ブルーベリー顛末記

2000/07/03


2000/06/02

畑の端に、他の木々に隠れるようにして1本のブルーベリーが植えられている。このブルーベリーが植えられてから今年で既に4年目になろうとしている。世の中にブルーベリーの流行の兆しが見え始めた頃である。なにげに立ち寄った苗種店で私に対し声を発していたモノである。私に対し「損はさせないわ。」と。私は手を伸ばし、それを家に連れて帰ることにした。

が、時期になっても花すら咲かない。当然、実も出来ることはなかった。その後、土壌をブルーベリーの好む弱酸性土壌になるようにし、さらに微量元素を加味された肥料と鶏糞等の有機肥料を与える。そうして、季節は過ぎ、期待の春である。しかし、付いた花は数えるほどしかなく、実の数もいくつもなかった。期待を裏切られた形になった私は当然のようにその存在を忘れることにした。世はブルーベリーのブーム真っ盛り。目に良いだの抗ガン作用がどうのとか・・・そんな事なんてどうでも良いではないか!旨ければそれで。・・・食べられれば幸せである。食品店に行けばブルーベリーなどいくらでも売ってはいたが、それを購入することは、即ち「敗北」。それだけは避けなければならない。気になりつつも忘れたように過ごし、また季節は巡ってきた。淡い期待を胸に抱きつつ過ごす春の日々。まるで夢を見ている恋に恋している子供のようでもある。つぼみは比較的あった。白く小さいかわいらしい花もある程度は咲いた。が、実は出来なかった。何故か黒く熟すまで行かなかったのである。あきらめが心の中を支配する。もう昔のような声を聞くことは出来ない・・・・

そうして、本当に忘れ去ったまま1年が過ぎた。そう、今年である。新芽の一伸に喜びし、多少の差異にも一喜一憂することなく、花の時期にすら関心を無くしていた今年。ふと、呼ばれた気がして行ってみると、実が、沢山出来ていた。それこそ、枝えだにまんべんなく、と言った感がある。期待の過多により人生をドロップアウトしてしまった受験生のような事は植物界にも存在するのだろうか。悩むところではある。

ま、何れにしたところで、今年はそれこそ当初の予定の「自家製ジャム」が作れそうである。

しかし、諦めたところで望みが叶うというのは人生にはよくあることだと、感じさせられる一件であった。


2000/06/16

 久しぶりに畑を見に行く。・・・どうも、実の数が減った気がする・・・まぁ、気のせいか。

さて、どうやら色が付きはじめたようだ。この調子で行けば、梅雨明けの頃には収穫できるだろう。実に、待ち遠しい。年数を超えた目標に近づいて行くのがこんなにも待ち遠しいとは。一日千秋とは良くいったものである。


2000/06/22

 3粒程が黒紫に色付き、本年度初収穫!

軽く洗ってそのまま食す。生温いその3粒が採りたてという満足感と共に口中に広がる。

アントシアニンが目によさそう。

残りの粒が色付く日が待ち遠しい。


2000/07/03

ここ数日、毎日こんな調子で3・4粒ずつ収穫している。予定では収穫量は右肩上がりで二次曲線を描くかのように増加の一歩を歩み、今頃タッパーに溢れんばかりのブルーベリーを手に入れ制作予定のジャムも第2作、3作と作例が増えていくはずだったのだが。未だ100グラムを越える事はない。つまり、ただ保存しているだけ。