2.
加古川自給自足チャリンコツアー
金かけずになんかしよーやー
某旅行会社に勤める薄給のわたしたち4人は金をかけずにできる企画を考えた。「まるこの住む加古川に自転車を無料で貸してくれるところがあるらしい」との情報をキャッチし、早速調査を開始した。「関西緑の遊び場」という本に少年自然の家で無料で貸してくれると書いてあったので私たちは98年5月某日、加古川のまるこ宅に集合した。私はナベとその他最小限の焚き火グッズを用意する。加古川は田舎だけあってまるこの家では野菜を豊富に栽培している。その野菜を少し頂き、スーパーで残りの食料を買い付ける。仕込みが終わったところで4人、出発する。
初夏のサイクリングを満喫
平荘湖畔に落ち着いたたたずまいをみせる少年自然の家で無事自転車を借り、いざ出発。下り坂をくだると木々の間をぬけてくる風が心地よい。田園風景の中をバカなことしつつ軽快に走る。そうこうするうちに権現ダム下にたどり着いた。ダムが我々を圧倒する。ここからは上り坂だ。しかし.....あーっというまに上についてしまい、拍子抜けする。最初の準備に手間取っていたのでそれでも時間は昼時をとっくに過ぎていた。腹ぺこなので「早く火をおこしてご飯を食べなければならない」という声が頭の中でしきりにこだまする。権現ダム周辺をぐるっとまわり、ようやく我々は焚き火ポイントを発見した。
水際におりると早速火をおこす。自転車を17時までに返さ
なくてはならないので気が焦る。下はかなりぬかるんでいたが火は言うことをよく聞き、ナベをよく熱してくれた。昼食のメニューは「うどん」。うどんと具のソーセージはスーパーで購入したが、野菜類はすべてまるこ家提供。非常に安い。ぐつぐつと耳心地のよい音が聞こえてくるともう我慢できず、ハイエナのようにむしゃむしゃと食べまくる。あっと言う間にナベは空っぽになった。
ふと時計を見ると16時をまわっている。まずい!早く自転車を返さねば!無料なだけに失礼は許されない。大急ぎで撤収し、あわただしく自転車に荷物を積み込む。時間は残り30分となったが、まあ大丈夫だろうと余裕の表情で帰路につく。
16時55分、私たちは平荘湖へとのぼっていく道の入り口にいた。誤算であった。ここから急な上り坂が始まるのだ。ここへ来るまでにさんざん道草を食ったり無駄な動きをしてきたので疲労してきている。しかし立ち止まることは許されない。意を決して長い坂道を上りはじめたのである。
「あと5分」の思いに駆られ、全力でこぎつづける。いつしか私が先に行って時間を稼ぎ、あとの3人はゆっくりマイペースでのぼってくるという図式になる。そうこうしているうちに17時03分、少し遅刻したがなんとか少年自然の家につくことができた。
われわれの小さな旅は幕を閉じたのである。