小渕新総裁のもと、自民党はどこへ向かうのか?
編集長:いやぁ、待ったかいがあったというものです。実は参院選直後に自民惨敗についての特別会議をやろうと思ったのですが、総裁選まで待とうと思ったのが大正解。さらにとんでもないことになってしまいました!
RRR:なにが「待った」だよ。もたもたしてたら、勝手に話が進んでいっただけじゃないか。
編集長:うっ……そ、そうともいうが、結果オーライ! 今回は、なぜ小渕氏が新総裁に選ばれたのか、そして自民党はどうなってしまうのか、その点について論じてみたい。
流しの竜:真面目な話にいく前にさ、自民党の行く末をドラゴンレディに占ってもらったらどうだ? おもしろいと思うぜ。
DL:どうしてもというのなら、やってさしあげないこともなくってよ。
編集長:……やめておこう。なんか、見えてる。
DL:あら残念。意外な結果も出るかもしれませんわよ。裏切り、暴走、崩壊……。
編集長:悪いのばっかりじゃない。──というわけですので、本題に入りましょう。
青柳:それで、どういう形でやります? いつもみたいに、賛成・反対に別れてやりますか? 賛成派がいるとは思えませんが……。
編集長:まあ、今回は初心に返ってやってみよう。みんなが、自分の思ったことを素直にいえばいい。
流しの竜:適当にやろうってことだな。
編集長:……そうともいう。
青柳:さて、それでは早速ですが、まず自民党が選挙で敗北した理由からいきましょうか?
RRR:そんなもん決まってる。自民党には任せられないと思ったからさ。
編集長:おいおい、なんで任せられないか、っていうのを聞いているんだ。
流しの竜:いっこうに景気は良くならないし、消費税は上がったし、いってることもコロコロ変わって、よくわからなかったもんな。結局、減税はするのかしないのか、最後まで歯切れが悪かった。
DL:しないんでしょ? 税制改革をするとはいってたけど、減らすと決まったわけじゃありませんから。
編集長:ようするに、民主党なんかははっきりと減税するといったのに、自民党はなにもできなかった。選挙以前から、ずっとな。
青柳:まぁ、負けるべくして負けたというところですね。自民党にとって、選挙は敗北へのカウントダウンだったと。
RRR:でも、オレにとっては別に不景気でもなんでもないけどな。昔とかわりゃしないけど?
青柳:広い視野で見ると、やっぱり不景気ですよ。失業率も上がっているっていうじゃないですか。それを敏感に感じている人たちは、やっぱり自民党に票を入れるわけにいかなかったんでしょう。
編集長:ようするに、自民の敗北こそが不景気の証明になったというわけか。
流しの竜:そういえば、競馬の売り上げも落ちてるな。やっぱり不景気なんだな。
青柳:というわけで、不景気こそが自民の敗北の原因だと。そして、不景気から立ち直るには減税が一番だといわれていながら、自民は減税に踏み込めなかった。まぁ、政権政党としては、減税っていうのは難しいでしょうけど。
RRR:減らした分は、どこかで削らなきゃいけないわけだからな。
編集長:さて、選挙で敗北した自民党としては、ここで景気対策を打ち出して逆襲というか、復活にかけなきゃいけなかったわけだ。そのための総裁選だったのだが……。
DL:結果は改革の小泉でもなく、経済の梶山でもなく、保守・調和の小渕となったわけだ。小渕氏を総裁に据えて、自民党はなにを狙っていると思う?
流しの竜:なにも狙ってないと思うよ。派閥の順送り人事。それだけじゃん。
青柳:そうですね。自民党お得意の、派閥ってやつです。小渕さんは最大派閥のボスですから、当選は確実だったというわけです。でも梶山さんは小渕派なんですよね。そういった意味では、ちょっと派閥人事の脱却が見られたような気もするんですが……。
DL:対外的に格好だけ付けて見せたというわけではないでしょうね?
編集長:そうでないことを祈りたいが……。
RRR:派閥の脱却といえば、悪い意味でも見られたんだよな。小泉氏への投票は、彼を支持するはずの、三塚派……だっけ? その人数より少なかったんだろ? ということは、派閥の意見に逆らった議員が多数いたってことだ。
青柳:妙なこと知ってますね。──そうです。亀井氏のグループが梶山さんの指示に回ったのではないかといわれてますね。でもこれは、派閥内の派閥が──妙ないい方ですが──別の動きをしただけで、派閥からの脱却というより、たんなる勢力争いですよ。
編集長:そんなに小泉さんって、嫌われてたのかな?
青柳:最初から勝てるとは見られていませんでしたから、そこに乗るのを避けたんでしょう。勝つ人間に恩を売っておけば、次の組閣でいいポストが回ってくるかもしれませんから。
流しの竜:ようするに、強い人間にこびを売っておこうと……。
青柳:そうです。派閥っていうのも、そもそも有力者のおこぼれに預かろうっていう考え方ですからね。
編集長:そういうやり方が国民から嫌われているのに、どうして改めようとしないんだろう? 今度の選挙で、自民党の人間にもわかったはずなのに。
RRR:それが自民党なんだろ? 派閥と有力者のおべっか、それに料亭に、献金こそが彼らのやり方で、たとえ非難されようと、それを貫こうっていうんだ。立派な心がけだよ。
編集長:そういわれれば、そうかもな。
流しの竜:変なことで感心するなよ。それよりも、なってしまったものは仕方ないんだから、小渕総裁──小渕総理になにを期待する?
DL:やっぱり、景気対策でしょうね。国民の総意ですから……。
青柳:でも、それをしたいのなら、小渕氏を総帥に選んだりはしませんよ。景気対策については、梶山さんのほうが得意っていうのは自民党の人にはわかっているはずですから、あえて小渕さんを選んだ理由があるはずなんですよ。
編集長:あるいは、あきらめているのかも……。
流しの竜:となると、解散総選挙か? でも、衆議院では議席が足りないぞ。
青柳:梶山さん、小泉さんの動きしだいなんですけど、自民を出る覚悟があるかどうか……。
DL:自民に留まったままで、衆議院を彼らの力で解散させるというのはどうかしら? そして、すべての責任を小渕さんにかぶせてしまう。選挙後には梶山、小泉体制で党の再生を目指す……。
流しの竜:ギャンブルだな。それも、すごく危険な。でも、はまれば最高のギャンブルだ。
編集長:そんな危険を冒すのなら、最初から違う人物を総裁にするよ。まあ、梶山さんや小泉さんが、これからその作戦にでるというんならおもしろいかもしれないけどね。
DL:どちらにせよ、今のままでは勝ち目がないわけですから、勝負に出るのもひとつの手だと思いますわ。
青柳:今のままではそうですけど、1年、2年たてば変わってきますよ。ひたすら衆議院を解散させずに、景気の回復を待つとか、国民の不信感が消えるのを待つとか……とにかく、今は時間稼ぎをしたい。そのためには調整型の小渕さんというのは正しい選択でしょう。
RRR:オレはそんなのイヤだぜ。明日にでも解散して欲しいのによ。
編集長:確かに、当面の課題は衆議院の解散だろうな。自民は絶対にしたくない。野党はなんとかしてやらせたい。国民は……。
RRR:もちろん解散。
流しの竜:解散。
DL:わたくしも解散してほしいと思います。
青柳:僕は、まだ選挙権ありませんから。
編集長:またそれかい!
流しの竜:同い年なのに……。
DL:あなたの場合。自主的に選挙権がないだけですわ。
青柳:まあまあ、それはおいといて、小渕さんに期待することはなんですか?
流しの竜:だから解散だろ?
編集長:解散は誰にでもできるだろ? 小渕さんにしかできないことだよ。
DL:解散しないというのなら、長期的な視野に立った改革ですわね。劇的な改革ができないというのなら、ゆっくりと、だけど確実な改革をしてもらうしかありませんわね。
RRR:できるのかねぇ? 自民党は自民党らしく、政権の維持だけに全力を尽くすのがお似合いだ。
編集長:やっぱり解散しかないのかなぁ……。期待できないもんなぁ……。
青柳:しっかりしてくださいよ。問題提起した人がそれじゃあ、進まないじゃないですか。
流しの竜:でも、正直な話、議論にもならないほど期待ができない。望むのは解散だけだもん。
編集長:組閣が終わるまでは、なんともいえないけど、もしかしたらとんでもない革新的な人事をするかもしれない。笑っちゃうような。
流しの竜:それに期待しようっていうの?
RRR:やんなきゃダメってことだよ。やらなきゃ、解散。
青柳:僕たちとしては、もはや期待するしかできないんですよね。衆議院の解散権は自問党が握っているんですから。
DL:この期待が伝わればいいのですが……。
編集長:とにかく組閣を待って、またやりましょう。
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1998.7.27