春の新番組

 今年の春の番組改編は、アニメに限って言えばとにかく凄かった。なにせ、30個近い新番組が始まったのだ!
 僕はいくらアニメヲタクだっつっても、全部の放送を見てるわけじゃない。とはいえ新番組はとりあえず3話くらいは頑張ってみることにしている。どんなにつまらなくてもだ。後で、化ける(スタッフのノリが上手い具合に作用して、予想以上に面白くなること)ことがけっこうあるからだ。
 しかし、今回の改編は異常だ! こんなに多くては、たった2台のビデオデッキではとてもじゃないが押さえきれない。しかたなく、最初の1話で捨てることを覚悟せざるをえない番組も数多く出た――。

 ともあれ、独断と偏見による(この文句って全てを免罪してくれるようで好きだなあ)春の新番組レビューをいってみようか。なおここに挙げたのは、新番組のごく一部にすぎない。残りはまだ見ていないか、デッキの関係で見たくても見れないものである…。

Drリンに聞いてみて!(月曜テレビ東京PM6:00〜)
 基本的に、風水を使って戦う女の子モノって時点でかなりマイナス評価…。まあ、どんな要素であってもそれをドラマの小道具として上手く使って、面白い話を作ってくれればいいのだが、3話まで頑張って見た限りでは…。逆に登場人物が小道具に引っ張り回されるばかりで、まるで確立したキャラクターとして成立する気配を見せない。

ジャングルはいつもハレのちグゥ(火曜テレビ東京PM6:00〜)
 こちらは、キャラクターの立ちは凄い。およそストーリーらしいストーリーは片鱗も見せない(いわゆる不条理ギャグというやつか?)ままに、問答無用でキャラクターが暴れ回る。「はれときどきぶた」をちょっと思い出す…。だけれど僕は、こういう演出過多な作品って見てると疲れるんで。

スターオーシャンEX(火曜テレビ東京PM6:30〜)
 かなりダメ…。いじめられっ子の妄想をそのまま映像にしたみたい。これを「面白い」と思う人はいるのか…?

シスター・プリンセス(水曜テレビ東京AM0:45〜)
 ダメといえばこれほどダメなものもないだろうというくらいダメ。逆にここまで突き抜けてるといっそ潔いものも感じないでもないが。

ジーンシャフト(木曜WOWOW18:30〜)
 こういう「女ばかりの世界」系の話って最近流行りなのか? 単に女性キャラを沢山登場させることが出来る→売りに繋がるっていう安直な手なのかな?
 真面目に考えれば、異性の居ない世界ではいわゆる異性に対するアピールの必要が無いわけなんだから、例えば女性の場合、胸を強調する服を着たりする必要がなくなるのではないか、ならあんな露出度の高い服(はっきりいって全然機能的に見えない)を着る必要はあるのか、という疑問は誰も感じないのだろうか? ま、いいけど。今のところ様子見といったところ。

NOIR(金曜テレビ東京AM1:15〜)
 「Phantom of Inferno」に似てるって話題になった事以外は特に目立つ要素があるわけでもなし。似てるといっても、殺し屋(なのかどうか知らないけど、小口径のハンドガンと徒手空拳で大の男を平然と惨殺する)の女の子のキャラクターデザインがアインに似てるとか、蓋を開けるとオルゴールになる懐中時計が出てくるくらいで、ことさらに「パクリだ!」って騒ぎ立てるほどのものでもないのだが。
 今の若い人にはベレッタM1934なんか見たこともなくて、ベレッタといえばM92Fなのだろう、案の定主役が使っている銃をM92Fだと思ってる人も多いらしい。大きさを見れば分かるだろうに…と言いたいところだが、少女の手に握られればM1934もM92Fくらいの大きさには見えるしなあ。
 ガンアクションは、言いたくないが稚拙もいいところ。入り組んだ場所で銃撃戦をするというのに、わざわざ通路のど真ん中に仁王立ちして撃つなよ!
 鉄砲の詳しい描写――別の作品になるが、エジェクトされるエンプティ・ケースがまっさらなままだとか(プライマーにあるはずのファイアリングピンの打撃痕や、リム部にあるはずのエキストラクターの噛んだ痕、エジェクターの突いた痕などがない)、飛んでる弾も新品同様だとか(ライフリングが喰い込んだ傷がない)、セフティがどうとかハンマーがどうとか、そういうのは「知らなければ、知らないでも別に構わない」知識だし、あえて描写する必要もない。間違ってるからって騒ぎ立てるほどのことでもない。
 だけれど、銃という、数十メートル離れていても、まぐれ当たりの1発で死んでしまうかもしれない物騒な武器を使って戦っている状態で、体の全体をさらけ出してしまうのは「怖いこと」あるいは「愚かなこと」だというのは、ちょっとした想像力があれば簡単に分かる事じゃないのか?
 NOIRに限ったものではないが、およそ日本のアニメやTVドラマにおけるガンアクションは見ていて「ダメだな」と思うものばかりだ。反動の表現がなってないとか、扱いがなってないとかいろいろ文句を付けたくなる場所も多いが、先に書いたとおり僕はそんなことは些細なことだと思っている。僕が一番「ダメ」だと言いたいのは、「銃の怖さ」がまったく表現されていないことだ。役者もそうだが、一番責任を負うべきは監督や脚本家なんだろう。たとえば、同じ「人殺し」でもナイフで人を刺し殺すシーン(あるいは、刺し殺されるシーン)だったら、役者にどんな表情をさせるか? どんな演技をさせるか? どんな演出をするか?
 殺し、殺されるという同じ状況を描いているというのに、それが銃撃戦だと途端に緊張感の無いモノになってしまうのは何故か? 銃というものは我々の身近には(普通は)無い物だ。だから、我々は銃のことを(普通は)良く知らない。それゆえ、妙な幻想みたいなものを持ってしまっているのではないか…? 妙に格好のいい、綺麗に人を消せる魔法のアイテムみたいに思っているのではないか?
 そんなことはない。銃だろうがナイフだろうが、それを人殺しに使えばそれは同じように、残酷で醜い結果を引き起こす――人の死という結果を。

デジモンテイマーズ(日曜フジテレビAM9:00〜)
 3年目に入ったデジモン。キャラクターがどんどん増え、進化したり合体したりその両方をやったり、なんかよくわからない大いなる使命みたいのを貰ったりと、ずっと見てないと全然分からない状況になってた前作前々作と切り離し、「デジモンはカードゲームとしてしか存在していない、普通の世界」を舞台にして仕切り直しをしたということなのだろうが…。
 はっきりいって、まるで仕切り直しになっていない。結局、視聴者がデジモンを知らなければまるで入り込めない世界になっている。小中さん(ファンファンファーマシーの脚本やったひと)が作っているということでちょっと期待したのだが。

も〜っと!おジャ魔女どれみ(日曜テレビ朝日AM8:30〜)
 こちらも3年目に入ったおジャ魔女どれみ。メンバーはどんどん増え、いまや5人。第1作目のオープニングを久々に見返してみたら、3人だけなのがなんかちょっと淋しく感じてしまった。俗にこういうの(主役級キャラクターがどんどん増える現象)をセラムン状態というらしい――アレに比べれば、いまんとこ全然マシだが…。
 子育てという要素を入れつつ、魔女界と魔法界の確執だのなんだの、いわゆる「壮大なテーマ」みたいなのを織り込もうとして、結局子供達が置いてけぼりになってしまい、つまらなくなってしまった前期「#(しゃーぷっ)」の反省を生かしたのか、今期の「もーっと!」では視点を子供達の高さまで下げ、もっと身近なテーマを扱うことにしたらしい。その点では初期シリーズへの回帰ということなのだろうか。ただ主人公達が(この類のアニメとしては実に珍しいことだが)きちんと進級し、また体も成長していることにより、扱われるテーマも微妙に異なったものになっている。結果、魔法モノの体裁をとってはいるが、まるでNHK教育系ドラマみたいなお話がここ数話続いている。
 それはそれとして、新キャラの「モモコ」はネイティブが英語で日本語は少ししか話せないという設定なのだが、そのためかなり重要なセリフを英語でしゃべったりする。それほど難しい英語ではないので簡単に聞き取れるのだが、本来の視聴者であるはずの子供達は大丈夫なのだろうか…?

コメットさん(日曜テレビ東京AM9:00〜)
 設定だけを見ると、昔の番組の名前だけを持ってきた魔女っ子ものかと思いきや、これはどうしてなかなか。日常を丁寧に描写し、キャラクターの心情を描き出す手法はタダモノではない。まだ1話だけしか見ていない(2話をいきなり見逃してしまった!悔しい!)のだが、今期では一番の期待だ。

プロジェクトアームズ(日曜テレビ東京AM0:50〜)
 なんとなくタツノコ系の、異能者もの。野郎どもが格好いいし、王道な演出も気持ちいい。たまたま一緒に見てた某ワールドカップ男(笑)は、「これ、面白いか…?」とか言ってたが、僕はけっこうこういうの好きだなあ。



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