建物明渡の執行手続

まずは,債務名義(判決と確定証明書や和解調書等)が既にあり,執行裁判所(執行官)に申立てを行ったことが前提としてお話します。


建物明渡執行フローチャート

申立て(執行裁判所へ)
執行官面接 電話連絡により,日にちの調整をする。
これは第1回目の臨場の日程を執行官と決めます。
強制執行
(催告)
第1回目の執行は,目的建物に誰が,どのような状態で占有しているかを確認して催告をするだけというのが通常です。
通常2〜4週間の猶予期間を定めて任意の履行の道を残します。執行官は,債務者が不在であっても建物に立ち入り催告書を発行してそれを部屋の壁に貼り付けます。このため,不在が最初から明らかである場合は,鍵師の手配も事前に必要となります。
評価人を連れて動産の評価も行います。
(任意の明渡) 催告後に連絡があって任意の明け渡しに応じる場合もありますし,様々な要求をしてくる債務者も居ますが,これに応じる場合には,任意明渡を実際に確認して債務者の占有がないことが確定的となって取下書を提出して強制執行は終了します。
任意に明け渡さない場合は,続行・延期の申請 断行日の1週間から2週間前に続行の申請書を提出して断行の準備に取り掛かります。また,債務者との交渉が長引くようでしたら執行延期を申請する。
強制執行(断行) 特別の事由のない限り強制執行に着手し,動産は全て目録を調製して後日競売に附された際の最低売却価格を算出します。

建物内部に債務者の動産類が全て梱包・搬出されて無くなった段階で執行官が債権者への引渡しを宣言して,これにより債権者の占有権が発生しますので,これ以降債務者は建物内に立ち入ることはできなくなります。
目的外動産(遺留品) 債務者から連絡があって保管している遺留品は,後日受け取りに来た際,遺留品保管受託者が目録と照合して受領書を貰います。
遺留品競売 一定期間(断行から2週間程度(東京は1か月))内に債務者による引取りがない場合,執行官が主催して動産競売を実施します。公告を見て入札するものがいなければ債権者自らが入札して,代金を供託して動産類を引き渡され,それ以後は債権者の自由に処分が可能となります。債権者はその後,倉庫保管費用の還付を求めて終了となります。


 強制執行にはかなりの費用が掛かります。
物により異なりますが、最低でも100万円程度
は掛かると考えておいた方が良いでしょう