雑学談話室
この部屋はいろいろな話題を巡って雑談するところです.
「ル・アーブルの靴磨き」アキ・カウリスマキ監督
人が信じられるようになる素敵な綺麗な傑作映画。美男美女俳優が出てくるわけでもなく、市井にとけ込んで生きている人たちの飾らない生活が奇跡を起こす。大げさなアクションもなく、それでいてスリリングで、アフリカの少年の目が素晴らしく、ずっと一緒に生きてきた夫婦の愛情が素敵。いい映画です。おすすめ。
「わが母の記」原田真人監督
評判の映画。ともかく樹木希林の演技に尽きる。老いて崩壊していく過程にある母の真実が明らかになる。母と子どもの愛憎が見事。しかし、結局は自分を生んで育ててくれたのは母しかいない。久しぶりに満員の映画館に入った。おすすめ。2012/5/2
表記の映画を見た。これはバロウズ(ターザンの作者)の「火星のプリンセス」を映画化したもので、全く荒唐無稽な特撮映画(これは私の価値観ではほめ言葉です)。高校生か大学生の初めに原作を読み、何となく昔の小松崎茂、福島鉄次を思いだしていた。映画はCGで火星人や火星の生き物がうまく作られていて感涙に咽んだ。暇のある人はご覧ください。同時に「バトルシップ」という特撮侵略映画もみたが、こちらは感心しなかった。2012/4/17
作家赤川次郎が12日の朝日新聞の投稿欄に登場した。大坂の教育行政のグロテスクさを的確に指摘している。全面的に賛同します。赤川さんの投稿を紹介します。
「大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう?教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて「君が代」を歌えたはずがないのだから。
それにしても、生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう!橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものである。
府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識、客の数だけを比べるのは、ベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。
文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押しつけるのは「力強い指導力」などとは全く別物である。
過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。1つ違うのは、遭難するとき、他のすべての人々を道連れにするということである」(朝日新聞2012年4月12日朝刊)2012/4/13
今年第26回高崎映画祭は4月8日に閉幕しました。今年は29本の映画を見ました。昨年なくなった俳優原田芳雄の追悼特集もあり、見損なっていた「龍馬暗殺」(黒木和雄監督)を見ることもできました。それ以外では「卵」「ミルク」「蜂蜜」(セミフ・カブランオール監督)の三部作が印象深いいい映画でした。私は東京公園(青山真治監督)も印象に残りました。さて、今年は何本の映画が見られるか。2012/4/10
ぎりぎり間に合って、表記の展覧会を見ることができた。姪の子どもが大学に入学が決まり上京、彼も一緒に見たいというので、美術館で落ち合う。
見応えのある展覧会で、入場者も多かった。展示されたほとんどの絵本を所有していて、見たことがあるものが多かったが、原画で見るのと絵本で見るのは大変に違う。筆遣いなども分かり、1つ1つの作品に懐かしさを感じた。読書会の友人たちとわいわい騒ぎながら「旅の絵本」のトリックを1つ1つ探していたことを楽しく思い出した。2012/3/22
版画家南桂子の生誕100年を記念する展覧会が県立館林美術館で開かれている。これは全国巡回展の最終会場。とてもいい展覧会だった。南桂子のリリカルでいてとても知性的な線は、銅板画の中にまるで日本画のような感覚を生み出している。画集でした見たことがなかった版画の実物に会えた。ところで、最大の収穫は最初期の油彩を見たこと。後の版画へとつながる色彩と線がとても新鮮だった。2012年4月8日まで。2012/2/26
自分が六本木ヒルズに足を踏み入れるとは思っても見なかったが、森ビルの52階で表記の展覧会があり、國芳はどうしても見たかった浮世絵師なので、配偶者と一緒に見に行った。生まれて初めて踏み込む六本木ヒルズは、昔鉄腕アトムが夢見た未来都市のように見えた。展覧会は大勢の人でにぎわっていた。刷り物でしか見たことがなかった浮世絵を間近に見ることができたのは嬉しかった。江戸のアルチンボルト「みかけはこはいがとんだいいひとだ」を見ることができた。第1期も見たかったが。2012/2/4
2次大戦のとき、日・ソ・独の軍服を着て戦った日本人、朝鮮人がいた。これは史実らしい。その2人の壮烈な生き方、憎悪、反発と友情を描いた戦争映画。戦争という巨大な悪に翻弄されていく人間たち。それにしても、ノモンハン、独ソ戦、ノルマンディーの戦場の描写は凄まじい。迫力ある戦争映画を見た。悲しいが希望もある映画である。主演オダギリジョーの演技がみもの。おすすめ。2012/1/23
表記の映画を高崎シネマテークで観た。私はシュワンクマイエル監督のファンで、結構たくさんの映画を見ている。この遅れてきたシュルレアリストの諧謔に満ちたブラックユーモアの世界に惹かれている。ところで、今回の映画、シュワンクマイエルの面目躍如。全く訳が分からない。とにかく1人の男のリアルな生活と夢の中の生活をごちゃ混ぜに描いているらしい。とにかくイメージがすばらしいが、少し長すぎたか。
それにしてもセンターテスト当日に映画が見られる。いやぁ、退職っていいものです。2012/1/16
長い間、長野県伊那で小学校の教員をしていたMさんが2012年1月6日に亡くなられました。享年70歳。親しみのある語り口と鋭くユニークな数学教育の切り口で、20年以上も私の算数教育の師匠でした。いつも帽子をかぶり、会うとひょいと右手を挙げて挨拶し、飄々としていたMさん。長い間有り難うございました。どうぞ向こうで、もう一度遠山啓さん、森毅さんたちと思う存分議論を楽しんでください。沖縄の飲み屋で、森毅さんと3人で酒を飲みながら数学教育談義をしたことを忘れません。向こうでもう一度森さんと話の続きをしてください。さようなら。2012/1/12
伊那谷の町の灯や友の逝く 素骨
謹賀新年。今年は映画で明けました。表記の映画を高崎シネマテークで観た。不思議に面白く、本当にブリューゲルのいた時代のフランドル地方に迷い込んだような感覚。車輪刑、キリスト磔のおぞましさ。そして風車の機械仕掛けに感動した。絶対のおすすめ。2012/1/7
古い映画を再見。ああ、この映画には核発電所の事故のシーンがあった。富士山が真っ赤になり、核発電所が次々に爆発し、関東平野に放射線が流れる。せめて危険が目に見えるようにとプルトニウムには赤、セシウムには紫と核発電所の設計者が色を付けたんだって。この映画を戯画ではなく予言の映画にしてしまったのは誰なのだ。来年こそすべての核発電所が止まりますように。2011/12/27
アリソン・ショッツ展 エスパス・ルイ・ヴィトン東京
原宿ルイ・ヴィトンビルの7階に美術館がある。そこで表記の個展をみた。原題が「光の幾何学」という。自然科学に関心のある彫刻家で、展示されていたアクリルの彫刻は、外部の光と色を吸収して見る角度、見る時間によって色や光が変わっていく。じつに興味深い彫刻だった。それにしても、ルイ・ヴィトンのビルに自分が足を踏み込むとは思っても見なかった。
秋岡芳夫展 目黒区立美術館
デザイナー秋岡芳夫の大規模な展覧会。工業製品のデザインは今見ても実に新鮮で機能美にあふれていたが、とても楽しかったのは秋岡がデザインした子供雑誌の付録の科学おもちゃ。機能を特化した簡潔でシンプルなおもちゃが自分たちの夢をかき立てたのだ。秋岡が使っていた、見事に使い込まれた道具や収集品も見応えがあった。2011/12/19
掃除ロボットというのがある。その名をルンバ君という。ハインラインの名作「夏への扉」に家事手伝いロボット「文化女中器」!が出てきてからもうずいぶんの時間が経つ。ところで、文化女中器の末裔、ルンバ君、きちんと掃除しているんだろうなあ。
102番目の馬鹿。「掃除ロボットがきちんと掃除しているかどうか付きっきりで監視している馬鹿」2011/12/16
パズルデザイナー佐藤さんの最新作「白い葉っぱ」を買った。木の葉の形をした2枚のパーツに切り込みがあり、そこに裏表4匹の青虫君がいる。切り込みをうまく組み合わせて、両面とも白にせよ、つまり青虫君を隠せというのが問題。娘ができた!といったが、実はすべての面に青虫君が出てしまう。ははあ、逆にすればいいのだと思ったが案外難しい。帰りの電車の中で再度アタック、無事真っ白の木の葉にできました。それにしても、佐藤さんのデザインはいつ見てもすばらしい。パズルショップトリトで発売中。2011/12/12
近未来ロボット映画。しかし、内容は父と子の絆をロボットを通して描く。そのロボットが廃品置き場から拾われてきたもので、なんと、名前はATOM、そして顔立ちは穏和なときの大魔神(ようするに埴輪)という、出自は日本ではないかと思われるロボット。掘り出されるというのも似ている。ボクシングがロボットの試合に取って代わられた時代に、リアルスティールがリングの上で戦う。あれ、確か鉄腕アトムにもアトラスが出てくる同じような話があったっけ。おすすめ。そういえば、原作はリチャード・マシスンだった。2011/12/9
大回りの旅第2段。前回は大回りといっても中回りくらいだったが、今回は全長330キロの本格的大回り。旅程は前橋ー小山ー友部ー新松戸ー南浦和ー浦和ー新前橋。正規運賃は5460円、これを前橋ー新前橋間の料金140円で乗りついた。両毛線は桐生までは馴染みがあるので読書。桐生からは車窓を眺める。小俣、足利、富田、佐野、栃木、岩舟に降りたことがあった。岩舟は遠かったのだ。小山で水戸線に乗り換える。笠間はここの駅だった。終点の友部まで。友部は大きな駅。快速常磐線は初めてなので車窓を眺める。土浦で遠くに霞ヶ浦が見えた。上野まで行く予定だったが、気が変わり、途中柏で各駅停車に乗り換え、新松戸で武蔵野線に乗り換える。新松戸は秋葉原のような駅。それにしても、柏、松戸と放射線量の高いところを通ってきたのだった。南浦和で電車に乗り、浦和で高崎線に乗り換える。結局上野まで行って乗る予定だった新前橋行きに乗ることになった。高崎線で読書と午睡。新前橋駅では自動改札は通れなかった。無理もない。前橋から新前橋まで8時間かけて乗る人はいないのだ。これぞ究極のヒツマブシ、じゃなかったヒマツブシ
高崎ー小山81キロ1時間半 小山ー友部50キロ1時間 友部ー新松戸83キロ2時間 新松戸ー浦和26キロ40分 浦和ー新前橋88キロ2時間2011/11/14
最近「探偵はバーにいる」(東直巳 早川文庫)を読んだ。本当なら本の談話室に紹介するべきなのかもしれないが、ここでは本の内容ではなく、その中の一節を紹介する。
「その時の経験からすると、子供が最初にぶつかる関門は、約分や通分だ。もちろん、それ以前の、生まれてから八年あまりの人生が大きな原因であるにせよ、今の日本ではこの時期に全ての人間が三種類に選別される。易々と通過する人間と、なんとかクリヤーする人間と、落ちこぼれだ。ここでつまずいた人間は、多くの場合、救援の手も差し伸べられずに、残りの数十年の人生を、落ちこぼれとして生きていくことになる。理不尽な話だが、そうだ。」(本書332ページ)
この本が書かれたのは1992年、今から20年も前。そのときから、算数(数学)はこんな関門の役割を果たしていたのか。数学教師としてあまりに切ない。これが小説の中の話でしかないことを信じよう。2011/11/8
追記:2011年11月9日付け毎日新聞の朝刊に、雨宮処凛の寄稿が載った。今大阪で行われようとしている教育の異常な改悪。競争原理主義が上に紹介した東直巳の文章を拡大再生産しようとしていることを、明快に指摘している。乞うご一読。2011/11/9
11月5,6日に長野上諏訪で開かれた長野県教研集会に参加した。そこで共同研究者のWさんに会った。Wさんは大学院で素粒子論を選考した専門家。彼からレクチャーを受けたところでは、放射線の影響で一番怖いのは癌ではなく、生殖機能への影響だという。放射線を受けた睾丸や卵巣は遺伝子が破壊され、将来多くの先天性障害を持った子供たちが生まれる可能性がある。折りもおり、配偶者が「チェルノブイリハート」というドキュメンタリー映画を見てきた。そこではWさんが言ったような深刻、悲惨な事態が進行していた。子供たちの未来をなんとしても守りたい。核発電所はいらない。2011/11/8
10月16日に中ノ沢美術館で今井ちづこのシャンソンリサイタルがあり、参加してきました。美術作品に囲まれた中で聴くシャンソンはとても良かった。枯葉などスタンダードな名曲、皆で歌ったオーシャンゼリゼ、そして初めて聴く曲。あっという間の2時間半でした。昔高校生の頃、精一杯背伸びしてシャンソンのレコードを聴いていたことを思い出しました。2011/10/17
10月13日に榛名新生会で「東日本大震災と原発事故」というシンポジウムがひらかれ参加しました。パネラーはドイツから来日した2人、オイゲン・アイヒホルン氏(日独平和フォーラム代表)セバスチャン・フルークパイル氏(ドイツ放射線防護協会会長)と、山下勝弘氏(福島社会福祉法人理事長)岩井健作氏(明治学院教会 牧師)の4名でした。参加者100名くらい。会場は熱気でいっぱいでした。
パネラーの話はいずれも大変よかったですが、特に、フルークパイル氏の報告で、チェルノブイリ以後、周辺では一般疾病が急増したこと、生まれてくる子どもたちへの影響が無視できないほどあることなどがショックでした。これが数年後には日本でも起こる可能性がある。
それと、山下さん、岩井さんが、核発電所問題は経済問題、エネルギー問題なのではない、人がどう生きるか、倫理の問題だと言ったことに心から共感しました。
最後にコーディネーター原さんの「たとえ明日世界が滅びるとしても、私は今日一本のリンゴの木を植える」という言葉(伝ルター)に感動し、自分に植えることができる一本のリンゴの木のことを考えました。2011/10/14
中之条ビエンナーレ
すでに会期が終わってしまったが、中之条町全体を使ってのアートビエンナーレに行って来た。会場が地域全体で広く、車を使わないと鑑賞できないのが残念だが、見応えのある作品もたくさんあった。群馬大美術教員のKさんの作品は、手紙を使い鑑賞者が参加することで成立する不思議な作品。ネットワークの具体化というのか。古民家の中で朽ち果てていくような人体とか、暗闇に浮かび上がる蓮池とか。古い学校や民家、酒蔵、工場跡など場所の記憶と作品とが不思議に調和している。今度は再来年です。
脇田和展覧会(高崎市立美術館)
脇田の大規模な展覧会。抽象性と叙情性が見事に調和している脇田の世界をじっくりと見ることができる。初期作品に出会えたのも収穫で、基礎技術の重要さを実感した。それにしても、この静かな暖かさに出会えてよかった。2011/10/10
映画の公開にあわせて知恵の輪が作られたようだ。日本知恵の輪協会のYさんが1つ送ってくれた。映画の中ではチンパンジーが知恵の輪ではなく「ハノイの塔」を解いていた。主人公シーザーの面構えが本当にいい。人への絶望の中から希望を見出し革命を実行する。猿たちが行動を起こすシーンに戦艦ポチョムキンを重ね合わせてしまった。お奨めです。011/10/8
パズル好きの人には有名なキャストパズルの新作「ドーナツ」が発売になった。
数学好きとしては、リンクしたトーラスといった方がピッタリ。形がきれいで手に馴染んで小気味いい。難易度は中クラス。一応外して復元できた。宣伝には予想外の動きをするとあったが、そうでもない。しかし、手がかりがなく、難しいと思います。2011/9/20
この夏、我が家の愛猫カブが老衰のため亡くなった。享年14。身重の野良猫として我が家に来て、3匹の子どもたちを生み育て、最後まで立派な母猫だった。カブとは、歌舞伎役者の隈取りにも似た立派な顔立ちだったからつけられた名前で、最初は「カブキ」だったが、そのうち「キ」が抜けてカブになった。実名で自分の本にも登場してくれた。さよならカブさん、どうぞ天国で子どもたちに会って下さい。合掌。
それにしても、友人の猫は死を悟って姿を消したと言っていた。看取れてよかったです。2011/9/2
山口さん、広島、長崎と2度の被爆体験をもつ二重被爆者。その山口さんが二重被爆の体験を語り核廃絶を説きながら亡くなっていった。その様子を記録した映画。最後に兵器と言わず核をすべて廃絶しなければならないという山口さんの遺言の重さをもう一度感じた。大勢の人にみて貰いたいです。2011/8/26
今回は残念ながら映画や展覧会の話題ではない。今なお終息が見えない福島核発電所の話題である。
雑誌「数学文化」は日本数学協会の機関誌である。それほどポピュラーな雑誌ではないかも知れないが、数学を中心に文化を語る貴重な雑誌だ。その2011年8月号(16号)に谷克彦の論文「今年の米国MAMの話題と日本の原発事故」が掲載された。今回の福島核発電所の事故を数学的な視点から解説している。外国雑誌のエッセイの翻訳は、多少の数学用語と数学記号が出てくるので、馴れない人は少し読みにくいかも知れないが、結論を言えば、核発電所の事故は、複雑系における「事故のなだれ」というべき現象だった。それは予見できないことではなく、そもそも核技術とはそういうものなのだ。多くの人に読んでもらいたい論説である。2011/8/23
この映画は子どもの頃見ている。主人公の2人の掛け合いが漫才のようで面白かったという記憶があるが、三船の演技に不思議なほど記憶がなかった。今回DVDで再会。飽きなかった。ところで、この映画が「スターウォーズ」に影響を与えたのは本当なのだろうか。2011/8/10
悪戦苦闘中だったギアキューブマスターだが、解けない原因が分かった。エッジキューブが斜めになるなり方にパリティがあることを見落としていた。つまり、平−斜右−斜左と状態が、平−斜だけではなく3通りあることを見逃していた。それでやっと解けた。これは難しいです。これで督促されている仕事がはかどる(はず)2011/7/31
以前この欄で3Dギアキューブというルービックキューブ系のパズルを紹介した。続報として、マスターという一部のエッジキューブがノーマルになっているものを紹介した。こちらはルービックキューブより難しい。ルービックキューブならすぐに解ける状態にまで回復したが、ギアのためルービックの手順は使えず、目下悪戦苦闘中。しかし、目の前にランダムに崩れたキューブがあると心乱れる。あっ、仕事がはかどらない原因がばれてしまった!2011/7/29
2ボールパズルという傑作パズルがある。2008年世界パズル大会に出品されたパズルで原作者はチェリー・コックテイルさん。題名の通りボール2つと斜めにそがれたピースがそれぞれ3個あわせてボール2つとピース6個を立方体の中に詰めよというパズル。自作はとても無理だが、ベテランのパズリストHさんが何個か製作してくれたものを購入した。難しい!3年越しで解けず。本当に入るのか?先日トリトのKさんに会い解答が綺麗な対称性であることをちらっと教えていただき、もう一度アタック。入りました!!この対称性に気がつかなかったのは本当に迂闊だった。実物をここに紹介することができないのですが、トリトにまだ何個か残っています。名作です。2011/7/21
東京の国立近代美術館でクレー展を見た。クレーは大好きな画家で、今まで画集でしか見たことのない作品に出会えたのはとても嬉しかった。有名な自画像や「黒い記号」なども見ることができたが、会場の最後にあったクレーの初期の作品。いままで見たことがなかったのだが、これがリリカルな情緒をたたえた風景画。ふっと、松本俊介の作品を思い出した。クレーもこんな風景画を描いたことがあったのだ。7月末まで。2011/7/19
最近、かけ算についての本「かけ算には順序があるのか」(高橋誠 岩波科学ライブラリー)が出版された。朝日新聞の書評欄2011年7月10日に福岡伸一の紹介文が載ったのでご存じの方も多いと思う。自分はこの論争に参加する気はないが、内容が数教協の実践と関わっているようなので、少しだけ自分の考えを述べておこうと思う。福岡伸一の紹介文は内容には踏み込んでいない。
まず、発端から。ある子どもが「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか」という問題に、6×4=24という式を書くと、答えはマルで式はバツにされます。「いま、小学校では」という書き出しなので、日本中の小学校でそう教えているような気持ちになるが、これは事実とは異なるのではないかと思う。少なくとも私の知っている教員で、この式に無条件でバツをつける人はいない。じつは設問にもいささかの仕掛けがある。普通このような問題は最初は「6人に4個ずつミカンを配りました。ミカンは全部で何個になりますか」という形で問われるのではないだろうか。どうも設問が結論(かけ算に順序はない)を誘導するようにできていると思われる。子どもは完結した状況を思い浮かべることのほうが容易で、途中経過を思うことは難しい。
私の意見は「かけ算には順序がある」である。計算式は状況を表し、その状況が異なれば式が異なる。ただ、著者も言っているように、1あたり量を先に書き、いくつ分をあとから書かなければならない理由はない。どちらがどの量であるかが分かっているなら、6×4でも4×6でも構わない。しかし、解答した子どもがどう考えているのかはきちんと把握しておく必要がある。本書で著者が目からうろこと言っている(43頁)考え方は、少なくとも教育の現場には馴染まないと思う。これは6×4を正当化するために後からとってつけたものだ。6×4を正当化するために乗法の交換法則を持ち出すのは、方向違いだと思う。それは多次元量の正比例を考えればすぐに分かることである。交換法則は意味のある数値に適用することはできない。交換するとすれば、意味まで含めて交換する必要があると思います。
この話題はいまもネット上で盛んに議論されているらしい。ずっと昔、この話をどこかで聞いた経験があるが、最初にどこで誰が話したのかは忘れてしまった。古くて新しい話題なのだなあ。2011/7/11
追記:その後、Nさんという方から長文のメールをいただき、私の認識が少し間違っていることを指摘された。どうも、現場ではいま順序を固定する指導が広まっているらしい。かけ算の立式には順序があると思うが、数値の意味さえ理解していれば、1当たり量×いくつ分でも、いくつ分×1当たり量でも構わないと思います。2011/7/22
追記の追記:6個/人×4人=24個 4個/人×6人=24個 でどちらも同じ個数のミカンになることは大切ですが、これと6×4=4×6とは少しレベルが違うと思います。2011/8/10
タルコフスキーの遺作。核戦争と残された人間の贖罪の物語(らしい)じつは冒頭のイメージの鮮烈さなどに目を奪われて、ストーリーをきちんと理解できていない。椅子を積み上げ火を放った主人公は何を何に捧げようとしたのだろう。2011/7/9
久しぶりにシネコンで表記の映画を見た。是枝監督のファンだが、前作「空気人形」は今ひとつ。今回の奇蹟は九州新幹線開業に合わせた映画。よかったです。別居中の家族とその双方に引き取られた兄弟の話。兄弟を演じた前田という子どもたちは実際の兄弟らしい。マエダマエダという芸名で漫才をしているとか。道理で芸達者だった。いつも感じることだが、是枝監督の子供の描き方が秀逸。まったく演技しているように見えない。2011/7/8
1953年製作の白黒スタンダード。原爆投下直後の広島とその後の子どもたちを描いている。今の映画にない異様な迫力があった。この映画を日本教職員組合が制作したことをしり、あらためて心に響くものがあった。ああ、日本の教員が力を合わせてこんな映画を製作した時代があったのだ。現在の核発電所の事故を思う。大勢の人にみて貰いたいです。2011/6/21
ふっと思い立って上越線土合駅に行ってみた。下り線のホームは新清水トンネル内にあり、実に500段近い階段を地下に降っていく。上から見るとかなり異様な空間で、観光客がいるからいいが、誰もいなかったら恐くて降れなかったろう。一人だったら、戻ってこられないような怖さを感じた。先が見えないのだ。駅そのものが観光スポットになっていて、電車はこないが人は沢山いる。地中駅のホームに立ち、こんどは500段の階段を上る。途中300段くらいのところにはベンチがあった。今度は電車で行ってみたいと思った。2011/6/19
書斎の窓の先にグミが植えてある。今年は例年になく実の付きがよく、小指の先ほどの真っ赤がグミがすずなりになった。それを見つけてヒヨドリがついばみに来る。わりと大きな体が細いグミの枝にとまると枝がしなう。それをうまくバランスをとって、器用にグミを丸飲みしている。グミの実は人も食べられるのだが、渋い。しばらくはヒヨドリの遊び場になりそうだ。2011/6/15
一部のシーンだけを知っていて、見たかった映画を前橋シネマで見た。ルイ・マル25歳の作品。帝王マイルス・デイヴィスとの奇蹟のコラボレーション。間断のない傑作でした。ちんぴらの出来心から崩壊していく完全犯罪。結構人が入っていましたが、初老の人が多かったのは、やはり懐かしさから?未見の人、ぜひ見て下さい。モノクロ映画の良さが分かります。2011/6/12
6月11日に全世界で反原発の統一行動があり、群馬でも前橋で集会とデモがありました。夫婦、友人と参加。500人くらいの集会でしたが、若い人も多くて少しほっとしました。集会で古川さんという原子力情報室顧問(名古屋大学名誉教授)の方の講演を聴きました。核発電所、順次止めて行くほかないでしょう。デモはいまはパレードというそうです。昔風に「東電は原発を止めろ!」「政府は嘘をつくな!」「歴代政府は国民に謝罪しろ!」というシュプレヒコールが懐かしいが。2011/6/12
イタリアは国民投票で原発から全面撤退が決まった。翻って日本では未だ、原発推進を声高にわめいている人間がいる。週刊朝日6月24日号の村上春樹の講演記録を読んで欲しい。原発が現実的と思わされている人こそ。2011/6/15
この映画はフィンランドの地下に作られた使用済み核燃料廃棄物の保管所をめぐるドキュメンタリーだ。怖ろしい話だ。半減期が2万年から、数千万年にもなるプルトニウムもここに埋められる。結局、カート・ヴォネガットも言うように、人は地球を壊すべくつくられた忌まわしい存在なのかもしれない。核発電所推進を言う人にこそみて貰いたい。2011/6/5
先日、桐生で石坂草子(彫金)、平井(漆器)、籠原(陶芸)の三人展があり、鑑賞してきた。そのとき、会場でしばらく前に退職した元同僚のSさんご夫妻とばったり出会った。Sさんはイタリア労働運動の専門家の論客。教養部時代はだいぶいじめられたが、まさか画廊で会うとも思ってみなかったのでとても嬉しかった。
「どう、瀬山さん退職の感想は?」
それが昼酒を飲むようになって
「えーっ、そりゃよくない。僕なんか4時前には飲まないよ」
Sさん、そういうのを古人は五十歩百歩と言ったんですよ!2011/5/10
ようやくこの名作を見た。セリフなし、林光の音楽が流れる中で、瀬戸内海の小島での4人の生活が淡々と描かれる。水のない島、畠や家に水を運び上げる毎日。豊かさを求める中で人が何を得て何を失ったかが見えてくる。生きることの切なさ。それに福島の核発電所の事故がオーバーラップして見える。今こそもう一度見るべき映画。弛むところのない傑作。すべての人にお勧め。2011/5/10
シドニー・ルメット監督死去。ルメットといえば「十二人の怒れる男」だが、「オリエント急行の殺人」も代表作。以前に見たとき、監督がルメットだということに気がつかなかった。今回あらためて見て、これは形を変えた「十二人の怒れる男女」だと分かった。エキセントリックなポアロがいい。でてくる俳優が豪華絢爛。面白いです。2011/5/5
群馬での第27回の憲法集会が5月3日憲法記念日に前橋の県民会館で開かれました。私も参加しました。東日本大震災、原発事故を受けての集会で、1700人くらいが集まったそうです。記念講演は東北大名誉教授の日野秀逸氏で、憲法第25条を中心に人が尊厳を持って生きることについて話されました。右翼の鳴り物も賑やかで盛り上げてくれました。世界に誇るべき日本国憲法を世界憲法にしましょう。2011/5/3
中国電力上関核発電所建設に反対する20年以上に渡る反対運動のドキュメンタリー。東電福島核発電所の事故を受けても、この原発建設を強行するのだろうか。今、日本人の本当の意味での感性が問われている。見て下さい。特に中電の支店長、経産省の課長補佐、あなた方は福島の惨状をみても、なお、原発を強行するつもりなのですか。2011/4/22
榛名穏和の園で102歳になる老婦人と永遠の別れをした。ここは私の両親が同じように死を迎えた施設。ここで知り合い、つい最近まで親しく言葉を交わした人で、最後まで「今を生きた」女性だった。最期を見とった介護士お二人の別れの言葉が涙を誘った。私が入居するまで待っていてくれると思っていたのだったが。Kさん、どうぞ安らかにお休み下さい。さようなら。2011/4/21
高崎映画祭が終わりました。今回は25周年記念大会だったのですが、東日本大震災とぶつかり、停電におびえながらの大会でした。停電は大丈夫で予定されていた映画はすべて上映されました。瀬山は今年は期間中に27本の映画を観ましたが、戦争やそれに関連する映画がよかったです。最終日に観た「カティンの森」アンジェイ・ワイダ監督は左右を問わず、戦争が引き起こした大量殺戮という犯罪を告発して見事でした。さて、来年は何本の映画が観られるか。2011/4/11
こんな時こそB級映画の出番(かなあ)表記の映画を前橋シネマで見る。観客は?2人。いっそ1人なら良かったか!学生時代リアルタイムで観て(いくつの時?)大まかな筋は知っていたが、終わり方にのけぞり、感涙にむせんだ。おお、これぞB級特撮映画だ。本多監督万歳。機会があったらぜひ見て下さい。ある種の恋愛映画ですぞ。2011/4/7
人間はドレスデン、東京、重慶、そして広島、長崎、前橋と無差別殺戮を繰り返してきた。悲しい歴史である。爆弾の下に普通に生活している人々がいる。爆弾を投下する側はその事実に対する想像力を決定的に欠いている。もちろん欠いているからこそ爆撃できる。映画はナチスの非人間的な行為と一緒に爆撃する側の過ちも描いた。その惨状は今回の大震災、原発事故と重なる。原発を推進してきた人間は事故に対する想像力を持たなかった。これも悲しい事実である。戦争映画の秀作(秀作?といっていいのだろうか)2011/4/6
今年も映画祭の季節がやってきた。なんといっても東日本大震災の影響で開幕も危ぶまれたが、授賞式が中止になったけれど、映画祭は無事開幕。今年から平日も参加できるようになり、今まで18本ばかりの映画を見た。25周年記念の文集も出るらしい。私の記憶は第8回だったか、大阪から駆けつけてみた「マルメロの陽光」ビクトルエリセ監督。いい映画でした。
さて、今年、じつは映画祭ではなく見た「白いリボン」ミヒャエル・ハネケ監督がすごかった。一種の恐怖映画だと思うが、第1次世界大戦前夜、ドイツのある村で起こった不可解な事件を描いている。人の心の深部に潜む魔性と不条理、そして異物排除の恐ろしさ。面白いと言っては語弊がある。モノクロの映像が実に綺麗なだけ、その恐ろしさが身にしみた。ぜひ見て下さい。2011/4/4
大変な災害になってしまった。震災は天災かも知れないが、核発電所の事故は人災である。どのような形で原発事故が終息するのかがまったく見えてこない。それにしても、原子力安全委員会、保安院と称するものがまったく無能、無責任であることがはっきりした。もう一つ、今まで原発、原発と叫んでいた自民党の推進派や原発文化人は口を拭って何もいわない。東電といっしょになり安全、安全と言い続けたのは彼らである。子どもたちにどういう影響が出てくるのか、ちょっと言葉では言い表せない不安がある。いいたいことは沢山あったと思うが、どうも言葉にならないのです。2011/4/2
追記:私はできうる限り、原子力発電所と言わず、核発電所と言うことにした。2011/6/21
一風変わったルービック系のキューブパズルが発売になった。キューブ同志が歯車のように噛み合っていて、廻すと回転してしまう。以前、トライボックスのセールで見てそのときは非売品だった。聞いたら見た目より易しいですという話。今回トミーから発売になり早速入手して試した。90度回転が不可能で180度しか廻らず、センターキューブが一緒に廻ってしまう。なるほど、このパズルはコーナーキューブさえ合わせれば自然に解けてしまうようだ。確かにルービックより複雑だが易しい。でも廻すときの感触が実にいい。楽しめました。2011/3/5
その後、3Dギアキューブマスターというワンランク難しくなったパズルが発売された。こちらは迂闊に廻してしまい、完成できず。悪戦苦闘中。2011/7/19
サイパン島といえば玉砕の島で、バンザイ・クリフという悲劇でよく知られているが、この島で47名の兵を率いて戦い、200人近くの島民を守り抜き、最後に名誉ある降伏をした日本人大尉がいたという。この大場大尉の実話を映画化したもの。兵士が民を守るとはどういうことなのかが分かる。直後、インパール作戦という無茶苦茶な作戦を立案指揮した牟田口という中将の話を読み、その落差に愕然とする。大場大尉は島民と兵を守り抜き、牟田口中将は何万という兵を死(しかも大半は餓死)に追いやり何の反省もなかった。2011/2/15
高崎シネマテークで不思議な映画を見た。素敵な老夫婦のドキュメンタリー。シネマテークのチラシを引用する。
NYマンハッタンに暮らす老夫婦・ハーブとドロシーは、4000点を所蔵する現代アートのコレクター。とはいえ、大富豪ではない。狭いアパートにつつましく暮らし、展覧会を巡っては気に入った作品を見つけるとその作家の仕事場へ出向き、作品を直接買う。購入当時は無名でも、今では20世紀を代表する作家ばかり。何点か売れば大富豪のはず。しかし、彼らの購入目的は、投資ではない。ただ純粋にアートを愛しているだけなのである。そんな彼らのアートへの情熱がすがすがしいドキュメンタリー。
こんな風に生きたい、と思った。 2011/1/31
私もこの3月で定年退職になります。足かけ41年間の大学教員生活でした。表だって最終講義はしませんが、何名かの方から問い合わせがあったので、普通の講義の最終回を開放します。関心のある方はご参加下さい。
日時 2011年1月25日(火) 8時40分から10時10分まで
題目 20世紀数学の歩いてきた道
場所 大学教育センター3階 GA308教室
現代数学の歩んできた道を振り返って、数学とはなんなのかを私の数学とのつき合い方を軸に話したいと思っております。
2011/1/7
原作は「武士の家計簿」磯田道史 新潮新書でこれは小説ではなく、磯田が古書店で発見した加賀藩御算用者の本当の家計簿。映画はこれを題材にしてストーリーが組み立ててある。面白かった。下級武士がどのような生活をしていたのかが分かる。映画の中で和算、算術が大きな役割を果たす。等差級数の問題と鶴亀算の問題が出てきた。映画館の暗闇で暗算し、スクリーンに向かって「ご明察!」と言った。2010/12/12
我が家の猫チャーが息を引き取った。享年13歳。野良猫のお腹の中にいて、我が家に来て12年人なつこく、きれいな猫だった。最後は我が家で介護をし、配偶者の蒲団の中で静かに息を引き取った。チャーと暮らした12年を忘れない。ありがとう、そしてさようなら、チャー。合掌。2010/12/11
ある高名な工学者が書いた数学書の第3弾が老舗出版社から出版された。今度は微分積分学についての解説。だが、これで本当に微分積分学の意味が分かるのだろうか。微分が極限内包量だということは触れられず、積分は不定積分の求め方に終始している。微分積分学の基本定理の理解ももう一つではないのだろうか。初学者がつまずきそうな部分には面白い解説もあるし、最後の章は話としては上手。でも全体として、どうもこの著者のセンスに疑問を感じる。所々活字を大きくするのも余り好みではないのです。もっとも、これは個人の話ですが。2010/11/11
思い立ってとうとうカーナビなる機械を買った。最近余りに方向音痴が高じてきたので、その対策も兼ねている。初期設定も済み、さて、配偶者と一度使ってみようということになり、近くのコンビニまで出かける。「つぎ、右折です。すぐに左折です」おいおい、あってるよ、と馬鹿なことではしゃいでいる。横山隆一の名作漫画「百馬鹿」に101人目の馬鹿を付け加えよう。
「知っている道をカーナビに入れ、あってる!と騒いでいる馬鹿」2010/10/30
とうとう将棋もコンピュータがプロに勝つ時代がやってきた。将棋ソフトが清水女流王将を破った。堂々と対戦を引き受け、ソフト開発者に敬意を表した清水王将に拍手。負けるのが恐くて逃げ回っている人間とは大違いだ。将棋ソフトの奨励会入りを認めよう。生きているうちに、碁のソフトもプロに勝つようになるだろうか。2010/10/20
最近、一定の区間では電車料金を最短経路で計算する。つまり、隣り駅に行くのにぐるっと大回りしていっても料金は隣り駅分だけでいい。ただし、途中駅で下車することは出来ない。電車に乗ることだけを目的とするならとても面白い旅である。思い立って、新前橋から前橋まで(隣り駅)新前橋ー(両毛線)ー高崎ー(高崎線)ー大宮ー(宇都宮線)ー小山ー(両毛線)ー前橋で旅をした。総`数200`強、正規運賃3550円、それが160円で移動できる。高崎線はいつも使っているので、移動書斎と居眠り用、ここは70`。大宮で乗り換える。宇都宮線の沿線は珍しいので子どものように窓にしがみついて外を見ていた。ここが50`。小山で両毛線に乗り換える。ここが一番長く80`というのは意外だった。子どもの頃、旅行より汽車に乗ることが楽しみだったのを思い出していた。所要時間5時間。今度はもっと大回りしてみよう。2010/10/10
これは有名なパズル、N型立体ペントミノ(5個の立方体をN型に貼り合わせたもの、3個と2個を端の一個を貼り合わせて2段にする)を25個、これを5×5×5の立方体に詰めろというパズル。難しいので有名。作るのが大変なので敬遠していたのだが、今度腰を据えて作ってみた。難しいです。あと1個というのでさえ難しい。今机の上にあと一個の状態で置いてあります。パズルサイトで調べると、完成までに6年かかった人がいるとか。うーん、死ぬまでに完成できるだろうか。2010/10/3
その後、もう少し易しいというY型立体ペントミノ25個のY−25も作ったが、こちらも全く入らない。ひえー。あと1個というのダメかなあ。2010/10/20
この夏最後の映画かな。「トイレット」見た。かもめ食堂も不思議な味わいのある日本製外国映画だったが、今回も異国に取り残された老婦人とその孫達の奇妙で深みのある家族模様を描いている。ガンプラオタクの次男、引きこもりのピアニストの長男、大学生の長女、そして英語を話せない老婦人、家族とはなんなのかを考えさせられる。最後のエピソードが蛇足かなあ。2010/9/13
このところ映画ばかり見ているが、またまた2本紹介。
「春との旅」小林政広監督
芸達者な俳優達がそれぞれの演技を見せてくれた。親族との葛藤、別れが胸に響く。人それぞれに生きることの意味を問う映画。淡島千景の演技がじんと来た。少し長いのが難点かとも思ったが、多くの出会いのためには必要だったのだろう。
映画「去年マリエンバートで」アラン・レネ監督
最初に劇場で見て、ビデオで2度ほど見て、今回4度目の劇場鑑賞。寝ないで見たのは今回が初めてか。とにかく冒頭のシーンを見ているとすーっと眠りに引き込まれるような気がする。今回は事前に十分に寝て体調を整えて見たのがよかったのか。きちんと見て、大傑作だということを実感した。現実と主観、現在と過去が入り交じり不思議な幻想空間を生み出した。ニムの勝負がいいのである。
袴田事件を正面から取り上げた社会派の力作。袴田事件、1966年静岡で一家4人殺害放火という事件が起きた。犯人として袴田厳元プロボクサーが逮捕される。判決は死刑。彼は無実を訴えて再審請求している。この事件は一審の裁判官だった熊本元裁判官が、袴田死刑囚は無罪であると告白したことでよく知られるようになった。この裁判がどうだったのかを高橋監督は丹念に調べ映画化した。袴田役の新井浩文、熊本役の萩原聖人の力演が光る。人が人を裁くとはどういうことなのかを根底から考えさせられる。見るべし。2010/9/4
主演の2人、寺島しのぶ、大西信満の演技がすごい。「忘れるな、これが戦争だ」の一言に尽きる。万人向けの映画では無いのかも知れないが、大勢の若者にみて貰いたい。戦争とは何かを知るために。2010/9/3
シネマまえばしで9月9日(2010年)まで。未見の人は必ず見て下さい。この傑作を見ないで死んでしまうには、人生余りにもモッタイナイです。突然不思議な砂漠の惑星にテレポートしてしまった2人。そこはキン・ザ・ザだった。では、クー。不思議な映画だが、見方をちょっと変えると、こんなに分かり易い映画はないのだ。2010/8/30
表記の展覧会を見た。野又は大好きな画家の1人で、1980年代からこの世界に存在しない建築、風景を精密な筆致で描き出している、幻想画家である。その、解体中とも工事中とも見える不思議な光景は、一度見ると忘れられない。アルカディア、無可有郷の人を拒絶する建築物をぜひ見て下さい。8月29日まで。2010/8/1
森毅さんが亡くなられました。事故から回復できずの逝去でした。合掌。数学教育協議会に参加し、副委員長として活躍され多くの著書を残しました。私は数教協に参加して、森さんと直接話ができるようになり、たくさんの大会で森さんを囲んでいろいろな話を聞かせて貰いました。沖縄の飲み屋でテビチをつまみにしながらの話がとても印象に残っています。お酒を飲まないのに飲み屋で雑談という、不思議な方でした。間口の広さは驚異的で、数学、数学教育から文学、社会問題まで森羅万象を語って尽きない方でした。もう一度あの話を聞きたいです。つつしんでご冥福をお祈りします。2010/7/26
表題の映画を見た。藤沢周平原作の隠し剣シリーズの短編を映画化したもの。山田洋次監督作品とはひと味違った硬質の映画になっていた。今までみた豊川悦司の演技の中では一番良かった。身分、立場、運命に翻弄される男を見事に描いている。「男は黙って」なのだろう。ところで、2/3ほど見たところで結末の予想がついたが、鳥刺しがどういう秘剣なのかは分からなかった。ラスト何分か見応えあり。エンドシーンも涙を誘った。お奨め。2010/7/15
この欄で「数独にはまる!」を書いたのが4年前。一頃の熱は少し冷めたが、今でも楽しんでいます。今年、別冊日経サイエンス「数学は楽しい」という本の編集をお手伝いした。その中に「数独の科学」という章がある。数独の数字を決定するのに最小何個の数字を表出しておく必要があるか。16個の表出では解が一通りに決まらないものがある。その問題の解の個数を巡って、読者から質問が来た。調べてみたら、残念ながら質問者の解にはミスがあったのだが、その問題を解く過程で、実に面白い経験をした。2つの数字のどちらだとしても、ある数字が1つに決まる、その決まり方に新手があったのだ!発見したときは嬉しかった。数独、まだまだ発展性がありそう。2010/7/8
その後、世界で一番難しい、という数独を手に入れた。盤面が対称でないのが残念だが、とにかく解いてみよう。2010/8/30
行きたいと思っていた「ぐんま昆虫の森」に行ってきました。前方の山の中に忽然と姿を現した未来的なドーム。安藤忠雄設計の昆虫ドームです。建築自体も素晴らしい。中は蝶の楽園。人に追いかけられた経験がないので、指にも頭にも止まります。さまざまな生きた昆虫が見られるのもよかった。世界のカマキリの展示にびっくり。そして広大な敷地の中は草原あり、雑木林ありで実によくできた楽しい施設です。ぜひ行ってみて下さい。雑木林の中でタマゴタケをたくさん見つけ採集してきました。2010/7/4
このところ高校での出張授業が続いている。先日は前橋市内の私立高校で授業してきた。担当してくれた教諭(私のゼミ生)によると、数学嫌いの生徒もだいぶいたらしいのだが、居眠りもせず聞いてくれたのでほっとする。定年間際になって、つくづく数学の授業が面白いと思うようになった。はは、もう手遅れでござる。それでも年内にあと6校の授業が待っている。楽しんでこよう。2010/7/1
続いて、高崎市内の私立高校で講義(7/2)こちらも教諭になっている卒業生が呼んでくれた。彼とは3年間基礎論の輪読をした。今回は希望でトポロジーの話。理系に進学する生徒も多いらしい。真剣に聞いてくれた100の瞳が印象的だった。2010/7/3
卒業生達が教員になり、いろいろなところで声をかけてくれる。教員冥利に尽きる。児童、生徒達に会えることがとても嬉しいです。
小、中、高校を問わず数学の出前授業します。ご希望があれば御連絡下さい。時間が許す限り出かけたいと思っております。
連絡先:瀬山 cxj15747@nifty.ne.jp
最近、ルービックキューブがまた静かなブームになっているらしい。先日学生が、「先生、これできますか?」と言って持ってきたのが5×5×5のプロフェッサーキューブ。まあ、やって出来ないことはないのだが(1度くらい出来たからって威張ってる!)「そこまで出来ればあとは簡単。自分でやりなさい」
町にはいろいろなタイプの変形がでている。
ルービックタワー:少し前にタワーキューブという2×2×3のキューブがでて、これは難しさが手頃だったが、今度ルービックタワーという2×2×4がでた。これは難しい。だいたい形が変わってしまうのが大変で、直方体を崩すと形だけでも元に戻すのは難しい。未だ解法は分からず苦闘中。
その後、ある販売会で、3×3×4のキューブ(よく考えたらキューブではないですねえ)も入手。そこには参考品としてともかくもびっくりするようなルービックキューブの仲間がごろごろしていました。発売にならないのかなあ。2010/8/30
スクランブルキューブ:これはフロッピーキューブと同じで、1×3×3の平べったいキューブ(!?)ところが、コーナーが2つで回転する。それほど難しくはないが、そのメカニズムがどうなっているのかが大変に興味深い。2010/6/6
その後、ルービックタワーを完成することが出来た!しかし、まだ、完全な解決にはほど遠い。要するに分かっていないのです。無念。2010/6/7
連休最後の日、展覧会を2つ見た。
渋川市立美術館の島田忠幸「プリニウス 変貌する犬」
犬の鎧、戦争に参加したのか、相手を倒したシーンもある。中味のない鎧だけの犬は不思議に面白かったが、同時に見た小品の彫刻、輪切りの檸檬、剥かれた林檎などが静謐な叙情を伝えてくれた。5月16日まで。
中ノ沢美術館の下山直紀「Butterfly effect」
下山直紀は若い木彫の彫刻家。以前同じ中ノ沢美術館で巡り会い、東京の展覧会も見た。動物が植物と化す?植物から動物が生える?下半身が植物の動物たちがじっとこちらを見ている。ユーモラスでどことなく痛々しく、かつ不思議感に溢れた彫刻。会場で作家に会うことができたのがとても良かった。どの彫刻も目がとても印象的。遠くを眺める視線がいいのです。7月11日まで。2010/5/5
新橋演舞場で表記の歌舞伎を見る。四谷怪談は同じ新橋演舞場で中村吉右衛門の民谷伊右衛門を見た。今度は忠臣蔵との絡み、吉良邸討ち入りの時、岩の亡霊が出てくるのでびっくり。やはり、「首がとんでも」のセリフはよかった。歌舞伎、面白いです。2010/4/17
昭和残侠伝は「昭和残侠伝」から「昭和残侠伝 破れ傘」まで全部で9本。うち6本をまとめて見た。学生時代、リアルタイムで見たものもあり、今回DVDで初めて見たものもある。話はどれもほとんど同じ、最後に高倉健の花田秀治郎(ほかの名前のときもある)と池部良の風間重吉の道行き殴り込みを見るための長い前奏曲と思えばいい。今回もう一度見て、山本麟一に存在感があった。残り3本(血染めの唐獅子 吠えろ唐獅子 一匹狼)も見ようと思った。2010/3/25
大阪の画廊で湯川誠一の本の展覧会があった。連休を利用して配偶者と出かけた。
湯川本といえば、知る人ぞ知る稀覯本、個人の蔵書になってしまえば、見る機会はほとんどない。今回はそれを一度に見ることができる希有な機会だった。きれいだった。残念ながら私は湯川本を1冊しか持っていないが、ケースの上から眺めながら、手にとって見たいと思いました。数学書を湯川書房から出してみたかった。夢のまた夢です。2010/3/23
国立博物館で開かれている長谷川等伯展を見てきました。上野駅について歩き出し、もしかして、この人達みんな等伯展に行くの?と不安になりましたが、不安は半ば的中。博物館の前は長蛇の列。30分待って入場。並んだ甲斐はあり、松林図はよかった。科学的遠近法とは違った情緒的遠近法を堪能。それにしても、名を残すということは大変なことなのである。2010/3/23
S先生に冷やかされながらも、瀬山は小学校で第2回目の授業をしてきました。今回は3,4年生各2クラスです。内容は「タングラムと面積」「立体図形」「あみだくじ」「紙切り図形」です。立体図形が知識教え込みの授業になってしまったのが残念でしたが、ほかは手作業も多くてそれなりに面白かったです。さて、3月はいよいよ1,2年生、どなたかいいアイデアがあったらお手伝い下さい。それにしても、小学校の授業は面白いです。場を提供して下さった藤岡市立美九里東小学校の校長先生はじめ教職員の皆様、授業に参加してくれた生徒の皆さん、有り難うございました。
その後、3月10日に大雪をついて1,2年生の授業「計算遊び・ミニ魔方陣」「長さ比べ」「場所を表す数・原座標」の授業も終わりました。無事にすべてのクラスで違う授業をすることができ、本当に勉強になり楽しかった。感想を書いてくれた皆さん、有り難う。2010/3/10
この映画がDVDになっているということを同僚の心理学者Sさんから教えて貰った。早速買った。見た。よかった。アナという少女の心の中を映像として描き出した作品。光と影、父とフランケンシュタイン、地平線の光すべてが印象深くとてもいい映画。DVD手に入ってよかった。Sさん、情報有り難うございました。2010/2/9
話題の3D映画「アバター」を見たといいたいところだが、行った映画館が3Dでは上映していなかった。残念だが普通のスクリーンで見た。それでもとても面白かった。未来世界の西部劇を侵略される側から撮ったと思えばいい。ほとんどすべてがCGということでアニメーション映画の変形なのだろうか。それでも異世界の描写は迫力があり、岩が宙に浮き、翼竜が空を飛び、不可思議な植物が繁茂している、自分が本当には見ることの出来ないものを見せてくれた。こんな映画に感謝したい。メリエスもこんな気持ちで映画を撮ったに違いない。2010/1/8
どうしても3Dも見たくて別の映画館で見る。確かに立体映像は迫力があるが、飛び抜けてということもなく、普通に見ても面白いと言うことが分かった。2010/2/8
話題2つ。今年の賀状パズルは以下のような問題でした。吾と思わん方は挑戦して下さい。
とら+とら+とら+・・・・+とら=とら2010
とらは最小何匹で、と=□、ら=□。
中学生なら挑戦できます。
新春歌舞伎「旭輝金鯱」国立劇場
表記の歌舞伎を見てきました。(尾上菊五郎ほか)これが大凧乗りはあるわ、水中での大立ち回りはあるわ、火の玉は飛ぶわの大活劇で、歌舞伎の面白さを堪能しました。筋はよく分からなかったけど。そこでふっと気がついた。これは東宝特撮映画なんだ!2010/1/6
魂の歌い手、新井英一の前橋ライブ4のお知らせ第1弾です。
日時 11月20日(金) 午後6時半開場
場所 前橋文学館3階ホール
前売 3500円
国立劇場で乱歩歌舞伎第2弾「きょうをみだすうわさのかぎづめ」を見ました。人間豹の続編です。人間豹恩田乱学が最後にとても内省的な人間的なセリフを吐くのに少し違和感を覚えましたが、人形愛、鏡地獄など乱歩アイテムをちりばめた舞台を堪能しました。特筆は人形花かたみを演じた中村梅丸。瞬きをせず、ぎくしゃくとした人形の動きを見事に演じました。こんな美形の人形なら鏑木幻齊ならずとも手元に置きたい!どうぞご覧下さい。2009/10/6
9月最後の日曜日。2つの美術展をはしごした。
伊香保ハラミュージアムアーク。新設された観海庵を見に行く。黒い方舟はそれだけでも見る価値があったが、展示で出会った束芋という作家のビデオ作品に魅入られた。真っ暗な部屋、波の音、延々と繰り返される寄せては返す波。鏡を使い不思議な空間を創造していた。
渋川市立美術館「なんなん?どうなん?そうなんだ!」音のカタチという展覧会。実際に叩いて音を聞くことができる。金属人間たちの愉快な演奏会にも出会えます。10月18日まで。2009/9/27
ふっと表記の映画を観た。この「破」というのは序破急の破らしい。スーパー科学とノスタルジックな日常が混在するよく分からない世界。当然のことながら、ストーリーの説明はないので、シト(多分使徒だろう)との戦いがなぜ起きているのかはこれだけ見ても分からない。分からない人は多分見ないんだろうな。見ながらすこしいらいらする。弁当を食べる中学生とこの世界がつながらない。どうやら父と子の話らしい。そう思ってみているうちに父の顔が天馬博士に似ている(もっとも浦沢版鉄腕アトム)と思った。途端に主人公碇シンジの顔がアトムにダブって、随分伝統的なテーマを扱っているのだと思った。2009/9/11
ハワイ・マウナケアの山頂に今度直径30mの超巨大天体望遠鏡が作られるらしい。昔から天文に興味があり、望遠鏡を覗くのは大好きだった。ところで、新聞記事によると、鏡は1枚ではなく6角形の小さな鏡を492枚並べるというのだが。正6角形の鏡では平面になってしまい放物面にならないし、中心に1枚置くとすると鏡は必ず奇数枚になるはずだが、どんな設計になっているのだろうか? 2009/9/7
高崎シネマテークで表記の映画を観た。綱渡りの大道芸人フィリップ・プティ、彼は今はなきニューヨーク世界貿易センタービルの地上400mの空間に綱を張り、その上で綱渡りする夢にかける。ついに夢を実現するまでのドキュメンタリー。この綱渡りは「史上、もっとも美しい犯罪」といわれたそうだ。文字通り、手に汗握る緊迫感に覆われた傑作映画。2009/8/23
歌舞伎座で表記の歌舞伎を見ました。どちらも三遊亭円朝の夏向き怪談劇。福助の豊志賀と勘三郎の早変わりです。累ヶ淵は四谷怪談と並んで有名な怪談ですが、恐いシーンなのに会場から笑い声がでるのが不思議。でも豊志賀の死だけだと、全体の構成が分からないだろうなあ。豊志賀の死は志ん朝のCDで聞けます。怪談乳房榎の勘三郎の早変わりは見物でした。すれ違った瞬間に人が入れ替わるのはびっくり。2009/8/13
夏芝居 また棺桶がでてくるぞ 眞鍋呉夫
09年度の数教協全国大会は8月4〜6日に松江で開かれました。はるばる松江までの旅は長かった。思い出せば、初めて全国大会に参加したのは28年前の米子・皆生大会でした。今回は中学校部会に参加。関数や図形について討議してきました。ブラックボックスの有効性について少し挑発的な発言をしたので、議論になってよかった。最後の日にサロンで計算の教材をいくつか紹介しました。これはその少し前に北海道地区の数教協大会で発表したものの焼き直し。少しネタがなくなってきたぞ。そう言えば、大会では北海道でお世話になった方に何人も会いました。パズルは難しかったけど。
来年は琵琶湖大会です。2009/8/13
最近入手した傑作パズル「RECT」。実は発売前なのだが特別に作者から分けていただいた。5ピース+1ピースで長方形をつくれというパズル。切り方は有名な正方形分割を思わせる。なめてかかったらひどい目にあった。難しい!単に長方形にするだけでこれだけ難解になるとは思っても見なかった。悩んだ末に完成したが、シンプルで楽しめるパズルの傑作。残念ながら著作権もあり、ピースの形はいずれ発売になるものを見て下さい。2009/7/12
赤城に中ノ沢美術館という美術館がある。木々に囲まれた静かな美術館で、展覧会のほかにコンサートなども開かれる。そこで表記の美術展をみた。小林裕児の作品には以前榛名の新生会という施設で巡り会い、その不思議な表現に心をひかれた。シュルレアリステッィクなどことなく懐かしく、しかし非日常の心象風景を精密に描いている。この展覧会も不思議な魅力に満ちている。目の大きなちょっと古風な男や少女が空中を馬に寄り添うように、電信柱の上でこちらを見ている。たしかにここからたくさんの物語が紡ぎ出せそうだ。会期が長いのでぜひ大勢の人に見てもらいたいです。2009/7/12
表記の映画、見たいと思っていたので見ることができよかった。CGを使わないロケの撮影は迫力があり、出演俳優香川や浅野が命の危険を感じたというのは本当だろう。自然を相手のドラマなのでその分、人間のドラマが少し薄まった感じがあるが、とてもいい映画だった。2009/7/2
ファッションカメラマンの繰上が73歳にして初めてメガホンをとった映画。宮沢りえと永瀬正敏が主演。いかにもカメラマンらしい映像と、なんとも形容しがたいエロティシズムの映画。宮沢の感情をあらわにしない演技がよかった。しかし、見る人を選ぶ映画だと思った。「ターミネーター4」も見ました。3まで見たので4を見ないわけにはいかない。ド派手な映像で退屈はしないが、ネタはすぐにばれるのでその分損をしている。2009/6/25
09年の高崎映画祭では、還暦目前に亡くなった監督市川準を偲ぶ特集があった。再会した映画も多かったが、改めてこの監督の才能を感じ本当に惜しい人を亡くしたと思った。「トニー滝谷」の全編を覆う「寂しさ」「寂寥感」が好きだが、この映画を撮った様子を撮った映画「晴れた家」がとても興味深かった。もう一度監督に合掌。2009/4/14
今年もまた高崎映画祭の季節がやってきました。昨年、茂木正男さんを失いましたが、今年も例年以上にいい映画祭になりそうです。開幕4本の映画を観ましたが、「接吻」が面白かった。ミステリ心理劇ですが、見応えあり。ただ、結末を主人公の一人の弁護士が何故予測できなかったのか、と思いました。話さない方が良さそうなので、奥歯にものの挟まったような言い方です。ぜひご覧ください。2009/3/29
不思議なキューブパズルが発売になった。1×3×3のルービック型のパズル。要するにルービックキューブの上一面だけというパズル。もちろん、解くのはそれほど難しくないが、不思議なのはその物理的な構造。コーナーのキューブがどうして落ちてこないのか、分解してみたい。2009/3/28
数独の大流行などもあって、いまパズルが一種のブームかも知れない。電車に乗ると数独に夢中になっている人を見かける。こっちもチラチラとのぞき込んで、「あっ、5が入りますよ」と声をかけたくなるような。しかし、パズルの解説は難しいものです。間違っていると思われる解説もあるし、いや、それはこっちの解の方がエレガント、と言いたくなる解説もある。最近ある解説書でそんな例に出会いました。もっともそれを見つけるのが楽しくてという側面もあったりして。2009/3/21
数学書なので本来なら読んだ本の中で紹介すべきですが、残念ながら、私の力では内容を紹介することができないので、この欄で紹介します。とてもいい本だと思いますが、難しいです。難しいことを承知の上で、現代数学の源流に当たってみたい人はぜひ格闘してみてください。実は本欄で紹介するのにはもう一つわけがあります。それは本書上巻10ページの次の言葉です。
「人類の自然認識の歴史上、その重要さにおいて双璧ともいうべき”虚数”と”地動説”が、その後それぞれどんな運命をたどったかを比較してみることは科学史上(むしろ人間の精神史上)非常に興味ある話題になるのではなかろうか。(現在でもアメリカには地動説を認めない協会が存在している!一方、日本には文部科学省教育審議会で2次方程式など実生活に必要ないから教えなくてもよいと主張した”学識経験者”がいたと聞く。)
2009/3/15
うし+うし+・・・・+うし+こうし=2009
うしは最大何頭でしょうか。そのときの、こ、う、しを求めてください。
ただし、こ、う、しはすべて異なる数で、う、こは0ではありません。
比較的簡単なパズルです。本年もよろしく。2009/1/1
江戸川乱歩「人間豹」がなんと歌舞伎になった。ちょっとびっくりしてなんとしても見たいと思い、国立劇場に行きました。松本幸四郎、市川染五郎、市川春猿という配役。これがとても面白い。原作を読んでいたので、一体どうやって歌舞伎に、と思ったのですが、見事に歌舞伎になっていました。犯人の性格が少し違うけど。引き続いて、乱歩が歌舞伎になるのだろうか。楽しみです。2008/11/4
このところ新型のルービックキューブの発売が続いている。
(1)ミラーキューブ
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すべて一色の銀色。えっ、誰でも完成できる安易なキューブ?ではありません。面の分割が不定形。大きさが違っている。廻すと形が崩れとても難しいのです。 |
(2)ボイドキューブ
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真ん中のキューブがなく中空!ルービックキューブの枠だけでできている。どういう仕掛けで全体がまとまっているのかとても不思議。やっていたら、普通のルービックでは起きないと思う現象が起きてしまった。どうなっているのだろう。2008/10/15 |
物理学賞同時3名受賞でびっくりしたら、今度は化学賞!すごいです。ところで、物理学賞を受賞した益川敏英さんは科学者9条の会の発起人の一人。毎日新聞だけが報道したようだが、とても嬉しいです。社会的な視野のある、反戦平和を貫いた人がノーベル賞を貰った。ある日本人受賞者の優生思想とは大違いだ。2008/10/8
パズルにまつわるミステリ「数独パズル殺人事件」を読んだ。中でパズル数独にまつわるダイイングメッセージが出てくる。探偵役は理論数学研究所の女性研究者なのだが、この謎がすぐに解けないのはいささかお粗末。だって、僕だって見ただけで分かってしまった。もっとも、メッセージが読めても犯人は分からなかったけど。2008/9/29
遅ればせながら、フラガール見ました。高崎映画祭で見損なっていたので、とても観たい映画でした。よかったです。ひたむきな映画は観ていて疲れることが多いのですが、これはそんなこともなく、とても爽やかでした。涙も出ました。同僚のYさんが、日本には炭坑映画の伝統がある、と言っていて、おお、そういえば、「にあんちゃん」「ラドン」も炭坑だったと思い出しました。何度も見られる名画です。2008/9/20
上野都美術館でフェルメールの展覧会が開かれている。日本初公開の作品も含めて7点が集まった。今回、休館日に特別鑑賞できるという企画があり、参加。待ち時間なしで見ることができたのはとても嬉しかった。青いターバンの女はきていなかったが、どれも光と影の陰影が素晴らしく堪能した。それと前期デルフト派の作品がとても良かった。ぜひご覧下さい。2008/9/17
追記:先日高崎線で親子連れの方が電車の中でフェルメール展のパンフレットを見ていました。鑑賞の帰りだったようです。2008/9/20
今年の全日本教職員組合の教育研究集会は京都で開かれました。地の利もあってか、大きな大会になり、その分、右翼の宣伝も多かった。鳴り物入りでもう風物詩みたいなもんです。瀬山は小学校部会に参加しましたが、数学教育は低学年の方が難しく、角やグラフの読みとりの話などとても難しかった。でも参考になりました。全体会で高校の先生が発表した特殊相対性理論の分かりやすい説明がとても面白かったです。2008/9/15
今年の数教協全国大会は東京の日大文理学部で開かれました。猛暑の中700人の人が集まり熱い大会でした。幾何教育で風船を作る実践が面白かった。幾何と関数の融合と言うべきか。恒例のごとく行き帰りの電車の中ではミステリを読みました。今年はクロフツの名作「クロイドン発12時40分」でも犯罪小説というべきでしょうか。2008/8/11
最近、ある著名な数学者の自伝を読んだ。数学の世界で日本が世界に誇るべき業績を残した世界的な数学者である。いろいろな意味でとても興味深かった。共感できる部分も反発を感じる部分もあった。それにしても数学の世界で一流の業績を上げることの大変さを、思った。私自身は三流にもなれなかったへぼ数学愛好家だが、へぼなりの数学とのつき合い方もあるかな、と思っている。2008/7/22
国会議員の事前検閲で逆に話題になった映画を観た。靖国刀を通して語られる戦争と8月15日靖国神社を舞台に演じられる**芝居を撮っている。じつは私は一度だけ8月15日の靖国がどんな空間になっているのかを眺めに行ったことがある。そのときの思いが甦ってきた。某議員が大きな宣伝をしてくれて、結構人が入っていた。慶賀に絶えません。2008/7/16
日本を代表する数学史家、村田全先生が7月6日に榛名で亡くなられました。村田先生が最晩年に入所していられたホームは、私の両親を見送った場所でもあり、最後の数年間、行くたびに村田先生のお部屋にお邪魔し、先生が自ら入れて下さったコーヒーを飲みながら、数学史の個人教授を受けました。まことに至福の時間でした。アルキメデス、ユークリッド、オイラー、ライプニッツ。心残りは先生からゲーデルについてのお話が伺えなかったことです。村田先生、どうも有り難うございました。どうぞ安らかにお休み下さい。合掌。2008/7/10
表記の映画を観た。三時間を超える長尺映画だが、結構人が入っていた。1970年、あの時代に同時に生きた者として痛みを感じずに観ることはできなかった。このままでいいはずはない、なんとしても日本を変えたい!という思いが、どこでどう狂ってしまったのか。山荘事件は戦争だった。ただし、一方の国はまだこの世に存在しない国だったのだ。2008/6/9
前から訪ねたいと思っていた金沢21世紀美術館に行くことができた。プールのしたから水面をみることができる作品が有名で、水面に揺らぐ人の姿を下から見上げる経験はとても不思議。しかし、同時に開催されていたロン・ミュエック展に圧倒された。プラスチック素材で細部に至るまでリアルに造形された巨大な人体。人の心?なに言ってんだ。人はモノだよ!モノ!という迫力のなかに逆に人間の精神を浮かび上がらせている。08/6/6
京都国立博物館で河鍋暁齊の展覧会を見た。暁齊は「きょうさい」と読む、幕末から明治にかけての画家(浮世絵師)です。以前東京で見たことがあるが、今回の展覧会は圧倒された。奇想の画家暁齊、その幽霊画は鬼気迫るものがあり、見ることができ良かったです。同時に細見美術館で伊藤若沖の絵も見ることができ、こちらも大変に感動しました。2008/5/9
初めて歌舞伎を鑑賞しました。出し物は通し狂言「四谷怪談」民谷伊右衛門に中村吉右衛門、お岩に中村福助という配役です。とても面白かった。髪梳きとか戸板返しなどの仕掛けも、知っていても迫力があります。映画「東海道四谷怪談」(中川信夫)とはまた違った怖さがありました。(新橋演舞場)2008/5/5
不思議な魅力ある展覧会を見た。渋川市美術館で5月18日まで開かれている「高橋靖史レイヤーワーク展」です。高橋は1962年生まれの彫刻家。段ボールを使い輪切りにされた断面を積み重ねた人体が浮揚している不思議な空間は、奇妙な魅力に溢れていた。段ボールの隙間を通して人体の向こうが透けて見える。その不思議な造形、とくにトルソーは驚くほど新鮮できれいな造形でした。2008/4/17
春恒例の行事、高崎映画祭が始まった。何本か紹介します。
「ひめゆり」柴田昌平監督
沖縄戦で看護婦として戦場に送られたひめゆりの生存者の証言を集めたドキュメンタリー。涙が出てきた。これが本当の沖縄戦なのだ。ひめゆりの人たちは生き残った自分を見つめ必死に生きてきた。それが沖縄ノート裁判の原告となった、自分はのうのうと生き残った元軍人の、言葉では言い表せないほどの無責任さをあぶり出している。大勢の人に見て貰いたいです。
「バッテリー」滝田洋二郎監督
あさのあつこの原作。気持ちの良い青春映画だった。
「日陽はしずかに発酵し」ソクーロフ監督
セピア色の終末風景をうまく描き出している。最後まで引き込まれてみた。
他に「天然コケッコー」「サッドヴァケイション」「エルミタージュ幻想」など
2008/4/8
それにしても、今回のイージス艦と漁船の衝突事故をみても、軍隊がそこに住む人を守るのではなく、「国」を守る仕掛けだということははっきりしていることではないのでしょうか。これを裁判で争わなければならないということが悲しいです。2008/3/29
2008年春の数学会でビートたけしに数学会出版賞が贈られることになりました。コマ大数学科などの活動が評価されたようです。私は深夜番組はとても見られないのですが、学生から情報はもらい、本やビデオで見ています。数学、面白いでしょ。2008/3/21
2008年も無事明けました。このところ毎年年賀状はパズルにしていて、今年もはやばやとねずみを使ったパズルをつくりました。ところが母の逝去で年賀状が出せなくなり、お蔵入り。かなり難解な自信作なのでここで公開します。解けた方は御連絡下さい。
ねずみ×ねずみ=こねずみ×n
nの最大値を求め、こ、ね、ず、み、に当てはまる数を求めて下さい。
実は作ってから日が経ってしまい自分では解けなくなってしまった。そうしたら札幌のIさんから見事な解答が寄せられました。1時間半かかったとか。どうぞ解いてみて下さい。2008/1/8
久しぶりに高崎シネマテークで表題の映画を見ました。内戦時代のスペインを舞台に、戦争という現実の迷宮とパンの住む幻想世界の迷宮を交差させ、一人の少女の現実と内面を描きます。それにしても、肉体的な痛みを伴った残酷な描写はあまり好きではないが、戦争という悪を描くには避けられなかったのでしょう。結末もハッピーではなく(これには異論もあるでしょう)重たい幻想映画でした。特撮は見事ですが、小さい子供には悪夢だと思います。興味ある方はどうぞ。2007/12/23
数学者にして第一級の詰将棋・パズル作家だった花沢正純さんが亡くなった。64歳の若い死だった。花沢さんは私の高校・大学を通じての先輩で、学生の頃から詰将棋・パズルをつくっていて、よく学生控え室の黒板に懸賞問題を出していた。景品は大学生協食堂のランチ。私も解いたことがある。ずっと大学で数学研究者をしていた。ばか詰めを第一級の将棋パズルに育てた人だったようだ。慎んでご冥福をお祈りします。2007/12/4
数学者にして探偵小説作家天城一が11月9日88歳で亡くなった。その論理性に満ちた探偵小説は熱狂的なファンを生み出したが、私もその一人です。亡くなる少し前、あるきっかけで天城一が数学者中村正弘だということを知り、雑誌に公開の書簡(ファンレター)を発表した。すると天城一から丁寧な返書をいただき、私家版の署名本などもいただくことができた。日本評論社から3巻本の選集が出ていて、天城一の全貌を知ることができる。論理性に満ちたその小説は色あせないに違いない。中村正弘先生、慎んでご冥福をお祈りします。2007/11/13
また、茸の話。
先日友人のK君に誘われて、配偶者と一緒に茸狩りに参加した。K君の話で軽いトレッキングで茸が拾えるのならと喜び勇んで出かけたのだが、同行のUさん、現地案内人のKさん(女性)と分け入った山は、熊笹をかき分け、路なき斜面をはい上がるという難行。その斜面を案内のKさんは我が庭のごとく歩き回る。あたりは物音一つなく、僅かに獣道には鹿か猪の蹄のあと。すたすた歩くKさんの熊よけの鈴の音だけが頼りでした。それでも生まれて初めて採れた茸はタマゴタケ、ハナイグチ、クリタケ、シロハツ、そして戴いたクロカワ。家に戻りもう一度図鑑と首っ引きで茸汁に舌鼓。そこで一句。
あら何ともなきや きのふは過ぎて 茸汁 素骨 2007/10/8
先日、昔我が文庫に通っていた近くの女の子が働く女性となって我が家を訪れてくれた。彼女の職業は出版社。今までコンピュータ関係の本を翻訳出版していたらしいが、今度数学の本も翻訳出版するという。その相談で何冊も数学の本を抱えて現れた。彼女は数学科出身で数学は専門家、しかも外国語にも強い。選んできた本にざっと目を通したが、実にセンスが良かった。数学と美術の関係(奇妙な彫刻)やパズルめいた本、素数の本などどれも(語学音痴の私にも読めそうで)大変に興味深かった。目を通した本の中から、一つ問題。
三姉妹とその母がいた。母に三人の年齢を訊ねると、歳の積は36になるという。それだけでは3人の年齢が分からないというと、三人の年齢の和を教えると言ったが、母は「それでも3人の年齢は分かりませんよ」という。ではもう少し何か教えて下さいと言ったら、「一番上の姉は犬が好きです」と教えてくれた。さて、三人の年齢はいくつだろうか?
これ、良いセンスの問題だと思いませんか?最後の情報は重要なのですが。これらの本はそのうち翻訳されるらしい。楽しみに待ちましょう。2007/9/17
同じく校内の話。南門近くのおがくずの山に大型の茸がにょきにょき生えていた。直径は20センチはあろうか。近寄って見ると茸のいい匂いがする。早速一本採って持ち帰り図鑑で調べた。もしかして、あまり知られていない美味の茸か!あった、ありましたよ、図鑑に。名前「コレラ茸」猛毒!うーん、無念じゃ。仕方ないので干物にして記念品となりました。それにしてもうまそうだったが。2007/9/17
大学の校内で霊芝が採れた!ちょっと格好は悪いが立派な霊芝。場所は・・・・。内緒です。また生えてくるかもしれないので。2007/8/24
いい映画を見た。原爆を扱った映画。監督の佐々部清は「出口のない海」という特攻隊を扱った映画も撮っている。今回の映画はこうの史代のベストセラーになった漫画の映画化。原作はすでにこの欄でも紹介した。映画も良かった。主人公は敗戦10年後に原爆症で死んでいく。「原爆を落とした人はまた1人殺せたと喜んでくれるんじゃろね」という言葉の重さを実感。大勢の人に見て貰いたいです。原爆がなぜ落とされたのか、日本とアメリカの責任に言及はしていないが、それが返って確固とした戦争反対のメッセージになっている。2007/8/24
目黒区立美術館で「線の迷宮U」という鉛筆による細密画の展覧会を見た。鉛筆のもつ表現力に圧倒された、迫力のある展覧会。その後、池田美術で「北川健治個展」を見る。この版画も硬質な叙情に溢れたいい版画だった。さらにシロタ画廊で「柄澤齊個展」こちらは今までの柄澤の版画とは違う彩色木版。そして最後に赤城の中ノ沢美術館で平島鉄也作品展。金属と木の彫刻だが、現実と幻想のあわいのような味わいがあり。とてもいい展覧会だった。この作品展は9月24日まで開かれているので、ぜひご覧下さい。2007/7/22
友人に茸とりを趣味としている仙人がいる。しばらく前にアカヤマドリという茸を戴いた。これが茸汁にして食べると出汁がきいて実に美味い。ただし、茸自身はちょっと不気味な感じ。今度ヤマドリタケモドキという巨大な茸を持って現れた。図鑑のコピーを手に丁寧に説明してくれる。しかし、傘の直径が20センチもある茸にはいささかたじろぐ。仙人が食べてみたから大丈夫という。夫婦共倒れになると困るので、その晩は私が食する。美味い!近くの公園で採れたとか。まあ、普通の人は手を出さないだろうなあ。明日は夫婦で食べよう。2007/7/22
「緑の地球環境を守る!アマゾンからの伝言」
日時 2007年6月26日(火)17:00〜19:00
場所 前橋テルサ けやきホール
入場無料
瀬山の大切な友人の南研子さんが前橋で講演をしてくれることになりました。南さんは
単身アマゾンで暮らし、現地の人たちと一緒に熱帯雨林(地球の肺とも言われる大切な、重要な緑です)を守る運動をしている方です。どうぞ多くの皆さんに聞いていただきたいです。2007/5/5
近代美術館で「靉光」の展覧会、神田古書店のがらんどうで「木下晋デッサン」を見た。どちらもとてもいい展覧会でした。靉光は「目のある風景」で有名で、日本におけるシュルレアリスムの先駆者と言われているが、会場で見た3点の自画像が圧巻だった。それにしても花の絵は終末風景。1936年という年代を抜きには語れないと思った。木下晋は鉛筆のデッサンだが、ハンセン氏病患者の方の横顔を描いていて、衝撃的な迫力の絵。見ていて言葉もなかった。圧倒されました。2007/4/22
今年もまた映画祭の季節がやってきた。去年も忙しくて余り見られなかったが、今年はそれに輪を掛けて忙しく、まだ4本しか見ていない。「ゆれる」は緊張感をはらんだいい映画だった。そのかわり映画祭と平行して開かれた溝口健二の映画をまとめてみた。「近松物語」「西鶴一代女」「雨月物語」「祇園の姉妹」「新・平家物語」「赤線地帯」の6本。溝口を見るのは初めてなのである。どれも面白かったが、とくに近松物語、赤線地帯がよかった。時代に復讐するおさん、茂平。赤線もそうだったが、近代的な自意識と時代との関わり合いを描いたある種の社会派映画だ。
さて、今年、後何本見られるかなあ。2007/3/31
参加している俳句の同人雑誌「鬣」が県立土屋文明記念館と共催で展覧会を開くことになった。期間は3月9−11日。同人を含む何人かが選んだ近代俳句と句集の展示がメインだが、第2部として、同人たちの遊び心に満ちたお宝の展示が楽しい。パズルあり映画のポスターあり仕掛け本あり稀覯本あり、中には競馬・競艇グッズ、もある。一見の価値あり。ぜひ見にきてください。無料です。キャッチフレーズ「本気で遊ぶ3日間」
場所 県立土屋文明記念館
日時 3月9日(金)ー3月11日(日)2007/3/4
新年、2本の映画をみた。一つは市川昆監督リメイクの「犬神家の一族」もう一本は話題のクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」犬神は残念ながら失敗作。もとの映画の方がずっと良かった。今風の顔は昭和22年には合わない。硫黄島は多少の危惧を持って観る。戦争をかっこよく描いていないことは確かで、醜悪な人間も描かれている。ただ、現実の硫黄島はこの何十倍も凄まじかったに違いない。20047/1/11
キャストパズルの新作「ナットケース」が発売された。早速買ってかちゃかちゃとやったが、まあ、そう簡単にははずれない。でも開ける原理だけは何とか分かり、内部構造の推測もついた。でも開かない。そうしているうちにゼミ生のN君が例によってニヤッとしながら分解できたナットケースの写真を見せてくれた。うーん、無念じゃ。家に戻りまたかちゃかちゃ。取れました。結局これは・・・・と同じ原理だという我がゼミ生たちの結論。S君、はずれたよ!2006/12/19
久しぶりに高崎シネマテークで鑑賞。黒木監督の戦争連作は「明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」そして遺作となった「紙屋悦子の青春」です。戦争のため自分の思いを閉じこめなければならなかった男と女、それをしりつつ、その思いを引き受けた男。胸に迫るいい映画でした。ぜひご鑑賞下さい。この映画の時代が、教育基本法改悪強行とダブって見えます。2006/12/15
同僚のMさんに借りてみました。いい映画でした。群馬交響楽団については当然昔から知っていたし、この映画も知ってはいたのですが、鑑賞したのは初めて。でてくる少年少女が高崎時代の私とダブって、胸に迫るものがありました。おすすめ。2006/12/15
赤城中ノ沢美術館で表記の展覧会を見た。五人展です。染織(生田千鶴)ガラス(木村明)漆(窪田直弘)縮緬人形(下村咲子)陶磁(吉川千香子)です。きれいでした。ガラスの透明感、磁器の白さが印象的。10月29日まで(火曜休館)2006/10/15
またまた、面白い映画。これも同僚のMさんから借りたもの。エノケンを今の人は知らないのかも知れないが、一世を風靡したコメディアンである。この映画、ともかくセットがいい。何とも前衛的な舞台装置の中、エノケンが動き回る。仕草は全くルーチンなのだが、奇妙に面白い。マタンゴの先祖がでてきたり、インディジョーンズばりの洞窟冒険があったり。見てよかった。Mさんに感謝。監督は中川信夫なのだ!2006/9/29
表記の映画をMさんから借りた。自宅に伺ったのだが、楽器の凄さもさることながら、持っているDVD、LDが見たくても見られなかったものばかり。宝の山を見つけた!ということで、とにかく未見のものは順に借りよう。というわけで手始めにこの映画を借りた。新東宝特有のセンセーショナルな題で、中学生の時町で看板を見て、見たくてしょうがなく、しかし自己規制が働き見られなかった映画。これがなかなかの傑作。主役の憲兵の描き方がかっこよすぎるが、飯をくうシーンは笑えた。怪談だと思っていたのだが、そうではない。監督についてはほとんど知らない。Mさん、貴重な映画を有り難うございました。2006/9/20
数独というパズルが世界を席巻しているらしい。以前から知ってはいたのだが、熱中してやることはなかった。ところが、8月末から9月、ものに憑かれたように数独狂い。どうやら中級の域に達した。思い切って一番難しいのに挑戦。全く歯が立ちませんでした。しかし、この面白さ、幾何の補助線に似てます。ところで、配偶者が問題を1つ作った。これが初級の上程度の問題で結構面白かった。こんなことしてると時間が足りないなあ。
2006/9/7
この夏(2006)も東京の明星学園の合宿研究会に参加することができました。今年のテーマは「証明」。討議の中で、代数的な証明について、ある生徒が「証明は分かった、でもどうして成り立つの?」という衝撃的?な発言をしたことが紹介されました。証明は分かるけど、どうしてだか分からない。中学校の証明教育がはらんでいる問題点が凝縮されているような気がしました。これにどう答えるか。しばらく考えてみたいです。2006/8/23
フィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」を経営する女性とそこに転がり込んだ二人の女性をめぐるお話。何も起きない。しかし不思議に暖かくおいしい。メインメニューはおにぎりなのです。自由に生きるとはどういうことかが伝わってくるとてもいい映画でした。高崎シネマテークで上映中。一緒に高崎市立美術館で「トリックアート展」を見ました。タイガー立石の絵にまた巡り会いました。虚数の楕円が秀逸です。2006/8/9
木口木版画家柄澤斎の展覧会「宙空の輪舞」が栃木県立美術館で開かれている。超絶的な技巧で彫り込まれた宇宙に魅せられて、ずっと以前から柄澤版画を鑑賞しているが、そのモノトーンの世界を一望にできる大きな展覧会です。その魅力を一言で言い表すことは難しいが、肖像画シリーズやオブジェを見ていると、柄澤の本と活字に対するこだわりというか、刷るという行為の不思議な錬金術への偏愛が感じられて、そこに惹かれるのです。9月3日まで。その後鎌倉近代美術館でも開かれます。2006/7/30
1人の作家の本をこんなに短期間に何冊も読んだのは初めてかも知れない。4月頃、参加している読書会の大学図書館司書のAさんに紹介されて読み始めて7月終わりまでに9冊。最初読んだ鮎川賞受賞作は文章がやや生硬だったが、その後は文章のリズムもよく旗師冬狐堂も面白かったし、連丈も香菜里屋も面白かった。北森鴻自身がきっと料理好きなのだろう。それにしても、こんなビアバーに行ってみたいものだ。2006/7/26
国立博物館で伊藤若沖と江戸絵画展をやっている。友人が鑑賞に行きそこで販売されている若沖の絵のルービックキューブを買ってきて、見せてくれた。ところが、これが難しい。色を合わせるだけなら中心が回転していることは関係ないが、絵を合わせるとなると中心の回転が問題になってしまう。四苦八苦してあわせたと思ったら中心がずれている!しかも若沖の絵だからそもそも分かり難い。とんでもないものを買ってきたもんだと思ったらどうしてもほしくなり、配偶者が東京に行き展覧会を見てキューブを買ってきました。もったいないから崩さず鑑賞しております。2006/7/22
高崎シネマテークで表記の映画を見た。是枝監督は前作「誰もしらない」がとにかく話題になったが、私は今回の映画が好きです。前作は監督自身がメッセージを盛り込まずにと語っていたが、今回、会場での若い人の意見に関わらず、私自身はこれをはっきりとした反戦映画のメッセージとして受け取った。「仇討ちだけが親孝行ではないぞ」という石橋蓮司のセリフは重さがある。監督は軽いノリで撮ったと言っていた。映画の作りはそうかも知れないが、メッセージは重たい。私はすべての憲法改正論者にこの映画を見てもらいたいと思います。2006/7/16
「他人を見下す若者たち」という本を読んだ。書店で見かけて少し気になっていて、最近買ったのだが、先日新聞で本書が27万部のベストセラーになっていることを知った。表紙の腰巻きが特大で「自分以外はバカ」の時代!とあり、漫画が載っている。
「オレはやるぜ・・・・」
「何を?」
「何かを」
という科白で、これは面白いのだけどひどく冷たい視線を感じた。それに、じつは「べつにー」という科白のほうが当てはまりそう。それにしても本書を読む人は自分以外はバカと思っているのだろうか。そういえば、バカの壁という本もあったなあ。2006/6/25
友人と高崎シネマティークで表記の映画を見ました。いい映画でした。人が生きることの哀しさがせつせつと伝わってきました。横浜に顔を白塗りにした街娼がいました。老女です。それがメリーさんです。50年間、街角に立ち続けた女をめぐるドキュメンタリー。彼女の内面に踏み込まないことで逆に観客に自分自身の内面に踏み込むことを要求する不思議な映画でした。どうぞ御覧ください。2006/6/18
2006年6月1日、数学者の弥永昌吉先生が100歳で逝去なさいました。謹んでご冥福をお祈りいたします。もちろん、ぼくは直接教えていただいたことはありません。ただ一度、ある集会で隣に座ったことがあり、お声を聞いたことがあります。また、晩年のある時期、群馬の施設に身を寄せられ、その施設にぼくの母が入っていることもあって、親近感のある大数学者でした。数学者の反戦運動に積極的に参加された偉大な方でした。心からご冥福をお祈りいたします。2006/6/6
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最近、ある読者からメールを頂き、もう一度不可能物体への興味が涌きました。 ついに完成した不可能組み込み。じっくりご覧下さい。2006/5/1 |
ブルースシンガー新井英一が父の故郷清河でやったライブのDVDを仲間と観ました。
彼の父の国の言葉で、故郷で歌った「清河への道」観ていて涙が止まりませんでした。今度、前橋と桐生で新井英一のライブがあります。大勢の人とこの感動を共にしたいです。2006/4/28
恒例の高崎映画祭は第20回を迎えました。今年は多忙で結局10本の映画しか見ることができませんでしたが、いい映画がありました。
「メゾン・ド・ヒミコ」犬童一心監督
ゲイの人たち専門の老人ホームを舞台にした不思議に暖かい映画。主役は花咲コウ、オダギリジョーですが、なんと言っても舞踏家田中民(本当はさんずいがつく)の圧倒的な存在感にうたれました。ローズさん、山崎さんもとてもいい。犬童監督はいい仕事をしたと思います。
「二人日和」野村恵一監督
老夫婦とそこに現れた自転車に乗った天使の話。夫婦の情愛をしっとりと描いて出色の映画。栗塚旭が病身の老妻を思う寡黙な男を見事に演じていました。いろいろなことを考えさせてくれる映画です。
「LOFT」黒沢清監督
ホラー映画ですが、実は会場で映画以上に怖いことがありました。ここでは書けません。映画を見た方はおわかりか。
今年は大作「輝ける青春」(上映時間6時間!)が見られなかったのが心残りでした。
2006/4/11
話題の映画。数学の持つ透明な美しさを人の心の問題とだぶらせて、きれいな映画になっています。数学者とはエキセントリックな人種だという「偏見」が助長されるかなあ、とも思ったのですが、博士の全く私心を欠いた純粋さが心を捉える。それが数学とうまく調和しています。成長したルート(博士と心を通わせる少年のあだ名)が中学で数学教師になる。その授業がなかなか面白い。数学科の学生の皆さん、是非見て下さい。2006/1/26
また映画。少しの危惧を持ってこの映画を見ました。戦争をかっこよく描いて、国のために命を捨てることを美化するのではないかと。そんなことはありませんでした。見事な反戦映画になっています。若者たちを無謀な死に追いやったものへの怒りと、そのために命を捨てなければならなかった人たちへの哀しみと追悼。大和3000人の死は犬死にでした。それを犬死にしないのは、まことにアイロニカルなことですが、生き残ったものたちが彼らの死を犬死だとみとめることしかない。戦後60年、敗戦の時に生まれた僕たちが還暦を迎え、いま彼らの死を代償にして手に入れた憲法が瀕死の状態にあります。戦争を知らない若い人たちに見てもらいたいです。それにしても、最後に流れる歌はまったくの蛇足でした。 2005/12/26
いろいろな話題と言いながら、映画ばかりになってしまった。今回は「ALWAYS 三丁目の夕日」です。昭和30年代、東京タワー建設途中の東京を舞台にした人情物語。原作は西岸良平の漫画です。青森から集団就職した中学生が鈴木オートに就職、それに万年文学青年茶川竜之介がからむ。原作では就職する中学生は男の子ですが、映画では女の子になっています。それと、鈴木オートの主人はもっとお人好し風だったけど。初めて東京タワーに登った日を思い出しました。2005/12/19
いい映画を見た。「いつか読書する日」緒方監督は「独立少年合唱団」という映画でデビューした新進の監督。過去の日を引きずり50歳になるまでの恋心を封じ込めて生きてきた男女の想いを、坂の多い町を舞台に鮮やかに描き出している。主演の田中裕子、岸部一徳の感情を抑えた演技が素晴らしい。ただ、最後に男が・・・、いやこれを言ってしまうとこれから見る人に叱られそう。ぜひご覧下さい。高崎シネマテークで上映中。2005/11/29
才人ティム・バートンのパペットアニメの傑作。前作「ナイトメアビフォアクリスマス」も傑作だったが、個人的には今回の作品の方が好きです。とにかく人形達の表情がよく主人公の人形が何となく芥川流「悩める青年」になっているのがいい。現実のブライドもコープスブライドもとても魅力的で、涙もろくなっている初老の男は、映画館の暗闇で涙を流したのでした。それにしても、コープスブライドは「死んだ花嫁」ではなく「死体の花嫁」えらく即物的です。しかし、傑作。見る部死。もとい、見るべし。2005/11/9
「こうのとりたちずさんで」テオ・アンゲロプロス監督
ギリシア現代劇。人が人為的に引いてしまった国境とはなんなのか、そのために人は場所に縛られるのか。失踪した政治家を巡る迷宮のなかの彷徨。映像美が目を見張ります。国境で片足を挙げてたちずさむ、こうのとり。
「ヒトラー最後の12日間」 オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督
ヨアヒム・フェストのドキュメンタリーの映画化。本も凄かったが、映像も凄い。ベルリン陥落の直前のナチス地下要塞での人間劇。地上では大勢の市民、老人、子どもたちが死んでいく。地下では戦争を引き起こした人間が毒をあおり拳銃で頭を撃ち抜いて死んでいく。地上は飢餓と死の極限状況。地下は酒肉と絶望の極限状況。しかし、両者は決定的に違う。市民たちは引き起こされた絶望の中で、戦争という狂気のために死んでいく。地下要塞では錯乱した男が引き起こした絶望の中で、戦争という狂気のために死んでいく。肉体と観念。軍隊は市民を守らない。「弱いものは死んで当たり前」某知事が好んで口走りそうなセリフだ。ゲッベルスの狂気に満ちた目つきが凄い。2005/10/28
キアロスクーロ ルネサンスとバロックの多色木版画 国立西洋美術館
ヨーロッパの古典木版画の展覧会。キアロスクーロとは陰影を出す多色木版画の技巧のことだそうです。彫るという技術だけで画面に陰影をだし、遠近法とは違った手法で奥行きを表現する。たしかに素朴な版画ですが、見応えがありました。パルミジャニーノが版画の原作を提供していたことを知りました。12月11日まで
チャールズ&レイ・イームズ展ー創造の遺産ー目黒区立美術館
イームズは現代的な家具、特に椅子のデザインで有名ですが、ぼくはずっと前に映画「パワーズオブテン」でイームズを知りました。晩年は映画の制作にも意欲を持っていたようです。この展覧会は彼の椅子から映画、そして多くのアイデアスケッチやコレクションまでを展示した展覧会です。イームズ夫妻がすごしたイームズハウスの模型もあります。時代とともに生きたイームズの原点が分かります。デザイン、実験映画、家具などに興味のある方はぜひご覧下さい。最後に、巨大なメビウスの輪が出てきます。イームズ、きっと数学にも興味を持っていたのでしょうね。12月11日まで 2005/10/11
追記:パワーズオブテンは10の累乗を扱った科学映画ですが、これをキューブリック監督も撮ろうとしていたという話を学芸員のFさんから伺いました。キューブリックが取っていたらどんな映画になったでしょうか。最近「シャイニング」を見なおしたばかりなので、とても気になりました。
重厚な叙事詩でしられるアンゲロプロス監督の新作。赤軍ロシアに追われギリシャに戻った民が戦争、内戦に翻弄される姿を、澄みきった映像美で描き出した傑作。集団が黙々と近づいてくるトップシーンから始まり、愛するものすべてを失ったエレニが河のなかの息子の遺体にすがり号泣するラストシーンまで、ゆるむことがない。夫はアメリカに渡り、いい地位を得るために、音楽への情熱を振り捨てて沖縄戦に参加せざるを得ない。見終わって、・・・・、とにかく重い映画でした。しかし、集団を描くその迫力に圧倒されました。どうぞ、ご覧下さい。2005/10/3
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夏休み、休暇を取って島根の三仏寺を訪ねました。目的は国宝の投入堂を見ることです。険しい岩山の絶壁に、本当にどうやって建立したのか信じられないようなお堂。言い伝えによれば、行者役小角が法力によって投げ入れたものです。道なき道を木の根をよじ登り、岩を這って小一時間、最後の角を曲がった瞬間に目に飛び込んできた投入堂。思わず手を合わせてしばし呆然としていました。天候に恵まれて無事参観できたことを喜んでいます。2005/9/20
わあ、三徳山は島根ではなく鳥取でした。ご指摘下さったKさん、どうも有り難うございました。いいわけ:北関東の住人は中国地方のロケーションがどうも不慣れなのです。 申し訳ありません 2005/10/8 |
表記の大会が広島で開かれました。(8/8-10)広島は暑かった。被爆60年目の今年広島で大会が開かれるのは大変に意義あることでした。僕は中・高の図形教育の分科会でささやかなレポートをしました。証明の意義を巡っていろいろな議論があり、覚えればいいのでは、という意見もありました。岩手の伊藤さんの、高校の図形=初等幾何+三角比、という提案はかつて高校生だった私の受けた図形教育を進化発展させたものと考えることができ、大変に具体的で示唆に富む提案だったと思います。詳しい報告は数学教育協議会のホームページをご覧下さい。 2005/8/11
この映画は3回見た。今度DVDで買ってしまった。最初に見たとき、その流される血にいささかぎょっとして、2度は見ないと思ったのだが、結局ビデオで2回みて、今度はDVD。カリガリ博士の血の量を増やすとこの映画になる。建物や照明がすべて人工的なのがいい。冒頭の不安感をかき立てる音楽とジェシカ・ハーパーの怯えているのだが正体が分からない表情がいい。「第三の男」のアニタ・ヴァリが出ていることに気がついた。
たしかに、スプラッタ映画なのだけど、どこか違う。たぶんアルジェントの美意識というのだろう。ただし、感じやすい人には向いていません。05/7/26
江戸川乱歩は不思議な作家である。一般には探偵・怪奇幻想小説の作家として通っているが、その資質の中に奇妙に合理的な理性的な部分を隠し持ったアンビバレンツな作家で、そのあたりが私には大変に関心がある。そもそも、探偵小説とは何かを定義しようとしたり、トリックや怪談を分類整理しようという性格は数学好きに通じる。少し前、電通報という新聞に雑文を発表したとき、そのあたりに少しふれた。今度、どうしても読み返したくなって「魔術師」という通俗長編を読み返した。なかに魔術師の犯罪を「高等数学」にたとえた箇所があった。魔術師そのものはずいぶんと猟奇的、嗜虐的な小説(ある殺人場面に辟易とする人もいるだろう)だが、乱歩がその犯罪を高等数学にたとえたことに、私などとても共感してしまうのです。2005/7/11
ウェルズの宇宙戦争の2度目(3度目?)の映画化。宇宙戦争は以前オーソン・ウェルズが放送劇化し、その手法が臨時ニュースという禁じ手を使ったので、パニックを起こしたことで有名。以前、バイロン・ハスキン監督がジョージ・パルという特撮監督を得て映像化した最初の映画はSF映画の古典的な傑作だった。たぶんエーメリッヒ監督の「インディペンデンスデイ」も宇宙戦争を下敷きにしている。今回は円盤ではなく、原作通り、三本足の機械(トライポッド)が地球を侵略する。特撮技術は格段に発達し、トライポッドの描写はすごい。これはSFというより、映画評にもあったように、9.11テロの余波を受けた終末感ただよう恐怖映画になった。その分、派手な戦争映画を期待すると当てはずれ。それにしても、スピルバーグは「未知との遭遇」「E.T」から「宇宙戦争」へと変わっていった。どうしても、誰もがテロやイラク戦争を想起するでしょう。2005/7/8
表記の集会が6月11日12日に伊豆長岡で開かれ、参加しました。圧巻は夜の交流会。日本知恵の輪協会会長の山本徹さんを講師にお招きして、知恵の輪の話を聞いたのですが、実物の知恵の輪がじつに楽しく、後半は皆、目の色を変えて知恵の輪解きに熱中しました。難しいのから易しいのまで2時間はアッという間。それにしても、山本さんが鉄工所をひらいているということからも分かるとおり、細工はプロで目新しい知恵の輪にもたくさんお目にかかりました。とても楽しい時間がもて、主宰の東海地区数学教育協議会の皆様に感謝いたします。なお、日本知恵の輪協会のホームページにもいろいろな話題があります。ぜひご覧下さい。2005/6/13
昨年度(2004年)から、研究室の前の黒板にパズルっぽい数学の問題を出し始めた。一応懸賞問題として、正解者数名にささやかな賞品を出している。解答期間は数ヶ月。最初に出題した角度を求める問題は正解者5名。これは最初工学部の学生さんが余弦定理を駆使して計算で求めてきた。自分が考えていた正解とは全く違っていて、力業とはいえ、それなりに面白かった。数学科の学生さんが補助線を見つけだしたのは、さすが数学科と思った。次の作図問題(マスケロニの作図)「定規を使わずにコンパスのみで線分の中点を見つけよ」これは講義の中でふれて正解を示さなかった問題。ところが、正解者0。おそらく高校での初等幾何学の衰退に関係しているのだろう。あと、図形の分割問題。これは純粋にパズルの問題だが、全く畑違いの国語科の女子学生が嬉しそうに正解を持ってきたときは、出した甲斐があったかなと嬉しかった。そして、本年度最初の問題がシンメトリックス。思ったよりずっと難しかった。正解者は数学科の学生のみ。しかもうち二人はパズルマニアといっていい学生さん。こうしてみると、図形に対する感覚がやはり落ちているような気がする。たまたま、今年の教育実習で中学校1年生の線対称の授業を見た。教生は一生懸命教えていて共感がもてたが、教える側にももう少し図形に対する感覚がほしい気がした。さて、次回の問題を検討中。今度は論理の問題にしようかと思います。
2005/6/10
最近立て続けにモノクロ映画の傑作と再会した。
「心中天網島」篠田正浩監督
「砂の女」 勅使河原宏監督
どちらも1960年代にとられた傑作映画。当時の前衛的な手法はいま見てもとても新鮮で面白い。光と影の織りなす美しさは何回も見ている僕にも目を見張らせるものがありました。2005/05/09
表題のパズルを東京で入手。長野県の北沢忠雄氏の創作である。4つのピースを使う。
どれか2つを使って左右対称形を作れ
どれか3つを使って左右対称形を作れ
全部を使って左右対称形を作れ
というシンプルな問題なのだが、最初安易に取り組んだら、これができない。すべてを完成するのに正味数時間かかった。傑作です。どんなピースかは著作権の問題があるのでここには書きません。東京秋葉原のコスモ物産で販売しています。2005/05/09
つい最近出版された話題の新書版数学解説書を読んだ。有名な数学者と文学者の対話で話が進む。文学者は数学者を主人公にした小説を書いてベストセラーになった方です。話はなめらかで面白いのだが、数学が役に立たないことを強調する論調が気になった。たしかに数学研究をしている人は直接の有用性など気にしないだろうし、ずっと後で役に立つこともあるのだろう。しかし、以前評論家の佐藤忠男が指摘していたことだが、数学だけが役に立たないことに開き直れるのはどうしてなのか。数学が世に認知されることに数学者は必死の努力を払ってきたのか。その開き直りはいまの社会の受験体制におんぶする事で成り立っているのではないか、という自己批判の視点がないのが気になった。
ラディックス、何とか出し入れ自由になりました。ある介護施設の職員の方で、知恵の輪大好き人間がおります。早速そこへ、「難解な知恵の輪」ということで持っていきました。これは難しいですよ、といってSさんに渡したところ、なっなんと、1時間もたたないうちに、彼はにこにこして「はずれました!」参った。時たたずして同僚のTさんもはずれましたといって返してくれた。なんだ、なんだ、できないのは俺ばかりか、と少し落ち込んだ一日でありました。うーん、修行が足らないのだ。2005/05/03
新しいキャストパズル「ラディックス」が発売になった。上京したおり、パズル専門店トリトへいったが、すでに売り切れ。ところが、トポロジーの講義の時間、N君が取り出したのがラディックス。すでにはずれたという。早速借りてかちゃかちゃ、とっとれない!実質5時間くらい挑戦したが、はずれない。なんかはずれないのではという気分になってきた。一週間後ともかくN君に返す。ところが、どうも仲間のN2君、S君、皆解けたらしくにやにやしている。無念じゃ。26日上京し今度は秋葉原のコスモ物産で購入。難易度4というのは間違い。ほんとは最高難度じゃないか。
そして帰宅の新幹線の中、すぐに取り出し、かちゃかちゃ。隣の席のおっさんが横目でちらちら。もう、恥も外聞もないのだ!
おお〜。新幹線が熊谷を過ぎたところで、ついにはずれた!もったいなくて元に戻せない。2005/04/27
表題の映画を見ました。(高崎シネマテーク)傑作です。1960年代終わりの京都を舞台に、府立高校と朝鮮高校との生徒たちの愛憎、葛藤をビビッドに描いています。府立高校の生徒が朝鮮高校の女生徒に恋をする。ところが、その女生徒の兄が朝鮮高校の名うての番長。日本の高校生のグループと対立抗争を繰り返している。高校生はめげずに女生徒に思いを告げる。あのころはやった「イムジン河」のメロディーにのせて、暴力と恋が繰り広げられる。イムジン河は実は放送禁止になった歌でした。60年代を描きながら、現在の日本と朝鮮半島の関係を描きじつに鮮やか。暴力シーンは迫力があります。一人の朝鮮高校生の死を巡り、在日の長老が腹の底から絞り出すセリフに涙を流しました。笑えるエピソードも多く、多くの人に見てもらい、いまの日本の状況を考えてもらいたい映画の1つです。見終わって在日の友人と話をしました。彼の思いが少しは分かったような記がしました。2005/4/22
評判の高かったらしい新海監督のアニメ映画を見た。第2次大戦の結果、日本は津軽海峡で南北に分断され、本州側はアメリカに、北海道側はユニオンに占領されている。面白いというと語弊があるが、巧みな設定である。期待を持ってみたのだが、残念ながら、期待したほどロジカルでなく、分断国家という極限の状況設定があまり生きていたとは思えなかった。ノスタルジーを誘う絵がとてもよかっただけに、甘さだけが残ったような感覚です。興味ある方はご覧下さい。2005/04/15
アーベルについての数学書を読んだ。5次方程式がどうして解の公式を持たないのか、は多くの数学少女、少年が一度は知りたいと思う謎の1つでしょう。数学的にきちんと理解するのはたしかに難しい。それでもなぜかを知りたいと思う。その本はこの疑問に答える本として書かれたのだと思います。しかし、残念なことに意欲的な本ではあるのですが、初学者には向いていないと思いました。結局ガロア理論をきちんと学ぶ他ないのかな、と思いつつ、数学少年少女の疑問になんとか答える本が読みたいという思いが募ります。2005/04/11
今年の高崎映画祭は4月10日に終わりました。今年は週末が忙しくて、あまり鑑賞する事ができませんでしたが、とてもいい映画に出会いました。表題の映画がそれです。村上春樹の短編小説を市川準監督が撮った映画で、主演はイッセー尾形と宮沢りえです。ある男と女の出会いと別れを不思議に情緒あふれる感覚で撮っています。見終わった後、胸がキュンとなり、お互いに決して分かりあえないにも関わらず寄りかかって生きていかなければならない二人のことを自分の中で暖めていました。2005/04/11
フランスアニメの傑作。高崎シネマテークでロードショウをしています。大変な傑作。ともかくデフォルメされた表現がよく、登場する機械(蒸気機関車 船 自動車 そして自転車)たちへの何とも言えないオマージュがよく、それでいて生きていく人へのそこはかとない愛情がいい。マフィアに誘拐されたツールドフランスの選手シャンピオンを探すおばあさんが荒海を貸しボート屋の20分1フランの足こぎボートで乗り切る!そして着いたベルヴィルで巡り会う不思議な三人の老婆。この老婆(ベルヴィルトリプレット)がマクベスの三人の魔女。こういうアニメが見たかった。音楽がまたいいです。セリフがほとんどないのにストーリーがよく分かる。マフィアの手先がいいんですねえ。どうぞお見逃しなく。2005/3/7
表記展覧会が高崎市美術館で開かれています。(4月3日まで)富田文隆・平出豊・三谷慎の三人展です。それぞれ異なった表現者の彫刻は見応えがありました。私はたまたま彫刻家三谷さんにお目にかかったことがあり、その静謐な魅力のあるブロンズに心引かれるものがありました。三谷さんは赤城山中で中ノ沢美術館を主宰している方で、美術館では音楽のコンサートなども開かれます。作品中、ノスタルジアと題されたうずくまる裸婦像は不思議な時間と空間を切り取っていて、心に沁みるものがありました。2005/3/3
陶芸作家神山清子とその息子賢一を描いた力作映画。賢一さんは白血病で短い命を終えた方です。主演の田中裕子が素晴らしい。自然釉に自分の陶芸の命をかける生き様と息子への愛情のすべてを表現し尽くしている。それにしても、きっと大変な迫力と強靱な心を持って生きてきた人なのだろうなあ、と思いました。2005/2/19
もちろんDVDということですが、表記の映画に再会しました。1954年の(僕は8歳!小学校2年)作品ですが、いま見ても少しも古びない傑作。もっとも僕は劇場では見ていない。ただ、看板やスチール写真をみて通学した記憶があります。出だしの記憶喪失の少女との出会いから、不安感をかき立てる音楽まで、何が起こったのかが分からない不安をドキュメンタリータッチで見事に描いています。ゴジラとの違いはリアリズムということでしょうか。未見の若い人には絶対のお勧めの古典傑作。2005/2/15
遅まきながら、ハウル見てきました。歩いていく城のメカニズムや、宮崎好みの飛行機械の描写は相変わらず見事です。しかし、どうも全体の印象が散漫だったなあ。戦争による大悲劇を目の当たりにしながら、世界全体を包み込んでいる平常な空気は何なのだろうか。全体の構想がよく理解できずに、フィナーレが来てしまいました。2005/2/4
主演の柳楽優弥がカンヌで、史上最年少日本人初の主演男優賞をとり、2004年度キネ旬のベストワンに輝いた映画。期待して見に行きました。(高崎シネマテーク)うーん、父親と別れ、母親に捨てられた(この言い方は正しくないのかなあ、母親に出て行かれた、か)父親の違う4人の子どもたちがそれでも必死に(という言い方も正しくないか、ごく自然にかなあ)生きていく様子をほとんど判断停止の視点から描いている。子どもたちの自然体の演技はすばらしいし、生きていくことへの不思議なまなざしがある。しかし、私は監督の視点にいささかの疑問をもった。監督は意識して母親を悪者には仕立てたくないと考えた。しかし、こういう映画を撮る以上、中立はあり得ないという気がする。成熟した人間の責任を引き受けることができないものへの厳しい眼差しがないと、映画がよくできているだけに奇妙な免罪符を発行したような気になったのもたしかです。自分の中でもう少し考えたい。2005/1/30
東京オペラシティギャラリーで表題の展覧会を見てきました。野又穣の展覧会は以前にも見たことがあり、その幻想建築に魅せられました。以前は建築途中とも、解体進行中とも見えた建築ですが、今度は建築が風化していく。寂しさというか、寂寥感というか、ふっと、詩人立原道造が「建築は廃墟になってからのことも考えてつくられるべきだ」といったことを思い出しました。とにかく印象深い展覧会でした。時間が早かったせいか、ほとんど配偶者と2人だけだったのが不思議でした。2004年12月26日までです。2004/12/22
結局買ってしまった。ロジャー・コーマンの「怪談呪いの霊魂」何とも不可思議な傑作。途中薄気味悪い、はっきり言って後味のよくないシーンがでてくる。アメリカの怪談作家ラヴクラフトの原作を映画化したものだが、すくなくとも「ダンウィッチの怪」よりは出来がいいと思う。それにしても、マイナーだなあ。2004/12/14
話題作「隠し剣鬼の爪」鑑賞。なるほど、前作「たそがれ清兵衛」と筋立てはほとんど変わらない。主演の永瀬正敏が若い分、陰影が薄くなり、その変わり、活劇的な面白さ(仕掛け人ですねえ)が加わった。仕掛け人緒方拳が仕掛けられるのが面白い趣向で、最後の最後に鬼の爪の意味が分かるのはミステリ的な興味もある。松たか子が健康的すぎるという感想もありましたが、見て損はしません。永瀬はかっこいいです。2004/12/13
ほぼ時を同じくして、「ゴジラ ファイナルウォー」を見ました。ゴジラを見続けてきた者の務め。結局ゴジラは死ななかった。最終映画に最終なしだそうですが、とにかく、さよなら、ゴジラ!2004/12/13
高崎に小さいけれど素敵な映画上映施設「高崎シネマテーク」ができた。かわきりの映画「珈琲時光」を見た。21世紀の東京物語となっているが、台湾の監督ホウ・シャオシェンが日本で撮った映画。群馬の田舎町がちょっとでてくる。フリーターらしい女性の日常を淡々と描き、(その女性は妊娠していることを育ての母に告げるという事件はあるが)何事も起きない。それでいて何ともいえない情感があるとてもいい映画でした。鑑賞している最中に、あっ、ここで終わるのだろうなあと思い、そのとおり、そこで突然映画が終わった。ふっと、周りを見渡したくなる映画でした。2004/12/7
ぶらぶらとネットサーフィンしていたら、リーマン予想解決か!という衝撃的なニュースに出会った。証明できたと言っているのはビーベルバッハ予想を解決した数学者らしい。少なくともただのがせネタではなさそうです。本当だとしたら、フェルマー、ポアンカレ、に続く大ニュース。数学界は潮目に来ているのだろうか。それにしても、クレイリサーチはここへ来て200万ドルの出費となるのかなあ。2004/11/11
ホームページ冒頭で掲げた「ブラームスはお好き?」の作家フランソワーズ・サガンが24日69歳で死去した。まだ69歳の若さ!もっとも18歳で作家デビューした天才だから、私と10歳しか違わないのだ。波乱の生涯だったらしい。ご冥福をお祈りします。合掌。2004/09/29
ついに解けた!(らしい)詳しくは数学談話室をご覧下さい。とても興奮しています。 2004/09/09
この夏も何冊かミステリを読んだが、すごいのがあった。某有名ミステリ作家の短編を読んでいて、あっとのけぞる。
「世の中には自分と瓜二つの人間が一人はいるものだ」
おいおい、これでアリバイを主張されたらどうしようもない、と思ったが、じつはこの作家の某長編にもすごいのがある。監獄に入っている人間が犯人なのだが、
「なに、田舎の監獄にはよく抜け穴があるものなのだ」!!!
私はこの作家も、この作品も大好きです!2004/09/09
Sさんに続き私瀬山も信州大学に呼んで頂き、集中講義をしてきました。4日にわたり延べ30時間の講義は思ったよりきつく、還暦目前の瀬山は2日目の午後には椅子に座って話をする有様でした。それでも、大学院生、研究生、韓国とガーナからの留学生の方が熱心に聴講して下さり、とても有意義でした。
「それで、肝心の講義の内容は?」
「まあ、Sさんと似たり寄ったりです。それよりもね」
「それよりなんだい?」
「立派なゲストハウスに泊まったんだけど宿泊者は僕一人、よりによって、持っていった本が「怪奇礼賛」という怪談の本。夜中にベッドの中で読んでいたらハウスのかすかな物音まで気になる。怖かったです。堪能してしまった」
「何しに信州まで行ったんだ!」2004/09/05
この夏は珍しく忙しかったが、合間をぬって映画(ただしDVDも多い)を見ました。
父と暮らせば
原爆で死んだ父の幽霊と暮らす娘。自分だけが生き残ってしまったことに罪悪感を感じている。父は自分の分も生きろと娘を励まし、そして消えていく。「おとったん、有り難うありました」の言葉が重たい。黒木監督の戦争三部作の三作目。いい映画でした。宮沢りえもいいが、幽霊役の原田芳雄がとてもいいです。
父は永遠に悲壮である 朔太郎 しかし
父は永遠に滑稽である 素骨
西部戦線異常なし
この映画はもう何回もみた。反戦映画の古典名作。また見直したが、以前気がつかなかったこんなシーンがあった。
狂信的なファシスト教師に扇動された高校生たちが熱狂して戦線に赴く。そこには本当の戦争の現実があるのだが、そんな中一人の高校生が塹壕で数学の勉強をしている。彼は戦友の質問に答えて級数の話だという。なんでそんなもの読んでるのか?と聞かれた彼は「楽しいから」と答える。
シャイニング
キュブリック監督のホラー映画。怖かった。冬のあいた無人になるホテルの管理を引き受けた作家の男とその家族。男は原稿が書けず、孤独に耐えきれず、精神を崩壊させていく。その過程を描く。何ともいえない不安感と圧迫感がある。ほとんど血が流れないにも関わらず、怖い。2004/8/30
珍しくS先生にお声掛かりがあり、岩手大学で集中講義をしてきたそうです。
「で、首尾はどうでした?」と聞いたらSさんは殊勝気にこんなことを言っていました。
「学生さんはまじめで、一生懸命聞いてくれた。それはとても有り難かったし、いつもの講義と違うのもそれなりによかったらしい。でも傑作はそのあと」
「なんですか?」
「岩手の若い高校の先生Iさんにお目にかかったんだけど、彼がジャグリングの名手!なんと5つ玉を操るらしい。彼に具体的な練習方法など聞けたのが最大の収穫」
おいおい、何しに岩手まで行ったんですか!とのどまで出かかったけど、まあ、Sさんの邪気のない笑い顔を見ていたら、こっちまで何となくほんわかしてしまって、口には出せませんでした。<2004/08/26>
表記の研究集会に参加しました。地理にうといぼくは、高山が名古屋の近辺だと思いこみ、名古屋から特急で2時間半もかかったのにびっくり。富山を回った方が近かったかなあ。
大会では中学校・高校の図形分科会に参加しました。中学分科会では三角形の内角和を170度と計算していて、恥をかいた。それはさておき、作図と図形の決定はおもしろい教材でした。時間はかかるかもしれないが、なぜ2辺と1角ではなく、2辺夾角なのかは論理の話題としてもいいと思いました。
高校では球の体積と表面積の教具に感心。なるほど、教具の力(直接経験の大切さ)を改めて実感。しかし、職人芸だなあ。
自由交流で他大学で教員養成に携わっている人たちと、数学教員養成の問題点を討議しました。結論はでるはずもないのですが、数学の教え方について重要な議論ができたと思います。これが生かせるか。
朝市は楽しかったです。2004/8/9
暑い夏にふさわしく怪談映画の話題を一つ。毎日新聞の日曜版に連載されている落語家快楽亭ブラックの映画評論は実に面白く痛快だが、今回は中川信夫の怪談映画だった。ブラックによれば中川怪談映画の最高傑作は「亡霊怪猫屋敷」だ!よくぞ言ってくれました。そこで、老後の楽しみに怪談映画の傑作を密かに収集することにした。手始めにグレゴリー・ペックの「お面」もとい「オーメン」を買い、じっくりと見た。これがやはり傑作。怖いし最後がいいねえ。このあと「サスペリア」「エルム街の悪夢」など買う予定。一渡りそろったら、怪談映画における数理論理というタイトルで講義をしよう。2004/07/19
エーメリッヒ監督の表記の映画を見ました。僕の「見せ物映画論」にふさわしいパニック映画です。特撮は確実にすごくなっていて、竜巻がロスを襲うシーン、大波がニューヨークを襲うシーン、超大粒の雹が東京を襲うシーン、自由の女神が氷河に閉ざされるシーンなど迫真の出来でした。本を燃やして暖をとる、しかし、グーテンベルグの聖書だけは燃やせない、老婦人が「本とは燃やすだけに役立つのではないのよ」というシーンなどとてもよかった。本当にこんな気象異常が起こるとは思えませんが、京都議定書の行く末に関心がある方、どうぞご覧下さい。2004/07/05
白土三平論という長編力作の評論を読んだ。(詳しくは本の談話室参照)その白土の漫画「カムイ外伝」というタイトルは当時とても新鮮でした。ちょうどそのころ、雑誌数学セミナーに「高校数学外伝」という連載があった。高校数学に飽き足らない数学教師たちが共同で執筆した数学教育論は、外伝というタイトルと相まって、それまでの数学教育の枠を乗り越えて新しい数学教育を模索する大勢の教師たちの共感するところとなった。今読み返しても、そこで提起された問題は新しい。願わくば、数学教育がこれを乗り越えて発展していくことを。2004/06/28
先日久しぶりに秋葉原のコスモ物産を覗いた。店主平野さんは元気に啖呵売をしていたが、衝撃的なニュースを聞いた。パズル作家の芦ヶ原さんが亡くなったらしい。一瞬声を飲み込んでしまった。しかし、芦ヶ原さんのことだ、実はジョーク,はは、また騙しちゃったとにやにやしながら出てくるのではないか、と思いたい。
でも、本当だったら、謹んでご冥福をお祈りいたします。
生前、一度だけお目にかかったとき、初対面にも関わらずトリックジョークを仕掛けられ、まんまとはまってあほ面をさらけ出してしまったのも懐かしい思い出です。2004/6
群馬大学の女子学生Kさんが研究室に来訪。エニグマ解けた!そうです。彼女は僕のパズルの講義を受講している人で、知恵の輪大好き人間だとか。
ところで、俳句雑誌「鬣」の最新号に埼玉の高校の先生Tさんがエニグマを主題にしたエッセイを書いています。枕元に置き、かちゃかちゃやっているらしい。いかにもマニアっぽい。とれたかなあ。2004/5/26
はっはっは。エニグマ解けました。19日の夜、疲れたので早めに横になってうとうとしていたら、耳元で「はずれた!」の声、思わず目を覚ますと配偶者が一つはずれたエニグマを持っている!ところが残りの二つがはずれない!ややあきらめムードで20日の朝、朝食の食卓でかちゃかちゃやっていたら・・・・・。とれたー!証拠写真をアップします。どうだ!来週は学生に自慢しよう。2004/5/20
黄さんは前橋在住のギタリストです。表題のコンサートが5月16日に赤城山の中ノ沢美術館で開かれました。瀬山はギターをたしなむのですが、もちろん人に聞かせられるようなものではありません。今回のコンサートは、現代音楽の作曲家たちがギターのために作曲した曲が演奏されました。実に迫力があり、新しいギターの音を堪能しました。自分が知っているギター曲はメロディアスなものが多いのですが、そうでないギターに新しい発見があり、演奏者の高い技術ともあいまって、多彩な音色に酔いました。人数的には小さいコンサートでしたが、また参加したいものです。2004/5/17
金属製の知恵の輪「キャストパズル」はたくさんの種類が発売されていて、僕もずいぶん買いました。パズリストの端くれとしていままでに購入したものは一応全部解いています。(解答みたのもあったけど)
この4月、最難問という「エニグマ」が登場した。5月末日までにバラバラになった写真を発売元に送ると記念品をくれるという。購入。とっ解けない!しばらくさわりちょっと休憩。ところが、連休明け、数学科の学生たちとゼミをしたとき、N君がにこにこしながら携帯の写真を見せてくれた。解けている!4日かかったという。感心していたら、今度はS君がおもむろに何かを取り出した。なっなんと!バラバラになったエニグマ!うーん、思わず教えて!といいそうになる気分。くそ!なんとしても解くぞ!と神に誓ったのでありました。でも、どうしてもだめだったら、N君、S君解答教えてね。 2004/5/14
先日友人たちと千葉県佐倉市の川村記念美術館を訪ねました。目的は開催中の中西夏之の展覧会をみることでした。実に立派な美術館で初めてみる絵画もたくさんありひとときを楽しく過ごしましたが、一番印象深かったのは画家ロスコの6点の絵画でした。一室がこのために用意されていて、静謐な不思議な迫力のある空間になっています。ロスコの絵は抽象絵画ですがその色といい質感といい圧倒されました。着物に関係する友人が、ロスコの部屋を訪ねるだけで川村記念美術館に行く価値があるといっていましたが、本当です。未見の方、是非訪問して下さい。2004/5/11
先日東京都現代美術館でひらかれた「球体関節人形展」をみました。関節人形ではなんといってもベルメール、日本では四谷シモンですが、今回の展覧会も大変に見応えがありました。人形という存在自体が懐かしさ、不気味さを体現していて、そのエロティシズムは息を呑むものがある。しゃがみ込んで目を合わせていると吸い込まれそうでした。図版ではその雰囲気がうまく表現できないのが残念です。
ところで、この展覧会は押井守監督の映画「イノセンス」の公開にあわせたものだそうです。近々観に行きたいと思っています。2004/03/25
映画「イノセンス」全編にちりばめられた哲学的なセリフがいいという人もいれば、鼻につくという人もあろう。しかし、このセリフはバトーが喋っているわけではなく、背後の人間全体の歴史という名の記憶装置が喋らせている。人間と人形はなにが違うのだろう。書斎の片隅に転がっている人形の首と対話してみたが、何も教えてはくれなかった。
3月6,7日に岡崎で開かれた数学教育の研究集会に参加しました.数教協ではつとに有名な西三サークルの集会です.いろいろと面白い実践に出会いました.
盛岡の下町さんの講演では,ビデオプロジェクターを2台駆使したフラクタルの映像が圧巻.合わせ鏡の原理のようですが,スクリーンにフラクタルが映し出されたときは思わず拍手してしまいました.奈良の大西さんのカライドサイクルの研究もたいへんに面白かった.実物をつくったことはあるのですが,発展させた研究は聞き応えもあり関心を深めました.これからも何とか時間を作り他のサークルの集会にも参加したいものです.それにしても,出発地点の前橋は雪,岡崎は晴れ,日本の細長さを実感した週末でした.04/3/8
うらわ美術館で「遠近法をめぐる現在の15相」というとても刺激的な面白い展覧会を観ました.遠近法を巡る現代芸術の展覧会です.なかでも川村直子さんの作品が圧巻.極細の針金にきちんと等間隔に小さな鉛の塊がつけてある.その針金をたくさん部屋の天井から下げてある.等間隔に並んだ点が宇宙の果てを見せているような,何とも言えない浮遊感覚を醸しだし,無限を垣間見せる.写真で見るのではその感覚は伝えられないのが残念.興味ある人はぜひ浦和に足を運んで下さい.亡くなられたタイガー立石さんの油彩もあります.タイガーさんとの絵本の仕事が懐かしく思い出されました.2004/2/13
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どうも最近本を読まずに映画ばかり見ている.それというのも,去年導入したDVDってえ奴がくせ者.書店にいっても書棚ではなくDVDコーナーを見る始末.とくに2000円以下で買えるDVDは本と同じように気軽に買ってしまう.
というわけで,最近も行きつけの書店で本ならぬDVDを買ってしまった.ヒッチコックの名作「最古」もとい「サイコ」よくできている.それにしても,我が家のビデオが初めの部分をずっとカットされているのが分かった.それと,最後の精神科医の説明が少し冗長かなあ.劇場で観たときの怖さがよみがえりました.2004/2/9
同僚のMさんは僕など足下にも及ばない映画ファンです.Mさんから表記のビデオを借りて見ました.
東宝特撮シリーズです.子どもの頃映画館で観たときはあまり気がつかなかったのですが,全編に色濃く戦争の影が残っているある種の反戦映画でした.ご都合主義が気になる所も多いのですが,とくに「電送人間」は戦争が終わって14年もたったときでも,その傷は多くの人に残っていたことが分かります.それにしても「ガス人間」の若かりし八千草薫は古典的な美人です.ガス人間が入れ込むのも無理はないです.2004/1/29
群馬大学名誉教授の道脇義正氏が81歳で永眠されました.別冊数理科学にパズルの記事を書かれたこともありました.
謹んでご冥福をお祈りいたします.2004/1/26
ついにDVDで表記の映画を入手.勇んで見た.
ゴジラは言われるとおりの反戦映画だ.それ以後のゴジラ映画では陰をひそめてしまった,ゴジラによる破壊の惨状が空襲の惨禍とダブって見える.ゴジラがでるまでも迫力があり,白黒画面の良さが伝わった.それにしても,自衛隊戦闘機のミサイルがちっともゴジラに当たらないのが愛嬌.
一方ラドンはすでに反戦調は陰をひそめ,ホラー映画のスタイルを取っている.昔これを劇場で観たとき,炭坑から怪物がでてくるシーンがとても怖かった.あまりに克明に覚えていて,細部にわたり説明をしたので配偶者に笑われてしまった.それにしても,ラドンは東京を襲わなかったのですね.2004/01/21
先日,4月からの法人化に伴う学内規則の改定の話で,新学長が教育学部教授会にきて話し合いがあった.それを聞いていたら,どうしたわけか突然「仁義なき戦い」が見たくなった.亡くなった深作欣二監督の傑作.家に戻り2日かけて5部作を見た.やはり傑作.なんと言っても第1作がいい.金子信雄演じる山守や田中邦衛演じる槇原の面白さ,人の卑小さ醜さ,にもかかわらず人間くさいその生き様.それにしても最初はシリーズになるとは考えていなかったというのは本当だ.シリーズにするなら梅宮辰夫や松方弘樹という正統的なやくざ顔の俳優を,一作目でむざむざ殺してしまうことはなかったろう.3作目「代理戦争」ででてくる打本組組長の加藤武がすこし善人顔で苦しかった.2004/01/21
12月24日の朝日新聞に東大の入試問題「円周率は3.05より大きいことを証明せよ」についての話が掲載された.実は瀬山はその記事を見損なったのですが,翌日朝日新聞に訂正記事がでた.記事によるとある受験生が円に内接する正八角形の面積を計算することによって正解を得たとあり,正十二角形でも正解とあった.ところが翌日に訂正があり,正八角形の面積では正解にならないとのこと.へえ,と思ったが何となく見過ごしていた.そうしたら,同僚の心理学の先生Yさんからメールあり.記事の間違いに気がつき早速朝日に指摘のメールを送ったそうだ.
ちょっと計算してみた.確かに面積では円周率は2.8より大きい位しか分からない.実は周囲の長さで計算すると正八角形でも3.05より大きいことが分かるが,これには二重根号の開平算が必要で,今の高校生にはできないかも知れない.結局この記事を書いた記者は自分では解くことをしなかったのですね.
この東大の問題,僕は割と評価していますが,正解率を知りたいものです.2003/12/26
インターネットで市川昆監督石坂金田一の映画がボックスになっているのを知り,自分へのクリスマスプレゼントとして買いました.結局みんな観た!それが,「女王蜂」とか「病院坂の首括りの家」とかあまり面白くないという印象だったのに,繰り返してみている内に結構面白いということが分かった.原作に比べて(本ではないので読み返しがきかない)ずっと整理されているのが勝因.それと脇役の演技がいい.横溝映画は「悪魔の手まり唄」となに思いけん.獄門島の真犯人は蛇足,あれは原作の犯人の方がずっと良かった.
結局中川信夫の怪談かさねが淵もDVDで入手しました.原作も読んだのですが,実は映画の方がずっと面白い.原作はいささか冗長で退屈です.これは脚本を書いた川内康範の力がすごいのではないかと思います.月光仮面バンザイ!ですが,地理的な状況がほとんど分からないのは珠に傷でしょうね.2003/12/7
最近必要がありピタゴラスについての本を読んだ.少しは数学の内容が分かるかと思ったが,残念ながら数学にはほとんど踏み込んでいなかった.少しだけ数学に触れたか所があったが,いささか疑問のおおい文章で,数十年前の受験数学では0でかけたりわったりするのは御法度だったなどと書いてある.名のある哲学者の書いた本だけに読んでいてがっかりした.2003/12/8
お手玉,ジャグリングといえば,なんといっても数学者ピーター・フランクルさんです.実際彼はプロの資格を持っているそうです.パズルの大家で小田原さんという方もお手玉の名人で,なんでも6個のボールを操るとか.脳の活性化にもいいという話で,僕も少したしなんでみました.片手で2個,両手で3個,これは西洋式と日本式とあって,西洋式はカスケード,日本式はシャワーというそうです.4個に挑戦しようと思うのですが,それには左手で2個を操る必要があるらしい.じつは配偶者から土産にジャグリング用のボールを貰いました.日本のお手玉より少し大きめで重たいです.果たして物忘れ防止に役立つか.子細はおってご報告.
2003/10/17
話題の映画「座頭市」見ました.面白いことは請け合います.ただし,ミステリ的な仕掛けは残念ながらすぐに分かってしまう.それでも面白い.しかし,その暴力的な体質は嫌だという人も多いでしょう.訳もなく人を殺す市は,ただ殺す楽しみのために人を殺すみたいです.その手さばきが鮮やかであればあるほど,見ていてやりきれなくなるのかも知れません.ある映画評に,市に感情移入できないとありましたが,当たっています.勝新の市は一抹の悲哀が漂い人を切ることが好きでなかった.たけし市は面白半分に人を切っているようです.でも奇妙なリズム感とおかしさがあります.波長が合いそうな人はどうぞ. 2003/10/15
「10000人目でびっくりして喜んだが,よく考えてみると,10001人目もたった1人なんですね」
その通りです.というわけで,区切りの方にも何も出ませんが,今後ともこのホームページをご愛読下さい.2003/3/19
結局中川信夫監督の「東海道四谷怪談」もDVDで入手.やはり傑作.斬新な映像は今見ても面白怖い.ところで,友人の英文学者がムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」のビデオを手にしていました.吸血鬼映画の最高傑作.しばらく前にヘルツォーク監督がリメイクして,これもいい映画だと思うのですが,ムルナウを越えることはできなかった.テレンス・フィッシャーも裸足で逃げ出す.2002/12/19
友人からのメールで,歌手の宇多田ヒカルさんが自分のサイトで亡くなられた家永三郎先生について書いているということを知りました.早速読みました.彼女は家永さんの「新日本史」で歴史を学んだそうです.家永さんの反戦の思いが彼女にも伝わっていました.思いもかけない追悼文に接して,若い歌手の人へのぼくの思いこみを恥じました.これはhttp://www.toshiba-emi.co.jp/から開くことができます.2002/12/11
ついに,中川信夫監督の傑作怪談映画「亡霊怪猫屋敷」を入手しました.DVDです.中川監督といえば,和製ホラー映画の名監督で,なんと言っても「東海道四谷怪談」が有名です.僕もこの映画が日本ホラー映画の最高傑作であることに異存はないのですが,あえて,今回は「亡霊怪猫屋敷」を買いました.冒頭の深夜の病院のシーンから,もうどきどきして,雨のなか裸足で近づいてくる老婆のショットで感涙を流しました.他にも,「怪談累ケ渕」も傑作です.
ところで,先日若い同僚のYさんと飲む機会があり,怪談映画の話になりました.彼は中川信夫の「地獄」を高く評価していました.慧眼!しかし,あれは余り大声で誉めてはいけないのでしょうね.実はもう一つ,石井輝男監督の「恐怖****」というすごい映画があるのですが,これはもう残っていないらしい.2002/9/6
毎日新聞の小さな童話の大賞に桐生市の川島えつこさんの「十一月のへび」が選ばれました.いじめと現実と幻想のあわいを書いた掌編で気持ちのいい作品です.
一箇所気になりました.
「へびはしゅるしゅると近づいてくる.(中略)へびの体はひんやりつめたく,すこしぬるっとしている.」
と表現されていますが,川島さんは本当の蛇を触ったことがないのではないかと思います.蛇は鱗を持っているので,触った感じではざらっとしていて,ウナギのようなぬるっとした感じではありません.蛇のために一言.日本野蛇の会会員(2002/7/19)
この絵本6冊が売れているらしい.若い女性に人気とか.
ぼくは1巻目が出版されたとき,児童文学仲間のKさんから紹介され読んだ.斬新なアイデアで結末をつけない一種の謎物語になっていることに感心した.今度まとめて6冊を読み,少しがっかりした.木村さんもあべさんも全体の構想があり6冊を書いたのではないのだろう.何故続きを書いてしまったのか.いかにものお話になり,一巻目の緊張も失せてしまったのは大変に残念である.2002/6/24
以前この欄で児童文学と数学について書きました.そこで,不思議の国のアリスを題材にした算数の本にふれました.その本の編集者の方から直接メールを頂きました.情報有り難うございました.もう一度正しい書名,著者名,出版社名を書きます.
「ふしぎの国のアリスの算数パズル」 山崎直美 さ・え・ら書房
同じ山崎さんが同じ書店から
「シャーロック・ホームズの算数パズル」
という本も出版されているようです.ぼく自身ルイス・キャロルの熱烈なファンで(キャロルは数学者です),シャーロック・ホームズを題材にした偽書「数学者シャーロック・ホームズ」(日本評論社)を書いているので,大変に親しみがわきました.子供たちに算数数学の本当の面白さを伝えるために,小学校向けの算数読み物を書くことは大切な仕事だと思っています.教科書風の知識の列挙にならない,楽しい本がたくさん出版されるとことを期待しています.2002/6/18
2002年5月25日に数学人が渋谷に集まり集会とデモを持ちました.たかだか39名の小さな集会でしたが,戦争には協力しない事の確認をしました.この法案は有事という名を借りたアメリカの戦争への協力法案です.なんとしても廃案にしましょう.
声明の一部を転載します.
私たちはこのような戦争に荷担する道ではなく,アジア・太平洋の人々との友好関係を築き上げる努力を通して平和を創造するべきだと考えます.武力は戦争を防がず戦争を招く,という歴史的事実は,憲法第9条の理念こそ21世紀において平和への道を切り開くものであることを示しています.その理念を捨て,他国への不信感を国策の基盤に据える有事法制三法案を,一市民として,また国境を持たない数学に携わる1人として,決して認めることは出来ません.(2002.5.27)
岡崎へは新幹線を乗り継いで行きました.豊橋で新幹線を降りて,時間があったので,駅ビルの天ぷらやさんで昼食をとりました.となりに女性の二人連れが座りました.どうやら叔母さんと姪らしく,若い女性は下宿自炊らしい.
「揚げ物と数学って似ているのよ」と娘さんが言っています.
数学教師として思わず聞き耳を立ててしまいました.
「時間をかけたからってうまくなるものじゃないの」
うーん,私数学の教師なのですが,と,よほど話しかけようかと思ったのですが.
でも,僕は時間をかけたら揚げ物が結構うまくなりました.次は天ぷらに挑戦しよう.
(2002/03/18)

ジュリア集合のような渦巻きが自己相似形に並んでいます.もちろん食べられるのですが,もったいないので写真に撮り,しばらく飾っておくことにしました.野菜の本で調べたら,どうやらカリフラワーの仲間で珊瑚礁という種類らしいです.鑑賞してください.
(2002/03/11)
24日東京のシアタートラムで「日暮町風土記」を観てきました.永井さんは二兎社という劇団を率いている戯曲作家・演出家です.
140年もたった古いお菓子屋さん大黒屋の取り壊しを巡っての人間模様を描いた喜劇ですが,テーマはシリアス,文化とは何か,それに対して人は何をすることができるのか,大いに笑いながらそんなことを考えていました.遠くバーミヤンの大仏の姿や,近くでは九州のダム建設のやり方がこだましています.群馬の八場ダムもあります.
ところで,やはり演劇は劇場で観るものです.(2001/12/25)
ホームページを開設してちょうど一周年になりました.2000年12月18日に開設して,1年間で4500人ほどの方が訪問してくれました.もっとも,サクラでアクセスした人も多く,本人も何度もアクセスしているから,実際は3000人くらいでしょうか.
情報は正確にと心がけていますが,いささか眉唾のものも混じっている可能性もあります.そこがインターネット情報の危ういところでもあり,面白いところでもあります.情報を見て読みとる力が必要なのでしょうね.
どうぞ皆様良い2002年をお迎えになりますように.(2001/12/19)
「陰陽師」は野村万斎の立ち居振る舞いはよかったけれど,鬼の特撮は今ひとつ.それに真田広之の方が強そう.
「GO」は在日韓国・朝鮮人の高校生の青春を見事に描ききった行定勲監督の傑作映画です.本年度のベストテン級の良い映画でした.主演窪塚の目がいいです.疾走感がいいです.山崎のボクサー崩れの父親が良いです.ちょっとでてくる日本人親子,警察官,タクシー運転手それぞれが日本人の大陸観・朝鮮観を巧みに表現しています.大勢の高校生に見てもらいたい映画.(2001/11/01)
これは余り心躍る楽しい話題ではないのですが,ささやかな報告をしたいと思います.
多くの人の願いは叶わず,アメリカ,イギリスはアフガニスタンに対する報復爆撃を開始してしまいました.報復ではテロはなくせません.傷つき死んでいくのはたくさんの普通の人達です.
今国際世論がすべきことはテロに断固反対し,犯人を国際法廷にゆだねること,そのためになぜテロが起きたのかを解明しその原因を取り除き,ねばり強く犯人と思われる人の引き渡しを求めていくこと,同時にテロの原因となっていると思われる貧困,無関心などに注意を喚起していくことでしょう.これを機会に自衛隊の海外派兵を強行するなどと言うことはもってのほかと考えます.
10月13日30数名の数学研究者,数学教員が集まり渋谷をデモ行進しました.私にとっては戦争協力法案反対以来のデモでした.渋谷の通りで,拍手で迎えてくれた女性,俺も反対だと言ってくれた若者達,多くの人にアピールできたと思います.
アメリカが報復という無益な暴力をすぐにやめ,日本が本当にアフガンの平和に貢献できることを祈ってやみません.
2001年度後期,酔狂なことに「遊びの数理」なる講義をはじめた.以前何回かやったことはあるのだが,久しぶり.初回は大人気だったが(本当かい?)2回目,がっくりと聴講生がへり,適正規模になったのはよかった.そんなとき,表題の本を見つけて読んでみた.
話は今市で,語り口も余りぴんとこなかったが,確かにパズルに関係したミステリ.有名な問題もちりばめてあるが,位相幾何学という言葉もでてくる.その問題は,
「アルファベットを2つのグループに分けよ」
というもの.トポロジカルな視点で,アルファベットを2つのグループに分けてみてください.(2001/10/9)
大変な漫画を見つけた.「国民クイズ」上下巻である.どうやら復刻らしい.最初に気がつかなかったことを恥じる.
日本という国が「国民のあらゆる欲望を平等に実現すること」を国の基本方針として,一律にクイズを出し,その正解者は自らの欲望を国によってかなえて貰える.隣の奥さんを殺したい,いなくなった犬を見つけたい,エッフェル塔が欲しい,借金チャラにしろ,癌を治せ,献血しろ.正解できなかった参加者は強制労働でシベリア送り.
ふざけていると言えばそれまで.しかしここに描かれている日本と日本人の圧倒的な現実感はなんなのだろう.欲望の全肯定はほぼ日本が戦後とってきた軌跡と同じではないか.異様な絵の表現がすごい.ご一読をおすすめする.(2001/09/24)
夏の映画第3弾「猿の惑星」と「ジュラシックパーク3」観ました.
猿の惑星は8月の数教協全国大会で,愛知のKさんと話していたら,やはり衝撃のラストシーンだといわれて,胸躍らせて観ました.確かに衝撃的ではあるが,ラスト数分前に分かってしまうのが残念.才人バートンもやはり前作をしのげなかったのでは.それにしても美猿(?)は素敵な顔をしてます.これはアメリカの人種問題のパロディなのでしょうね.
ジュラシックパーク3も見に行くといったら,Kさんが少しあきれたような顔をしてました.友人の映画見も「あれはもう...」といってました.断固見に行きました.恐竜に会いたかったのです.プテラノドンが空を飛びました.満足です.(2001/08/09)
映画祭
このところ三月の終わりから四月にかけては毎年高崎映画祭が開かれる.今年で15回にもなる一大イベントである.僕も時間を見つけて映画をみる.今年見た映画で今までのところで良かったものは
クリクリのいた夏
Tubalu
クリクリは1930年代のフランスの田舎を舞台にした映画で,クリクリという女の子とその家族にふれあう復員兵を描いている.出てくる人たちに素直に感情移入できるのがいい.蛙釣りの名人の老人がいい.胸のどこかがキュンと痛くなるような映画です.おすすめ.
ツバルは奇怪な映画です.室内プールを経営する盲目の老人とその息子,恋人の少女の映画だが,筋書きは説明できない.外国映画なのに字幕なし,吹き替えなし,それなのに筋が分かる.シュールなイメージがとてもいいファンタジー映画です.
そのほか,「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「太陽の誘い」「チキン・ラン」なども良い映画でした.
入試問題
2001年度の東京大学の数学の入試問題は面白い.解いてみたくなる面白そうな問題です.
ところで,国際基督教大学付属高校の松本光正さんが2001年度の入試問題を送ってくれました.これが数学の問題なのだが,長文読解問題.
フィボナッチの発見
「x^2+5 とx^2-5 をともに平方数とするにはxをどんな数にすればよいか,という問題に対して,フィボナッチはすぐにX=41/12を見つけた」
をテーマに姉と弟の会話が続きます.実に面白い入試問題です.取り組んだ子供たちも満足するのではないかと思います.
実はこれ以前にも東京の私学明星学園の山口さんからも同様の長文読解数学問題を送っていただいております.こちらは中学入試なのでもう少し易しい問題.
いずれにしろ,こういう問題が出されることは大変に嬉しい.大学入試でも試みる価値があるのではないでしょうか.手始めに自分の講義の期末試験に,ということなのですが,すでに試みております.ただ,問題をつくるのはかなり難しい.それでもやってみる価値はあります.
ある座談会
月刊子ども論という雑誌がある.クレヨンハウスの落合恵子さんが中心になって,全国の新聞から子ども,教育などの関連記事をスクラップしている雑誌で大変に貴重な情報源である.
その子ども論の2001年4号の冒頭に「魅力ある算数・数学のための大激論」という座談会が載っている.座談者は秋山仁・坪田耕三・八田弘恵・羽中田彩記子の方々.激論というのは少し看板に偽りありで,激論にするのなら文部省関係者などを入れるべきだったと思う.数学への思いは出席者皆同じで,目先の役に立たない論を一蹴しているし,数学の役立ち方がもっと本質的な部分にあるということでも一致している.技術と考え方の絡み合いについてもう少しつっこんだ話があるともっと面白かったと思う.
そこで坪田さんが提出した問題を紹介しよう.
1*2*3*4*5*6*7*8*9の*に+かーを入れて全体が1,2,...8,9となるようにしなさい.
この問題を小学生が自由に解いたらしい.考えてみてください.
数式は美しいか
しばらく前まで,配偶者を手伝って家庭文庫を開いていた.おかげで,前から好きだったのだが,かなりの量の児童文学,絵本を読むことができた.絵本を読み続けるということがどういうことなのかについて大変に示唆的な本が絵本をよんでみる,絵本をよみつづけてみるの2冊で,どちらも五味太郎+小野明,平凡社である.
どちらも実に見事な絵本論・作家論ですが,内容はどうぞ読んでください.「絵本をよみつづけてみる」の方から引用.
「叙事と叙情を分ける必要はないんだ,ひたすらやってると両方実現しちゃうんだ,という気になるからね.似たような感じが寺田寅彦の文章にもあるよ.あるいは数式の美しさとか,楽譜の美しさとかね」
やはり数式も美しいのですね.(2001/2/23)
数学用語
僕は作家筒井康隆のファンである.かなり昔から彼の作品を読んでいるが,現実をねじ曲げ裏返してしまう筒井トリックを本当に面白いと思う.最近では「わたしのグランパ」(文芸春秋)が読売文学賞を受けた.これは痛快な話である.
ところで,新作「恐怖」(文芸春秋)を読んだ.奇妙なミステリだが,その89ページにこんな文句が出てくる.
「整数a,bの差が整数mの倍数であるとき,aとbはmを法律として互いに合同です.mが定まりますと,すべての整数はmを法律として,互いに合同なもの同士の集まりいくつかに分けられます.その集まりのひとつひとつはmを法律とする剰余類です.」
剰余類を法と訳すのはどうしてなのか,知っている方は教えてください.まあ,しかし,普通は法律とは訳さない.これも間違いというのだろうか.いやいや筒井康隆のことだからわざとやったのだろう.なんか,奇妙な感じがしますね.
三角形の内角和
毎日新聞2月20日の夕刊に,「三角形の内角和が180度であることの強引な証明」というコラムが載った.著者は慶応大学の佐藤雅彦.佐藤さんといえばポリンキーとかバザールでゴザールなどというコマーシャルの作者と記憶している.コラムの内容は,数学拒否派の女性が,三角形の内角和が180度になることを,紙の三角形で実験して感動するというもの.佐藤さんはその後,研究室の学生に「数理概念を現実的に表現する」という課題を出したところ,円錐の体積の公式を円柱とビーズを使って実感する道具を作ってきた学生さんがいた.そして,佐藤さん自身が「ぴったりだ,三杯でほんとうにぴったりだ!」と感動したのである.
これは数学教育ではよく知られていることだというのは易しいが,この話は,実はそんな実践がまだまだ少ないことを物語っているのではないか.やることはたくさんありそうです.(2001/2/22)
怪談愛好家
最近は怪談という古風な言い方は影をひそめてしまって,ホラーというらしいが,どうも怪談という言葉の響きの方が好きです.純国産の怪談で絶対のおすすめは岡本綺堂のもの.どれを読んでも怖いし面白い.最近ちくま文庫から岡本綺堂集 青蛙堂鬼談という綺堂の怪談アンソロジーがでた.僕は青蛙鬼談をすでに2種類の本で持っているのだが,本屋で見かけて思わず買ってしまった.寝床の中で読んでいると,背中の方が気になって仕方がない.ぞくぞくする.これが怪談愛好家の至福の時間なのです.因縁を語らず,怪異をそのまま投げ出す岡本綺堂の怪談はすこしも古びない.どうぞご一読,怖がってください.そういえば,少し前,怪談話のCDを買い,一人で聞いていたらやはり怖かった.映画にもなった「江島屋騒動」である.演者は古今亭今輔,普段はあまり古典を語らない師匠だが,うまかった.いんちき花嫁衣装を買わされた母娘の復讐怪談である.機会があったらどうぞ聴いてみてください.(2001/2/14)
ホームズと数学教育
大学院生の談話会で面白い資料が配られた.
「Sherlock Holmes,Master Problem Solver」MATHEMATICS TEACHER NOVEMBER 1994
Vol.87 No.8(596-601)
シャーロック・ホームズ 問題解決の達人
こんな論文が数学教育の雑誌に載るのだからアメリカという国も隅におけない.ホームズの探偵術が数学における問題解決,帰納法,一般化,背理法などと同じだという紹介である.聖典(シャーロッキャンはホームズ物語をこういう)の引用もあり,パジェットの挿し絵まで引用してあるのがいかにもこっている.それにしても,モリアーティは「The Mathmatician as an evil genius」という紹介である.うーん,数学愛好家としては残念至極だが.資料を教えてくれた院生の皆さんに感謝.翻訳担当のS君,ご苦労様.
関連図書として「シャーロック・ホームズの記号論」シービオク 岩波現代選書と,ついでに拙著「数学者シャーロック・ホームズ」日本評論社を挙げておこう.(2001/2/9)
冥王星は惑星ではない!?
2/2朝のラジオニュースによると,アメリカ自然史博物館の惑星の展示から冥王星の名前が消えた.最新の研究結果では冥王星は惑星ではなく,彗星の一部だという.冥王星の直径は地球の1/5とかで,惑星にしては軌道がずれすぎているなど,疑問点はたくさんあったが,それにしても惑星からはずされるとは.これについては,賛否両論あるらしい.昔あった少年SF{第十番惑星」のタイトルも変えなければ.(2001/2/2)
おかしな漫画
学生のU君がおかしな漫画を貸してくれた.「HAL はいぱあ あかでみっく らぼ」
あさりよしとお ワニブックス 科学漫画というのだろうか.生命の誕生とかシュレデンガーの猫とか,ザ・臨界,死の判定なんていうのもある.これが,科学知識と嘘の間を縫っている漫画でして,最初に「この漫画には一部に真実が含まれている場合があります」という人を食ったような注意書きがあるが,読んでみると,これはなかなかのものだ.生半可な科学読み物よりずっと科学的でしかも批判すべき点をきちんとついている.作者後書きは真面目そのもの.一読の価値あり.ニュータイプの啓蒙漫画だ!U君に感謝.
(2001/2/1)
HTMLの可能性
HTMLとはハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージの省略だそうです.とにかく見よう見まねでこのホームページをつくってみましたが,この言語にはホームページをつくるだけではない別の可能性があるような気がする.リンクの機能でいろいろなところへ飛べるということを使った数学テキストをつくることができないだろうか.さしあたっては,問題集で正解が出ると次の問題に飛ぶ,間違っていたら少し前に戻る.一昔前のゲームブックのようなことをHTMLを使ってするということである.あるいはパソコン上の言葉の迷路をHTMLを使ってつくるなんていうのも考えられる.少し考えてみたい.
少しだけ数学が出てくるお話
学生のU君が少し数学のにおいのする短編を紹介してくれました.
ひとつは「ゴーディアス流転」もう一つは「異空の三本〆」どちらも
えいり庵綺談 梶尾真治 徳間文庫に入っています.
「ゴーディアス」はゴーディアスの結び目を位相幾何学者がほどこうと悪戦苦闘する話.恋人がその結び目だけでできた衣装をきて,どこか異空間にいってしまうという内容です.
「異空」は異星人が蕎麦の(!)代金を払おうとして12宇宙クレジット請求されるが,なぜか16宇宙クレジット払っていったという話.「時蕎麦宇宙版」
さて,異星人はどうして16宇宙クレジット払っていったのでしょうか.
ピンと来たら自分の手を見てください.(2001/1/23)
2001年度のセンター試験の話題から
1.地学の問題にアーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」からの抜粋が出題されました.なかなか粋な出題です.月での地球の満ち欠けの問題.小説も去ることながら,映画「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キュブリック監督)は大変話題になりました.今見ても面白いSF映画です.30年も前に撮られているのに少しも古くなっていない.残念ながら,現実は映画に追いつけませんでしたねえ.
2.物理1Aの問題で2進法の指を使った表示についての問題が出ました.これは完璧に数学の問題.正答率はどうだったのでしょうか.
3.国語1の問題に江國香織のショートショートが出題されました.とてもいいショートショートです.読んでいて,問題なんかどうでもいいやと思った人がいてくれると嬉しいが.こちらも監督なぞ忘れて読んでいました.(2001/1/22)
映画の話.あまり難しい話はなしにして,最近見た映画
[マルコヴィッチの穴」 不思議な映画です.ある穴を通ると15分間だけその人の心の中に入り込める,要するにその人を通して感じることができる.しかし,自分は残っているのです.ではマルコヴィッチ本人がその穴を通ったらどうなるか!
ゲーデルの自己言及の話題に通じる不思議な体験.要するに落語の「あたま山」ですね.
さて,どうなったかは見てのお楽しみにします.
集英社の冊子「青春と読書」2000年12月号に作家清水義範が書いている.
「今の若者があまりにも論理的思考力をおろそかにし,霊や前世や占いやバカ心理テストを信じすぎている点だ.IT革命の担い手であるべきハイテク世代が,一方で迷信や占星術や風水の信奉者なのである.頼むからもう少し論理的思考をしてくれよ,と思う.そういう思考からつい逃げてしまう,頭の体力のなさが情けない.」
頭の体力をつけるためにも,数学を楽しみましょう.(2000/12/28)
数学を操るというのが進化した知性の証になるというのは本当だろうか.ゼメキスの映画「コンタクト」では宇宙からの信号が素数列になっているというのが,知性の証だったし,SF「ゴールデンフリース」(早川文庫)でも宇宙からの信号は素数列だった.素数か否かを判定することが進化した知性の証になっている.
しかし,進化というのが環境と調和して生きていくことができる能力を発達させるということなら,知性はもしかしたら進化にとっては邪魔なのかもしれない.でも,そうだとしたら,数学とは何なのだろうか.(2001/1/7)