SPECIAL
先日、海外出産・育児コンサルタントのノーラ・コーリさんからお便りをいただきました。
〜今度世界の子どもの食事について書く予定でいますが、今回はまず離乳食の海外比較をしました〜
興味深い内容でしたので、ノーラ・コーリさんのご了解をいただき「Babyfood of the World」と題して紹介します。
         Babyfood of the World    2003.1.15
海外出産・育児コンサルタント  ノーラ・コーリ
○離乳食の海外比較〜どのような食物を与えているのか〜
まず一番興味深いどのような食物を与えるかということにおいてお話しましょう。

日本ではお米をベースとしたおかゆを与えるのが一般的とされています。お米をぐつぐつ煮てやわらかくしたものを最初の離乳食として与えます。

世界の離乳食を見ますとやはりどの国もその国の主食がベースになっているのが特徴です。主食とは米、パンなどのもととなる麦、パスタ、とうもろこし、じゃがいもなどです。これらをやわらかく煮るための材料は水を始め、スープ、ミルクなどがあがります。

それでは具体的にいくつかの国を例にあげてみましょう。

ドイツのようにじゃがいもが主食の国ではマッシュポテトをミルクでとかして与えています。オランダでは麦のおかゆにミルクを入れて与えています。

お米を主食とするフィリピン、中国ではおかゆです。フィリピンではお米をたたいて粉状にしてスープで煮たり、ヤムという根野菜をゆでてそれをスープで伸ばして与えています。

ブルガリアはやっぱりヨーグルト。メキシコではコーンの粉を溶くようです。ガーナではメーズ(とうもろこしの一種)のおかゆに魚やミルクの粉を足すこともあります。インドではお豆をぐつぐつに煮たものをスープと混ぜてどろどろにして与えています。

タイでは果物が豊富ですからいきなりバナナをつぶしたものからスタートします。ケニアもタイ、インドネシア同様、果物が中心で、バナナ、パパイヤ、アボカドなど身近にあるものを与えています。ある小児科医に問い合わせたところ、最初の離乳食が果物でも野菜でも問題はないそうです。

アメリカでは一般的にはシリアルといってお米や麦の粉やフレーク状のものをミルクかお湯で溶かして与えます。カルフォルニアではアボカドが手に入りやすいのでそれをつぶしてあげています。代表的な野菜としてはどろどろにしたかぶ、にんじん、グリーンピースなどがあります。くだものにおいてはりんごのソース、バナナ、もも、なしが代表的。野菜も果物もほとんどすべて瓶入りの市販のベビーフードを与えています。
○さらに国の特徴
インドでは赤ちゃんからカレーを与えているのだろうか、韓国では赤ちゃんからとうがらしを食べるのだろうかと疑問を持つと思いますが、そのようなことはありません。

確かにインドでは辛いカレーというよりはとても強い香辛料が料理に使われています。赤ちゃんの離乳食には香辛料をいっさい入れません。ただし小さい時からじょじょに香辛料に慣らすために少しずつ食べ物の中に香辛料を入れていきます。そのため、インドの子どもは2,3歳にはもう日本人の子どもでは強すぎて食べられない香辛料に食べ慣れています。ガーナも同じです。

韓国のキムチにおいては、赤ちゃんの時期には与えていませんが、3,4歳にもなると徐々にキムチの味が紹介されます。まずは香辛料を水でよく洗い、次に白菜などの野菜を細かくきざんで与えます。幼稚園の給食ではもうキムチが出されるそうです。

中国は油で炒めた油っぽいものを赤ちゃんに与えているのだろうかと疑問に思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。日本人が食べる中華料理はむしろ現地の人たちからみたら高級料理です。一般庶民の人たちはおかゆを食べたり、あっさりしたものを食べています。

フランスの離乳食はグルメです。味付けもなかなか濃いですし、ベビーフードについている名前もアーティチョークのピュレー、鴨と野菜のカッスーレなどとてもしゃれています。赤ちゃんにもワインを与えるのかと思われる方もいますが、とんでもありません。赤ちゃんにワインなどとんでもないと訂正していました。

イギリスではベビーフードに栄養強化が記されていました。鉄分やカルシウムが強化されていたり、この当たりは粉ミルクと似ています。
ノーラ・コーリ(NORA KOHRI)さんのプロフィール
海外出産・育児コンサルタント,国際医療 ソーシャルワーカー,医療通訳 (妊娠、出産、育児、福祉、教育 を専門とする),バイリンガル教育コンサルタント。

東京の慶応病院で生まれる。小学校はニューヨークのP.S.81、なんと皇太子妃の雅子さんの先輩にあたる。帰国後受験して私立恵泉女学園中等部入学。わずか1年で父の福島転勤で福島市の公立中学校へ。1年の休学猶予で東京へ一人で戻り、恵泉へ復学、無事卒業。高校はエスカレーター式にと思ったのもつかの間今度は父がカナダのトロントへ転勤。トロント市の公立高校へ転入。血もにじむ努力でみんなに追いつき、生徒会代表を努めるに至り、自信を取り戻したところで父帰国辞令。もうこれ以上私の人生振り回されたくないと思い、カナダに残る決心をする。大学はヨーク大学を経てトロント大学卒業。社会福祉と都市社会学専攻。女性、子供、移民、老人、障害者、病人、などの少数民族や弱者の、都市における社会問題をケースとして研究し、カウンセラーとソーシャルワーカーの資格を得る。

大学卒業後、帰国。 英文の旅行雑誌の編集に携わる。Tokyo English Life Line(英語のいのちの電話)で外国人が体験する異文化摩擦問題のカウンセラーをつとめる。

日本にて第1子誕生。1988年、シンガポールへ。当地で第2子を出産。海外出産という体験を通して産婦人科、小児科を専門とする国際医療ソーシャルワーカーに転じ、海外で出産する母親、子供を育てる母親の精神面、医療面、生活面、教育面での相談役として数々のケースに携わる。6年間で世界各国より集めた海外出産、子育て体験談及び医療情報を本にまとめる。1993年帰国。2001年、アメリカのニューヨークへ。2002年よりコロンビア大学 School of Social Work 大学院生として入学。修士をめざす。

現在日本で唯一の海外出産、育児、医療、幼児教育コンサルタントとして、日本と世界の比較論を中心に海外生活セミナーでの講演、メディア出演、カウンセラー、執筆、などで活躍中。

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