マクドナルドあての手紙
マクドナルド藤田社長あての手紙

日本マクドナルド株式会社
代表取締役社長 藤田田様

2001年11月22日

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前略 突然お便り申し上げる失礼をお許し下さい。

 実は、先日、私たちの街のマクドナルドで、トレイに敷かれているマットの広告を拝見し、たいへん驚くことがありました。御社マクドナルドの企業イメージにも関わる重大なことと思いましたので、ここにお手紙をさしあげる次第です。

 そのトレイマットの広告には、電気事業連合会による「プルサーマル」の宣伝が掲載されていたのです。これは、「マック情報クリップ 〜 快適生活を応援する情報コーナー」として、採用・掲載されているものでした。
 言うまでもなく、藤田様が日本に紹介されたマクドナルドは、子どもからお年寄りまで多くの人々に親しまれています。そこで、ハンバーガーやポテトを片手にしながらトレイの広告に自然に目がいきます。実に多くの人が、そこに掲載されている情報を意識する、しないにかかわらず受け取ることになります。
 藤田様におかれましては、早くから、反原発のお立場を取られているということをメディアを通して伺っております。ここで、今回掲載されていた「プルサーマル」の宣伝が、その藤田様の経営理念に果たして沿うものなのかどうか甚だ疑問を抱かされたのでございます。

 洞察力に優れる藤田様ですのでもちろんご存知のことと思いますが、使用済み核燃料から取り出されたプルトニウムをウランと混合した特殊な「MOX燃料」を普通の原子力発電所で燃やす「プルサーマル計画」は一般の原発以上に危険であることを、重々ご承知でいらっしゃることでしょう。各種マスコミでも、「プルサーマル」およびその母胎となる核燃料サイクルが引き起こし得る、深刻な人体への危険性や環境汚染、それにまつわる社会問題については、これまでに大いに報道しています。

手紙の続き

たとえば、
 ・使用済み核燃料を「再処理」する過程で深刻な放射能汚染が引き起こされること。特に最近、再処理施設の周りの子どもたちの間に白血病が多発している報告が発表されていること、
 ・日本の電力会社が再処理を委託しているイギリスとフランスの再処理工場からの放射性物質の排出をとめるため、昨年6月、北東大西洋海洋環境の保護に関するオスパール条約の12の締約国は再処理停止の決議を採択したこと、
 ・再処理から取り出されるプルトニウムは「核兵器転用可」な物質であるため、核拡散に繋がるおそれがあること、
 ・イギリス核燃料公社(BNFL)で製造されたMOX燃料の品質管理データがねつ造され、福井県にある関西電力の高浜原発4号機におけるプルサーマル計画の導入が延期されていること、
 ・ヨーロッパから日本への放射性物質の海上輸送をめぐって50ヶ国以上の国家が憂慮、もしくは反対を表明していること、
 ・BNFLの新MOX工場(SMP)の運転許可の取り消しをめぐって、アイルランド政府は10月25日にイギリス政府を国際海洋法裁判所に提訴したこと、
 ・今年の5月、新潟県刈羽村の住民投票で反対が多数だったことや、福島県の知事がプルサーマル計画の開始を認めず、エネルギー政策の見直しを行っていることなど、国のエネルギー政策について多くの市民が不信や不安をいだいていて、社会的に受け入れが困難であること、
 等々、沢山の問題があります。

 こうした現状の中、御社・マクドナルドが「快適生活を応援する情報コーナー」として「プルサーマル」の広告を印刷・宣伝することは、あたかも御社がこの危険な環境汚染を奨励するかのような印象を、日々、マクドナルドのお店へ通う多くの人々に与えるものではないでしょうか?
 
 「プルサーマル」計画では『使用済み核燃料の再利用(リサイクル)』という言葉をもって、推進する立場のキーワードとされていますが、どうぞ、その表面上の言葉だけでご判断されないようにお願い致します。なぜなら、「リサイクル」されるのは使用済み核燃料のほんの1%以下に過ぎず、それ以上に発生し得る環境への危険性や、未解決の社会問題の方が遙かに大きいのです。さらに大前提としまして、人類の未来を冷静に考えるならば、原発依存から脱原発への方向に目を向けることこそ、私たちの次世代への責任ある態度ではないでしょうか?

 藤田田様にお願い申し上げます。日本マクドナルドが、自国の電力供給のために他国の子どもたちを犠牲にすることを奨励しているようにも見えてしまう「プルサーマル」の宣伝掲載を、今後、きっぱりとお止めくださるようお願い申し上げます。この件に関しましてお返事をお待ち申し上げます。

草々