死刑制度の廃止を求める  
  著名人メッセージ  





三浦光世さん

  歌人、随筆家。故・作家三浦綾子さんの夫であり、
  三浦綾子記念文学館理事長

【プロフィール】





死刑制度に思う

アムネスティ・インターナショナル キャンペーンから、「『死刑制度の廃止を求める著名人メッセージ』企画書」なる文書を頂いた。

一読 <わが意を得たり> の思いがした。特に「世界の死刑の状況」を読み、死刑廃止国が111カ国、存置国84カ国を大きく上まわっていることに希望を抱いた。

死刑廃止は世界の趨勢と、かつて何かで読んだことがあった。早晩、世界に死刑はなくなるのであろうが、手を拱いて待つだけではならない、と思う。特に日本ではもっともっと、その廃止が叫ばれて然るべきであろう。

私は何より、人間のすることに完全を期待することはできないと考える。今まで死刑で命を失った中に、どの程度の割合で冤罪があったかは知らないが、一人でもあってはならないと思う。

では、冤罪さえなければ、死刑を実行してよいのかとなるが、これも肯定できない。死刑は人間の手によって、人間の命を剥奪すること、すなわち人が人を殺す行為である。

いつか私は、刑務官を親に持つ人の話を聞いた。その人は言った。

「死刑を執行した時の父は、その後何日もひどく荒れていました」

この言葉は、今も私の胸に痛みとなって、消えることはない。

ともあれ、世界に死刑のなくなる日を祈ってやまないものである。

(2003.03.07 up)


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