自己破産宣告



  サラ金(クレサラ)被害の実例

     ●Aさんの場合

何某工場勤務をしているAさん。
Aさんは特殊技術を持っており、Aさんに代わる人材はその工場にはいません。
この工場へきて、今年の春で2年になろうとしています。
その職場に今日の昼休み、Aさんを訪ねて一人の男が工場の事務室へやってきました。

事務員さんが、Aさんを呼びに工場へやってきました。「Aさん、お客様が…。」
Aさんは、ハットとしました。「ここにも来たか。」
Aさんを尋ねてきたのは、いわゆるサラ金屋の取り立てだったのです。
その男はAさんを見つけるなり、「何時まで待たせるんだ。逃げられると思っているのか。とにかく金を返せ。」と凄い剣幕でまくしたてました。
返す言葉のないAさんは、謝ることしかできません。
この様な生活は2年前から続き、精神的にもかなりの苦痛が見て取れます。
確かに、「借りたものは返す」。これは当然の社会ルールです。
しかしAさんの場合の経緯はこうです。
丁度2年前、以前務めていた会社が倒産し、職を失ったAさんは、酒を求めて毎晩のようにフラリ居酒屋へ行くようになりました。
そこで偶然Bさんという男と知り合い、そのBさんも最近会社を解雇されたらしく意気投合したのでした。
二人は毎日その居酒屋で会い、閉店までお互い酒を酌み交わし、語りあいました。
出会ってから数週間後のこと、Bさんは「私の友人で今、非常に困っている人がいる。世話になりっぱなしだったので、ここで恩を返さなくては男ではなくなる。」とAさんに相談しました。
Aさんは元来からの職人気質であり、人情事には弱いほうで「どうすればその人を助けれるんだい。」と応えると、Bさんは「その友人にあと20万円あれば、何とか事業の穴埋めができるそうなんだ。そこで、その20万円を何とか都合してもらえないだろうか?現金がないんだったら、名前だけ貸してはもらえないだろうか?迷惑は絶対かけない。その友人に借用書も書かせるし、なんだったら、私がその借金の保証人にもなる。」こうまで言われたらAさんも「20万円で人助けができるなら…。」と名義を貸すことを許してしまったのです。
それから翌月のこと、Bさんは「Aさん、有難う。友人の会社も潰れずにすんだよ。その友人も大変感謝していた。20万円は全て返済したから、何の問題もないよ。」と言い残し、それ以来さっぱり姿を見かけなくなりました。
それから暫くして、○○金融と名乗る男から電話があり「Aさん、20万円に利子つけて締めて40万円今すぐ返済してくれ。」と電話口で言われました。
「返済は終わっているはずだ。」といってはみたものの、後日Aさんの名前の記載された借用書を見せつけられ、愕然としてしまった。
「申し訳ない。今、そんな大金はない…。」と言うと男は、「うちは金利が高いから、金利の低いところで借入れて、うちに返済すればいいだろう。」と言ったのだが当時Aさんは無職のため、お金を貸してくれるところはなく、また違う街金で借りてくるしかなかったのである。
またその街金でも金利が膨らむようになり、就職をして返済しようと小さな工場に勤め始めたのだが、いくら技術者とはいえ返済を賄えるほどの収入はなく、金利分でも返そうと、あちらこちらから、5万円、10万円と借りてきて、完全な自転車操業になってしまった。
最初の20万円を自分で使ったわけでもなく、その後の借金も金利のために借りたものであり、安易に名義をかしたツケとしては、あまりにも代償が大きなものになってしまった。



消費者金融絶好調ー破産件数史上最悪

全国の消費者破産件数は、いわゆる昭和57年の第1次サラ金パニック時で21000件、さらにバブル崩壊に伴い、平成4年には43000件を突破し、しばらくの間4万件台という当時としては非常に高い水準で推移した。
ところが一昨年の平成11年は、12万2741件と史上最悪の破産件数を更新し、事態は加速度を持って悪化の一途をたどっているます。

一方で破産が増加し、一方で貸し手であるサラ金の利益が増大しているには、理由がある。
その1は高金利である。この超低金利の時代にサラ金各社は、相変わらず25%近い金利を取り、しかも自分たちが銀行等で借りるには極めて安い金利で借りているのであるから、その利ざやが莫大な額になっている。さらに最近は、ノンバンク社債発行法の制定に伴い、市場から直接、金融を受ける道も開かれ、さらなる低利な資金調達も可能となってきている。その2は過剰融資である。サラ金は貸せれば貸せるほど儲かる仕組みとなっているため、 誰かまわず限度額いっぱいまで融資をし、返済が滞りそうになると態度を豹変さ せ、他のサラ金から融資を受けさせ返済資金を捻出させる。またさらには無人契約機なるものを設置し、過剰融資に益々拍車をかけている。



サラ金は日本の金融制度の不健全さの象徴

 サラ金というのは、元々利息制限法で規定された法定利息以上の金利をとっている。この金利は、私法上無効な金利なのである。したがって裁判上は、原則として利息制限法に引き直した金利しか請求できません。
なぜこのようなことが可能かというと、出資法という法律があって、ある一定の金利(現在は29・2%)を越える金利を取った場合は、罰則規定に触れ、懲役以下の刑に処せられる旨規定してあるが、利息制限法以上であっても、出資法の金利を超えなければ、何の罪にも問われないという、いわゆるグレーゾーン が存在するからである。サラ金は皆このグレーゾーンで経営をしているのであります。
法律上無効な高利で商売している会社は、決して優良企業ではない。 そのような存在であるサラ金が株式を公開し、テレビ・雑誌・新聞等のマスコミを利用し、健全な優良企業のごとく宣伝し、サラ金という負のイメージを払拭し、さらには役員が、日本を代表する企業・官僚の天下り先となり、またこれらサラ金の株主が同じく日本を代表する大手金融機関、大手生保、大手損保である現実は、日本の金融制度の不健全さを如実に物語るものです。

また、年間自殺者の数が3万人を超え、そのかなりの数の方が借金苦によるものとも言われています。
さらにその大多数が、相談するところも分からず、誰に打ち明けるわけでもなく、命を絶っているのが現状です。


すべての被害者の救済を

 いわゆる破産予備軍と呼ばれる多重債務者は全国に200万人いるといわれる。彼らはサラ金等の利益追求の犠牲となった被害者である。
彼らが今クレ・サラ地獄の中で、塗炭の苦しみを味わい、人間としての尊厳も失うほど追いつめられながら、それでも律儀に支払を続けている一方、クレ・サラ業者は益々太り、高笑いをしているのであるます。
私は多重債務者及びその親族の方、消費者問題を扱っている方々そして法律に携わっている方々が、一日も早く被害者救済に立ち上がり、一人でも多くの被害者の方々が、人間らしく生きる権利を取り戻し、普通の笑顔に立ち戻っていく姿を見ることのできるよう微力ながら努力しているわけです。

 世間一般でいわれているような、「若者が、クレジットカードを濫用して、ブランド物や車等を買い漁っているからだ。そんな者を助ける必要はない。」などの声が聞こえてきそうですが、そのような人は、まず「まれ」であり、ほとんどの方は、突然の病気、交通事故による就業不能、倒産、リストラ、経営不振、他人の保証人となったこと、出産、住宅ローンのゆとり返済等であり、助けるに値する事情がそれぞれあるのが、現実です。



自己破産の申立には「破産原因」が存在する事が必要です。

個人の破産原因は「支払不能」であることとされています。
支払不能か否かは、債務者の財産・職業・給料・信用・年齢等により総合的に判断するため一概に基準を設けることはできませんが、概ね負債総額が月給の20倍あれば破産の申立を考えた方がいいでしょう。
 また、破産の申立をすることにより、債権者からの厳しい取り立て行為から開放されるので、毎日の執拗な催促電話等の悩みが解消されます。
それだけでも随分気が安らぐでしょう。

破産者が破産宣告の後に得た収入、財産は原則として破産者が自由に使う事ができます。
また、破産宣告を受けても戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の進学や就職等には影響しないし、選挙権・被選挙権などの公民権も停止されることはありません。
しかし、本籍地の役所にある破産者名簿に記載されることになりますが、この名簿は第三者が閲覧できるものではなく、免責が確定することによに復権を得ればこの名簿から氏名が抹消されます。
また、5年〜7年位は銀行や金融業者から融資をうけることはできなくなります。
さらに免責決定後7年間は再度免責を受けることができませんので、自己管理を徹底して行なうという気持ちが大切になります。


◆免責不許可事由

 免責の申立は、破産宣告・同時廃止決定確定(官報公告より2週間)後、1ヶ月以内にしなければならない、と規程されているが、千葉地裁の場合は、破産審尋期日に免責の申立書を提出する取り扱いとなっている。(同時廃止の場合)
 多重債務者の本来の目的は、破産宣告にあるのではなく、この免責決定を得て、負債を支払わなくてもよい法的状態をつくり、債務者の精神的・経済的更生を図ることが趣旨であるため、不許可事由の検討は、早い段階から検討されるべきである。
破産法によれば
 @ 債権者を害する目的で,破産財団に属し,又は属すべき財産の隠匿,損壊,債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をした
 A 破産手続の開始を遅延させる目的で,著しく不利益な条件で債務を負担し,又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分した
 B 特定の債権者に対する債務について,当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で,担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって,債務者の義務に属せず,又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをした
 C 浪費または賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり、または過大な債務を負担した
 D 破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に,破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら,当該事実がないと信じさせるため,詐術を用いて信用取引により財産を取得した
 E 業務及び財産の状況に関する帳簿,書類その他の物件を隠滅し,偽造し,又は変造した
 F 虚偽の債権者一覧表を提出した
 G 破産手続において裁判所が行う調査において,説明を拒み,又は虚偽の説明をした
 H 不正の手段により,破産管財人,保全管理人,破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した
 I 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において,それぞれイからハまでに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあった
  イ 免責許可の決定が確定した
  ・・・当該免責許可の決定の確定の日
  ロ 給与所得者等再生手続における再生計画が遂行された
  ・・・当該再生計画認可の決定の確定の日
  ハ ハードシップ免責の決定が確定した
  ・・・当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
 J 破産者が破産法に規定する義務に違反した

これらに該当する方でも、その部分に限って一部配当をさせ、それを履行すれば免責決定がでるというような運用も裁判所はしているので、一概に不許可になるとは言えません。(裁判所により運用が若干異なる)

   
免責不許可事由についての判例


◆資格制限について

弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、弁理士、公証人、不動産鑑定士、土地家屋調査士、社会保険労務士、宅地建物取引業、証券会社外務員、生命保険募集員、損害保険代理店、質屋、警備員、建設業、廃棄物処理業者、調教師及び騎手、割賦購入あっせん業、貸金業、卸売業者、通関士、地質調査業者、下水道処理施設維持管理業者、共同鉱業権者、補償コンサルタント、旅行業務取扱主任者、国際観光レストラン、塩販売人、商品取引所会員、一般労働者派遣事業者、漁船保険組合の組合員、公庫の役員、株式・有限会社の取締役・監査役・清算人等の資格制限がありますが、免責決定を受け復権を得れば、この制限は無くなります。
 また、破産により制限を受けないものは
医師、薬剤師、看護士、建築士、古物商、宗教法人の役員、特別な職を除く国家公務員・地方公務員、教員等です。


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(参考)
◆破産による資格制限一覧

あ  行

アルコール売捌規則第40条        アルコール普通売捌人
宇宙開発委員会設置法第7条       委員会委員
卸売市場法第17条             卸売業者
沖縄振興開発金融公庫法第33条    公庫の役員

か  行

科学技術会議設置法第7条        会議々員
割賦販売法第33条             割賦購入あっせん業者
環境衛生金融公庫法第31条       公庫の役員
貸金業の規制等に関する法律第6条   貸金業者
外国証券業者に関する法律第5条    外国証券業者
簡易郵便法第3条の2            簡易郵便局長
行政書士法第5条              行政書士
漁船損害等補償法第24条         漁船保険組合の組合員
金融先物取引法第19条          金融先物取引所会員(法人)
競馬法第23条の13            地方競馬全国協会の役員
競馬法執行規則第3条           調教師又は騎手
検察審査会法第5条            検察審査員
警備業法第3条               警備業者
警備業法第7条               警備員
警備業法第11条の3            警備員指導教育責任者等
警備員の検定に関する規則第5条    警備員等の受検
建築基準法第80条の2          建築審査会の委員
建築設備資格者登録規定第6条     建築設備資格者
建設業法第8条、第17条         一般建設業、特定建設業
建設業法第25条の4           建設工事紛争審査会の委員
下水道処理施設維持管理業者登録規程第6条 下水道処理施設維持管理業者
公害等調整委員会設置法第9条、第10条 委員長及び委員
公安審査委員会設置法第7条、第8条 委員長及び委員
国家公務員法第5条、第8条       人事官
公証人法第14条              公証人
公認会計士法第4条            公認会計士、公認会計士補
鉱業登録令第51条             共同鉱業権者
国民金融公庫法第29条          公庫役員
国際観光レストラン登録規程第4条   国際観光レストラン
港湾労働法第12条             港湾労働者雇用安定センター
公害紛争処理法第16条          都道府県公害審査会の委員

さ  行

司法修習生に関する規則17条     司法修習生
司法書士法第4条              司法書士
信託法第5条                受託者
商法第85条                合名会社の社員
商法第147条               合資会社の社員
商法第254条の2、第280条      株式会社の取締役
質屋営業法第3条             質屋
塩専売法第22条              塩販売人
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第31条 公正取引委員会の委員長及び委員
商工会議所法第15条           会議所会員
商品取引所法第24条           商品取引所会員
商品投資に係る事業の規則に関する法律第6条 商品投資販売業
信用金庫法第17条            信用金庫等の役員
商工会法第32条              商工会の役員
社会保険審査官及び社会保険審査会法第24条、第25条 社会保険審査会委員
社会保険労務士法第5条         社会保険労務士
証券取引法第32条             証券業
証券取引法第64条の2          証券取引外務員
証券取引法第156条の4、第156条の10 証券金融会社の役員
税理士法第4条               税理士
船主相互保険組合法第17条       船主相互保険組合
測量法第55条の6             測量業者

た  行

宅地建物取引業法第5条         宅地建物取引業
宅地建物取引業法第18条        宅地建物取引主任者
たばこ事業法第13条            製造たばこの特定販売業の登録
たばこ事業法第17条            製造たばこの特定販売業者
地価公示法第15条             土地鑑定委員
地質調査業者登録規程第6        地質調査業者
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条、第9条 教育委員会委員
著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律執行規則第13条 仲介人
通関業法第6条               通関業
通関業法第31条              通関士
鉄道事業法第6条              鉄道事業、索道事業
抵当証券の規則等に関する法律第6条 抵当証券業者
土地家屋調査士法第4条         土地家屋調査士
土地収用法第54条             土地収用委員及び予備委員

な  行

日本中央競馬会法第13条        日本中央競馬会の役員
日本弁護士連合会、外国法事務弁護士記章規則第6条 外国法事務弁護士
日本輸出入銀行法第43条        日本輸出入銀行の役員
日本開発銀行法第41条          日本開発銀行の役員

は  行

陪審法第13条                陪審員
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条 一般廃棄物処理業者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条 産業廃棄物処理業者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の2 特別管理産業廃棄物処理業者
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第4条 風俗営業を営もうとする者
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第24条 風俗営業の営業所管理者
風俗環境浄化協会に関する規則第4条 調査員
不動産の鑑定評価に関する法律第16条 不動産鑑定士、不動産鑑定士補
不動産の鑑定評価に関する法律第25条 不動産鑑定業者
不動産特定共同事業法第6条、36条 不動産特定共同事業を営もうとする者
弁護士法第6条                弁護士
弁理士法第5条                弁理士
補償コンサルタント登録規程第6条     補償コンサルタント
保険業法第15条の3             株式会社たる保険業の取締役
保険業法第60条、第62条 相互会社たる保険業の取締役、監査役
保険募集の取締に関する法律第5条   生命保険募集人及び損害保険代理店

ま  行

民法1009条                 遺言執行者

や  行

有限会社法第32条              有限会社の取締役
ユネスコ活動に関する法律第11条     国際委員会委員
有価証券に係る投資顧問業の規制に関する法律第7条 投資顧問業
預金保険法第19条              預金保険機構運営委員会委員

ら  行

旅行業法第6条                旅行業者
旅行業法第11条の3             旅行業務取扱主任者
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第6条                    一般労働者派遣事業者
労働保険審査官及び労働保険審査会法第30条、第31条 労働保険審査会の委員




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