速報 ・ 死刑廃止欧州企画
〜世界は知らなかった「死刑存置国」日本〜


報告者: アムネスティ・インターナショナル 石川


6月17日から29日にかけてヨーロッパ各地でおこなわれた
死刑廃止の企画の概要をお伝えします。




 日本からの参加者 

講演者として、
・ 免田栄  (元死刑囚)
・ 原田正治 (犯罪被害者遺族)
・ 菊田幸一 (明治大学教授・犯罪学)
・ 田鎖麻衣子 (弁護士)
・ 鎌田慧 (ジャーナリスト)
・ 福島瑞穂 (参議院議員・死刑廃止議員連盟)   各氏

その他、アムネスティスタッフ、フォーラム90関係者など、総勢17名。
また、現地で協力してくださった方々多数。



 日程 
6月17日(日)成田出発 ローマに同日夜到着
6月18日(月)アムネスティ・イタリア支部訪問
日本の死刑囚を担当するナポリ、エンポリグループおよびエンポリ市議会と会議
国会会議室において市民講演会
菊田幸一、免田栄、原田正治、田鎖麻衣子各氏がスピーチ(50名参加)
6月19日(火)カトリック正義と平和協議会を訪問
ベトナム人枢機卿(ベトナム共産党下元死刑囚)、神父、司教、教授と会談
聖エジディオ共同体訪問・記者会見
死刑廃止世界会議の代表ミッシェル・トーブ、チリ法務大臣、アメリカの元死刑囚参加
野外の式典=コロッセオのライトアップに参加



<コロッセオの前での集会>

コロッセオでは死刑廃止国が増えるたびにライトアップをしている。
今回は、チリの死刑廃止と死刑廃止世界会議開催を祝してライトアップがおこなわれた。
これで世界の死刑廃止国の数は109カ国となった。











コロッセオの前での集会に設けられたステージで
スピーチをする免田栄さん



6月20日(水)ストラスブールへ移動
死刑廃止世界会議の前夜祭に参加
6月21日(木)死刑廃止世界会議(欧州評議会会議場)
菊田教授、鎌田慧さん、免田さん、原田さんスピーチ
免田さん記者会見







死刑廃止世界会議会場


6月22日(金)死刑廃止世界会議(欧州評議会会議場)
田鎖さん、菊田教授がスピーチ
免田さん欧州議会議長との昼食会招待
免田さん記者会見
6月23日(土)死刑廃止世界会議(市民集会会議場)
ストラスブール市民対象の討論会に菊田教授、田鎖さん参加
「サイレントマーチ」(5000人規模のデモ)参加
*この3日間、欧州評議会会場にて「いのちの絵画展」作品約30点を展示、大反響を得る。
 今後イタリアやドイツでも開催したいとの要望を受ける。
 --「いのちの絵画展」詳細は いのちの絵画展2001キャンペーンのサイト へ--












5000人の市民が参加した、
死刑廃止を訴えるデモ 「サイレント・マーチ」 


6月24日(日)休養日
6月25日(月) 欧州評議会議長との昼食会(免田さん、福島議員招待される)
欧州評議会法律関係・人権委員会会議で免田さんスピーチ
欧州評議会議員会議で、福島瑞穂議員スピーチ
オブザーバー国における死刑廃止勧告決議文採択される
 「遅滞なく死刑の執行停止を実施し、死刑廃止に必要な段階的措置をとること」
アムネスティ・フランス支部拷問廃止キャンペーン企画
免田さん拷問体験についてスピーチ
6月26日(火) アムネスティ・フランス支部訪問
米国法学部学生対象の講演会
菊田教授、免田さん、原田さん、福島議員がスピーチ
国営放送ビル内で記者会見
菊田教授、免田さん、原田さん、福島議員がスピーチ
6月27日(水) ボンへ移動
ボン大学日本学研究所にて講演
菊田教授、免田さん、原田さんスピーチ
第1陣、帰国
6月28日(木) アムネスティ・ドイツ支部訪問
死刑廃止コーディネーターと打ち合わせ
法学部学生対象の講演会、菊田教授スピーチ
6月29日(金) 第2陣帰国(30日成田着)



 死刑廃止世界会議 

規模 : 参加者  600〜800名
      スピーカー     120名
      ジャーナリスト   150名

A) 日本への言及
開会式から、ほぼすべてのスピーカーが日本について言及。いままで、死刑大国アメリ カ、中国に隠れていた日本の死刑の実態が明かされる。日本の派遣団が、元死刑囚、被 害者遺族、弁護士、学者というバランスのとれた人員構成ということも大きな印象を 与えた。

B)死刑廃止は当然、という環境にある欧州の雰囲気を目のあたりにした。
5千人のデモに対しても市民の目は温かく、「死刑廃止」「市民運動」を受け入れる 環境の違いを感じた。日本での死刑廃止議論では、被害者感情の視点をはずせないが 、欧州では加害者の人権という視点で議論されていることも新鮮であった。

C) 死刑制度復活への抵抗運動
今回の世界会議は、死刑を既に廃止している国々が、死刑復活をさせないために常に 「死刑反対運動」を継続させていかなければならない、というアピールの現われとい える。

D) 死刑廃止国の拡大
同時に、死刑存置国への圧力をかけるための運動を広げていくこと。つまり、死刑は 一国の刑事政策ではなく、国際社会の中では自国民が他国で死刑になりうる、その阻 止を含めた運動の広がりを求めた会議であった。

E) アメリカ・ブッシュ政権バッシング
本大会は企画当初から、アメリカの死刑廃止を訴えるものであった。アメリカセッシ ョンがあったことからもわかるように、アメリカへの風当たりはとても強かった。ま た、テキサス州知事時代数多くの死刑執行を行った、ブッシュへの批判は明らかであ った。



 欧州評議会法律関係・人権委員会および議員会議 

(背景情報)
 欧州評議会はその加盟の条件に死刑廃止を求めている。オブザーバー国としてメンバー参加している米国と
 日本が依然として死刑制度を維持していることから、以前からそのダブルスタンダードが問題とされていた。
 6月の議員会議でこの問題が取り上げられ、オブザーバー国における死刑廃止勧告決議が採択された。


A) 人権委員会における免田さんのスピーチ
免田さんは人権委員会で15分発言の場を獲得。日本の死 刑について、生の声を欧州評議会議員に伝えることができた。

B) 議員会議
各国議員が、日本とアメリカの死刑廃止に向けて言及。
決議文の論調を弱める修正案が提出されたが、否決され本案どおり可決された。
「遅滞なく死刑の執行停止を実施し、死刑廃止に必要な段階的措置をとること」
  ※さらに、具体的な数字の目標として、
   「2003年1月1日までにこの要求の実現において著しい進歩が見られなかった場合には、
   議員会議は、 両国の欧州評議会に対する包括的なオブザーバー資格の維持について
   異議を唱えることを決定するべきである」
   との決議もなされている。


C) 日本政府の意見文
議員会議にて日本政府の文書が配布された。内容は「死刑は国内問題である」とのいつもの意見が記載されていた。

【欧州評議会ホームページ】
【在ストラスブール日本国総領事館のホームページ】
(「欧州評議会概要」が掲載されています。)



 最後に 

欧州各国を通じて言えることは、一般欧州市民は日本に死刑があることを知らない。各国のアムネスティの協力を得て打破していかなければならない課題のひとつ。






               お知らせ!!
 各参加者からのより詳細な報告は フォーラム90のサイト で読むことができます。






これに先立つ2月、欧州評議会のヤンソン人権委員長が、日本の死刑制度調査のため来日しています。法務省・東京拘置所訪問の際の同行者のメモを掲載しておりますので、ぜひお読みください。


欧州評議会ヤンソン人権委員長法務省訪問のメモへ

欧州評議会ヤンソン人権委員長東京拘置所訪問のメモへ

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