聖地の中の聖地へ


朝食にたっぷりのイングリッシュブレックファストを食べて、いざヤマネコ島へ。
ヤマネコ島へはただそこに行くだけではなく、この旅行のアドバイスをもらった、旅はトラブルとらば〜ゆの管理人、かおるさん達の残したメッセージを探しに行くことも目的になっています。
そして、もし午前中で帰ってこれるなら、午後はカンチェンジュンガに登ってみよう、そう思いながら町へ向かいます。

まずはボートを借りるために、ボートセンターに向かいます。
ボートセンターに着くと、早く来すぎてまだ閉まっていました。でも、係りらしい人が、ボートの””を汲み出しています。
「ちょっと待っててくれ、すぐ行くから」と言われしばらく待ちます。待っている間に売店に行ってお昼ご飯のサンドイッチを購入、残念ながらジンジャエールが無かったので、代わりに瓶入りの炭酸飲料を購入。

しばらくすると事務所に戻ってきて、「ボートを借りたいのかい?」


ボートセンター

「はい、Peel Island(ヤマネコ島のモデルになった島)まで行きたいので、モーターボートを貸してください。」と言うと、係りの人の顔が曇ります。

「君一人かい?島には上陸したいの?」

それが目的で来ていると伝えると、さらに顔を曇らせます。

”島の周りは物語同様に浅瀬が多い。特に秘密の港に入るには、湖底を見張る人が居ないとスクリューを壊してしまう可能性が高いので、一人では貸せない”と言うのです。

それでは手こぎのボートはと言うと、片道3時間以上かかるし、帰りは向かい風でさらに大変、不測の事態に陥ったときも一人では対処できないだろうと。

かなり、真剣に止められてしまったため、一度はあきらめたのですが・・・。

車に戻ると、”私は何のためにここまで来たんだろう?”そんな思いが強くなっていました。
一方では、”必要以上に危険に足を突っ込まない勇気も船乗りには必要だってジョンのお父さんは言ってたっけ”と思ったり・・・。
結局、しばらく考えて、”かおるさん達のメッセージを見つけに行こう!”と航海に出かけることにしました。少しでも、身軽にするため荷物はデジカメと食料だけにします。

ボートセンターに戻り、手こぎボートを借りたいと告げると「本気か?無謀なことするね、勇気があるというか・・・。」とあきれ顔で言われてしみました。それにもめげず、ボートを1日貸しきりました。
「シグナルはあるか?」と聞かれ、「笛とかは持ってないんだけど・・・。」
(ランサマイト的に航海士の呼び子のようなものを想像)
「違う違う!携帯電話の電波(signal)だ」
あら(^_^;)



ところで、この後の会話で
「おまえさんどこから来たんだ?」
「日本から休暇で来ました」
「へ〜、ロンドンあたりの学校に通ってるのかと思った。いい英語を話すね(You speak good English)」
こちらに来て、地元の人と話すと言われるのが、最後のせりふです。
しかし、どう考えても片言でたどたどしく文法的におかしい英語なのに、社交辞令かな?
と思っていたのですが、ここでやっと分かりました。
Good Englishっていうのは訛りのない英語ってことなんだと。


気を取り直してライフジャケットを付けて、ボートのこぎ方と垢の汲み出し方を教えてもらいます。
「汗をかくから水やジュースを多めに持って行けよ」
と言われて売店でミネラルウオーターを追加購入。

そしていよいよ出発!

しかし、なかなかボートが思うように進んでくれません。よく考えるとボートに一人で乗るなんてほとんど初めての体験。ディックが初めてボートをこいだ時もこんなだっただろうか?と思ったり。
桟橋にぶつかりそうになって、まだ漕ぎ出して5分と経たないのに、こんなことで3時間先のヤマネコ島まで行けるのだろうかと心配に。
でも、引き返して”それ見たことか”と思われるのはいやです。
ともかく、ボートセンターのある、奥行きのあまりない入り江のような場所から、湖の中央付近へと出ていきます。オールがうまく扱えず、水を盛大にはねとばしながら・・・。
湖の中央はヤマネコ島のある南に向かって一定の風が吹いています。帆は張れないもののこれを利用して少しでも楽に下ろうという訳です。(ボート−センターの人に教えてもらった)

ドロシーなら”冒険家は不安を抱えながら、大海原へと船をこぎだした”とでも書くのでしょうか?
ジョン船長をして”湖は小さな海ほどに広い”と言わせただけあり、Coniston Waterは広い湖面を南北に広げ、北からの風がその上に波を起こしていました。

湖沼地方でボートとスターボートの姉妹がD兄弟にボートこぎを教えたシーンを思い出しながら、できるだけ腰と背中でオールを使うようにすると、何とか安定して進めるようになりました。しかし、漕いでも漕いでもヤマネコ島は近くなりません。額には汗が浮き出してきました。追い風を受けているので停船しないと無風状態です。
帆が張れたら、もっと楽に進めるのに・・・。
でも、ナンシーとペギーはAMAZON号を買ってもらうまでは、ボートでヤマネコ島に通ったのだから、まだまだひよっ子の私にはちょうど良いのかも。だいたい30分ぐらい漕いだところで休憩、売店で買ったミネラルウオーターがおいしい!

南の方から、轟音が聞こえてきました。見上げると南の空に排気煙が。瞬く間に音が大きくなり頭上をトーネード戦闘機が駆け抜けていきました。そして、ランサムが生きた頃から変わらないのではないだろうかという静寂が帰ってきます。
後から分かったことですが、Coniston Waterは戦闘機の低空飛行訓練に使われており、特に私の行った水曜日は飛行回数が多いのだそうです。島に行って帰るまでの間に合計5機のトーネードが頭上を通過していきました。


島に着いたら、秘密の港へボートを進めます。すでに先客のエンジン付きのゴムボートが停泊しています。
秘密の港の岩壁の上に持ち主とおぼしきご夫婦の姿。
「貴方のボートの隣に、私のボートを入れても良いですか?」と訪ねると、男の人が岩壁の上から降りてきました。
「いいよ!」と返事を返してくれたので、ボートを進めます。舳先が座礁するまでボートを進めると、男の人が舳先を持って引き上げてくれました。
お礼を言ってから、靴下を脱ぎ上陸しました。湖の水は冷たいですが、ボート漕ぎに疲れた体に心地よく感じられました。


秘密の港


改めて、ご夫婦のところにお礼を言いに行き、軽く話をしました。夫のデイビットさんは仕事をリタイアされてボランティアで湖畔のパトロールをされているとのだそうです。今日はお休みでご夫婦でピクニックに来られているとのことでした。
現役時代はロンドンでお仕事をされていたそうですが、リタイアしてからは故郷の湖水地方に戻られているそうです。
「私も、リタイアしたらこんなところに住みたいと思います。」と言うと、奥さんから「その前にいっぱい働かなくてはね。(笑)」と言われてしましいました。(^_^;)

ご夫婦と別れて、かおるさん達のメッセージを探しに上陸地へ向かいます。
しかし、上陸地はほとんど水没していて、メッセージの目印になる積み上がった石も見つけることが出来ません。雨期が終わったばかりなので、水は高水位線近くまであります。そのために、水の下になっているのではないかと、探し回りますが、そっれらしいものを見つけることは出来ませんでした。

島はナショナルトラストの管轄下にあり、メッセージなども見つかると処分されてしまうのかもしれません。webで仕入れた情報の中にはカンチェンジュンガの山頂ケルンからたくさんの日本語のメッセージが見つかった。と言う話もありました。


キャンプ地


キャンプ地


上陸地

仕方なく、周囲の写真を撮ってキャンプ地へと戻ります。
キャンプ地は思っていたよりずっと狭まく、頭の上を木に覆われています。
私のイメージではもっと開けた草地のイメージだったので、やはりここの島はモデルでしかないのかな、と思いながら島を歩き回ります。
でも、小学生くらいでこんなところでキャンプが出来たら本当に楽しいだろうな・・・。そんな島です。
お腹もすいてきたので、秘密の港の近くでサンドイッチと炭酸飲料の遅い昼ご飯。
島の周りには、鵜ではなく鴨がたくさん居ました。

時計は3時近くを指しています。戻るのに3時間、6時までにはボートを返さなくてはなりません。メッセージを見つけられなかったのは残念ですが。島を離れることにしました。ウオーカーの兄弟とアマゾン海賊達が夏休みの最後に島を離れるとき、”また来年!”と誓い合って分かれたのと違い。私は次にいつ来れるんだろうか?そんなことを思いながら、船をこぎ出します。
帰りは、風が向かい風になりなかなかボートが進みません。

向かい風でも帆が有ればツバメ号のように間切って進むことが出来るのに・・・。

そんなことを思いながらこぎ続けていると、岸の方からカラフルな帆を張った小さなヨットが次々と出てきました。現代のS&A達です。

その後も、ひたすらボートをこぎ続け、何とか6時前にボートセンターに戻ることが出来ました。
ボートセンターに着くと、出かけるときに引き留めてくれたスタッフが笑顔で迎えてくれました。
「やったじゃないか! これでおまえさんは、自分の子供に”この島に俺は行ったんだぞ!”って自慢できるんだ!」
そうか、ヤマネコ島に行って帰ってきたんだ、そんなことを再認識しながら岸に上がります。
岸に上がると、スタッフが握手をしてくれました。

車に戻ると時計はもう6時をまわっています。体の節々が痛い、それでもやはり島に行って来たという充実感がありました。

さて、カンチェンジュンガへの登山は諦めてしまったので、今日は夕食を食べがてら、ウインダミアに北極探しに向かうことにしました。車を走らせ、ウインダミアに向かいます。”北極”のある公園は、地図によると、ウインダミアのiのすぐ近く。iの駐車場に車を止めて、目的の公園へと歩いていきます。5分ほどで目的の公園に到着。”北極”がどこにあるのかは、目印になるものがないので、相当手間取るかもしれない、と思ったのですが、以外とあっけなく見つけることが出来ました。

写真を撮って、ベンチで休んでいると、日本人とおぼしき家族が北極の方へ歩いていきます。まさかランサマイト?と思ったのですが、プレートを見て首を傾げている様子・・・。たまたま見つけただけかな?

結局そのまま公園を離れて、駐車場の近くのパブで夕ご飯を摂りました。本日の夕食はキドニーパイ。

あまり苦もなく食べ切れるようになって、胃が大きくなってきたかも…。

お腹が満ち足りたところで、せっかく湖水地方に来たのだから・・・、とほかの湖を見にドライブに出かけることにしました。時計は7時近くなっていますが、まだまだ外は明るくてドライブには問題なさそう。

地図を見ながら北の方へ向かいます。曲がりくねった山道を抜けていくと、湖が広がります。
今回借りたベクトラのディーゼルターボは快調そのもの。ちょっとパワーが有りすぎて怖いぐらいです。こんなところをオープンカーで走ったら気持ちいいんだろうな・・・。


湖を2つほど周り、帰りはホークスヘッド経由でBankGroundへ。

本日もほかに泊まり客はない様子です。S&Aのビデオの残りを見て、”今日ここに行ったんだ”と再確認。ボートこぎで出来てしまった水ぶくれを消毒して眠ります。

次の日

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