7. 番外編(その1)
やきいもが食いたい
いつのことか定かではないが、あれは冬。2月頃だったのではないかと思う。「焼き芋するならやっぱり夜中にやるべきやな」。いつものようにまったく脈絡のない発想からこの企画は動き出した。「そんなら仕事終わってからいこーやー」。メンバーが集まり、当日を迎える。
相変わらず準備は遅い
仕事が終わったのが土曜日だったので18時00分ごろ。集合し、車に乗り込んでまずは買い出しである。ナベなどのバーベキューグッズはすでに積み込まれていた。スーパーで買い出しをし、今回の目的地である木津川、笠置(かさぎ)付近へと向かう。あたりは闇に沈み、電灯も近くにないためかなり
暗い。車のヘッドライトを頼りに準備を開始する。買い出しに手間取ったので22時をまわっていた。
火をおこし、ナベを火にかける。最初は焼き芋だけだったのが「それだけだと腹が減るな」という話になり、急きょ豚汁
が作られることに決まった。夜も遅くなり、気温もぐんぐん下がっていったので結果的にはとても助かったのだが...芋も濡れた新聞紙とアルミフォイルで包み、火の中に放り込む。寒い中で赤々とちらつく火のなんと頼もしかったことか。それよりも腹が減った。
ナベから湯気が漏れ初め、味噌と野菜のなんともいえないいい匂いがあた
りに立ちこめる。ふたを開け、無我夢中で食べる。食べる。食べる。みるみるうちにナベの中身は減っていく。うまい!五臓六腑に熱い豚汁のうまさがしみわたっていく。一段落つくと今回のメイン、焼き芋である。あつあつのアルミフォイルを破り、中の芋を取り出す。パクッと割ってみると黄金色(こんじきいろ)に輝く中身があらわれる。その甘いことうまいこと。近年まれにみるうまい焼き芋でございました。
天理彩華ラーメンを食す
食事も終わり、撤収をはじめる。しかしこれだけでは物足りないな!ということで、「天理彩華ラーメンを食べに行こう!」ということになる。まだ食うのか。第三者が見たら唖然とするであろう。車を天理市へと走らす。夜なので道は空いていた。いよいよ待ちに待った彩華ラーメンを食べる。初挑戦である。感想は....
う、うまい!今まで食べたラーメンの中でもかなりいけてる!!濃いめの味だがたっぷりと入った野菜がしつこさを消している。腹一杯のはずだったが、軽く平らげてしまった。
こうして、満腹の腹をかかえつつ、天理市を後にしたのであった。
敦賀へ
寿司が食いたくなった。温泉に入りたくなった。新鮮な寿司を食うなら海へ行かなくてはならない。温泉は開放感に浸れるところがよい。羅針盤は敦賀市を示した。ここには寿司屋もあるだろうし、温泉も「敦賀トンネル温泉ゆのくに」がある。しかし待てよ。開放感のある温泉...海の見える温泉はないだろうか...リサーチを続けると敦賀市北方の越前海岸に温泉があることが判明。まずそこへ行ってみる。越前海岸には
越前温泉露天風呂 漁火(0778−37−1873 400円) と
河野シーサイド温泉 ゆうばえ(0778−48−2388 500円)がある。
前者は規模こそ小さいが(駐車場も非常に狭い)露天風呂から雄大な日本海の風を直に感じることができる。目の前に広がる海は夕暮れ時が最高だという。
後者は露天風呂ではないが、大きなガラス張りの浴室から日本海がよく見える。広々としており、シャンプー類を持っていく必要もない。サウナがあるため、疲れをとるには最適。
とりあえず両方行ってみる。結果は...どちらもよいではないか。もう一度行きたくなる温泉であった。
温泉に二つも入ると腹が減る。いい寿司屋はないか?本屋に入り、ガイドブックをよみあさる。「丸勘」という店が目に飛び込む。場所を覚え、行く。わかりにくい場所。中にはいるとまさに「寿司屋」という感じの、しかしいい雰囲気の店。注文の仕方がよく分からないが、とりあえず盛り合わせをたのむ。待つこと数分。念願の寿司!口に含む。「こ、こんなうまい寿司って...」。無言で食べる。あまり得意でないネタも頼むが、ことごとくうまい。あーっという間に大量に食べてしまう。気になるのはお勘定。
「まあ、これだけの美味しいものたべたんだから多少の金額はやむを得まい」。「9300円です」。「やっぱり...高い...えぇー!??3人でこの値段?安いんちゃう?信じられへん。」...というわけで、寿司屋のイメージはもっと高いという感じがしたが、庶民も食べられる美味しい寿司屋ということで3人の意見は一致したのであった。
その後、この温泉&寿司コースは何度も行くことになった。
味覚狩り〜その食いっぷりでその人の日頃の食に対する姿勢がありありと見えてくる。今回は苺狩りのお話である。
某旅行会社のアホアホメンバーでまたしても計画は突発的に行われた。ある晴れたうららかな初夏の日差しがやさしくふりそそぐ日曜日、5人は大阪府南部の岸和田観光農園に出現した。皆、元をとってやろうと目は赤黒く血走り、怪しい雰囲気である。開園の時間になりメリーミルクを受け取り、ビニールハウスの中に突入する。戦闘は開始された。できるだけ大きくて赤いものを探し、口に含む。なかなかジューシーな口当たりである。それにして
も人数が多い。あっと言う間にめぼしい苺はおおかた食い尽くされ、私たちの目は「かろうじて合格ライン」といえるような苺に対象を移していく。半分まだ青い苺、ちょっとしわがれた苺...。たまにとてつもなくマズイ苺を口にし、「ウェッ」となることもしばしばであった。やはり苺狩りではあまり変わりはてた苺にはトライしない方が
よいようである。それでもワイワイ楽しく苺狩りを楽しむ。その中に一名、もぐもぐと口を動かしつつ挙動不審な行動をとる者がいた。よく見ると、下に置いたザックのチャックが開き、中に大量の苺が収納されている。だれだこいつ...と顔を見ると私たちのメンバーの一人であった。猿のような素早い身のこなしで苺を食べている間も休むことなくせっせと手を動かしている。
もうカビた苺や「これは食えんやろ!」という物ばかりになり、ビニールハウス
出口に向かう。回りを見渡すと、5人の姿しか見えない。最後まで執念深く一枚一枚葉をひっくり返し、苺を探していたのだ。こまったもんだ...
千亀利寿司はよろしゅうございました
苺を食べ終えた一行は車に乗り込み、関西空港対岸のマーブルビーチへ。海に突きだした岩の上で茶を飲み、昼寝。なぜ昼寝なのか今考えると不思議だが、とにかくそのときは何にしても昼寝だったのだ。しばらく5人青空の下で眠った後(おそらく釣り客にとっては非常に邪魔だっただろう)、岸和田市へ向かう。苺だけではおもしろくないと、寿司屋を探しておいたのだ。
名前を千亀利寿司という。岸和田のホントに入り組んだ街の中にその店は建っていた。店にはいると威勢のいい声。寿司を注文する。海には近いが味はどうなんだろうと半信半疑で店に入ったのだが、これがまたうまい。具がまたたっぷりと乗せられ、ホタテの貝柱もシャリ一握りに二つ。どれも洗練された味で、店がにぎわっているのが納得できた。満腹になるまで食べたが、ここも一人3000円ぐらい。「またいつか来よう」と皆で誓い合い、店を後にしたのだった。