住んでいる人に気づかれず、いつしか大きな被害をもたらすシロアリ。普段は土の中や木の中を移動するため、なかなか見つけにくく、気づいた時には既に土台や柱の中がスカスカということも珍しくありません。シロアリの好む環境は、気温20〜26度、湿度60%くらいの場所。水を使う浴室や洗面室、トイレなどは特に注意が必要です。


 シロアリは土の中などに棲家とも言えるコロニーを作り、そこに数万から数百万のファミリーが暮らしています。シロアリは、そのコロニーと建物の土台や柱などを行き来して、ご馳走となる木の柔らかい部分を食害していきます。表面を残して食べ進んでいくため、発見されにくいのが被害を大きくする要因のひとつ。シロアリのの被害を最小限で食い止めるには、早期発見がポイント。特に4〜7月の繁殖期には羽アリが飛び出すので、羽アリを見かけたら床下や家の周りのチェックを忘れずに。


 世界的には約2千種、日本には15種ほどいるといわれるシロアリ。その被害は北海道の南部から沖縄にいたるまで、広範囲にわたっています。シロアリの中でも建物に悪さをするのは、主にヤマトシロアリとイエシロアリ。全国的に分布するヤマトシロアリに対し、主に関東南部以西に分布しているのがイエシロアリです。最近では北米からの移入種も発見されるなど、被害の拡大が懸念されています。
 日本家屋の命は「木」。本来の日本家屋はしっかりとした土台の上に柱を立てて、壁面の筋交い、床下の火打ちといった補強材を巧みに組み入れて立ち上げられています。木を巧みに組み合わせることで、地震のチカラをバランスよく吸収分散し、建物の倒壊を防いでいるのです。木が基本となるだけに、もし土台や柱などがシロアリの食害にあっていたら・・・。いくら耐震性を考えた住宅でも、これではひとたまりもありません。かつて阪神大震災の一部地域では、シロアリの害や腐食にあっていた住宅のほうが全壊率が高いというデータも。意外なところにシロアリの影響は潜んでいます。