浄土真宗親鸞会 親子ネット
父との会話に感謝 1
私の父は科学者です。家族との会話を大事にし、仕事が終わってからの会議などにもあえて参加せず、いつも夕食を一緒にとってくれました。
卒業後、母から聞かされたことですが、父自身が、転校を繰り返した嫌な経験があったのです。だから、わが子には転校させたくないからと、出世コースからはずれてでも、転勤を拒んだのだそうです。
この食事をしながらの父との会話が何より楽しく、私の人生観を大きく左右したといってもいいくらいです。
学校では学べない色々なことを、父から教えてもらいました。
中学の時、
「今、日本史はどこを勉強しているんだ?」
と尋ねられたことがありました。
「鎌倉時代だけど、色んなお坊さんの名前が出てきて中々覚えられない」
と答えると、父は
「親鸞という人は偉い人だ」
と、つぶやきました。
「親鸞?念仏称えたら極楽にいけると教えた浄土真宗の人だったはずだが、どうしてそんな人が偉いんだろう。
当時の素朴な農民はそれで喜んだかも知れないけれど、現代人にはとても受け入れられないだ。科学者で理論派の父が、なぜそんなことをいうのだろう?」
という大きな疑問だけが私の頭に残りました。あまりにも意外な言葉に、理由を尋ねるのも忘れていました。
(ちなみに高校時代の日本史の先生は、法然上人の一番の功績は、親鸞という素晴らしい弟子を残したことです、と授業で言っていました)
その後、大学に合格し、いよいよ明日旅立つという日、父が
「一つだけアドバイスする。大学に行ったら人間の死について考えるように。大事なことだから」
と言いました。