イギリスへの自称卒業旅行から帰った私は、研究室のパソコンで他人の書いたイギリス旅行記を読むことで旅の余韻に浸っていました。”イギリス 旅行記”をキーワードにあまたあるホームページを渡り歩いては、自分の行った場所を思い起こしたり、行けなかった場所を以前より多少身近に感じたりしていました。
そんな中で、私の中を衝撃が走りました。
”ツバメ号”と”湖水地方”
最初の旅では、全く眼中になかった湖水地方が、自分の大好きな”ツバメ号とアマゾン号”に始まる、ランサムサーガの舞台だと知ったのです。そのときまで、舞台はスコットランドだと私は思いこんでいたのです。最初で最後になるかも知れないイギリスへの長期旅行、ハリーポッターの舞台よりよほど訪れる価値があったであろう、この場所の存在を知ったのは、旅行から帰ったほんの3日後だったのです。このことに、深く深く後悔したことは言うまでもありません。いつか、何年先になってもチャンスが来たらここに行ってやろう、そう思いながら5000マイルの距離はいかんともしがたいと思うのでした。
春が来て私は社会人になりました。長期休暇は縁遠くなり、わずかながら増えた収入で国内に撮影旅行に出かけました。蒸気機関車を撮りに出かけては、イギリスだったら1日に何本も撮るチャンスがあるだろうに、と思ったり、イギリスの鉄道について改めて本を読んだり、私のイギリス熱は着実に上がっていったのでした。とは言え、イギリスは遠く、彼女すらいないのに新婚旅行ぐらいしかもう行くこともないのではないか、と思い始めた矢先、チャンスはやってきたのです。入社2年目に入った4月、元々が少ないとは言え労組報には”史上最高額のボーナス回答”の文字が踊っていました。そしてゴールデンウイークは9連休。
”今年行かなかったらいつ行くんだ!”頭の中にはそんな考えが・・・。
もし行くんだったら、ランサムだけじゃなくて保存鉄道にも行きたいよな・・・。欲張りな私。
そう思って保存鉄道の情報サイトを見て回っていると、前回訪れたNYMR(North Yorkshire Moors Railway)のホームページには、”4月29日からのバンクホリデーの週末にグレズリー生誕100周年の記念GALA”の文字、そしてそこには”Union
of South Africaがやってきます”の文字も。今世界に1台しかない走行可能なLNER
Class A4が走る姿を見られる、結局それが最後の一押しになって旅行に出ることを決めました。
そうとなれば早速調査開始です。湖水地方でどこへ行くのか?インターネットで情報をあさって、ヤマネコ島のモデルになった島があることを知りました。島への行き方を、ランサマイトのかおるさんの主催されるHP
の掲示板で質問したことから、かおるさんが島に残されたメッセージを見つけるという目的が加わりました。
連休の最後に予備日を入れることにして飛行機の遅延に備えます。8日間のうち3日は移動日に取られますから実質は5日。しかし、前回使った朝早くに到着の便はすでに満席、夕方着となるとロンドンで1泊しなくてはならず、帰りも列車の遅れを用心して、帰国便の出発前日にロンドン入りをするとなると、実質4日これでは2日間しか湖水地方にいられません。せっかくの旅行がそれでは・・・、そこから駄目社会人の歯車が回り始めました。
1日有休を取ればいいんじゃない?
でもそんな・・・、まあいっか。
ぎりぎりまで仕事なのに準備いつするの?
もう一日ぐらい有給取っても良いかな・・・。
結局、国際免許の手続きや撮影機材のメンテも入れて連休にさらに2日有給を繋ぐと言う暴挙に出て、29日早朝出発、7日夜帰着の日程を決め、宿の予約をすませたのでした。
今回の訪問地はGothlandとConistonの2カ所、GothlandはNorth Yorkshire Moor国立公園の中にあり、North Yorkshire Moors Railwayの駅もあります。
GothlandはNYMRの通町の中では比較的B&Bが多く、近くに条件のよい撮影地もあることから決定。前回はレンタカーで行きましたが、撮影になると一カ所にとどまっていることが多くなるため、今回はバスで行くことに。
Conitonはランサムサーガの舞台の一つ、作中の湖水地方の湖のモデルとなった湖とされるConiston Waterに面した小さな町です。湖水地方観光ではWindermereが有名ですが、今回もピーターラビットには目もくれず、こちらに向かうことにしました。