SPECIAL
文明が進む中で人々の暮らしが変化し、子育てのとらえ方も変わりつつあります。情報化の時代を迎え、会話が減り、
コミュニケーションが減って、子育てに不安を感じるお母さんも少なくありません。今回は、長年小児科医として
子どもや母親と接して来られた山口修一先生に、現代の子育てについて感じておられることをお伺いしました。
子育て中のお父さんお母さんへの暖かくて考えさせられるメッセージ、数回シリーズで紹介します。
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小児科医の立場から現代の子育てに思うこと
     その1−セデンタリーライフの広がり   2008.7.15
やまぐち小児科院長 日本小児科学会専門医 山口修一
Q1 小児科医として長く子どもを診てこられて、今の時代の子どもたちの育つ環境につい
   て、気になっていることは何でしょうか。



○文明が進むと文明病ががふえる


世界中の歴史をみると、どの国も、農耕社会から工業社会を経て情報社会を迎える、に至っています。大家族から核家族になって、今は単家族の時代。人と関わらない個人が集まる時代となりました。

個人を伸ばすことで全体が伸びることを目指してきたのですが、なかなかそうはいかず、単なる個人へと解体しがちで、個人は精神の飢えに悩む時代、に入りつつあります。

20年も前の話だが、WHOのシンポジウムが山梨県大月でありました。そのときの一番の話題は、文明が進むにつれ会話が減っていくだろう、ということ。そして時間に支配されて、私的空間が快感になる、といわれました。

会話というのは、会って話をすること。目を見て話をすることです。ところが今は、携帯電話、テレビ、インターネットがどんどん広がる中で、会話が減ってきているのです。

子どもたちを診ていて、気になっているのは、言葉の遅れが増えてきていること。しゃべらないですむ時代です。幼児期に長時間テレビやビデオを見ることで、子どもはしゃべらないで育つことになってしまうのです。


○セデンタリーライフ

セデンタリーライフというのは、両肘のついた回転いすに座った静かな楽な生活。リモコンを右に、左手にはジュース。このような生活が、今まさに、子どもの生活になってきました。

動物は使わないものは退化していきますから、セデンタリーライフを続けていると、そのうち足がいらなくなる、ということになるでしょう。
2008年9月に続きます。
山口修一先生の紹介
やまぐち しゅういち

昭和22年生まれ。昭和46年東京慈恵会医科大学卒業。同年東京慈恵会医科大学小児科助手。昭和50年アルバート・アインシュタイン医科大学神経内科(米国ニューヨーク市)。昭和57年埼玉県庁衛生部主査。昭和58年埼玉県立小児医療センター代謝内分泌科医長。平成6年国際協力事業団ネパール・プライマリーヘルス・プロジェクト派遣。平成10年埼玉県立小児医療センター保健発達部長。平成13年東京慈恵会医科大学小児科助教授(兼任)。平成14年やまぐち小児科開院。


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