過剰な動物愛護について。


編集長:今回はお堅い話から離れて、ずっと身近で深刻な問題について話し合おうと思う。

DL:毛皮のコートですわね。

流しの竜:動物愛護の問題だな。

青柳:最近、特に盛んですもんね。冬なのに裸になって「毛皮なんかいらない」ってやってる人たちいましたね。

RRR:どうせなら、あのタスキみたいなやつもはずしたほうがいいのに……。

編集長:それじゃ、捕まっちゃうって! でも、あれって下着もつけてないのかな?

DL:なにを馬鹿なこといってるんですの! 脱線するにもほどがありますわ。

RRR:でもなあ。

編集長:気になるよなぁ。

流しの竜:動物愛護となると、競馬とも無縁というわけじゃないからな。海外では馬に鞭を入れる回数が制限されてるって聞いたことある。そもそも、馬に乗って無理矢理走らせることも問題視されてるからな。

青柳:魚の活き作りなんかも、海外では禁止されたりしてますよね。残酷だとかいって、魚の殺し方みたいなマニュアル通りにやらないと、罰金とかになるっていいます.
 
編集長:馬鹿な話だとは思わないか? 動物愛護はけっこうだが、なにか本筋からはなれているような気がする。動物を殺すという現実から目をつむって、ただごまかしているだけじゃないのか?

DL:毛皮のコートだって、そうですわよね。確かに嗜好品であることは認めますけど、それだけの品質があると思いますの。手触りとか着心地は合成繊維じゃ、とてもだせるものじゃありません。

RRR:毛皮ほどはいわれていないけど、ロックンローラーの定番アイテム、革ジャンも動物の革だからな。文句いわれても仕方ないかもしれない。一度だけど、町歩いていて「高いお金で革製品着るのなら、募金してください」といわれたことがある。動物愛護団体だったかどうかは、覚えてないけどな。

編集長:革ジャンは、牛か羊だろ。養殖みたいなもんじゃないか。だから、問題にならないんじゃないかな?

DL:あら、最近はミンクもシルバーフォックスも養殖されてますわよ。それでもだめっていうんだから、本当の理由はミンクやシルバーフォックスが牛や馬よりかわいいからだと思いますわ。

青柳:かわいらしい外見を持っていれば、同情されやすいというか、かわいそうと思いやすいですからね。

RRR:ドラマなんかで、不治の病が美少女特有なのと同じ理由だな。沖田総士も肺病のおかげで美少年にされたし。

編集長:かわいいといえば、猫の皮を三味線に使うな、っていうのが少し話題になったけど……。猫マニアとしてはどう思う?

流しの竜:確かに俺は猫好きだよ。だけど、三味線の皮にされるのなんて、ほんの少しじゃない。殺さされるのはかわいそうだと思うけど、だからといってやめろという権利は俺にはないし、他にもっと問題はある。野良猫が保健所にどれだけ処分されているか知ってるか? たぶん、一日で日本中での三味線に使われるぶんぐらいは殺されてるぞ。

編集長:猫も処分されるのか? 危険な犬だけじゃないの?

流しの竜:最近は猫も殺されるんだよ。糞をするとか、うるさいとかいわれて……。

DL:わたくし、野良猫は野生の生き物だと考えていましたけど、野生ではすまされないんですわね。

流しの竜:人間は猫を排除しようとしているんだ。カラスやムクドリも他に行き場がないから町に現れるのに、一方的に邪魔者あつかいする。

編集長:話を戻して毛皮だけどさ、他にも生物を材料とした素材があるじゃない。絹とか、羊毛とか、綿とかさ。

青柳:羊毛は刈っても死なないけど、絹をとった蚕は死にますよね。蚕は動物愛護の対象にならないのかな?

編集長:蚕はかわいくないもんな。むしろ、気持ち悪い……。

流しの竜:紙だって植物を殺してるわけだから、重大な問題だよ。再生紙とか、それ以前に。

RRR:まあ、オレたちの意見としては、毛皮でも猫でも「殺すのやむなし」だよな、誰も反対はしないだろ?

青柳:ええ、人間は他の生物を犠牲にして生きていくものです。人間に限ったことではありませんけどね。

DL:わたくしもそう思います。

流しの竜:猫はやっぱりかわいそうだけど、仕方がないといえば仕方ないもんな。好きだからという理由だけで、猫についてだけ文句を付けるのは卑怯だし。

編集長:そのとおり。

RRR:なら、心おきなくいわせてもらうが、そんなに動物がかわいけりゃ、牛も魚も食うんじゃない。植物だって生き物だから、野菜も食うな。紙も使うな。さっさと死んじまえ。

編集長:か、過激だな。でも、真実かもしれない。

RRR:流しの竜のいうとおり、自分の好きなものについてだけ文句をいったりするのは、絶対に卑怯だと思う。募金が集まりやすいからという理由でかわいい生き物だけを愛護しようとする動物愛護団体も、クソ食らえだ! 愛護するんなら、ハエや蚊、エイズウイルスまでかわいがれっていうんだ。

流しの竜:もし、ハエが絶滅しそうになったら、どうするんだろう?

編集長:動物保護には研究のためっていうのもあるから、研究施設だけで飼われるんじゃないかな? ウイルスなんかもそうだろ?

DL:生態系が崩れるのを防ぐのも、動物保護の理由のひとつですわよね。ハエがいなくなると、分解者が減って生態系が崩れるかもしれませんわ。そう考えると、保護しないといけないのかも。

青柳:でも、弱肉強食も自然界のルールですからね。敗者を助けたところで、たいした意味はないのかもしれませんよ。中国ではパンダの保護が大規模でおこなわれてますけど、パンダはもともと繁殖力が極端に弱い動物ですから、放っておいてもいずれは滅びる運命なのかも……。有袋類がオーストラリア以外で絶滅したのも、人類が手を下したわけじゃありませんからね。

編集長:……難しいよな。ライオンに絶滅しそうな弱い生物は襲うなっていっても、ライオンにとっては弱いから襲いやすいんだし。自分たちが生きていくためには、まず弱いやつから倒さなきゃ。

青柳:でも、それは動物保護の問題でしょ。今回のテーマは動物愛護です。それも度を超えたやつです。

RRR:毛皮や活き作りを問題にしたところで、なんにもならないんだよな。それですべてが救われるわけじゃない。ほんの一部だけなんだ。無駄に殺される動物たちは、それ以上にいくらでもいる。

青柳:命の重さはコンテストのチャンピオン犬も、野良の汚い犬も同じですからね。刺身にされても、唐揚げにされてもおんなじです。

DL:わたくしが思いますに、より多くの命を救えないかわりに自己満足として目に付きやすい毛皮や活き作りを批判するんじゃないかしら? それですべてを救った気になっている。

編集長:そうだな、彼らの主張に惑わされず。もっと大きく物事を見てほしい。本当に救うべきは、そんな目先のものじゃないと。

RRR:オレは動物をかわいそうと思うあたりが、すでに驕りだと思うぜ。人間なんて、そんな立派なもんじゃない。人間も動物なんだから、守ってあげようなんて考えないで、ごく自然にやっていけばいいんだ。自分が滅びそうでヤバイと思ったら、たぶん今そう思っているんだろうけど、自分が滅びないためになにが必要かを考えて、その対象を保護すればいいんだ。それは毛皮のコートや、魚の活き作りなんかじゃ、決してないはずだ。


 この話題について、ご覧になった方から下のような意見をいただきましたので、掲載させていただきます。ありがとうございました。

 まず動物愛護という名称には確かに胡散臭さがあるなあ、と常日頃感じています。私は人間も「食物連鎖の頂点」にいる動物の一部だと思っています。だからこそ必要以上に動植物を支配していいものだろうか、という観点で動物保護を訴えていきたいのです。

 例えば、よくある例として菜食主義者に「野菜だって生きてんじゃん」とか、犬猫の保護活動を行っている人に「肉食ってるくせに」と言ってみたりする人がいますが、こちらから言わせてもらえば「じゃあ、生きてたら何食ってもいいってこと?肉食ってたら犬猫かわいがっちゃいけないの?」と、同じなのでこういう子供じみたところから議論を進めるのは不毛だと思います。もっと大人の議論をしませんか。

 ちなみに私自身ベジタリアンですが決して「生き物を食べたくない」からではありません。食べている生き物に線を引いただけです。食べるために牛ゃブタが殺されるところをテレビでさえ見ていられないのにパックに詰められた肉を平然と食べるのは変だと思ったからです。自分たちで殺した動物を「きちんと」食べている人達を尊敬します。今の肉食産業のあり方ではその「きちんと」食べることさえされていないのでは。

「人間が一番偉い」のなら節度をもって他の生き物と接するべきでしょう。やみくもに使えるものなら何だって使っちゃおう、とすればバランスがくずれるのでは。

 ところで毛皮ですがもともとは寒い地域の人々が防寒用につかっていたものですよね。もちろん、中身は食べたろうし。

 今は違う。毛皮工場に山積みされたミンクやキツネの皮をはがれた死体を見たことありますか。それを見ずして「手触りのいい毛皮」を着るのこそ「動物を殺す」という現実から目をそむけているのでは。

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1997.10.27