持ち運べるモニタ付きビデオ
パソコンをコンセプトに
ベアボーンベースで作る

●ALL in WONDER(ATI製ビデオカード)を使ってビデオパソコンを作りたい
私が1年くらい前に自作機を2台ほど(アスロン900MHzの3D系お仕事専用機とRAID入りでHDDを6台内蔵したファイルサーバー)組み上げた頃のことである。
DOS/V POWER REPORT(パソコン雑誌)の付録で古いパソコンをパワーアップする特集の小冊子(これは結構面白かった)の中に薄型ベアボーンにALL-IN-WONDERを組み込んでビデオパソコンとして蘇らせる記事を読んだ。ALL-IN-WONDER(当時RAGE128版、現在はALL-IN-WONDER RADEON版となっている)というのは一枚でMPEGでのキャプチャーはもちろん、TVチューナーがついて予約までできるというビデオ機能が全部詰まったコストパフォーマンス抜群のビデオカードで、ちょうど自作の面白さに目覚めはじめた私はこのカードを使って小型ベアボーンと組んだ自分風味のビデオパソコンが作りたいという衝動にかられてしまったのである。(私は機能てんこ盛り系のカードやマザーボード、個性的なパーツに非常に弱く、こういった製品の情報を読んでしまうと無性にそれらを使った変なパソコンを作りたくなってしまうのである。)

<写真1>
●Assist2000Eの箱に印刷してある製品の紹介。初心者向けとしてもなかなか好感が持てる。いまでもWinPCで紹介されたりあちこちの店で在庫を見かけるので結構なベストセラーなのではあるまいか。
●秋葉原でALL-IN-WONDERとAssist2000Eを購入
そんなわけで秋葉原へ行き、ALL-IN-WONDERを探してたどりついたのがコムサテライト3号店。バルク品がたくさんあったのでそれを購入。当時はバルクでも結構高かったような気がする。今でもまだ見かける128版は1万円ちょいと激安で、しかもようやくW2K用のドライバも公開されたので、あまり3Dにこだわらなければ相性がきついと言われるRADION版よりある意味お勧めかも。で、ちょうどベアボーンが4種類ほど展示されており、その中ではちょっと大きめだが拡張性の高さでは群を抜くAssist2000Eを筐体として購入したのであった。しかし、このケースが後に普通の人にはおよそ無関係の方向ではあるが私の理想のパソコンにたどり着くために大変便利な構造になっていようとはこのとき夢にも思ってもいなかったのである。(この時点ではまだとりあえず普通のベアボーンを組もうくらいにしか考えていなかった。)CPUは一応ビデオ編集に最低限必要なパワーを持ち、値段もまあまあだったセレロンの766MHz(FC-PGA)リテール品を購入。

<写真2>
●半月板をはずすとそこには3つの穴が!ケーブルも通せるぞぉ!

<写真3>
●カシオの液晶TV「EV-4000」
●おおっ、この穴は!
というわけで早速帰ってCPUやらHDDやらメモリやらを取り付けていると、はずした天板(側板も一体だが・・)の上についている半月状のプラスチックの飾りが妙に気になってきた。もともと私はパソコンの上に物を置く事が多いので、ただデザインのために丸くなっていたり飾りのあるような天井のパソコンは嫌いなのである。最近のマックのデスクトップのような著しく上に物を置くスペースが少ないものに至っては言語道断である。それはともかく、何の気なしにそのプラスチックでできた半月板を引っこ抜いてみた。するとそこには半月板固定用の三つの穴が空いており、ぼんやり眺めているうちに、突如頭の上で豆電球が激しく点滅したのであった。

「そうだ、この穴を利用して液晶モニタを固定しよう!」

もともと無駄物買いの銭失いな私は以前買ったカシオ製4インチ液晶TV「EV-4000」を持っていたのだが、ほとんど使っていなかった。(結構高い。今でも売っているのを見かけるが、高い。)小型液晶TVの中で画面が結構大きく、外部ビデオ・音声入力端子が付いている優れものなのだが、電池駆動ではなく家庭電源や車内電源での使用を前提としているのであまり使わなかったのかもしれない。いずれにしろ、今回のマシンの製作動機ともなったALL-IN-WONDERは非常に都合の良いことにビデオ出力にコンポジットの端子も備えているので小型液晶TVにピン→ミニプラグ変換ケーブル経由でそのまま映像が出せる(はずな)のである。

さらに、液晶モニタが付いていれば比較的小振りな本体だけどこかに持って行ってそこでも簡単にキャプチャやTV録画ができるではないかっ!と思い切り意気が上がる。このパソコンのコンセプトは決まった。そう、「持ち運べるモニタつきパソコン」だ。持ち運ぶためにはいくら小型のベアボーンとは言え、それなりに重量もあるので持ち運ぶための取っ手をつけるとか、ストラップベルトとかで肩から下げられるほうが楽だ。そのあたりをなんとかうまいこと考えてみよう。

<写真4>
●「EV-4000」の台座の裏側の様子

<写真5>
●「EV-4000」とケーブルの取り付けを下から見た図

<写真6>
●これが噂のパソコン用電圧変換基盤。私のような電気音痴にとって非常に危険なアイテムと言えよう。
●液晶TVの取り付け
液晶TVの下にはがっちりとした台座がついており、これはTV部本体と分離できる。さらに側面についているつまみでネジを緩めることで上下に首振りができるようになっており、今回のようにパソコンの天板に固定するには願ったり適ったりの仕様である。台座には長い金属の板がネジで固定されているのだが、それははずしておく。台座の底にその板のネジ穴があるので、最初はそこにパソコン側の穴と重ねてみたが、さすがに世の中そううまくは行かない。ネジ穴の間隔が合わないので、真中の穴では木ネジを使い、無理やり台座に穴をあけて固定することにした。幸いというか、台座の底は金属ではなく、セルロイド系のもののようで、簡単に穴があく。台座は中空なのであまりつけたりはずしたりするとネジ穴が広がってしまう恐れがあるが、台座自体は一度固定すればもうはずす必要は無いし、左右に首振りはできなくなるが、もう一箇所(向かって右)のネジ穴も使えば特に問題なさそうである。

ポイントは<写真4>や<写真5>にあるように天板の向かって左の穴である。まるでここに「お願い、卵を返してください」・・・ではなく、「お願い、ここに電源と映像・音声ケーブルを通してください」と言わんばかりの位置に空いている。据え膳食わぬは男の恥なのである。(←ちょっと違う)ケーブル自体は一度適当な長さでちょん切って穴を通したあと、それぞれ黒いビニールテープを厚めに巻いて絶縁した。結局<写真5>のように目出度くセッティングが完了。右の穴には何かの時に間単にはずせるようにドライバーいらずのダンガンという名前で売っていた手巻きのネジを使っている。

つぎにもうひとつ重要なポイントとして、電源がある。液晶TVにももちろん専用の電源アダプターが付いているのでそれを使っても良いのだが、重たいアダプタを移動の際に持ち歩くの面倒だし、忘れることだってあるだろう。

ここはパソコンの電源から液晶TVに直接電源を供給したい。そこで、こんなこともあろうかと((C)真田さん)前もって買っておいた波動カートリッジ弾級の秘密兵器、パソコン用電圧の変換基盤の登場である。<写真6>
これを使うとパソコンの電源から色々なDC入力の機器を利用することができる。写真には映っていないが、専用の変換ケーブルが付属しており、頭のプラグを差し替えていろいろな大きさのDCコネクタに対応する。電圧は写真に見えるディップスイッチで設定する。たしか2000円くらいで秋葉原のパソコンハウス東映で買ったものだと思う。(記憶違いならすみません。)

ただし、くれぐれも自己責任で使う必要がある。電圧や位相を正しく設定しても機器によってはこの基盤から電流を通しただけで一発でお釈迦になる可能性がある。(実際設定を確認して電池駆動型の昔の安い液晶TVに接続したが妙に明るい画面だなと思う間もなくご臨終になってしまった。(泣))今回のEV-4000については6Vの設定できちんと動いてくれており、画面の明るさもまったく正常である。(←怖いもの知らず)
これで別なコンセントも必要なくなり、何より大変嬉しいことにTV側の電源スイッチを入れっぱなしにしておけばパソコンのパワースイッチを入れると連動して電源が入り、画面が映り音が鳴るというベリーグーな状況になったのである。これで殿もご満悦。

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