非常に印象的だったのがセレモニーです。
「追想のため」――自分が愛している人を殺された、その人のいい思い出をずっと自分の中にとどめておくために――というようなテーマでいろいろなセレモニーがおこなわれました。
その中で、一人ひとりが自分の殺された人の名前を書いたカードを、ステージの上に置かれた1本の木におみくじのように巻きつけていく、というセレモニーがとても感動的でした。
ステージの上にはボンゴを叩いている人、バイオリンを弾いている人、歌を歌っている人、詩を読んでいる人などがいて、その人たちは、それぞれみんな遺族や死刑囚の家族なんですね。
殺されてしまった娘さんが生前習っていたバイオリンを、彼女の死後、自分も習い始めたという方ですとか、殺された人への思いを綴った詩を読まれている方ですとか、そういう演奏や発表がずーっと途切れなくおこなわれているわけです。

その中で、一人ひとりが舞台に上がって、殺された人の名前を書いたカードを木に巻きつけていく。
ただ単に木に巻きつけていくだけなんだけども、名前を書くことひとつ、巻きつけることひとつ、すべて意味があるんだなというのがわかる。その人にとって、その瞬間瞬間、たぶんずっと思い出しているんですね、殺された人のこと。
だからみんな泣いていたり、すごく悲しいんですね、その雰囲気は。そういうふうに悲しみが会場には漂っているのですが、でも同時に希望が見出されるような演出――会場全体がすごく優しい黄色い光に包まれて、被害者の方の悲しみをあたたかく包み込むような雰囲気がかもし出されていました。
そういう雰囲気の中で、名前を書く作業、巻きつける作業など、それから受けとめる時間も含めて1時間半から2時間といった長い時間をかけて、このセレモニーがおこなわれました。非常に感動的なセレモニーでした。
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