2005年10月22日、死刑廃止デー記念イベントとして、アムネスティ死刑廃止ネットワーク東京は、「統一獄中者組合」・「そばの会」で活動されている永井迅さんを講師にお招きし、「拘置所の内と外〜死刑囚の処遇〜」と題してお話を伺った。

東京拘置所(法務省ホームページより)
以下に永井さんのお話を収録する。
私は統一獄中者組合の獄外事務局をやっています。それから東京拘置所のそばで死刑について考える会(そばの会)で、月1度の綾瀬駅周辺でのビラまき活動を8年続けてきました。関連して監獄人権センター(CPR)や死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90などにも出入りしています。
今日はそうした関係の仲間たちもたくさん来てくれていますので、交流の場ともしていただければと思います。
最初に獄中者との文通や面会を通じた交流で知ったこと、思うことなどを具体的に紹介したいと思います。獄中者組合としては死刑事件の方に限らない幅広い獄中者との交流があるのですが、今日は、死刑の問題がテーマですから、死刑を求刑されていたり、死刑判決を受け控訴、上告をしている人たちの事例を選びます。ご存知のとおり、死刑判決が確定すると、私たちは直接面会や文通はできない状況がありますので、いずれも未決囚の方たちです。
少ない面会者
まず、東京拘置所にいるAさんとのことですが、この人に今年の夏、はじめて面会しました。獄中者組合では年に数度、集中面会と言って、みんなで面会に行くのですが、その折々に、私はなるだけ、はじめての人と面会するようにしています。Aさんは『年報・死刑廃止』の運動団体紹介欄を見て、組合に連絡をくれていた方でした。自己紹介などした後、面会する人は多いですか、と聞きました。東京拘置所では、1日1回しか面会できませんから、面会の多い方に、飛び込みで先に入ってしまうと、後から来た人が会えなくなります。そういう迷惑をかけるかもしれないので聞いたわけです。そうしたら、「いや、(弁護士以外の)一般面会は三年ぶりです」と答えられたのに、私の方がびっくりしてしまいました。ご家族は遠方にお住まいなので、関係が切れているわけではないけれども、なかなか面会にまでは来てもらえないのだそうです。
この方は、救援関係のミニコミでもお名前を拝見した覚えがあり、いただく手紙の内容もしっかりしています。こういう方で死刑に直面している人には、昔はよく、死刑廃止運動を担う人たちが、しばしば、東拘に来て、それこそ目当ての方との面会が先約があってできなかったときなどに、せっかくだからと面会していき、それを機に交流を重ねていくということがよくありました。それが三年ぶりの一般面会だというので、非常におどろいてしまったわけです。そういう面会活動をやる人の層がとても少なくなってしまっているんだな、と改めて思ったわけです。
帰りにちょっとしたお菓子を差し入れておきましたら、それにも、ずいぶん喜んでくれて、後で礼状が届きました。中からはお金があっても買えない食品がたくさんあるんですね。こうしたものはもうずっと食べられないものとあきらめていたそうです。