“書評”では中国史小説に関する情報および書評を掲載しております。
(書評内の採点や感想については個人の偏見が多分に含まれておりますので予めご理解ください。)

<中国歴史年代表>
時代 書評 年代 主要人物
三皇五帝 詳細 前約2700〜

前約2000〜前約1600 伊尹、癸

商(殷)

前約1600〜前約1050

成湯、箕子、

周(西周)

前約1600〜前約1050

姫昌、呂尚

春秋時代(東周)

前771〜前403

管仲、孫武、范蠡、伍子胥
戦国時代 前403〜前221 呉起、楽毅、田単、白起
秦・漢楚 前221〜前206 始皇帝、項羽、劉邦、張良、韓信
西漢(前漢) 前206〜8 劉徹、衛青、霍去病
8〜25 王莽
東漢(後漢) 25〜220 劉秀、ケ禹、班超
三国 220〜280 曹操、孫権、劉備
西晋 280〜316 王濬
東晋・十六国 317〜420 謝玄
南北朝 420〜589 韋叡、楊大眼、陳慶之

詳細

589〜618

楊広

618〜907

李世民、李靖、李勣、秦叔宝、尉遅敬徳

五代十国

907〜979

馬殷、銭弘佐、李U、王彦章、周徳威

北宋

960〜1127

趙匡胤、楊業、穆桂英、包拯、狄青、岳飛

916〜1125

耶律休哥

1115〜1234

宗弼

南宋

1127〜1279

孟キョウ、文天祥、張世傑、陸秀夫

1260〜1367

鉄木真、伯顔、忽必烈

詳細

1368〜1644

朱元璋、朱棣、鄭和、鄭成功

1644〜1911

奴児哈赤、玄Y、弘暦、林則徐、西太后

中華民国

1912〜1949

孫文

中華人民共和国

1949〜

毛沢東


<中国史小説以外>
書名 『陳舜臣中国ライブラリー』(別巻)
作者 陳舜臣/著
出版社 集英社
出版年 2001年
内容 初めてつくられた地図の年表化! 「こんな地図が欲しかった」と陳舜臣氏も喜びの声を上げた“中国理解
の絶対資料”。
書評者 斥奉
採点 内容(4)、信憑性(−)、人物描写(−)、風景描写(−)、総合評価(4)
感想 数少ない中国史に関する地図・年表・歴史遺産などの情報が盛り込まれており、参考資料として貴重だと思
います。中国の地名は改変が多いので全てを網羅できていませんが、そこは妥協するべきところだと思いま
す。

書名 『中国歴史の旅』(上:北京から西域へ下:上海から桂林へ
作者 陳舜臣/著
出版社 集英社
出版年 1997年
内容 上:広大な大地と悠久の歴史をもつ中国。あまりにも広大なゆえに風土も文化も一様ではなく、各地方はそ
  れぞれ独特の“顔”をもっている。人類発祥の謎を秘める周口店遺跡から近代史の生々しい痕跡を垣間
  みせる北京、そして万里の長城、古都洛陽、西安、シルクロードと、中国の過去と現在を綴る歴史紀行
  。
下:歴史上、つねに要害の地であった南京。水の都蘇州。中国近代史の中心上海。古くから文明が栄えた杭
  州。洞庭湖をはさむ湖南、湖北。国際貿易港として栄えた福建。山水の町桂林。中国の南の窓広州、バ
  ラエティに富んだ文明が重層して独特の文化を築いた中国の全体像を描く、歴史と旅の長篇紀行文。
書評者 斥奉
採点 内容(4)、信憑性(−)、人物描写(−)、風景描写(−)、総合評価(4)
感想 中国旅行に先駆けて基本的な知識を学んでおきたい方には必読だと思います。陳瞬臣氏の思考に触れること
も出来るので、中国史小説入門書としても評価できるのではないでしょうか。

書名 『中国武将列伝』(
作者 田中芳樹/著
出版社 中央公論新社
出版年 上:1999年、下:2000年
内容 上:悠久五千年の歴史を支えた、「名将」の条件とは何か―。中国歴史小説の若き旗手が、私的に選ぶ名将
  百人。知られざる英雄から、「史記」「三国志演義」でおなじみのヒーローまで。国を守り民に慕われ
  た英傑たちの武勲とともに、王朝の繁栄と凋落を、翻っては雄大な歴史の流れを俯瞰する。本巻では、
  群雄割拠の春秋戦国時代より世界帝国・唐の成立までの約1400年を収録。
下:歴史小説の使命とは魅力的な虚像をつくること―史実の表と裏に通ずる著者が語る、英傑たちの活劇と
  哀歓。無実の罪で獄死した国民的英雄、岳飛。文武兼備の妻と共に幾多の戦場を駈けた韓世忠。―花ひ
  らく長安の都・唐代から落日の紫禁城・清朝まで、武将達の列伝と共に中国史を、そして同時代のアジ
  ア、世界を斬る。
書評者 斥奉
採点 内容(5)、信憑性(5)、人物描写(−)、風景描写(−)、総合評価(5)
感想 三国志からの脱却を計るのに最適の作品だと思います。田中氏ならではの分かり易い文体で巧みに中国史の
各時代の醍醐味を紹介してくれてます。まさに、日本における中国史のバイブルだと思います。

書名 『中国帝王図』
作者 田中芳樹ほか/著
出版社 講談社
出版年 1998年
内容 中国の始祖・黄帝から最後の皇帝・宣統帝(溥儀(ふぎ))まで、歴史に燦然と輝く帝王たち。その勇姿を
描くのは華麗な中国王朝物で人気のマンガ家・皇名月(すめらぎなつき)。そして壮大な中国歴史小説を得
意とする人気作家・田中芳樹をはじめ、井上祐美子、狩野あざみ、赤坂好美、皇名月が覇者の歓喜と悲愴を
記す。愛蔵版歴史絵巻。
書評者 斥奉
採点 内容(3)、信憑性(−)、人物描写(−)、風景描写(−)、総合評価(3)
感想 中国史=皇帝という図式は特に認知しておくべきであると思うので、それを解かり易く解説してくれている
点で貴重な作品だと思います。挿絵も多彩で見応えも備わっているので初心者にも受け入れ易いのではない
でしょうか。


<中国史短編・共著小説など>
書名 『黄土の虹−チャイナ・ストーリーズ−』
作者 田中芳樹ほか/著
出版社 祥伝社
出版年 2000年
内容 悠久の大地に刻まれた、7つの物語。
森下翠「天鵝」:越が呉に敗れてから3年、越の名臣・范蠡の養女として育てられた2人の美女は、呉越の
        命運をかけた闘いに巻き込まれていく。
塚本史「趙姫」:秦末、項羽を倒した後の劉邦は北方の匈奴との闘いに苦しむ。防衛の拠点となった趙の
         女は訪れた劉邦の寵愛を受けるが…
狩野あざみ「鶏争」:民間に育ちながら、後に漢王となった劉病已の若き日の冒険。老人が手塩にかけて育
          てた闘鶏が、ならず者に奪われた。
田中芳樹「徽音殿の井戸」:南北朝時代の宋、皇太子・劉劭(りゅうしょう)は、父親である文亭を弑殺し
             ようと考えていた。王位をめぐる謀略と暗闘を描く。
森福都「香獣」:唐の都・長安の妓老の名妓と、科挙を受けるために上京した秀才との間に秘められた過去
        とは…
芦辺拓「北元大秘記」:遣明船の船長として日本から明国に渡った維明(これあきら)は政争に巻き込まれ
           て投獄される。彼が獄中で出会ったのは、"公子(わかさま)"と呼ばれる不思議な
           青年だった…
井上祐美子「玉面」:清朝雍正帝の時代,米の不作が続く中、貯め込んだ米の高騰を待って売り渋る商人の
          馮。妓女・湘蓮は、飢えに苦しむ人々のために一計を案じた。
書評者 斥奉
採点 内容(2)、信憑性(−)、人物描写(−)、風景描写(−)、総合評価(2)
感想 短編小説に対する抗体の無い私には内容薄に感じられました。ただし、中国史小説を読み込むには短編小説
は避けて通れないので、今後も受け入れていくべきですね。ちなみに、この短編小説の中では「鶏争」と
「北元大秘記」が私にとって印象深い作品でした。

書名 『非花(はなにあらず)』
作者 井上裕美子/著
出版社 中央公論社
出版年 1998年
内容 梅、菊、牡丹、薔薇。中国史から鮮やかに切り取った百花の譜。夫婦とは、立派な妻とは… 家柄や出世な
ど社会的な問題を絡ませながら男と女のさまざまな関係を、花になぞらえて物語る。
書評者 斥奉
採点 内容(4)、信憑性(−)、人物描写(4)、風景描写(2)、総合評価(4)
感想 短編小説にも関わらず全ての内容が史実や伝承に接点を持っており、一読の価値のある作品でした。また、
読み進めていくうちに表題に込められた意味にも気づかされるなど、読む楽しみも十二分に感じた。

書名 『沈黙の王』
作者 宮城谷昌光/著
出版社 文藝春秋
出版年 1992年
内容 文字をつくった王の話。黙せる王は、苦難のすえ万世に不滅の言葉を得る。森羅万象からひきだす象。すな
わち、文字である。
書評者 斥奉
採点 内容(−)、信憑性(−)、人物描写(4)、風景描写(2)、総合評価(4)
感想 内容を読み深めることが出来なかったため、再読の必要ありです。

書名 『玉人』
作者 宮城谷昌光/著
出版社 文藝春秋
出版年 1996年
内容 男が出会ったその女人は、滑らかな手触りの古の玉の燭台が乗り移ったかのような、物静かで穏やかで艶の
ある人妻だった。男はその女を強引に妻にするが… 人生の豊かさとはかなさ、男と女の艶やかさと不思議
さを描く短篇6篇。
書評者 斥奉
採点 内容(3)、信憑性(−)、人物描写(4)、風景描写(2)、総合評価(3)
感想 宮城谷作品には珍しい唐代や漢代を舞台にした作品も収録されており、新鮮な感覚で楽しむことができた。