉教授の道脇義正氏が81歳で永眠されました.別冊数理科学にパズルの記事を書かれたこともありました.
謹んでご冥福をお祈りいたします.2004/1/26


映画「ゴジラ」「空の大怪獣ラドン」

ついにDVDで表記の映画を入手.勇んで見た.

ゴジラは言われるとおりの反戦映画だ.それ以後のゴジラ映画では陰をひそめてしまった,ゴジラによる破壊の惨状が空襲の惨禍とダブって見える.ゴジラがでるまでも迫力があり,白黒画面の良さが伝わった.それにしても,自衛隊戦闘機のミサイルがちっともゴジラに当たらないのが愛嬌.

一方ラドンはすでに反戦調は陰をひそめ,ホラー映画のスタイルを取っている.昔これを劇場で観たとき,炭坑から怪物がでてくるシーンがとても怖かった.あまりに克明に覚えていて,細部にわたり説明をしたので配偶者に笑われてしまった.それにしても,ラドンは東京を襲わなかったのですね.2004/01/21


映画「仁義なき戦い」1−5

先日,4月からの法人化に伴う学内規則の改定の話で,新学長が教育学部教授会にきて話し合いがあった.それを聞いていたら,どうしたわけか突然「仁義なき戦い」が見たくなった.亡くなった深作欣二監督の傑作.家に戻り2日かけて5部作を見た.やはり傑作.なんと言っても第1作がいい.金子信雄演じる山守や田中邦衛演じる槇原の面白さ,人の卑小さ醜さ,にもかかわらず人間くさいその生き様.それにしても最初はシリーズになるとは考えていなかったというのは本当だ.シリーズにするなら梅宮辰夫や松方弘樹という正統的なやくざ顔の俳優を,一作目でむざむざ殺してしまうことはなかったろう.3作目「代理戦争」ででてくる打本組組長の加藤武がすこし善人顔で苦しかった.2004/01/21


東大の円周率入試問題を巡って

12月24日の朝日新聞に東大の入試問題「円周率は3.05より大きいことを証明せよ」についての話が掲載された.実は瀬山はその記事を見損なったのですが,翌日朝日新聞に訂正記事がでた.記事によるとある受験生が円に内接する正八角形の面積を計算することによって正解を得たとあり,正十二角形でも正解とあった.ところが翌日に訂正があり,正八角形の面積では正解にならないとのこと.へえ,と思ったが何となく見過ごしていた.そうしたら,同僚の心理学の先生Yさんからメールあり.記事の間違いに気がつき早速朝日に指摘のメールを送ったそうだ.
ちょっと計算してみた.確かに面積では円周率は2.8より大きい位しか分からない.実は周囲の長さで計算すると正八角形でも3.05より大きいことが分かるが,これには二重根号の開平算が必要で,今の高校生にはできないかも知れない.結局この記事を書いた記者は自分では解くことをしなかったのですね.
この東大の問題,僕は割と評価していますが,正解率を知りたいものです.2003/12/26


金田一耕助筺

インターネットで市川昆監督石坂金田一の映画がボックスになっているのを知り,自分へのクリスマスプレゼントとして買いました.結局みんな観た!それが,「女王蜂」とか「病院坂の首括りの家」とかあまり面白くないという印象だったのに,繰り返してみている内に結構面白いということが分かった.原作に比べて(本ではないので読み返しがきかない)ずっと整理されているのが勝因.それと脇役の演技がいい.横溝映画は「悪魔の手まり唄」となに思いけん.獄門島の真犯人は蛇足,あれは原作の犯人の方がずっと良かった.


怪談かさねが淵

結局中川信夫の怪談かさねが淵もDVDで入手しました.原作も読んだのですが,実は映画の方がずっと面白い.原作はいささか冗長で退屈です.これは脚本を書いた川内康範の力がすごいのではないかと思います.月光仮面バンザイ!ですが,地理的な状況がほとんど分からないのは珠に傷でしょうね.2003/12/7


ピタゴラス

最近必要がありピタゴラスについての本を読んだ.少しは数学の内容が分かるかと思ったが,残念ながら数学にはほとんど踏み込んでいなかった.少しだけ数学に触れたか所があったが,いささか疑問のおおい文章で,数十年前の受験数学では0でかけたりわったりするのは御法度だったなどと書いてある.名のある哲学者の書いた本だけに読んでいてがっかりした.2003/12/8


お手玉

お手玉,ジャグリングといえば,なんといっても数学者ピーター・フランクルさんです.実際彼はプロの資格を持っているそうです.パズルの大家で小田原さんという方もお手玉の名人で,なんでも6個のボールを操るとか.脳の活性化にもいいという話で,僕も少したしなんでみました.片手で2個,両手で3個,これは西洋式と日本式とあって,西洋式はカスケード,日本式はシャワーというそうです.4個に挑戦しようと思うのですが,それには左手で2個を操る必要があるらしい.じつは配偶者から土産にジャグリング用のボールを貰いました.日本のお手玉より少し大きめで重たいです.果たして物忘れ防止に役立つか.子細はおってご報告. 2003/10/17


映画「座頭市」北野武

話題の映画「座頭市」見ました.面白いことは請け合います.ただし,ミステリ的な仕掛けは残念ながらすぐに分かってしまう.それでも面白い.しかし,その暴力的な体質は嫌だという人も多いでしょう.訳もなく人を殺す市は,ただ殺す楽しみのために人を殺すみたいです.その手さばきが鮮やかであればあるほど,見ていてやりきれなくなるのかも知れません.ある映画評に,市に感情移入できないとありましたが,当たっています.勝新の市は一抹の悲哀が漂い人を切ることが好きでなかった.たけし市は面白半分に人を切っているようです.でも奇妙なリズム感とおかしさがあります.波長が合いそうな人はどうぞ. 2003/10/15


映画「ボウリング フォー コロンバイン」 「wataridori」
連休中どこもいけなかったけれど,映画を2本見てきました.どちらも傑作です.ドキュメンタリーですが,ボウリングは銃まみれのアメリカ社会の病理をえぐり出したマイケル.ムーア監督のアカデミー賞受賞作.アメリカという国家は結局何かにおびえているらしい.なぜ銃を捨てられないのか.
wataridoriはひたすら渡り鳥の飛翔をとり続けた映画で,CGを使わずにとった映像が素晴らしいです.人は結局鳥ほどにも利口になれなかったし,鳥ほどにも自由になれなかったのではないか.
「人は昔々鳥だったのかも知れないね.こんなにもこんなにも空が恋しい」2003/5/6

映画「たそがれ清兵衛」
評判の映画「たそがれ清兵衛」見ました.大変な混雑でした.通路に座って見ました.
いい映画でした.生き方にうなずけるし,明治になっての娘さんの述懐「父はけして不幸せではなかった」に万感の思いを込めて共感しました.さすが,山田洋二監督のドラマ作りはうまいです.藤沢周平の原作がよかったのでしょう.
ところで,最後の大立ち回り,舞踏家田中眠(本当はさんずい)の死の舞が 圧巻,舞踏家をキャスティングした演出の勝利.娘の骨をカリッと噛むシーンに息をのみました.それにしても,宮澤りえはうまくなりましたねえ.絶対のお勧め.03/3/26

祝 一万人突破
僕のつたないホームページの訪問者が10000人を越えました.コングラチュウレイション!
10000人目はなんと同僚の心理学者Sさんだったようです.そのときのSさんの反応

「10000人目でびっくりして喜んだが,よく考えてみると,10001人目もたった1人なんですね」

その通りです.というわけで,区切りの方にも何も出ませんが,今後ともこのホームページをご愛読下さい.2003/3/19


金属のシャボン玉
不思議なおもちゃを知人のKさんに紹介され早速購入しました.金属のシャボン玉!回転する金属のらせんが見事な立体図形を空中に描き出します.メビウスの卵というシリーズの第3弾です.書店で手に入るらしいが,僕は直接購入しました.2003/2/28

ビデオ「浮き雲」
同僚の心理学の先生Sさんからビデオ「浮き雲」アキ・カウリスマキ監督を借りて鑑賞しました.1997年度キネ旬外国映画のベストテン第3位だそうです.地味な映画ですよとSさんが言っていました.確かに僕の趣味の「見せ物映画」ではありませんが,いい映画でした.
夫婦そろって失業してしまい,どうやって食べていこうかというテーマですから,明るくなるはずのない映画なのですが,ブラックユーモアとも違う,おかしな味のユーモアがあります.中古のキャデラックを買いたたかれ,なけなしのお金を持ってそろってカジノへ行く.「どうだった?」「ぜんぶすった!」という会話はどうしようもなく笑えます.最後のシーンがとてもいいです.人生派むき.おすすめ.2003/2/28

ホームページ開設2周年
2年間で約8000人の人が訪れてくれました.ぼくの交友関係からみると,これはやはりすごい数です.しかし,どうやら一番人気は同僚のSさんが書いている「S教授のつぶやき」らしい.うーん,これはゆゆしき事態だ.もう少し僕のページを書き込んで,数学・数学教育のページを充実させなくては,と考えています.新しい一年,どうぞよろしく.

「東海道四谷怪談」と「吸血鬼ノスフェラトゥ」 

結局中川信夫監督の「東海道四谷怪談」もDVDで入手.やはり傑作.斬新な映像は今見ても面白怖い.ところで,友人の英文学者がムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」のビデオを手にしていました.吸血鬼映画の最高傑作.しばらく前にヘルツォーク監督がリメイクして,これもいい映画だと思うのですが,ムルナウを越えることはできなかった.テレンス・フィッシャーも裸足で逃げ出す.2002/12/19


「宇多田ヒカルと家永三郎」

友人からのメールで,歌手の宇多田ヒカルさんが自分のサイトで亡くなられた家永三郎先生について書いているということを知りました.早速読みました.彼女は家永さんの「新日本史」で歴史を学んだそうです.家永さんの反戦の思いが彼女にも伝わっていました.思いもかけない追悼文に接して,若い歌手の人へのぼくの思いこみを恥じました.これはhttp://www.toshiba-emi.co.jp/から開くことができます.2002/12/11


「亡霊怪猫屋敷」

ついに,中川信夫監督の傑作怪談映画「亡霊怪猫屋敷」を入手しました.DVDです.中川監督といえば,和製ホラー映画の名監督で,なんと言っても「東海道四谷怪談」が有名です.僕もこの映画が日本ホラー映画の最高傑作であることに異存はないのですが,あえて,今回は「亡霊怪猫屋敷」を買いました.冒頭の深夜の病院のシーンから,もうどきどきして,雨のなか裸足で近づいてくる老婆のショットで感涙を流しました.他にも,「怪談累ケ渕」も傑作です.

ところで,先日若い同僚のYさんと飲む機会があり,怪談映画の話になりました.彼は中川信夫の「地獄」を高く評価していました.慧眼!しかし,あれは余り大声で誉めてはいけないのでしょうね.実はもう一つ,石井輝男監督の「恐怖****」というすごい映画があるのですが,これはもう残っていないらしい.2002/9/6


毎日新聞「小さな童話」大賞

毎日新聞の小さな童話の大賞に桐生市の川島えつこさんの「十一月のへび」が選ばれました.いじめと現実と幻想のあわいを書いた掌編で気持ちのいい作品です.
一箇所気になりました.
「へびはしゅるしゅると近づいてくる.(中略)へびの体はひんやりつめたく,すこしぬるっとしている.」
と表現されていますが,川島さんは本当の蛇を触ったことがないのではないかと思います.蛇は鱗を持っているので,触った感じではざらっとしていて,ウナギのようなぬるっとした感じではありません.蛇のために一言.日本野蛇の会会員(2002/7/19)


あらしのよるに(全6巻) 木村裕一・あべ弘士 講談社

この絵本6冊が売れているらしい.若い女性に人気とか.
ぼくは1巻目が出版されたとき,児童文学仲間のKさんから紹介され読んだ.斬新なアイデアで結末をつけない一種の謎物語になっていることに感心した.今度まとめて6冊を読み,少しがっかりした.木村さんもあべさんも全体の構想があり6冊を書いたのではないのだろう.何故続きを書いてしまったのか.いかにものお話になり,一巻目の緊張も失せてしまったのは大変に残念である.2002/6/24


児童文学と数学 (2)

以前この欄で児童文学と数学について書きました.そこで,不思議の国のアリスを題材にした算数の本にふれました.その本の編集者の方から直接メールを頂きました.情報有り難うございました.もう一度正しい書名,著者名,出版社名を書きます.

「ふしぎの国のアリスの算数パズル」 山崎直美 さ・え・ら書房

同じ山崎さんが同じ書店から

「シャーロック・ホームズの算数パズル」

という本も出版されているようです.ぼく自身ルイス・キャロルの熱烈なファンで(キャロルは数学者です),シャーロック・ホームズを題材にした偽書「数学者シャーロック・ホームズ」(日本評論社)を書いているので,大変に親しみがわきました.子供たちに算数数学の本当の面白さを伝えるために,小学校向けの算数読み物を書くことは大切な仕事だと思っています.教科書風の知識の列挙にならない,楽しい本がたくさん出版されるとことを期待しています.2002/6/18


有事法制
再びこのような報告をするのは大変に残念ですが,今日本国憲法の精神はずたずたにされ,踏みにじられようとしています.有事法制という名の戦争法案が国会を通過するかもしれません.いま無関心であることはこの法案に手を貸すことに他なりません.有事法制と個人情報保護法案という美名に隠れた情報統制法案が成立すると,戦争に反対することは犯罪になってしまいます.どうぞ関心を持って下さい.

2002年5月25日に数学人が渋谷に集まり集会とデモを持ちました.たかだか39名の小さな集会でしたが,戦争には協力しない事の確認をしました.この法案は有事という名を借りたアメリカの戦争への協力法案です.なんとしても廃案にしましょう.
声明の一部を転載します.

私たちはこのような戦争に荷担する道ではなく,アジア・太平洋の人々との友好関係を築き上げる努力を通して平和を創造するべきだと考えます.武力は戦争を防がず戦争を招く,という歴史的事実は,憲法第9条の理念こそ21世紀において平和への道を切り開くものであることを示しています.その理念を捨て,他国への不信感を国策の基盤に据える有事法制三法案を,一市民として,また国境を持たない数学に携わる1人として,決して認めることは出来ません.(2002.5.27)


映画「蝶の舌」
高崎映画祭で映画「蝶の舌」観ました.悲しく厳しい映画でした.
フランコ独裁政権が誕生する前夜のスペインの小さな学校を描いています.喘息持ちの小学生が学校で1人の教師に出会う.彼はその教師から様々なことを学ぶ.しかし,その先生は自由主義者ということで逮捕される.少年は自分がもっとも慕っていた先生に「アカ」という言葉を投げつけ,石を投げる.
映画の中に一箇所,算数の話題が出てきました.ファシストの男が,自分の息子が算数ができるようにならないといって,教師に文句を付けるところです.
それにしても,草の根ファシズムのよって立つ基盤を見せつけられたような気分でありました.(2002/4/8)

「揚げ物と数学」
岡崎西三サークルでの面白い経験をもう一つ.

岡崎へは新幹線を乗り継いで行きました.豊橋で新幹線を降りて,時間があったので,駅ビルの天ぷらやさんで昼食をとりました.となりに女性の二人連れが座りました.どうやら叔母さんと姪らしく,若い女性は下宿自炊らしい.
「揚げ物と数学って似ているのよ」と娘さんが言っています.
数学教師として思わず聞き耳を立ててしまいました.
「時間をかけたからってうまくなるものじゃないの」
うーん,私数学の教師なのですが,と,よほど話しかけようかと思ったのですが.
でも,僕は時間をかけたら揚げ物が結構うまくなりました.次は天ぷらに挑戦しよう. (2002/03/18)


「フラクタル野菜」
3月9日10日と岡崎の西三サークルの合宿研究会に参加しました.遊びと数学について,ホイジンガやカイヨワの助けを借りて何とか話をしました.その席で実に不思議な野菜を頂きました.名づけてフラクタル野菜


ジュリア集合のような渦巻きが自己相似形に並んでいます.もちろん食べられるのですが,もったいないので写真に撮り,しばらく飾っておくことにしました.野菜の本で調べたら,どうやらカリフラワーの仲間で珊瑚礁という種類らしいです.鑑賞してください. (2002/03/11)


「日暮町風土記」永井愛 作・演出

24日東京のシアタートラムで「日暮町風土記」を観てきました.永井さんは二兎社という劇団を率いている戯曲作家・演出家です.
140年もたった古いお菓子屋さん大黒屋の取り壊しを巡っての人間模様を描いた喜劇ですが,テーマはシリアス,文化とは何か,それに対して人は何をすることができるのか,大いに笑いながらそんなことを考えていました.遠くバーミヤンの大仏の姿や,近くでは九州のダム建設のやり方がこだましています.群馬の八場ダムもあります.
ところで,やはり演劇は劇場で観るものです.(2001/12/25)


ホームページ開設一周年

ホームページを開設してちょうど一周年になりました.2000年12月18日に開設して,1年間で4500人ほどの方が訪問してくれました.もっとも,サクラでアクセスした人も多く,本人も何度もアクセスしているから,実際は3000人くらいでしょうか.
情報は正確にと心がけていますが,いささか眉唾のものも混じっている可能性もあります.そこがインターネット情報の危ういところでもあり,面白いところでもあります.情報を見て読みとる力が必要なのでしょうね.
どうぞ皆様良い2002年をお迎えになりますように.(2001/12/19)


映画「ハリー・ポッターと賢者の石」
ムビックス伊勢崎で映画「ハリーポッターと賢者の石」鑑賞.
前評判通り特撮技術は素晴らしく,大人も子どもも楽しめる映画になっていた.原作よりも映像的なイメージは面白い.原作では映像化し難かった数学的なパズルが,映画ではチェスになっていたが,これは映画の映像が勝る.このシーンもっと続くとよかったし,チェスについてはポッターを凌駕する友人がいい.
ところで,原作もそうだったが,気になるのはポッターが貴種であること.見たり読んだりしていると,人は努力ではどうしようもないこともある.生まれが大切なんだといっているような気がしてきて,イギリス階級社会の実態をそのまま映し出しているような気がする.
でも,面白い映画です.映画館が人でごった返しているというのは久しぶりの経験.
(2001/12/16)


造形作家市毛富美子さんのトポロジカルワーク
先日東京の京橋イナックスギャラリーで造形作家市毛富美子さんの個展を見ました.
針金でつくられた不思議な物体が天井からぶら下がっていたり,床のうえに転がっていたり,それらがすべてトポロジカルな視点で造形されています.3つ穴のトーラスだったり変形した円筒だったり.照明が床や壁に落とす影も印象的でした.
2001年12月25日まで開かれています.興味のある方はぜひご覧ください.形の不思議さが実感できます.(2001/12/13)

映画「オテサーネク」とシュバンクマイエル
先日休暇を取って,はるばる渋谷ユーロスペースで映画「オテサーネク」を見てきました.チェコの監督シュバンクマイエルの新作です.
異様な映画です.スプラッタホラーの趣もあるが,木でつくった人形の赤ん坊が人を喰ってしまうという,人を喰った映画ですが登場人物が皆どこかおかしくて異様.食事のシーンが生々しく,食事をしているのか排泄しているのか分からない.
僕はこの監督のファンですが,気になる方はどうぞユーロスペースまで. (2001/12/13)

手品師酩酊一楽さんのこと
11月23,24日と栃木県佐野市で数学教育協議会関東地区と東京地区の合同研究集会が開かれました.今回は群馬大学の数学科3年生が4人も参加してくれて,とても盛り上がりました.夜の交流会は大阪から手品師酩酊一楽さんをお招きして,手品の講習会でした.私,パズルも大好きですが,実は手品も大好きです.縄抜け,トリックを見破ったと思い舞台に上がり自ら演じましたが,残念ながら縛られてしまいました.無念じゃ.
ところで,トランプ手品にはかなり数理的な解析が役立つことがあります.大いに活用しましょう.いつかマジシャンセーヤマとして登場したいものですが,そういえば,自由の森学園の藤村さんという方も数学教師かつプロ顔負けのマジシャンです.(2001/11/27)

数学者小柴善一郎さんの詰将棋
11月9日,長野県の教育研究集会で元信州大学教授小柴善一郎さんに久しぶりにお目にかかりました.小柴先生は通称を水漣洞悟空という天衣無縫,変幻自在,融通無碍,神出鬼没,快刀乱麻の数学者です.悟空は碁の大家なのですが,実は詰将棋もやったらしい.昔,徹夜で39手詰め周辺廻り還元玉の詰将棋をつくったそうです.記録しておかなかったので,今は思い出せないとか,残念無念.詰めてみたかったです.詰将棋,面白いですよ.

数学者倉田令二朗さんを偲ぶ会
数学者倉田令二朗さんは8月に永眠されました.先日倉田さんを偲ぶ会が東京で開かれて,出席しました.130人もの人が集まる大きな会になりました.生前の倉田さんの交友の広さがうかがわれます.僕は一度だけ名古屋の倉田さんのお宅にご厄介になりました.牛鍋をつつきながら,ずいぶんといろいろな話を聞かせていただいたと思うのですが,その頃は経済学に関心を向けていた時だったようで,経済の話が中心でした.話が探偵小説に移り,ピーター・ラヴゼイの「苦い林檎酒」が話題になりました.たまたま僕もラヴゼイが好きで,何作か読んでいたので,大いに盛り上がったのを覚えています.内容は・・・,トリックにふれるところがあるので書きません.悪しからず.
数学の話をしなかったのは,もしかすると幸いだったかもしれません.
倉田さん,どうぞ安らかにお眠りください.
映画「陰陽師」と「GO」
映画2作見ました.「陰陽師」と「GO」です.

「陰陽師」は野村万斎の立ち居振る舞いはよかったけれど,鬼の特撮は今ひとつ.それに真田広之の方が強そう.

「GO」は在日韓国・朝鮮人の高校生の青春を見事に描ききった行定勲監督の傑作映画です.本年度のベストテン級の良い映画でした.主演窪塚の目がいいです.疾走感がいいです.山崎のボクサー崩れの父親が良いです.ちょっとでてくる日本人親子,警察官,タクシー運転手それぞれが日本人の大陸観・朝鮮観を巧みに表現しています.大勢の高校生に見てもらいたい映画.(2001/11/01)


アフガニスタン空爆に対する日本の数学研究者,数学教育者のアピール

これは余り心躍る楽しい話題ではないのですが,ささやかな報告をしたいと思います.
多くの人の願いは叶わず,アメリカ,イギリスはアフガニスタンに対する報復爆撃を開始してしまいました.報復ではテロはなくせません.傷つき死んでいくのはたくさんの普通の人達です.
今国際世論がすべきことはテロに断固反対し,犯人を国際法廷にゆだねること,そのためになぜテロが起きたのかを解明しその原因を取り除き,ねばり強く犯人と思われる人の引き渡しを求めていくこと,同時にテロの原因となっていると思われる貧困,無関心などに注意を喚起していくことでしょう.これを機会に自衛隊の海外派兵を強行するなどと言うことはもってのほかと考えます.
10月13日30数名の数学研究者,数学教員が集まり渋谷をデモ行進しました.私にとっては戦争協力法案反対以来のデモでした.渋谷の通りで,拍手で迎えてくれた女性,俺も反対だと言ってくれた若者達,多くの人にアピールできたと思います.
アメリカが報復という無益な暴力をすぐにやめ,日本が本当にアフガンの平和に貢献できることを祈ってやみません.


「試験に出るパズル」(高田崇史 講談社)

2001年度後期,酔狂なことに「遊びの数理」なる講義をはじめた.以前何回かやったことはあるのだが,久しぶり.初回は大人気だったが(本当かい?)2回目,がっくりと聴講生がへり,適正規模になったのはよかった.そんなとき,表題の本を見つけて読んでみた.
話は今市で,語り口も余りぴんとこなかったが,確かにパズルに関係したミステリ.有名な問題もちりばめてあるが,位相幾何学という言葉もでてくる.その問題は,

「アルファベットを2つのグループに分けよ」

というもの.トポロジカルな視点で,アルファベットを2つのグループに分けてみてください.(2001/10/9)


「国民クイズ」(杉元・加藤 太田出版)

大変な漫画を見つけた.「国民クイズ」上下巻である.どうやら復刻らしい.最初に気がつかなかったことを恥じる.

日本という国が「国民のあらゆる欲望を平等に実現すること」を国の基本方針として,一律にクイズを出し,その正解者は自らの欲望を国によってかなえて貰える.隣の奥さんを殺したい,いなくなった犬を見つけたい,エッフェル塔が欲しい,借金チャラにしろ,癌を治せ,献血しろ.正解できなかった参加者は強制労働でシベリア送り.

ふざけていると言えばそれまで.しかしここに描かれている日本と日本人の圧倒的な現実感はなんなのだろう.欲望の全肯定はほぼ日本が戦後とってきた軌跡と同じではないか.異様な絵の表現がすごい.ご一読をおすすめする.(2001/09/24)


「猿の惑星」「ジュラシックパーク3」

夏の映画第3弾「猿の惑星」と「ジュラシックパーク3」観ました.
猿の惑星は8月の数教協全国大会で,愛知のKさんと話していたら,やはり衝撃のラストシーンだといわれて,胸躍らせて観ました.確かに衝撃的ではあるが,ラスト数分前に分かってしまうのが残念.才人バートンもやはり前作をしのげなかったのでは.それにしても美猿(?)は素敵な顔をしてます.これはアメリカの人種問題のパロディなのでしょうね.
ジュラシックパーク3も見に行くといったら,Kさんが少しあきれたような顔をしてました.友人の映画見も「あれはもう...」といってました.断固見に行きました.恐竜に会いたかったのです.プテラノドンが空を飛びました.満足です.(2001/08/09)


「千と千尋の神隠し」
夏の映画第2弾「千と千尋の神隠し」観ました.面白かったです.最初に千尋が異界に紛れ込んでしまうシーンがいい.古い町並みがいかにも何か出てきそうで幼い子どもには結構怖いのではないでしょうか.油屋という銭湯がそれ自体一つの宇宙を作っていて,ここでは宮崎監督のメカマニアぶりが見えます.川をよごすなというメッセージも単純明快で好感が持てます.千尋にもう少し葛藤があってもよかったが.ともかくおすすめ.(2001/07/22)

映画「A・I」見ました.
この夏は見たい映画がたくさんある.うまく時間を都合してみんな見たいと思っております.
期待している作品
「A・I」,「ジュラシックパーク3」,「猿の惑星」,「千と千尋の神隠し」
このうち「A・I」スピルバーク監督(原作ブライアン・オールディス)を見てきました.知能と感性を持ったロボットを主題にしたSF.しかし,ずいぶんと重たい主題を扱っている.結局,人とは何か,人は何で生きているのかという問いかけをきわめて真面目に扱う.ロボット達が虐殺されるシーンで息苦しくなった.
ところで,この映画のなかに,「人は何で生きているのかを,詩,芸術,数学を通して探し求めてきた」(正確ではありません.こういう意味のセリフです)というセリフが出てくる.思わずまばらな観客席で小さく拍手してしまった.数学教師必見!(2001/7/12)
小数と分数
これは友人の馬場良和さんからの情報です.馬場さんが東京の建築家の集会で見聞した話.
「小数と分数は足せない」という発言をある建築家の方がしたそうです.
この言葉,なにいってんだと一蹴するのは簡単だが,考えはじめると,案外いろいろなことへ発展しはじめるようです.数とは数の表現のことなのか,それともその表現が表している「数の本質」のことなのか.表現が違うもの同士を計算しようと言うことそのものが,本来おかしいことなのか.
1/2と0.5は同じ数?,それとも同じ数の別の表現?それとも別の数?
そもそも,議論の出発点がはっきりしていないのだから,これ以上議論するのは無意味なのでしょう.無責任な話題提供で申し訳ありません.<2001/7/9>

児童文学と数学
いつも貴重な情報をくれる教育学部4年のU君が「木の上のたからもの」(マガーク少年探偵団9 ヒルディック あかね書房)という本を貸してくれた.
このなかにある少年が手製の人間コンピュータで犯人を割り出すという話がでてくる.結局犯人とおぼしき数十名の人間のなかからいくつかの条件をみたす共通部分を割り出すという話で,それをカードを使って機械的に行うのです.たしかに数学的な味わいはある
もう少し別の可能性もあるかもしれない.
たしか,津田塾大学の数学科を出た方が「算数の国のアリス」という本を書いているはずだが,出版社ははっきりしない.それと,数学評論家の小島寛之氏が児童向けの数学探偵談を連作で書いていた.これは単行本になったかどうか分からないが,僕はコピーを頂いて読んだ.
児童文学に算数や数学の話を取り入れるのは可能性があると思う.拙作「ぐにゃぐにゃ世界の冒険」(福音館書店 絶版)もその一つだった.再度挑戦してみたいものである.(2001/06/15)

数学者シャーロック・ホームズ
恥ずかしながら,ヤフーの検索で拙著「数学者シャーロック・ホームズ」を探してみたらなんと30件もヒットしたのには我ながらびっくり.いやあ,読んでくれている人もいるんだなあ,と思いながら散策してみた.
うーん,評判はいまいちですなあ.要するに数学の解説書じゃないか.難しくて分からない.だいたい2番目の事件はいけない.解決がないのもよくない.ホームズは安楽椅子探偵じゃない.現場に行かないホームズなんて.とどれもまったく納得できるものばかり.
それでももう少し別の事件も読みたいという感想を書いてくれた方もいて,すこし元気が出ました.
次回作 不完全殺人事件 何時のことか.
それにしても,ポアソン分布を実感しました.これは楽屋落ち. (2001/06/04)

吉本隆明の円周率感覚
評論家吉本隆明と糸井重里が毎日新聞2001年5月14日の朝刊で対談している.一箇所吉本の数学感覚を疑わせる部分があったので紹介します.
吉本「「円周率は3でいい」というのがあった.それに反対する人ばかりがテレビに出て発言していたが,僕は3でいいと思う.」
糸井「僕もそう」
吉本「そんなの使うことは一生のうちに何度もない.全然ないかもしれない.3でたくさんじゃないかと思う.」
これが「高名」な評論家吉本隆明の数学感覚かと思うと情けなくなる.円周率が無理数という感覚とそれを一生使わないかもしれないということはまったく次元の異なる話だということが,この人物には分からないのだろうか.某曾野綾子の2次方程式発言と同じである.もっともこのあと,糸井は良いことを言っています.読んでください.(2001/5/15)

数学史のホームページ
友人のBさんから興味深いホームページを教えていただきました.これは理系への数学という雑誌でしみずともこさんが紹介していたようです.数学史のページなのですが,現在流布している数学史の「名著」といわれるものの誤訳を指摘しています.実はその内の一冊を読みかけたのですが,どうも読みにくくて途中で挫折してしまった経験があり,誤訳の指摘は大変に興味深かったです.関心のある方は下記を覗いてください.
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9536/index.html

ゴルゴ13の数学能力
学生時代からの愛読書でいまだにビッグコミックを読んでいるが,最近ゴルゴ13の数学能力を見直すようになった.話の中に直接数学者が登場したものもあるが,そうではなくてゴルゴの数学知識である.一つはパラボバアンテナを利用して,そこに弾丸を反射させ焦点方向にいる人物を狙撃するもの.もう一つ,ヘリコプターの中から,力の平行四辺形を用いて,普通なら死角にある5円玉を打ち抜くもの.それにしても時速200kmで疾走するヘリコプターの上で力の平行四辺形を考えて射撃方向を定めるとは,さすが,ゴルゴである.もっとも,これらはすべて日本の高校生が学ぶもの.高校生よ.ゴルゴに学べ,なんてどうでしょうか.

スターリングラード
結局予告通りスターリングラードも見てきました.最近伊勢崎にできたムービックスという総合映画館は同時に10数本の映画を上映している.木曜日は男性が1000円.
映画は要するに決闘映画なのだが,狙撃兵は軍隊を相手にするのではなく,敵兵個人を相手にするということが基本.戦場の中で一人というのは厳しい.主演のジュード・ロウはかっこいいです.ところで,この映画はアノー監督,フランス人.フランス人のナチス・ドイツに対する憎悪と同時にコミュニズムに対する恐怖心がむき出しなのではと思う.まあ,祖国のためになどというキャッチフレーズで戦った赤軍もほんとうの所はこんなものでしょう.旧日本軍のバンザイ突撃と同じだ.(2001/4/28)

ハンニバルはすごい!
映画祭は終わってしまったが,今年は「ハンニバル」と「スターリングラード」を観たいと思って,先日「ハンニバル」を観てきた.トマス・ハリスの小説も面白かった(?)が映画のイメージはすごい.確かに気の弱い人はやめた方がいいかもしれない.リドリー・スコットという監督はやはりただ者ではないです.ところが,この映画を見てから,書庫に眠っていた「食人全書」という恐ろしげなタイトルの本を読み出した.(マルタン・モネスティエ 原書房)布団の中で読んだが,目がさえて寝付けなくなってしまった.夕食に焼き肉を食べたせいかもしれない.(2001/4/18)

映画祭
このところ三月の終わりから四月にかけては毎年高崎映画祭が開かれる.今年で15回にもなる一大イベントである.僕も時間を見つけて映画をみる.今年見た映画で今までのところで良かったものは
クリクリのいた夏
Tubalu
クリクリは1930年代のフランスの田舎を舞台にした映画で,クリクリという女の子とその家族にふれあう復員兵を描いている.出てくる人たちに素直に感情移入できるのがいい.蛙釣りの名人の老人がいい.胸のどこかがキュンと痛くなるような映画です.おすすめ.
ツバルは奇怪な映画です.室内プールを経営する盲目の老人とその息子,恋人の少女の映画だが,筋書きは説明できない.外国映画なのに字幕なし,吹き替えなし,それなのに筋が分かる.シュールなイメージがとてもいいファンタジー映画です.
そのほか,「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「太陽の誘い」「チキン・ラン」なども良い映画でした.                                       

入試問題
2001年度の東京大学の数学の入試問題は面白い.解いてみたくなる面白そうな問題です.
ところで,国際基督教大学付属高校の松本光正さんが2001年度の入試問題を送ってくれました.これが数学の問題なのだが,長文読解問題.

フィボナッチの発見
「x^2+5 とx^2-5 をともに平方数とするにはxをどんな数にすればよいか,という問題に対して,フィボナッチはすぐにX=41/12を見つけた」

をテーマに姉と弟の会話が続きます.実に面白い入試問題です.取り組んだ子供たちも満足するのではないかと思います.
実はこれ以前にも東京の私学明星学園の山口さんからも同様の長文読解数学問題を送っていただいております.こちらは中学入試なのでもう少し易しい問題.
いずれにしろ,こういう問題が出されることは大変に嬉しい.大学入試でも試みる価値があるのではないでしょうか.手始めに自分の講義の期末試験に,ということなのですが,すでに試みております.ただ,問題をつくるのはかなり難しい.それでもやってみる価値はあります.

ある座談会
月刊子ども論という雑誌がある.クレヨンハウスの落合恵子さんが中心になって,全国の新聞から子ども,教育などの関連記事をスクラップしている雑誌で大変に貴重な情報源である.
その子ども論の2001年4号の冒頭に「魅力ある算数・数学のための大激論」という座談会が載っている.座談者は秋山仁・坪田耕三・八田弘恵・羽中田彩記子の方々.激論というのは少し看板に偽りありで,激論にするのなら文部省関係者などを入れるべきだったと思う.数学への思いは出席者皆同じで,目先の役に立たない論を一蹴しているし,数学の役立ち方がもっと本質的な部分にあるということでも一致している.技術と考え方の絡み合いについてもう少しつっこんだ話があるともっと面白かったと思う.
そこで坪田さんが提出した問題を紹介しよう.

1*2*3*4*5*6*7*8*9の*に+かーを入れて全体が1,2,...8,9となるようにしなさい.

この問題を小学生が自由に解いたらしい.考えてみてください.

数式は美しいか
しばらく前まで,配偶者を手伝って家庭文庫を開いていた.おかげで,前から好きだったのだが,かなりの量の児童文学,絵本を読むことができた.絵本を読み続けるということがどういうことなのかについて大変に示唆的な本が絵本をよんでみる,絵本をよみつづけてみるの2冊で,どちらも五味太郎+小野明,平凡社である.
どちらも実に見事な絵本論・作家論ですが,内容はどうぞ読んでください.「絵本をよみつづけてみる」の方から引用.
「叙事と叙情を分ける必要はないんだ,ひたすらやってると両方実現しちゃうんだ,という気になるからね.似たような感じが寺田寅彦の文章にもあるよ.あるいは数式の美しさとか,楽譜の美しさとかね」
やはり数式も美しいのですね.(2001/2/23)

数学用語
僕は作家筒井康隆のファンである.かなり昔から彼の作品を読んでいるが,現実をねじ曲げ裏返してしまう筒井トリックを本当に面白いと思う.最近では「わたしのグランパ」(文芸春秋)が読売文学賞を受けた.これは痛快な話である.
ところで,新作「恐怖」(文芸春秋)を読んだ.奇妙なミステリだが,その89ページにこんな文句が出てくる.
「整数a,bの差が整数mの倍数であるとき,aとbはmを法律として互いに合同です.mが定まりますと,すべての整数はmを法律として,互いに合同なもの同士の集まりいくつかに分けられます.その集まりのひとつひとつはmを法律とする剰余類です.」
剰余類を法と訳すのはどうしてなのか,知っている方は教えてください.まあ,しかし,普通は法律とは訳さない.これも間違いというのだろうか.いやいや筒井康隆のことだからわざとやったのだろう.なんか,奇妙な感じがしますね.

三角形の内角和
毎日新聞2月20日の夕刊に,「三角形の内角和が180度であることの強引な証明」というコラムが載った.著者は慶応大学の佐藤雅彦.佐藤さんといえばポリンキーとかバザールでゴザールなどというコマーシャルの作者と記憶している.コラムの内容は,数学拒否派の女性が,三角形の内角和が180度になることを,紙の三角形で実験して感動するというもの.佐藤さんはその後,研究室の学生に「数理概念を現実的に表現する」という課題を出したところ,円錐の体積の公式を円柱とビーズを使って実感する道具を作ってきた学生さんがいた.そして,佐藤さん自身が「ぴったりだ,三杯でほんとうにぴったりだ!」と感動したのである.
これは数学教育ではよく知られていることだというのは易しいが,この話は,実はそんな実践がまだまだ少ないことを物語っているのではないか.やることはたくさんありそうです.(2001/2/22)

怪談愛好家
最近は怪談という古風な言い方は影をひそめてしまって,ホラーというらしいが,どうも怪談という言葉の響きの方が好きです.純国産の怪談で絶対のおすすめは岡本綺堂のもの.どれを読んでも怖いし面白い.最近ちくま文庫から岡本綺堂集 青蛙堂鬼談という綺堂の怪談アンソロジーがでた.僕は青蛙鬼談をすでに2種類の本で持っているのだが,本屋で見かけて思わず買ってしまった.寝床の中で読んでいると,背中の方が気になって仕方がない.ぞくぞくする.これが怪談愛好家の至福の時間なのです.因縁を語らず,怪異をそのまま投げ出す岡本綺堂の怪談はすこしも古びない.どうぞご一読,怖がってください.そういえば,少し前,怪談話のCDを買い,一人で聞いていたらやはり怖かった.映画にもなった「江島屋騒動」である.演者は古今亭今輔,普段はあまり古典を語らない師匠だが,うまかった.いんちき花嫁衣装を買わされた母娘の復讐怪談である.機会があったらどうぞ聴いてみてください.(2001/2/14)

ホームズと数学教育
大学院生の談話会で面白い資料が配られた.
「Sherlock Holmes,Master Problem Solver」MATHEMATICS TEACHER NOVEMBER 1994
Vol.87 No.8(596-601)
シャーロック・ホームズ 問題解決の達人
こんな論文が数学教育の雑誌に載るのだからアメリカという国も隅におけない.ホームズの探偵術が数学における問題解決,帰納法,一般化,背理法などと同じだという紹介である.聖典(シャーロッキャンはホームズ物語をこういう)の引用もあり,パジェットの挿し絵まで引用してあるのがいかにもこっている.それにしても,モリアーティは「The Mathmatician as an evil genius」という紹介である.うーん,数学愛好家としては残念至極だが.資料を教えてくれた院生の皆さんに感謝.翻訳担当のS君,ご苦労様.
関連図書として「シャーロック・ホームズの記号論」シービオク 岩波現代選書と,ついでに拙著「数学者シャーロック・ホームズ」日本評論社を挙げておこう.(2001/2/9)

冥王星は惑星ではない!?
2/2朝のラジオニュースによると,アメリカ自然史博物館の惑星の展示から冥王星の名前が消えた.最新の研究結果では冥王星は惑星ではなく,彗星の一部だという.冥王星の直径は地球の1/5とかで,惑星にしては軌道がずれすぎているなど,疑問点はたくさんあったが,それにしても惑星からはずされるとは.これについては,賛否両論あるらしい.昔あった少年SF{第十番惑星」のタイトルも変えなければ.(2001/2/2)

おかしな漫画
学生のU君がおかしな漫画を貸してくれた.「HAL はいぱあ あかでみっく らぼ」 あさりよしとお ワニブックス 科学漫画というのだろうか.生命の誕生とかシュレデンガーの猫とか,ザ・臨界,死の判定なんていうのもある.これが,科学知識と嘘の間を縫っている漫画でして,最初に「この漫画には一部に真実が含まれている場合があります」という人を食ったような注意書きがあるが,読んでみると,これはなかなかのものだ.生半可な科学読み物よりずっと科学的でしかも批判すべき点をきちんとついている.作者後書きは真面目そのもの.一読の価値あり.ニュータイプの啓蒙漫画だ!U君に感謝. (2001/2/1)

HTMLの可能性
HTMLとはハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージの省略だそうです.とにかく見よう見まねでこのホームページをつくってみましたが,この言語にはホームページをつくるだけではない別の可能性があるような気がする.リンクの機能でいろいろなところへ飛べるということを使った数学テキストをつくることができないだろうか.さしあたっては,問題集で正解が出ると次の問題に飛ぶ,間違っていたら少し前に戻る.一昔前のゲームブックのようなことをHTMLを使ってするということである.あるいはパソコン上の言葉の迷路をHTMLを使ってつくるなんていうのも考えられる.少し考えてみたい.

少しだけ数学が出てくるお話
学生のU君が少し数学のにおいのする短編を紹介してくれました.
ひとつは「ゴーディアス流転」もう一つは「異空の三本〆」どちらも えいり庵綺談 梶尾真治 徳間文庫に入っています.
「ゴーディアス」はゴーディアスの結び目を位相幾何学者がほどこうと悪戦苦闘する話.恋人がその結び目だけでできた衣装をきて,どこか異空間にいってしまうという内容です.
「異空」は異星人が蕎麦の(!)代金を払おうとして12宇宙クレジット請求されるが,なぜか16宇宙クレジット払っていったという話.「時蕎麦宇宙版」
さて,異星人はどうして16宇宙クレジット払っていったのでしょうか.
ピンと来たら自分の手を見てください.(2001/1/23)

2001年度のセンター試験の話題から
1.地学の問題にアーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」からの抜粋が出題されました.なかなか粋な出題です.月での地球の満ち欠けの問題.小説も去ることながら,映画「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キュブリック監督)は大変話題になりました.今見ても面白いSF映画です.30年も前に撮られているのに少しも古くなっていない.残念ながら,現実は映画に追いつけませんでしたねえ.

2.物理1Aの問題で2進法の指を使った表示についての問題が出ました.これは完璧に数学の問題.正答率はどうだったのでしょうか.

3.国語1の問題に江國香織のショートショートが出題されました.とてもいいショートショートです.読んでいて,問題なんかどうでもいいやと思った人がいてくれると嬉しいが.こちらも監督なぞ忘れて読んでいました.(2001/1/22)

映画の話.あまり難しい話はなしにして,最近見た映画
[マルコヴィッチの穴」 不思議な映画です.ある穴を通ると15分間だけその人の心の中に入り込める,要するにその人を通して感じることができる.しかし,自分は残っているのです.ではマルコヴィッチ本人がその穴を通ったらどうなるか!
ゲーデルの自己言及の話題に通じる不思議な体験.要するに落語の「あたま山」ですね.

さて,どうなったかは見てのお楽しみにします.

集英社の冊子「青春と読書」2000年12月号に作家清水義範が書いている. 「今の若者があまりにも論理的思考力をおろそかにし,霊や前世や占いやバカ心理テストを信じすぎている点だ.IT革命の担い手であるべきハイテク世代が,一方で迷信や占星術や風水の信奉者なのである.頼むからもう少し論理的思考をしてくれよ,と思う.そういう思考からつい逃げてしまう,頭の体力のなさが情けない.」
 頭の体力をつけるためにも,数学を楽しみましょう.(2000/12/28)

数学を操るというのが進化した知性の証になるというのは本当だろうか.ゼメキスの映画「コンタクト」では宇宙からの信号が素数列になっているというのが,知性の証だったし,SF「ゴールデンフリース」(早川文庫)でも宇宙からの信号は素数列だった.素数か否かを判定することが進化した知性の証になっている.
しかし,進化というのが環境と調和して生きていくことができる能力を発達させるということなら,知性はもしかしたら進化にとっては邪魔なのかもしれない.でも,そうだとしたら,数学とは何なのだろうか.(2001/1/7)