| こちらでは日頃気になっていることを書いていこうと思っています。用語集と重なる話題も出てくるかもしれませんがご了承ください。 |
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最も基本的な糖としてブドウ糖と果糖があります。この2つの糖について考えてみましょう。 ブドウ糖 製造法:デンプンを酸あるいは酵素により、完全に加水分離し、精製、濃縮後、そのまま結晶化して含水結晶ブドウ糖、濃縮後、煎糖、分蜜して無水結晶ブドウ糖、濃縮後、造粒あるいは型入れ形成した精製ブドウ糖、濃縮したままの液状ブドウ糖を製造します。市販製品には無水結晶ブドウ糖、含水結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖及び液状ブドウ糖があり、結晶ブドウ糖及び精製ブドウ糖には日本農林規格が制定されています。 ブドウ糖は水溶液中ではごく一部が鎖状構造となっています。この構造の末端にはアルデヒド基が存在するため、ブドウ糖水溶液は還元性を示します。ブドウ糖はそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(メイラード反応)があり、ブドウ糖による修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じます。細胞内に入ったブドウ糖はすぐに解糖系により代謝分解されますが、インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のブドウ糖にさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症します。 果糖 製造法:現在日本では、デンプンより製造された異性化液糖や砂糖の転化糖液を原料としてつくられています。異性化液糖や転化糖液をイオン交換樹脂を用いたクロマト分離によりブドウ糖と果糖に分離します。この果糖の部分を濃縮、結晶化し、結晶果糖を取り出します。 ブドウ糖の異性体であり、化学式はブドウ糖と同じC6H12O6ですが、構造が異なります。ブドウ糖と同じく還元性があり、ブドウ糖よりも速くメイラード反応が始まります。α型とβ型があってβ型がα型よりよりおよそ3倍の甘味があり、加熱して50度を越えるとα型が増加し甘味度は著しく減少してショ糖の甘味度以下となります。 果糖が商業的に食品や飲料に使われる主な理由は、価格の安さと相対的に強い甘さです。果糖は天然に存在する糖の中では最も甘く、最大でショ糖の1.73倍甘いとされていますが、甘味度は温度による差が大きく、2~5℃では砂糖の1.3倍~1.5倍ですが、高温では砂糖の6割程度になります。 どちらの糖も果物などを中心に多くの食品に含まれています。果糖が主要な果物にはリンゴ、日本ナシ、ビワなどが、ブドウ糖が多い果物にはオオトウ、ウメなどが、ショ糖が多い果物には温州ミカン、バレンシア・オレンジ、グレープフルーツ、ナツミカン、カキ、モモ、スモモ、バナナ、パイナップルなどがあります。また、ブドウ糖と果糖がほぼ等量な果実にはブドウ、イチゴなどがあります。エネルギー源として重要ですが、吸収されやすいため血糖値が急激に上がることがあります。スポーツ時など糖分が欠乏しているときには良いのですが、通常の食事ではデンプン(ブドウ糖が鎖状につながった高分子化合物)など消化に時間のかかる糖質を中心に摂取することが健康には良いとされています。 |
食品に起きる化学変化の中で代表的なものにメイラード反応があります。どのような反応なのかまとめてみましょう。 お肉やホットケーキを焼くと茶色く変色します。この時、起きている反応がメイラード反応です。加熱によって変色する反応にはカラメル化もありますが、全く別の反応です。 メイラード反応とは、還元糖とアミノ化合物を加熱したときなどに見られる、褐色物質を生み出す反応のことです。(カラメル化は糖質単独での反応)アミノカルボニル反応の一種で、褐色物質を生成する代表的な非酵素的反応(酵素が関与しない反応)です。常温では反応に長い時間を要します(例:味噌や醤油の熟成)が加熱すると反応が早くなります。 メイラード反応が関与するものには次のような現象が挙げられます。 肉を焼くと褐変 メイラード反応によって生じる褐色色素のことをメラノイジンといいます。メラノイジンは酸素や窒素を含む、多様な高分子化合物からなる混合物です。メラノイジンは、それ自身がフリーラジカルですが、同時にラジカル・スカベンジャーとしての作用を持つため、食品の酸化を抑制する働きがあります。この作用には、メラノイジンが金属とキレートを生成して封じ込めることが関与しているとも言われています。例えば、トリプトファンとブドウ糖の反応によって生じる物質はビタミンE よりも強力な抗酸化能があることが判っています。 メイラード反応に伴って特有の香気成分も生成します。その香気は反応のもととなったアミノ酸や糖の種類、反応条件等により変化し、焦げ臭、カラメル臭、ナッツ様の臭気、パン様の臭気、チョコレート臭、時にカビ臭やスミレ様の臭気など、様々な香気を生成します。焼き上がりのパンや焼き肉の香ばしさはメイラード反応によるものです。 一方で、毒性にある物質が生成する場合があることも知られています。メイラード反応の過程でアスパラギンとブドウ糖が反応することによって、劇物扱いのアクリルアミドが生成されることがわかっています。 アクリルアミドは神経毒性や発癌性を持つ疑いがある化合物ですので、特にポテトチップスなどの高温加熱食品におけるメイラード反応でアクリルアミドが生じることが食品安全上の観点から問題視されています。 パンを焼くときに小麦粉に含まれるタンパク質や糖質によってメイラード反応が起き、焼き色がついたり香ばしい香りが出ます。料理などでは日常的にメイラード反応を利用していることがわかります。また、人間の体内にもアミノ酸と糖質が存在するため、メイラード反応が起こっています。こちらは体に悪い例があることが報告されていて、体内での反応はできれば抑えた方がいいようです。 |
よく似た組成を持つ甘味料として異性化糖と転化糖があります。どのような違いがあるのかまとめてみましょう。 異性化糖と転化糖はどちらもブドウ糖と果糖が主成分ですが原料や製造方法が異なります。 異性化糖は、トウモロコシやジャガイモ、あるいはサツマイモなどのデンプンを、酵素にて糖化させた後、含まれるブドウ糖の一部を別の酵素にて果糖に異性化させたものです。デンプンはブドウ糖が鎖のようにつながった構造を持つ高分子化合物で、酵素により加水分解することで単分子のブドウ糖になります。異性化糖製品は日本農林規格 (JAS) で以下のように制定されています。 ブドウ糖果糖液糖 異性化糖は粘性が少ないため取り扱いやすく、タンクローリーなどで大量に運送したり、タンクに保存・貯蔵したりすることが容易です。ただ、液状のため、固形化や粉末化するのが難しく、一般消費者向けにはほとんど販売されていません。砂糖より甘みが口中に残りにくく、低温下で甘味度を増すので、清涼飲料や冷菓などの原料として多く使われています。また、異性化糖は価格も安いことから、他に缶詰、パン、みりん風調味料などにもよく使われます。低温での利用に向いている半面で、熱に弱く、加熱すると着色してしまう欠点があります。 転化糖は、酸または酵素(インベルターゼ)によって、ショ糖を果糖およびブドウ糖に加水分解した甘味料です。 化学反応は以下の通りです。 C12H22O11 (ショ糖) + H2O (水) → C6H12O6 (ブドウ糖) + C6H12O6 (果糖) 同量のショ糖よりも甘いため、糖を転化させることによって砂糖の量を控えることができます。また、吸湿性があるため、菓子をしっとりとした状態に保つことができます。上白糖に転化糖が添加されているのは、甘味を強くすることと結晶化するのを防ぐためです。 家庭でなじみの深い転化糖の一つは蜂蜜です。蜜蜂によって花から採集された蜜は一般に糖度が40%未満のショ糖液ですが、巣に持ち帰られた後で水分の発散が行われ、糖度が80%前後に上げられます。そして、この時に蜜蜂の唾液に含まれる酵素が蜜に混入し、その作用によって蜜の中のショ糖がブドウ糖と果糖に分解されます。それ以外にも、ジャムを作るときには、果物に含まれている酸のためショ糖が加水分解されて自然に転化糖になっています。 一般に異性化糖は安価で工業的に生産されていますが、転化糖は原料がそれほど安価でないことから天然に存在するものを利用しているケースがほとんどです。蜂蜜などの例外を除くとどちらも一般には市販されていませんのであまり知られていませんが、身近な製品の原材料として広く使われています。 |
砂糖はもっとも身近な甘味料です。化学的にはどのような物質なのか考えてみましょう。 砂糖の主成分はスクロース(ショ糖)です。スクロースは、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が結合した糖で、二糖類の一種であり、化学式はC12H22O11です。スクロースは一般にはサトウキビや、サトウダイコン(テンサイ)から抽出し、純度を高め結晶化させます。原料としては他にソルガム(モロコシ)とサトウカエデがあります。ちなみにショ糖の結晶を大きく成長させると氷砂糖になります。日本国内で消費される砂糖のうち約36%が国産で、そのうち8割が北海道で栽培されるサトウダイコンを原料としています。(輸入されているものはサトウキビ由来が多い) 摂取したスクロースは、腸液に含まれる消化酵素「サッカラーゼ(インベルターゼ)」によりグルコースとフルクトースに加水分解され、小腸で吸収されて血流に入ります。 この反応は短時間で起こるため、血糖値を急激に上昇させます。 日本で砂糖と言った場合、通常は上白糖のことを指します。上白糖は、ショ糖を主成分とし、水分と転化糖(ブドウ糖と果糖の混合物)をそれぞれ1%程度含んだ結晶状の白い甘味料です。甘味料としての特徴は、結晶同士の固着を防ぐ目的で転化糖が含まれているため、グラニュー糖に比べ甘みが強くコクがあります。また、転化糖が含まれる影響でアミノ酸存在下での加熱時には、グラニュー糖に比較してメイラード反応が起きやすく焦げ色が着きやすくなります。焼き菓子に上白糖ではなくグラニュー糖が推奨される原因となっています。 グラニュー糖は世界で最も使用量の多い砂糖です。グラニュー糖は最高純度の糖液からつくられる無色結晶状の砂糖で、ショ糖純度が高く、転化糖をほとんど含まないため上白糖よりサラサラしています。また非常に溶けやすいため、コーヒーや紅茶に入れる甘味料としてよく使われます。このグラニュー糖に空気を含ませ顆粒状にすると、フロストシュガーになります。フロストシュガーはグラニュー糖より溶けやすいため、ヨーグルトのような半固体状の食品の甘味付けや、製菓材料に使用されます。 砂糖を約170°Cに加熱すると、カラメル(キャラメル)と呼ばれる褐色の物質に変化します。カラメルは食用となり、独特の香りを持ちます。カラメルはカスタードプディングなどに使用されます。カラメル化は、糖類が引き起こす酸化反応等により生じる現象で、カラメルが出来るメカニズムはまだ完全に解明されてはいませんが、グルコース、ショ糖などが加熱されることで生じるフラン化合物が重合して生じる、フラン・ポリマーの構造を取るのではないかという仮説が提唱されています。カラメル化と同様に加熱によって褐色色素が生じる反応には、他にメイラード反応がありますが、これはアミノ酸と還元糖の両者を必要とする反応で、カラメル化とは異なります。 |
原子炉の燃料として使われる核燃料の中身についてはあまり知られていないように思います。どのようなものなのか簡単にまとめてみましょう。 核燃料とは、核分裂や核融合などにより、原子核エネルギーを放出し、それにより原子炉などの動力システムを運転させる物質のことです。通常、核分裂連鎖体系をつくる燃料のことを言い、その物質にはウラン、プルトニウム及びトリウムがありますが、最も一般的なのはウランです。天然ウランには、非核分裂性のウラン238が約99.3%、核分裂性のウラン235が約0.7%の割合で含まれています。ウラン238とウラン235は化学的性質はほぼ同じですが、質量がわずかに違うため遠心分離などの方法で分離したり濃縮したりすることができます。ウラン235の割合をウラン濃縮によって人工的に高めたものを濃縮ウランといい、濃縮後のウラン235の割合を濃縮度といいます。 世界の原子力発電所で主流となっている軽水炉では、軽水(通常の水)が減速材と冷却材を兼ねています。軽水は核分裂の連鎖に必要な中性子を多く吸収するので、軽水炉で核分裂を継続させるには、濃縮度2%から5%程度の低濃縮ウランを燃料として使う必要があります。核分裂を起こさないウラン238は、中性子を捕捉することによってプルトニウム239に転換でき、これを核燃料として使用することができます。 実際に使われている核燃料は二酸化ウランを直径、高さとも約1センチメートル程の円柱形に焼き固めたセラミックスを、ジルコニウム合金製の燃料被覆管に封入してあります。これを燃料棒と言います。 使用済み核燃料は原子炉で使用された後の燃料棒のことです。ウラン・プルトニウムを大量に含む高レベル放射性廃棄物です。使用済み核燃料には大量の放射性物質が含まれていて、その危険性と処理の困難さのため、その処理が世界的な問題となっています。特に使用済み核燃料からウラン及びプルトニウムを抽出することで核兵器への転用も可能であるため、大量に貯蔵することは好ましくないとされています。 一般的には原子炉で使用された後、冷却するために原子力発電所内にある貯蔵プールで3年~5年ほど保管されます。その後、核燃料サイクルに用いるために再処理工場に輸送されて処理が行われるか、高レベル放射性廃棄物処理場での長期保管が行われます。 3%濃縮ウラン燃料を例にすると、 1t が燃える前の組成はウラン238が 970kg、ウラン235が 30kg ですが、燃焼後は、ウラン238が 950kg、ウラン235が 10kg、プルトニウム 10kg、生成物 30kg になります。(運転状況によって異なる)生成物というのがウランやプルトニウムが核分裂してできた物質です。これらの核分裂生成物の中にはクリプトン89、ストロンチウム89、90、イットリウム90、ジルコニウム95、ヨウ素131、キセノン133、135、セシウム137などの半減期が数時間から数日と短いものがあり、原子核崩壊により大量の熱を発生します。このため核分裂反応が停止したあとも数年間は常に冷却が必要となります。 |
原発事故から一年以上がたち、再稼働の是非が問われています。改めて原子力発電とはどのようなものなのか簡単にまとめておきましょう。 原子力とは原子核反応によって発生するエネルギーのことです。原子核反応は核分裂反応と核融合反応の2種類の反応に大別する事が出来ます。ただし、核融合反応の利用は実用段階にはなく、現在原子力エネルギーとして実用化されているのは核分裂反応のみです。そのため、単に原子力発電と言う場合は、核分裂反応時に発生するエネルギーを利用した発電を指します。 現在使われている原子力発電は、核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気で蒸気タービンを回す事で発電機を回して発電という仕組みになっています。火力発電の場合は石油や石炭、液化天然ガスといった化石燃料を燃やして熱を作り出して蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを回す事で発電機を回して発電を行ってますので、原子力発電と火力発電は、発生した蒸気でタービンを回し発電機で発電するという点で、同じ仕組みを利用していることになります。 核分裂反応とは、何らかの要因で中性子を捕捉した原子が2つないしそれ以上に分裂する事をいいます。ウラン235を例にとると、ウラン235が中性子(n)を一つ吸収して2つの原子に分裂し、2 - 3個の中性子が発生します。 235U + n → 236U → A + B + (2〜3)n A と B については一方が重く(質量数140程度)、一方は軽い(95程度)核になります。(例えばヨウ素139 とイットリウム95 や、バリウム141 とクリプトン92 など)この核分裂反応で発生した中性子は、他のウラン235に吸収され次々に核分裂反応が起こっていくことになります。この反応を核分裂連鎖反応と言い、原子炉では制御棒で一定量の中性子を吸収させることで連鎖反応が進みすぎないように制御しています。また、核分裂反応時は反応前の質量よりも反応後の質量の方が小さくなります。この質量差のほとんどが熱エネルギーへと変わり、原子力発電ではこの熱エネルギーを元に発電しています。 日本で商用稼動している原子力発電所は全て軽水炉と呼ばれる原子炉が使われています。軽水炉は、減速材に軽水(普通の水)を用いる原子炉のことです。水は安価で大量に入手でき、高速中性子の減速能力が大きく、冷却材を兼ねることも出来ます。しかし、中性子吸収量が大きいため、運転に必要な余剰反応度を確保するには、濃縮ウランを燃料とする必要があります。 軽水炉の場合、万一水が止まってしまうと、大量に発生し続ける崩壊熱を除去できなくなり、30分後には核燃料が溶けはじめてばらばらになり、2時間ほどで原子炉が損傷、破壊されるという構造上の不安定性をかかえています。(福島で起きた事故がこの例)運転中の原子炉だけでなく停止している原子炉でも核燃料が存在しているかぎり同様の事態が起きる可能性があります。どのような非常事態が起きても冷却を継続できるようにする備えが必要とされています。 |
ほとんどの道路の舗装にはアスファルトが使われています。アスファルトとはどのような物質なのか考えてみましょう。 アスファルトとは、原油中の潤滑油成分を取った残油で、黒色粘稠性の軟固体状物質のことです。加熱すれば柔らかくなり、さらに加熱すれば液状になります。もともとは天然に産出するものを指す言葉でしたが、現在では原油から製造する石油アスファルトを指します。アスファルトの約70%は道路の舗装用に用いられていますが、この他に燃料として用いられたり、防水材、防振材、防音材等にも利用されています。 石油アスファルトは、原油の蒸留により、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、重油等を分留して最後に得られる残油にあたります。従って、基本的にはそれら分留物と類似した構造の化合物で構成されており、「炭化水素」が主成分です。具体的には、パラフィン、ナフテン、芳香族炭化水素からなり、数パーセント程度の酸素、窒素、硫黄を含む有機化合物と、さらに1パーセント以下の鉄、ニッケル、バナジウム等の有機金属化合物とで構成されています。 製造工程では、まず、原油から常庄蒸留装置でLPG、ナフサ・ガソリン、灯油、軽油、など比較的低沸点の留分を流出させ塔低部から常圧残油を得ます。常圧残油は約400℃程度に加熱された後、数mmHg~十数mmHgに減圧された減圧蒸留装置に送られ、さらに蒸留します。減圧蒸留装置では減圧軽油や潤滑油留分を採取した後、減圧残油としてストレートアスファルトが製造されます。 アスファルトは特性によってストレートアスファルトおよびブローンアスファルトに分けられます。ストレートアスファルトは主に舗装道路用に、ブローンアスファルトは防水工事などに用いられています。 ストレート・アスファルト ブローン・アスファルト アスファルトを加熱溶融する際には、煙と独特の臭い(いわゆるアスファルト臭)が発生します。この臭いはアスファルト中に微量に含まれている硫黄化合物、窒素化合物、芳香族炭化水素化合物等が加熱により分解反応で生ずる比較的に低分子気体の複合臭です。これらの煙や臭いの成分中には、硫化水素や一酸化炭素等の有害物質として指定されているものも含まれており、吸い込まないように注意が必要です。また、製造法からわかるようにアスファルトは化学合成などをしていない天然物です。天然か合成かで危険性を論ずることに意味がない実例の一つと考えていいでしょう。 |
抗生物質とは、微生物が産生し、ほかの微生物の増殖を抑制する物質の総称です。どのような種類があるのか簡単にまとめてみましょう。 抗生物質の歴史はアレクサンダー・フレミングが1929年にアオカビから細菌を死滅させる物質としてペニシリンを発見したことから始まります。その後、細菌以外の感染症が多く知られるようになり、抗ウイルス薬や抗真菌薬が開発され、また天然物を化学的に修飾して改良したり、天然ではなく人工合成の抗菌薬も開発されていきました。 抗生物質には微生物の産生物に由来する抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗がん剤がありますが、使用されている抗生物質のほとんどは細菌を死滅させる抗菌薬です。そのため単に抗生物質と言った場合、抗菌薬のことを指すのが一般的です。抗菌薬は作用の違いで以下の5種類に分けられてます。 細胞壁合成阻害薬 タンパク合成阻害薬 DNA合成阻害薬 葉酸合成阻害薬 細胞膜透過性障害 抗生物質は病原性を示していない細菌にも作用するため、多量に使用すると体内の常在菌のバランスを崩してしまう場合があります。それにより常在菌が極端に減少すると、他の細菌やカビなどが爆発的に繁殖し、病原性を示す場合もあります。さらに、生き残った菌が耐性化する耐性菌の出現も問題となっていて、使用は慎重に判断するべきでしょう。 |
近年、インフルエンザなどのウイルス対策として、二酸化塩素が注目されています。どのような物質なのか簡単にまとめてみましょう。 二酸化塩素は分子式 ClO2 、常温、常圧では塩素やオゾンのような刺激臭のある橙色の空気より重い気体です。亜塩素酸塩に酸を作用させると得られ、強い酸化力を持っていますが、光や熱に対しては不安定で、塩素と酸素に分解します。塩素原子上に不対電子をもつラジカルであり、反応性が高い物質です。眼、皮膚、気道を重度に刺激し、吸入すると、肺水腫を引き起こすことがあります。 殺菌作用があり、消臭・消毒などに使われます。また、パルプを製造するときや繊維の漂白(昔は塩素ガスが使われていた)に用いられています。食品添加物としては小麦粉の漂白に使用されることがあります。(分解しやすいため最終製品中には残らない) 二酸化塩素による部屋等の除菌をうたった商品が多く出回っていて、ゲル状などの部屋に置いておくタイプが特に普及しています。これらの商品については、国民生活センターから注意を喚起する情報(2010年11月)が発表されています。要約すると以下の通りです。 主なテスト結果 消費者へのアドバイス 同時に行われた聞き取り調査によると、ほとんどの事業者が実際に使用した際の安全性を確認しておらず、また、塩素系ガスの放散が比較的多かった銘柄では、使用者からの健康被害等の報告を受けているところがあったとのことです。 これらのことから、二酸化塩素の放散量が少ない商品では除菌効果が期待できず、放散量の多い商品では健康被害が出ているということになります。塩素系殺菌剤の一種ですので使用する場合には換気をするなど十分な注意が必要です。 |
発泡スチロールはありふれた物質ですが、用途によって製造法が異なります。簡単にまとめてみましょう。 発泡スチロールはポリスチレン(PS)を微細な泡で発泡させ硬化させた素材のことです。ポリスチレンはスチレンを重合させた高分子化合物で、熱可塑性樹脂で安価である事から日用品やプラモデルの素材として広く用いられています。テルペン油・エゴマ油・シソ油など一部の食用油、リモネン(柑橘類に含まれる)、ベンジン、シンナーなどに溶けます。 発泡スチロールの製法には、ビーズ法発泡スチロール (EPS)、ポリスチレンペーパー (PSP)、押出ポリスチレン (XPS)の3種類あり、化学的にはほぼ同じですが形状や気泡の特性が違うため、用途も異なります。 ビーズ法発泡スチロール (EPS) ポリスチレンペーパー (PSP) 押出ポリスチレン (XPS) 発泡スチロールは壊したり熱で溶かしたりすると泡内のブタンやペンタンが外気に放出され、これらに含まれる不純物により、俗に「発泡スチロール臭い」といわれる独特の臭気がします。毒性はほとんどないとされていますが、健康な方でも食欲がなくなったり、気持ち悪くなる場合がありますので、吸い込まないように注意した方が良いでしょう。 |
スプレー式消臭剤としてファブリーズとリセッシュが有名です。この2つの消臭剤についてまとめてみましょう。 ファブリーズは、P&G が世界各国で発売している消臭剤です。洗濯機で頻繁に洗えないカーテン等の布製品に噴きつけ、消臭できるスプレー型製品として、日本では布製品用の消臭スプレーから始まりましたが、その後室内用の置くタイプの製品、トイレ用製品、ペット用製品など、様々な種類が発売されています。 ファブリーズの成分 トウモロコシ由来消臭成分はシクロデキストリンです。シクロデキストリンは数分子のD-グルコースが α(1→4) グルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種です。環状構造の内部は他の比較的小さな分子を包接できる程度の大きさの空孔となっていて、その部分がにおい物質を取り込むことで消臭効果をあらわします。また、除菌成分としては第四級アンモニウム塩が使われています。第四級アンモニウム塩には塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどがあり、抗菌性を持つことから防腐剤として広く使われています。 リセッシュは、花王が発売している消臭剤です。ファブリーズの競合製品で置くタイプも販売されています。全製品に緑茶成分が含まれています。 リセッシュの成分 両性界面活性剤は pH によって親水基の部分がプラスに帯電したり、マイナスに帯電したりする界面活性剤のことです。親水基としてカルボン酸構造(アニオン部分)や第4級アンモニウム(カチオン部分)を持つものが多く、シャンプー・洗顔料・工業用洗剤・化粧品等に使われています。中和反応によりにおい物質を無臭化する作用が期待されます。緑茶エキスはリセッシュブランドのすべてに使われていて、ファブリーズの中にも使っている製品があります。エタノールは濃度が高ければ強い殺菌力を持ちますが、リセッシュの場合配合されている量が少なく(香料より少ない)殺菌効果は期待できません。(別の目的で使われていると思われる) リセッシュに使われている除菌剤の物質名は調べてもわかりませんでした。これらの製品は医薬部外品ではないため表示に物質名まで記載する義務がありません。また、消臭剤であるにもかかわらず、どちらの製品も香料が使われています。(置くタイプの中には無香料のものもあるが) スプレー式消臭剤はその使用法からスプレーしたあと拭き取ることはありませんので、揮発性でない成分が使われていればその場に残ることになります。CS 患者さんはもちろんのこと、健康な方でもあまり多用しない方が良いのではないでしょうか。 |
コンタクトレンズは目に直接装着するため、十分なケアが必要になります。その方法について簡単にまとめてみましょう。 材質が異なることもあって、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズでケアの方法が違っています。 ハードコンタクトレンズのケアには洗浄・保存・すすぎ・タンパク除去が必要となり、ソフトコンタクトレンズのケアに必要な消毒は不要です。ハードコンタクトレンズ用の洗浄保存液の主成分はタンパク分解酵素、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤などです。洗浄保存液をレンズにつけ、指先で十分にこすり洗いしてから水道水でよくすすぎます。すすいだ後は洗浄保存液を9分目まで入れたレンズケースにレンズを収納します。 ソフトコンタクトレンズのケアには、洗浄・すすぎ・消毒・保存の4つの作業が必要です。(使い捨てタイプ以外のレンズは、目からレンズを外すたびにケアが必要)ソフトコンタクトレンズは水を含んでいるため細菌が繁殖しやすく、消毒が必ず必要です。消毒の方法として以前は煮沸消毒が主流でしたが、近年、コールド消毒といわれ、熱を加えずに薬品で消毒する「過酸化水素」や「マルチパーパスソリューション」による消毒が主になってきています。 過酸化水素によるケア マルチパーパスソリューション(ワンボトルタイプ)によるケア ハードコンタクトレンズは水分を含んでいないこともあって水道水ですすぐことができるのですが、ソフトコンタクトレンズは水分を含んでおり、水道水に浸けると浸透圧の関係で水分を吸収して変形することがあります。必ず専用の保存液を使いましょう。 |