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“子どもたちに料理の楽しさや食の大切さを伝えたい” 〜 企業の食育の現場
「キッズ・イン・ザ・キッチン」(東京ガス株式会社)から、様々な食育体験の場や情報を提供している
上南昭子さんに、楽しい食育の効果についてうかがいました。
楽しい食育の効果とは?
〜企業の食育の現場から〜(その2)
2005.11.1
東京ガス株式会社「食」情報センター 上南昭子
2005年10月からの続きです。
●料理教室に参加した子どもたちに次の料理教室で作ってみたい料理を聞くと「ハンバーグ、ラーメン、カレー、ケーキ....」とカタカナが並びます。やっと漢字だと思うと「寿司、焼肉、牛丼」。

もちろん、料理教室では子どもたちが好きな料理も取り入れますが、和食のメニューも欠かせません。子どもたちがあまり経験しない魚料理や不足気味の野菜をたっぷりとれるメニューを心がけています。

たとえば、2004年春休みに開催したキッズ・イン・ザ・キッチン子ども料理教室のテーマは「お箸を上手に使おう!」です。一日目は「アジの塩焼き」と「肉じゃが」と「豆腐とワカメのみそ汁」という定番の和食メニューです。

このときは、ひとり一尾のアジを塩焼きにします。はじめは、アジを触るのに「気持ち悪い」「ヌルヌルする」と大騒ぎの子どもたちでしたが、講師が丁寧に指導すると、たちまち真剣に取り組みます。自分の分ができると友達に教えてあげたり、「もう一度したい!」という声もあがりました。

二日目も和食メニューで「肉野菜うどん」と「和風パフェ」を作りました。うどんは、粉をこねるところから作ります。小麦粉と水と塩からうどんができているという発見。また、素材が変化していく様子など、とても興味津々で真剣に取り組んでいました。

自分で包丁と炎を使って料理する「本物の」体験を通して、それまでは嫌いだった野菜なども「自分で料理する」ことによって食べることができた、という苦手の克服という「成長」も大切なポイントです。

「楽しいことこそ、ポジティブなことこそ身につく。」子どもたちを見ていて感じることです。

● キッズ・イン・ザ・キッチンも開催当初は、小学校3年生〜6年生対象の「子ども料理教室」のみでしたが、料理に興味を持ち始める年齢への配慮と親からの「子どもにどのように料理を教えたらよいか」という声にお答えして1998年からは「キッズ・イン・ザ・キッチンジュニアコース 親子料理教室」も開催しています。

家では忙しい、面倒くさい、といって、なかなか子どもたちと台所でコミュニケーションがとれずにいる方も、子どものお料理デビューのきっかけ作りにご参加いただいています。親子二人でじっくりふれあうことと、他の親子との共同作業の両方がとてもご好評をいただいております。子どもたちの意外な頼もしさの発見もあるようです。

●料理の過程では「五感」がたっぷり磨かれます。目で炎の加減を見て鍋の中の状態が変化していくのを確認します。鼻で香りの変化もわかりますし、ジュッと音がしたのを聞いたり、柔らかく煮えたかどうかを触って確かめて、もちろん味見も大切です。

味覚には成長するにしたがって発達していく部分もありますが、子どもの頃から磨いておかないと、どんどん感じる味の幅が狭くなり、いろいろなものを食べることができなくなってしまいます。子どもの頃からファストフードのようにマニュアル化され、画一化された味ばかり食べていると繊細な味覚が育ちにくいとも。味覚を鍛えるには、実際の調理体験も大変有効ですね。

● キッチンはお掃除が簡単というのも大切ですが、家族皆の好きなものや思い出の味を作り出し、積み上げていく場です。大量生産ではない家庭での料理、炎の調理による安らぎと本物のおいしさをこれからもお伝えしていきたいと願っております。
上南 昭子のプロフィール
じょうなん あきこ

1986年東京ガス株式会社入社。1995年より主に食育「キッズ・イン・ザ・キッチン」を中心に、家庭での料
理推進のための料理教室、イベント、ツール等の企画・制作・運営を行い、現在に至る。「キッズ・イン・ザ・キッチン」では、料理教室を中心に子どもの年齢や興味に応じ、五感を磨く実践的なプログラムを企画し、子どもたちに料理の楽しさや食の大切さを伝えている。同社都市生活研究所などと共同で 家庭科教育を通じた食育活動についても研究、推進をおこない、学校教育での食育プログラムを構築中。フレンチの三國清三シェフとのコラボレーションもおこなっている。現在は「スローフード」にもテーマを広げ、さらにネットワークを広げ活動を展開している。スローフード協会イタリア本部や日本の支部と連携しつつワークショップ、料理教室のコーディネートや、外部イベントなどでの展開をすすめている。2003年秋にはスローフード国際本部を訪れ、直接スローフード協会の「味覚授業」を体験、また2004年の「始めよう、東京のスローフード2004」シンポジウムではパネリストを務める。

東京ガス株式会社「キッズ・イン・ザ・キッチン」のホームページはこちらへ。
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