私がランサムサーガを初めて読んだのは、小学校の6年生の時だったと思います。その当時、私にとって一番のお気に入りは、ジュールヴェルヌの”神秘の島”でした。この本はハードカバーの上下で1冊が500ページほどだったと思います。この作品を読むまでは、小さな家シリーズなど、1冊がそう分厚くない作品ばかりを読んでいました。
神秘の島を読み終えた私は、”もっと長い話を読んでやろうじゃないか”と思っていました。その時、目に付いたのが背表紙にヨットが描かれたランサムサーガでした。
私の地元の図書館は児童書コーナーが道に面していて、道からはランサムサーガのヨットがよく見えました。私にとって窓から見える12隻のヨットは小学校の入学前から通っていた図書館のトレードマークのような存在でした。1冊、1冊の分厚さに躊躇して手に取っていなかったその本に、私は挑戦することにしたのでした。
それまで読んでいた、ベルヌの作品は、スーパーマンのような科学者が登場し、その主人公は私にとってのあこがれの存在でしたがそれは遠く離れた存在でした。しかし、ランサムサーガの主人公は私とそう年の変わらない子供達、こんな等身大の冒険を私は今までに読んだことはありませんでした。それだけに、物語は新鮮で私の脳裏に深く印象を残しました。しかし、残念ながら、私の周りにはこういったたぐいの冒険をしようという人はなく、サーガの世界は一夏の”空想世界の”冒険へ私を連れだしただけだったのですが・・・。
サーガを読み終えた頃から、私の足は児童書のコーナーからだんだんと遠のいていきました。だんだんと大人の本のコーナーでドキュメンタリーを中心に読むようになり。小説からも遠くなっていきました。
大人になり、仕事を始め、ふと、また小説や物語を読もうと思った時、手に取ったのはランサムサーガでした。仕事からの気分転換だけでなく、この作品のどこかに自分の原点があるような気がするから・・・。