浄土真宗親鸞会 親子ネット
「何が あなたをこう変えたの」
「仏法を聞いて、わが子が変わった」
東京 室谷 進(仮名)
「一体、何のために生まれてきたのだろう……?」
高校卒業するまで、私は、人生の目的が分からず、将来に希望を持てませんでした。
生きる喜びが感じられず、両親への、「生んでくれてありがとう」の感謝の心など、まったくありませんでした。
単調な毎日の繰り返しに、いらだちを抑え切れず、口を開けば暴言だらけ。中学・高校の間、両親とまともに会話をしたこともありませんでした。
たまに口をきけば、「メシ、フロ、寝る」くらいです。一つ屋根の下にいながら、食事も別々、呼ばれても聞こえないふりをして、両親を邪魔者扱いしてたのが、私です。
しかしそんな私を、両親はいつも温かく見守ってくれました。私の大学受験費用のために、父は早朝5時から7時、母も深夜11時から1時まで、本来の仕事以外に掃除のアルバイトを始めました。すべては私のためでした。
ところが、そんな苦労にも私は、
「子供を大学に進ませるのは、親として当然の義務じゃないか」と、親の恩を感じることさえできませんでした。
こんな冷めた親子関係がずっと続いていくのだろう。そう思っていた私が、大学で親鸞聖人のみ教えと出遇うことができたのです。
「何のために生まれ、なぜ生きるか」。人生の目的を聞かせていただいた時、初めて生んで育ててくれた両親の恩に感謝の心がおきてきました。
大学で一人暮らしを始めました。実家と私の下宿は、隣の県でそれほど離れてはいません。親に対してつらく当たってきた私でしたが、両親は私を心配し、はじめの頃は毎日電話をかけてきました。また、食べ物の心配をして、米や野菜を送ってくれました。自分を心配してくれていることが痛いほど分かりました。
お釈迦様は、「父母恩重経」というお経に、親の恩の大きく重いことを10に分けて教えておられます。
その中に、「遠行憶念の恩」があります。
子供が遠方へ行ったならば、無事に帰ってくるまで、親の心配は絶えない。
「若し子遠く行けば、帰りて其の面を見るまで、出でても入りても之れを憶い、寝ても寤めても之れを憂う」
子供が旅に出たり、家族と離れて下宿に住んでいるときは、雨につけ風につけ、子供のことを案じ続ける。病気をしなければよいが、ケガせねばよいがと心配する、とお釈迦様は教えられています。
そんな親の恩を教えていただくほどに、
「何とかこの『人生の目的』を、大恩ある両親にも伝えたい」と強く思いました。
しかし、これまで両親に対して、散々な態度をとってきた私です。
そのままでは、どんなに立派なことを言ったところで、とても信用してはもらえません。そこで高森先生の教えられるとおり、日常生活を正すこと一つを心がけることにしました。
挨拶や掃除はもちろん、父と趣味の話をし、母の労をねぎらう。仕送りをもらったら便箋で丁寧な手紙を書く。
そういった両親に対して、感謝の心を形に表し続け、1年半がたちました。
大学2年の秋、思い切って両親を親鸞会での報恩講に誘いました。
すると、「あなたをここまで変えた仏法を聞いてみたい」と母が参詣を決意したのです。そして高森先生より2日間、親鸞聖人の教えを聞き、その場で親鸞会の会員となりました。
母親だけではありません。
その後父親も、毎年の親鸞会の報恩講と地元のご法話に参詣するようになりました。そして、親鸞会の正本堂落慶法要を契機として、「自分も親鸞学徒になりたい」と、親鸞会に入会をしたのです。
親子で親鸞学徒となれた喜びは、何ものにも代えることができません。
「父さん、母さんの子供に生まれることができてよかった。本当に有難う。」心からの喜びと感謝でいっぱいです。
今、両親は教学を熱心に学んでいます。