冬コミ・リポート

 コミケにサークル参加するようになって、けっこう経つ。
 ジャンルは、あえて分けるならば「ゲーム・文章系」ということになるのかな。正直に言ってしまうと、最初は「評論系サークル」を目指すつもりだった。けれども、評論というのはこれでなかなか書いていて疲れる代物で、そう毎回毎回書いてられないというのが本音だ。そりゃ、なんの責任も持たずに思ったことをだらだら書き連ねて、その感想とも文句とも愚痴とも付かない物を「評論でござい」として机に並べるだけなら簡単だ。実際、そういうところは無いわけじゃないし、強調しておきたいんだけれどそれが悪いと言ってるわけではない。同人誌ってのはそういうものだ――自分が、自分自身に納得してその本を出しているのなら、誰もそれを責めることなんか出来ない。そういうところが同人誌の一番良いところだからだ。
 それはおいといて、ともあれ僕の所属している(ということになっている)サークルは、結果的に小説あり、お気楽なファンジンあり、たまには評論ありのごたまぜ文章系サークルに落ち着いてるって感じだ。

 こんなサークルだけれど、参加するごとに少部数少ページながらも新刊を出していることが評価されているのか、他に文章系サークルが少ないから希少価値があるのかどうだか分からないが、冬・夏ともにここしばらくスペースを与えてもらっている。もちろん、抽選に偶然通ってるのが連続しているだけ、というのも確率的にはゼロじゃないんだけれど、「評価されているから」と思いたいというのが心情というものだ。先日の冬コミにも無事スペースが取れ、本を出さなければならないことになった。今までは、ずっとリーフ系で来ていたのだが、ここ数作がこういまいちツボに入らなかったこともあり、今回は別のゲーム――昨年度に大ハマリしたPhantom of Inferno(Nitro+)で行くことにした。

 どちらかと言えばマイナーなゲームの本、しかも絵がほとんど無い文字ばっかりの本ということで「そんなに出ないだろう」と弱気になり、サークルで出したコピー本、僕個人の小説本ともに20部程度しか作っていかなかったところ、驚くことに昼過ぎには早々に完売してしまった。これは、ちょっとした快挙だった――。頒布冊数だけで言えば今回以上に本が出たイベントが無かったわけじゃないんだけど、世の中が雫・痕・ToHeartで大フィーバーしていた時期のリーフ系オンリーイベントに参加したときの、今となっては懐かしい記録だ。ジャンルコードにすら存在しないマイナーゲームを題材にした、文字ばっかりの本を、お誕生日席とはいえ島の中程にある机に並べてあっただけだというのに、なんで…?
 なにはともあれ、午後以降にサークルを訪れて下さった皆さんには、お詫びと、そしてお礼を申しあげたい。ごめんなさい、そしてありがとう。

 今回、新刊として出した本は先述の通り、サークルで出したコピー本と僕個人の小説本の2冊だった(表紙はこちらのページで)。再販の予定を聞かれたのでここでもお答えしておこう。
 サークルで出したコピー本に関しては、基本的にはサークル主催者の懐具合によるが、将来的には「Nitro+本」としてオフセットでまとめる際に一部を再録する予定だとのことだ。僕はコピー本の中に、Phantomに登場する銃器一覧とその解説、及びエアーガンやモデルガンではどの程度製品化されているか等をまとめた記事を掲載したが、時間の関係上、長物(ライフル、ショットガン、そして一部SMG)に関しては掲載できなかったので、オフセットで再販する際には是非そちらも充実させた完璧版として掲載したいと思う。そして僕個人の小説の方は、Web小説として近いうちにこのページに掲載するつもりだ。

 物書きを職業としている身とはいえ、およそ小説なんてものを書いた経験がほとんど無かった僕だが、同人誌では何作か短編を書いてみたりしている。ちょっとした自信みたいなものも、さりげなく持ってたりしたのだが……。いまさらながら、コミケって場所は、どんな形であれ「自信」ってものは打ち砕かれる場だということをつくづく実感した。冬コミで何作か小説本を買ってみたりしたのだが、そのうちの一部が、非常にレベルの高いものだったのだ……。

 書店に並んでいる本で出来の良いものがあっても、別にショックを受けることはない。それらは出来が良くて当たり前で、彼らはそれを職業にしているのだから。だけれど、同じ「物書き」を職業にしている人間が書いたものであっても、同人誌即売会の場で見ると、少なからずショックを受ける。同じ条件で、同じ題材を元にして、同じ「文章」という武器を使って書いているというのに、僕の書いた作品は明らかにこれに負けている……!

 まあ、ショックを受けてばかりいても仕方がない。とりあえず、その「凄い」と思った本を出したところには、素直にそう思った旨、感想メールをお送りすることにして、僕の方は次回作を彼らには叶わないものの少しは恥ずかしくない出来のものになるよう、今のうちから構想を練ることにしよう。



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