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南 大 東 |
みなみだいとう 南 大 東 島 へ の 船 待 ち ─────────────────────── |
| 「かりゆしおきなわ」という貨客船は当時、東京と那覇を丸2日で結んでいた。これで那覇港について、大東島行きの「だいとう」の出航を待ち続けた。太平洋には台風が北上中で、大東便はなかなか出ない。たっぷりと取った有給休暇も残り少なくなってきた。 4日目、有給休暇は残り3日、船が出ることになった。夕方5時出航なのだが昼から落ち着かなかった。 台風ははるか東にそれたけれど、まだ太平洋上に健在である。今日の船に乗って明日南大東に着いても、一泊した翌日、飛行機で那覇まで帰ってきて、直接東京まで戻るほかはない。飛行機は押さえてあるのだが、それだけでは不安である。大東便の飛行機は有視界飛行のため、欠航が多いのである。 船で戻るとすれば、4日目にならないと那覇に戻ってこない。会社を一日無断で休むことになるかもしれない。なぜなら飛行機に乗る予定の明後日は日曜日である。会社には誰もいない。しかしもし欠航ならその日のうちに船に乗る必要がある。船に乗ってしまえば4日目の会社の始業までに会社に電話が入れられるかどうか不安である。 出航1時間前、やっぱり行ってしまうことにした。宿に電話をして予約をした。いい天気だと言っていた。 ところが那覇泊港の窓口に行ってみたら、満席だという。船なんて、いつも席に余裕があるものだとばかり思っていて油断をしていた。なんと55人乗りなのだという。もうすべて乗船券の引き替えが済んでいて、キャンセルは出ないと言う。 放心状態で待合室の時間が過ぎていく。もうすぐ出航時間だけれど、とても船を見送りに行く気になれなかった。売店で買った夕食用のパンのビニール袋がじゃまだった。5時5分前。今夜の宿を決めないといけないが、何も考えたくなかった。 ─────────────────────── [1枚目へ] |