日々の食事に愛情こめて〜米で作る笑顔の食卓〜
2002.10.1
香川県立笠田高等学校(三豊郡)
私たちの学校は、香川県の西方に位置する三豊平野の中央部にあります。地域の人々に親しまれ、今年で創立73年を迎えました。現在は1学年農業科3クラスと家政科1クラスからなります。それぞれの学科の特色を生かし、スペシャリストを目指して日々の学習や実習に取り組んでいます。

昨年11月の学校祭家庭クラブ展で「本校生の食生活」についてアンケートを取ったところ、朝食をとる人は多いのですがその内容は十分ではないこと、主食である米に対する知識や関心が薄いことがわかりました。そこで「米」について調べ毎日の食事の中で米をいかによりおいしく食べるかを考えるために、この主題を設定しました。

○活動前の実態調査から―朝食の内容が貧弱で、間食が多い

(1)10のチェックポイントによる食事診断

全校生390名について行ったアンケートの結果、「よい状態」の人は5.7%にすぎず、半数を超える人が食生活の改善が必要であった。特に、豆腐、緑黄色野菜、海藻類の摂取が不足していた。

(2)食生活に関するアンケート

本校生の80%以上の人が朝食を食べていた。しかし、その内容は「主食+汁物(飲み物)」という人が約半数で、おかずや果物を添える人は40%と少数であった。朝は米飯を食べる人が6割で過半数を占め、家族がそろわない人が6割で家族で食べる人は少なかった。ダイエットの経験は、女子では64%と多く、男子も20%であった。間食は84%がしており、内容は飲み物とスナック菓子が多かった。コンビニエンスストアやファーストフードを週1回以上利用する人が約半数を占めていた。

(3)保健委員会の健康調査

本校生の栄養状態を見ると、肥満20数名、貧血、ぜんそく、アトピー、それぞれ数名で、虫歯は36%の人が未処置の歯を保有。

(4)地域の実態

三豊地域農業改良普及センターを訪れ、地域の農産物や米作りの実態について教わった。豊中町では耕地利用率は80%を越え、稲(うち70%)+秋、冬の野菜を作ることが多く、主な品種はコガネマサリ、コシヒカリ、酒田のオオセト、町の特産物としてはブロッコリー、ぶどう、切り花、鉢花の栽培が盛ん。米を使ったこの地方の郷土料理も教わった。

○研究活動から―身近な米をもっと知り、おいしく食べる

実態調査から、私たちは身近な米についてあまり知らなかったことに気づいたので、次の3点について活動を行った。

(1)身近な米についての知識を深めよう

本校農業科は古くから本校の水田で、稲の栽培をしている。農業科の先生から本校米作りの特色を尋ね、実際の苗作りや他の作物の生育状況をみせていただいた。

(2)実際に米を育ててみよう

豊中町に隣接した観音寺市の加麻良神社で古代米の田植え式がある。水で手を清め、黒米、赤米、といった10種の苗を手で植えていく仕方である。私たちも苗をいただき、学校で植え、10月には収穫することができた。県のイベントである米麦路フェスタで、県農産物を利用した料理教室で「ちょっとリッチな洋風膳」を実習した。

(3)多くの人に喜ばれる米料理を作ろう

○三豊地域農業改良普及センターで習った郷土料理(押し抜きずし、ばらずし、いりこめし、肉もっそ、讃岐さつま)の実習。いりこめしは本校学校祭の米試食料理としても出展。○西洋料理のシェフから、シュリンプドリアを教わる。

○家庭クラブ週間行事の1つとしてお米料理を全校生から募集し、10月には校内ライスクッキングコンテストを行った。

○三野町で研究されている発芽玄米の作り方を調べ、学校でも本校産コシヒカリの玄米を冷蔵保存して作った。

○普及活動としては…

全校生徒にアンケートの結果を報告したり、地域の方々や笠田小学校との料理実習での交流、オーストラリアからの交換留学生との交流パーティで花ずしの試食など積極的に展開した。

町の文化祭でも研究活動の中間報告を展示、学園祭では研究活動の中間報告、米料理の展示、レシピ集の配布、米料理の試食とともに「本校生徒の食生活研究や体脂肪測定」も行った。

収穫感謝祭では本校で収穫したお米を飯ごうで炊き、全校生がグラウンドで会食し、収穫の喜びを分かち合った。

○まとめと課題

本校生の32%が自家栽培のお米を食べ、60%以上の人が週16食以上ご飯食であるにもかかわらず、お米についての意識は全般に低かった。今回の研究で「お米の良さを知った」「玄米を初めて見た、食べた」などの意見が聞かれ、食生活をいろいろな角度から見直すきっかけになったと思う。地域での交流も深まり、レシピ集も増刷希望があるなど好評であった。

今後への課題として、普及活動として各家庭に役立つ内容をさらに工夫したい、和食のレシピを増やしたい、朝食抜きダイエット等の問題への取り組みなどを考えており、学校行事や12月のFHJクリスマス会等を通じて、米の学習や普及に努めていきたい。
☆活動推進者
岡田さゆり 河田奈津子 合田貴美子 築田亜矢子 篠原春七 山下侑子 湯浅幹子
景山智香 (指導:十鳥愛美)

☆高校生による食生活改善研究活動についての問合せは、社団法人栄養改善普及会まで。
e-mail  fukyukai@alto.ocn.ne.jp    tel 03−3409−3232
若き研究者から トップへ
  トップページへもどる Please comment to : naora@nifty.com
         Copyright(C) ほねぶとネット All right reserved.
若き研究者から
若い人の米離れが進んでいると聞くことが多いのですが、さてその実情はどのようでしょうか。高校生による
食生活改善研究活動(主催:社団法人栄養改善普及会)― 平成13年度(第39回)「I&You食生活−包丁の先から
健康と食の文化をうみ育てよう」から、香川の高校生たちによる「米」を課題にした研究活動の概要を紹介します。
この研究活動は文部科学大臣賞を受賞しています。
Top-page
サイトの趣旨
食の専門家から
環境と食育
農林漁業と食
教育の現場から
家庭・地域から
スポーツの目から
心の視点から
ほねぶとメニュー
海外の食・子育て
若き研究者から
special
食育へのひとこと
FAQ
Webmaster
プロフィール
ほねぶとネット
応援団
リンク