つながって 広がって
支えあう "サリエ" (あとっぷ掲載用に書きました)
前号のあとっぷアンケートにドキリ!「フェリシモどうなりました?」「mayuさんのコーナーは?」そうです、ずっと書いてなかったのです。よく考えると1年以上も。それなのに、今まで忘れないでいて下さってありがとう。
フェリシモ・サリエはあれから着々と商品数が増え、カタログも2〜3ヶ月に一度のペースで発行され、商品開発スタッフ、縫製工場のみなさんには、大変頑張っていただき感謝しております。また私たちアトピー患者5人で結成されたモニター隊(ゴレンジャー?古っ!)は、サンプルについての意見交換をすると共に、新商品を神戸の本社で見せていただけるという恩恵にあずかっております。フェリシモは店舗販売なしの通販会社なので、通常なら購入しない限り、商品を手に取って見ることはできないのですが、肌触りや着心地にこだわって作られるサリエならではの粋な計らい、私たちも毎回楽しみに参加しています。
最近会員になられた方に、サリエについて簡単に説明させていただくと、“アトピー患者は心地よく着られる服がなくて困っている”とフェリシモに送った私のメールがきっかけとなり、作られたブランドです。あとっぷ会員の方からは、サリエ発足以前から衣類に関する多くの意見をいただき、その甲斐あって現在に至っております。
私のHP上では、カタログ発行ごとにおすすめ商品などの情報を提供させていただいているので、みなさんにもお知らせしているつもりになっていましたが、インターネットをされていない方にはわからないですよね。ご報告なしで失礼いたしました。また、あとっぷ上で詳しい商品説明をして来なかったのはなぜかというと、フェリシモという一企業の宣伝と誤解されるような内容を何度も載せてよいのだろうか、という気持ちが私の中にあったからなのです。
カタログも初期よりページ数が増え、送料の関係で以前のように同封することができなくなったので、もしもカタログを毎回送って欲しい方がいらっしゃいましたら、私から送らせていただきたいと思います。もちろんカタログ代、送料は無料ですのでご心配なく。ご希望の方は、あとっぷ経由で住所をお知らせ下さいね。お待ちしております。
フェリシモ・サリエへのお問い合わせは
〒650-0035
神戸市中央区浪花町59
Tel 0070-675-213 Fax 0070-675-214 (ともに通話料無料)
http://www.felinet.com/sarie/ E-mail ud_info@felissimo.co.jp
(2005年3月)
衣服は体を守るために (ゆうねっと掲載用に書きました)
体に触れるもの全てが刺激。暖かい日差しも、爽やかな風も、髪の毛や、かきむしって剥けた自分の皮さえ、刺激となってかゆみを引き起こす。体を少し動かすだけで皮膚が割れて汁がふき出し、関節も曲がらない。そんな体の私には、服を着るというごくあたりまえのことが、大変なストレスでした。私が”衣服と体の関係”を考え始めたのは、12年前のステロイド離脱の経験からです。
体に負担をかけず、苦痛を少しでもやわらげるような服。着心地よく、それでいておしゃれな服を作ることはできないだろうか?多くの友人の協力で思いは少しずつ実現し、2年前には通販会社フェリシモへ送った私のメールがきっかけとなり、サリエというブランドが生まれました。企業と私たちが意見を出し合いながら一緒に作り上げていく、新しい形の服作りです。
シャツ、ニット、パンツの3点から始まったこのブランドも着々と商品数が増え、季節ごとにカタログが発行されています。縫いしろを表に出したシャツや継ぎ目のないセーター、肌触りのよい下着やTシャツなどのインナー類も充実です。興味のある方は、ぜひご覧下さいね。
(2005年3月)
人の体を中心に考える ---フェリシモ sarie の服づくり
作る人と着る人がそれぞれの立場で意見を出し合いながら、一緒に作り上げていくブランド"sarie"。2002年秋、今までとは全く違った考え方の服作りが、通販会社フェリシモで始まりました。めざすのは、着心地よくそれでいておしゃれな服。
10年前、私はアトピー悪化でとても辛い日々を過ごしていました。全身が腫れ上がり皮が剥けてぼろぼろ、体を少し動かすだけで皮膚が割れて汁がふき出す。そんな体には触れるもの全てが刺激であり苦痛。特に、直接体に触れる衣類に関してはとても敏感になりました。
本来衣類は体を守るためにあるもの、それなのに生地ががさがさしていたり、縫いしろの処理が悪かったり、窮屈なデザインであったり・・・。健康体であれば何でもないことなのに、ほんの些細なことがますます皮膚の悪化につながっていきました。
着られるものは、パジャマと着古して生地がゆるゆるになった服だけ。買いに行きたくても外に出ることもできず、探しまわる体力もない。そこで通販各社のカタログを取り寄せてはみたものの、これというものは一着もありませんでした。世の中にはアトピー患者はたくさんいるし、私のような思いをしている人もきっといるはず。それなのにどこにも売ってないのはなぜ??
アトピーの友達に協力をお願いし、衣類に関してどのような不満を持っているか、購入時のポイント、既成服で改善して欲しいことなどを調べてみたところ、私もびっくりするほど多くの意見が返ってきました。やはり思ったとおり、どこを探しても見つからず、着心地の悪さを我慢しながら、無理をして着ている状況だったのです。
また、意見をまとめていくうちに、アトピー患者が欲しいと思っている服には、共通点があるということも発見しました。
みんなが同じ気持ちでいるのなら、それを改善していけばもっと着心地のいい服ができるかもしれない。いつまでも我慢しているだけでは何も変わらない。とにかくできることからやってみよう!
そして数ある通販会社の中でも、ずっと大好きで利用していたフェリシモへメールを送りました。長年持ち続けたアトピーへの思いと、服へのこだわりと、みんなの気持ちを込めた長い長いメールを・・・。
“一通のメールから生まれたsarie”フェリシモと私たちとの心のつながりから誕生した新しいブランドです。
世の中には市販の服では対応できない人がたくさんいます。アトピーでなくても、体調の悪い時に体をしめつけたり合わない服を着ることは、大変なストレスとなります。服に体を合わせるのではなく、着る人の体を中心に、着る人の意見を取り入れた商品作りをすることはできないか、という発想から始まりました。
今までに、縫い目のないセーター、縫いしろを全部表に出したシャツ、ゴムが直接肌に当たらないショーツなど数多くの商品が発売されました。どれもこれも、欲しいのに手に入らなかったものばかりです。
現在、私たちはモニターとして商品作りに参加させていただいています。次々に作り出されるサンプルの数々、そのひとつひとつについて着心地を確かめ、スタッフの方々との対話を繰り返しながら、よりよい商品となるように工夫を重ねています。また商品を購入いただいた方、ご意見を寄せて下さった方々も大切な存在であり、sarieに関わる全ての人たちと一緒に、もっと心地いい服、もっと心地いい生活づくりをめざしていきたいと思っています。
(2004年2月)
毎年この季節になると、あっちでもこっちでも”早めの花粉症対策を!”
で、その内容は?
・マスク、鼻を洗う、スチーム吸入・・やったほうが体が楽かも
・鍼灸、整体、漢方薬などの東洋医学・・うまくいけばかなり軽減
・免疫力を上げる食品、甜茶など各種のお茶・・即効性はないけどいいんじゃない?
・抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤を飲む・・お勧めはできないけど、まぁ許せる
・点鼻薬、点眼薬を使う・・その成分は何ですか?
・病院で注射をしてもらう・・ちょっと待て!それは間違いなくステロイド
数年前ネット上で”花粉症にはステロイド”と、堂々と書いてあるのを見つけた時には驚きましたが、最近は耳鼻科でのステロイド注射はよくあることみたいですね。もちろん良識ある医者は、こんな危険なことはされていないと思いますが(そう信じたい)、一時的に症状を抑えるためだけのステロイド注射は必要なのでしょうか?
私は25年前から花粉症です。その頃は花粉症という病名さえ一般化してなかったし、対策グッズなど何もありませんでした。春になると鼻水やくしゃみが出るけど、そのうち治まるので気にも留めていませんでした。
抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤は、アトピー治療のために皮膚科で処方され飲んでいましたが、それで花粉症が楽になった記憶はありません。それどころか、これらの飲み薬やステロイド塗布による全身薬づけを続けているうちに、日常生活が困難な状況になlり、完全に薬を止めて生活できるようになるまでには、13年という長い年月が必要でした。
ステロイドの怖いところは、いつどこに副作用として出てくるかわからない、そして本人には副作用だという自覚がないことです。白内障、緑内障、感染症の誘発、免疫力の低下、肝機能障害、骨粗鬆症、高血圧、高脂血症・・・。年に一度の注射だからといって、それを何年も続けて副作用が出ないと言い切れますか?たった一度の注射で、月経不順が半年続いた例もあるようです。そこまでのリスクを背負ってまで、鼻水鼻づまりを止めなければならないのでしょうか。
もちろんステロイドが必要な病気もあります。またステロイドのおかげで命の危険から脱した人もいます。そういう面ではなくてはならない薬ですが、私は花粉症にステロイドはいらないと思っています。
先日、久し振りに会った高1の姪っ子が、大量の薬を飲んでいるのを見つけました。「風邪ひいて鼻がつまってしんどい」と耳鼻科に行ったら6種類の錠剤を出されたようで、大体はビタミンB12などのどうでもいいやつだったのですが、その中にリンデロン5日分が含まれていたのにはぶったまげました。しかも薬について、医者からは何の説明もなく、”お薬の説明”という紙切れ1枚渡されただけ、なんと安易な!成長途中の16才の子に、風邪ぐらいでステロイド飲ますか?あんたそれでも医者か!!
きっとこの病院は、花粉の時期になると注射待ちの患者でいっぱいなんでしょうね。「あの病院の注射はよく効くよ」という口コミは、あっという間に広がるでしょうから。私は「すぐ効く」「よく効く」ほど危険なものはないと思っています。「効く」ということは何らかの副作用があるということです。副作用の説明はほとんどされず、効用だけを聞かされ、患者は何も知らずに薬づけになっていく現状、どうにかならないのでしょうか。
今年の花粉の飛散量は、昨年の20倍とか。私、怖くて外に出られないかも。でもそれよりもっと怖いのは、ステロイド注射人口が昨年よりどれだけ増えるのかということ。今のところ耳鼻咽喉科学会では”ステロイド注射による花粉症治療は薦めていない”というのがせめてもの救いですが、薦めてなくてもやってる医者はいるからね。ステロイド乱用、皮膚科の次は耳鼻科ですか?もうこれ以上、私たちアトピー患者のように、不要なステロイド投与による被害者を増やしたくないです。
花粉症の患者さんへ
手っ取り早く鼻づまりから解消されたければ、どうぞ注射でも何でもして下さい。それぞれの生活がありますから、私が止める権利はどこにもありません。でも副作用が出た場合、誰もその体を代わってはくれません。そして医者は何もしてくれません。ツケはいつか必ず自分にまわって来るということを忘れないで下さい。
そして耳鼻科の医師へ
ステロイドを処方する時、患者にはこの一言を
「鼻づまりは治まるけど、後で何が起こっても知らないよ〜ん」ってね。
(2005年2月)
1年間でネットでアトピー患者から服に関する情報を集め制作し、来年末に服のお披露目をするという企画。kobe
hyogo 2005 夢基金プロジェクトに応募し、認定事業として進められることになったらしい。このことについては事前に企画者本人から連絡があり、私は内容を応募前に聞かされました。あまりに無謀な企画に驚愕し「やめとけば〜」と言ったんだけど、この企画通ったんだね。とりあえずおめでとう!彼の行動力は認めます。
し・か・し、何年も前からアトピー患者の生の声を集め、それを元に自分で服作りをすると共に、企業への働きかけを続けてきた私にとっては、「何をいまさら?」という気持ちが強く、現時点では協力するつもりは全くありません。だいたい、たった1年でアトピー患者が望む服が出来上がるなら、私は何年もこんなことやってないよ。縫っても縫っても、自分で納得できる作品は未だに完成していないのです。
この企画、出来上がった作品がすばらしければ成功と言えるのかもしれませんが、ただ体裁だけを整えたファッションショーに終わってしまうのなら、何の意味もないことです。世間にアトピーという病気をわかってもらうために、単なる媒体として服を使おうとしているのなら、そして服そのものに何の思い入れもなく制作しようとしているのなら、やめていただきたい。いったい誰のためのアトピーファッションなのでしょうか?
kobe hyogo 2005
夢基金はフェリシモのプロジェクトであり、私は3年前からフェリシモ・サリエのスタッフの方々と協力して服作りをしてきたという関係上、私が企画の中心になっていると誤解されると困るので、この件には関わっていないということをはっきりさせておきたいと思います。
とは言え、協力しないかわりに邪魔する気もなく、1年後にどんなものが出来上がるのか、どんな形で発表されるのか、結構楽しみにしてる私。今後も離れた位置から、ぼんやりと眺めているつもりです。
(2004年12月)
今回の判決に納得できず、患者として何かできることはないかと思っていたところ、神奈川の有田さんが"インターネット署名サイト"を作ってくださいました。今までアトピー・ステロイド問題に関わってこられた方はすでにお気づきのことと思いますが、これは藤澤皮膚科と一人の患者の問題ではなく、周囲に渦巻く大きな力によって、このような不当な判決が下されたものと思われます。
アトピー性皮膚炎とステロイド副作用の実態を無視した判決には、私もどうしても納得できません。少しでもお力添えできればと思い、署名させていただきました。
http://www.atopy-free.com/
こちらのサイトをご覧いただき趣旨に賛同された方は、ご署名をお願いいたします。
(2004年7月)
脱ステロイド療法、医師の過失で640万円の賠償命令?
脱ステをしたアトピー患者として思うこと
"脱ステロイド療法、医師の過失・・・"藤澤皮膚科が不適切な治療を行なってアトピーを悪化させ、訴えられたという新聞記事。私はこのことを友人からのメールで知った。え?なんで?あの藤澤先生でしょ?お会いしたことはないけど、ステロイドをむやみに処方しない信頼のできる先生として、そのお名前をよく耳にしていただけに、本当に驚いた。
訴えたのは4歳のアトピーのお子さんを持つご両親。足に湿疹が消えなかったためこの医院を受診し非ステロイド治療を受けたが、直後から全身に炎症が広がり、高熱や脱毛などの症状が続いた。それを不適切な治療として、損害賠償を求めたというもの。
もちろんこの記事だけでは、ご両親が裁判を起こした理由も、この判決に至った経緯も全くわからない。だから裁判そのものについて憶測で意見を述べることはできないが、ステロイドを塗りたくないと思っている患者にとっては、こんな判決を下してもらったのでは困るのだ。
ステロイドという薬は、長期に使用すればするほど止めることが難しくなる。塗っていても症状を抑えているだけで、アトピーの根治にはならない。それがわかっていながら塗り続けてしまうのは、想像を絶する離脱症状が現れるからだ。ステロイドを止めた時、この患者のように全身に症状が広がるのも、発熱も脱毛も離脱時に起こる症状としてはよくあることで、これを不適切な治療とされいちいち訴えられたのでは、医師はたまったもんじゃない。責められるべきなのは、ステロイドの利点ばかりを強調し、ろくに説明もしないで安易にステロイドを処方してしまう医師だと思う。訴える相手が違う。
アトピーは命に関わる病気ではないだけに、症状を抑えてあたかも治ったかのように見せかければ、とりあえず急場しのぎにはなる。日本皮膚科学会のガイドラインで、アトピー治療にはステロイドを使うことを第一選択とされている以上、患者にステロイドさえ渡しておけば、もしも訴えられても敗訴することはないだろう。
そんな中、藤澤皮膚科のように、患者の将来を考えて、敢えて脱ステロイドという方法を取っている病院は、全国でも数少ない。少数派なだけに風当たりも強いだろうということは、私にも想像できる。だからこのことによって、ステロイドを使わないことを勧める医師の立場がますます悪くなることが、私にはやりきれない。
ステロイドを止めるには、相当な覚悟が必要である。人によっては精神に支障をきたすこともあるほどの、大変な試練である。あの離脱に伴うすさまじい状況は、患者がどんなに強固な意志を持っていても、一人で乗り切ることは難しい。家族や友人や同じ経験を持つ患者などによる、さまざまなサポートが必要である。そしてその時、一番頼りになるのはやはり、多くの症例を診てきた専門家としての皮膚科医ではないだろうか。
アトピーに対する治療法が見つかっていない今、ステロイドを使うこともやむを得ないかもしれないし、使うことが絶対に悪いとも思わない。しかし患者自身が、ステロイド使用に疑問を感じ止めたいと思った時、また私のように塗っても効かなくなり止めざるを得なくなった時、それでも塗り続けろという医師ばかりでは、患者は行き場をなくしてしまう。患者の意思を尊重し、それを受け止め支えてくれる医師は、絶対に必要な存在なのだ。
今回の判決が、脱ステロイド療法(過剰に使った薬を止めることを療法と言えるのかも疑問)を不適切な治療とみなしたものなのか、脱ステロイドの際に補助として行った他の治療を、医師の過失としたものなのかはわからないが、確固たる信念をもって真摯に患者に接してきた医師に対して、あまりにも酷な結果だと思う。
(2004年6月)