浄土真宗親鸞会 親子ネット
この父なればこそ
大阪府 栄井伸治(仮名)

「別に……」
父に対して、中学から大学2年まで、こんな返事が8割を占めていました。
何事にもクールに冷めているのがかっこいい、親と仲良くするなんて血ヘドが出る、そんな信念を持っていました。
それでも父は週に1回、2時間かけて奈良から大阪にやって来て、私と一緒に銭湯に行って、外食するという習慣を欠かさずに続けていました。
会話らしい会話はほとんどなく、食事中、私はマンガばかり読んでいました。
「遠慮せずに頼めよ」
の父の言葉に、内心では、
「家計はぎりぎりなのに、なぜこんなに豪華な食事をさせてくれるのだろう」
と不思議に思っていました。
親鸞会から、20歳のあるとき、真実の仏法と出遇い、そのよろこびを早速、父に一生懸命話しました。
しかし、父は、今まで無愛想で心を開かなかった私が、心から熱く語るのを、まずは一生懸命理解しようと素直に聞いてくれました。
「子供の話すことを理解しようとする」
こんな難しいことをしてくれていた父に感謝せずにおれません。
そして、
「親鸞会での話を聞いて、思い出したが、俺も学生時代に、なぜ生きるのか、ということについてよく考えた」
と会話をするようになりました。
それからは、毎週1回、父と食事をする時に、仏法の話をするのが習慣になりました。
なぜ豪華な食事に連れていってくれるのか、そうせずにおれない親心を仏法によって知らされ、親に仏法をもっともっと伝えようと思い、親鸞会発行の仏教書を一緒に拝読しました。
親鸞会主催の地元での法話に、今では、仕事帰りに参加するようになりました。
父からの電話で
「今日は親鸞会の法話で『出息入息、不待命終』というのを覚えた、仏法はすごいな」
「今日聞いた親鸞会の法話の演題は、親鸞聖人の御臨末のなんとかやった。一人いて喜んでたら二人、二人やったら三人、その一人は親鸞であるというのに感動した」
父の方からこんな言葉が出てくるとは。
仏縁深い父に喜び、恵まれた親の元に生まれたことを感謝せずにおれません。
親鸞学徒の決意を今年、いたしました。今度は、親鸞会館で行われる、親鸞聖人報恩講に参詣します。