刺繍の技法
子どもの頃、夢中になって刺繍のステッチを覚えた時期がありました。
刺繍博物館設立準備中に、画像撮影をしながら、
懐かしい刺繍のステッチを見つけました。
しかし今回の展示作品の中では、意外なことにステッチの数は…
それほど多くありません。
クロス・ステッチが一番多く使われています。
それはそうとして、ここではステッチに着目してみましょう。
ステッチを手画きしてみましたが、何だか分からないとお叱りを受けそうです。
そういう方は、常設展示室で実物をごらんになって、じっくり見て納得なさって下さい。
見ていると、自分で刺繍がしたくなりますよ。                        

色々なステッチ

(23) ルーマニアン・コーティング・ステッチ
Romanian couching stitch
(00/11/30)              
(21) スカラップ・ステッチ
scallop stitch
(00/ 9/12) (22) ホルベイン・ステッチ
holbein stitch
(00/ 9/12)
(19) ミラー・ワーク
mirror work
(00/ 1/22) (20) オリエンタル・ステッチ
oriental stitch
( 00/1/23)
(17) フェザー・ステッチ
feather stitch
(99/12/23) (18) フレンチ・ノット・ステッチ
French knot stitch
(00/1/ 8)
(15) コーティング・ステッチ
couching stitch
(99/11/25) (16) バリオン・ステッチ
bullion stitch
(99/12/ 4)
(13) レゼーデージー・ステッチ
lazy daisy stitch
(99/ 8/10) (14) オープンボタンホール・ステッチ
open buttonhole stitch
(99/11/15)
(11) コーチドトレリス・ステッチ
couched trellis stitch
(99/ 7/16) (12) ドロン・ワーク
drawn work
(99/ 7/ 5)
(9) クロス・ステッチ
cross stitch
(99/ 7/ 5) (10) クローズドボタンホール・ステッチ
closed buttonhole stitch
(99/ 7/ 5)
(7) サテン・ステッチ
satin stitch
(99/ 7/ 5) (8) チェーン・ステッチ
chain stitch
(99/ 7/ 5)
(5) ストレートライン・ステッチ
straight line stitch
(99/ 7/ 5) (6) アウトライン・ステッチ
outline stitch
(99/ 7/ 5)
(3) プチポアン
petit point
(99/ 7/ 5) (4) ジグザグ・ステッチ
zigzag stitch
(99/ 7/ 5)
(1) スモック・ステッチ
smock stitch
(99/ 7/ 5) (2) カット・ワーク
cut work
(99/ 7/ 5)
                                                     
(23)
ルーマニアン・
コーティング・
ステッチ
ローメィニアン・コーティング・ステッチ 広い面積を埋めるのに使われるステッチです。
サテン・ステッチの所々が押さえてあるものと
考えれば良いでしょう。糸の幅を詰めたり、
隙間を空けたりすることによって、
色々な表情が得られます。
(22)
ホルベイン・
ステッチ
ホルベイン・ステッチ 別名ダブルランニング・ステッチとも言われます。
はじめにランニング・ステッチを刺し、次に別糸で
もう一度ランニング・ステッチを刺します。
黒刺繍(スペイン刺繍)では、なくてはならない
ステッチだそうです。
(21)
スカラップ・
ステッチ
スカラップ・ステッチ まずランニング・ステッチを刺し、その上に
クロースドボタンホール・ステッチを刺します。
厚みのある刺繍になります。
常設展示室のポーランドの刺繍にあります。
(20)
オリエンタル・
ステッチ
オリエンタル・ステッチ インドの刺繍に良く見られます。
縦横に糸を井桁状に渡して、その糸に
絡ませていく手法です。
裏を返して見ると、裏に出ている針目が
非常に少ないのが特長です。
中近東では、古くからあった手法だそうです。
(19)
ミラー・ワーク
ミラー・ワーク インド刺繍の代表的なミラーワークの刺し方は
数多くありますが、一番簡単なものをスケッチしました。
ミラーをチェーン・ステッチで
囲み、チェーンの内側の糸を引っかけて、
ボタンホール・ステッチで刺してあります。
実際はもっと目が細かくて、分かり難いのですが
実物を、常設展示室のインドの刺繍で見て下さい。
(18)
フレンチ・ノット・
ステッチ
フレンチ・ノット・ステッチ 小さな玉刺しで、花の芯によく使われています。
2回巻きとか、4本足付きとかバリエーションも
多くあるようです。
沢山集めて花を表現することも出来ます。
常設展示室のフランスの刺繍にありますので、
そちらで実物をご覧下さい。
日本刺繍の『相良繍い』と同じだそうです。
(17)
フェザー・
ステッチ
フェザー・ステッチ 羽毛のステッチという名前の通り、
柔らかな感じの線刺しで、
ベビー服の縁取りなどに見ることがあります。
今のところ刺繍博物館の展示物の中には
見られません。
(16)
バリオン・
ステッチ
バリオン・ステッチ いかにもフランス刺繍という感じで、
子供の頃、憧れたステッチです。
このステッチが幾重にもなった薔薇の花が
大好きでした。
バリオンステッチの面白い使い方がしてある
常設展示室のロシアの刺繍を覗いて見て下さい。
(15)
コーティング・
ステッチ
コーティング・ステッチ 糸または紐を別の糸で押さえながら、
模様にしていく技法です。
アップにしてよく見ないと、コーティングステッチだと
気がつかないぐらい細かいステッチが、
常設展示室のインドの刺繍の中にありました。
(14)
オープン
ボタンホール・
ステッチ
オープン・ボタンホール・St. ボタンホール・ステッチの一つです。
針目の間隔が開いていて、毛布の端かがりに
使うので、ブランケット・ステッチともいいます。
ハンガリーの刺繍の中で、面白く使われています。
(13)
レゼーデージー・
ステッチ
レゼーデージー・ステッチ 花びらや葉っぱを作るのに、
よく使われるステッチです。
刺し方は簡単ですが、結構用途は広い様です。
常設展示室のハンガリーの刺繍の中に見つけました。
ぜひ見て下さいね。
(12)
ドロン・ワーク
ドロン・ワーク ドロン・ワークには色々な手法がありますが、
図は一番簡単なものです。
糸を引き抜いて、引き抜いた糸で飾ったり
端の始末をしたりします。
カット・ワークと似た点もありますね。
常設展示室のルーマニアの刺繍に見られるものは、
随分凝った手法です。
(11)
コーチドトレリス・
ステッチ
コーチドトレリス・ステッチ 先に糸を渡しておいて、交点を止めていく
ステッチです。
常設展示室のポーランドの刺繍の中にありました。
ひまわりの花の中心部分にぴったりです。
因みに、トレリスとは格子という意味だそうです。
(10)
クローズド
ボタンホール・
ステッチ
クローズドボタンホール・St ボタンホール・ステッチの一つです。
布のほつれを止めたり、布上に
しっかりしたラインを作るのに使います。
カット・ワークの断ち切った部分のほつれ止めに
使われたりもします。
(9)
クロス・ステッチ
仏語では
Point du croix
と言います
00/5/8 emiko
クロス・ステッチ いろいろな国の刺繍を見ると
一番多く使われている刺繍です。
単純な繰り返しで、複雑な表現が可能です。
あちこちの国の刺繍に見られます。
(8)
チェーン・
ステッチ
チェーン・ステッチ チェーン・ステッチも、実に単純な繰り返しなのですが、
線も面も表現出来ます。
インドの展示室にある作品は、
チェーン・ステッチで出来ているものが多いですね。。
(7)
サテン・ステッチ
サテン・ステッチ 幅の広い花びらや葉っぱ等に、
実によく使われているステッチです。
面積を埋めるステッチの代表格と言えるでしょう。
常設展示室のハンガリーの刺繍にたくさん見られます。
フランスの刺繍でも探して下さい。
(6)
アウトライン・
ステッチ
アウトライン・ステッチ 線を表現するステッチです。
面の周囲を縁取ったり、お花の茎等に
良く使われます。
刺し方によって太くも細くも出来ます。
お花の刺繍が多いハンガリーの刺繍と
フランスの刺繍で見て下さい。
(5)
ストレートライン・
ステッチ
ストレートライン・ステッチ 線を表現する時で、アウト・ラインステッチを
使うほどでない時、便利です。
刺し方は、いたって簡単。
ハンガリーの刺繍の中に、やっと見つけました。
(4)
ジグザグ・
ステッチ
ジグザグステッチ のこぎりの歯形のステッチです。
刺す幅を変えると、山の大きさに変化が出来ます。
木の緑の部分等に見たことがあります。
ルーマニアの刺繍の中にありました。
(3)
プチポアン
(テント・ステッチ)
プチポアンのステッチまたは、テント・ステッチ。
この二つは、表から見ると同じですが、
裏側から見ると違っています。
このステッチは、デンマークで買った
アンティーク・バッグにありました。
オーストリアでは、プチポアンが有名です。
常設展示室でご覧下さい。
(2)
カット・ワーク
カット・ワーク 厳密には刺繍の分類ではないかもしれません。
布の一部を切り取って、
透ける部分を作る技法です。
カット・ワークした上に刺繍をするのが、
ハンガリーの代表的な刺繍、カロチャです。
(1)
スモック・
ステッチ
スモッキング これも、カット・ワーク同様、
厳密には刺繍の分類ではないかもしれません。
布のひだをかがる技法です。
東欧の伝統的な刺繍ブラウスには、
ほとんどスモッキングしてあります。
常設展示室にあるマチョの刺繍とともに見て下さい。


[エントランス][資料室ご案内