『押忍!!空手部』の謎に迫る
かれこれ10年にわたる連載を展開したこの作品には当然いくつかの疑問点、矛盾点などが噴出している。こ こではこういった疑問点などに私個人の解釈ながら答えていきたいと思う…。
1)『空手部』の時間の流れは?
『空手部』のみならず、大抵の長編コミックの泣き所(?)がこの時制の問題である。以前目にした(高校生が 主人公グループを形成している)ある作品では、最初のうちこそ無理矢理(笑)落第させて高校2年生を続けさ せたが、最近では特に気にしていない模様である。
…とは言うものの、明らかな日付は出なくても、どうしても作中にその当時のはやりすたりや出来事を書い たりするのが決して少なくなく、『空手部』でもそれは見うけられる。
・おんどれが勝つのは阪神のV2より難しいでーっ(高木・5−65)
・せぇーのーっ阪神優勝ばんざーい(松下・斉藤・安藤他・10−113)
・年号が変わっても月日は変わらんで(高木・16−136)
そして、それらの中で唯一年月日が確定している事柄がある。サブに関東連合総帥・漆原を紹介された高木 だったが、その直後に漆原が寺本・宗政ら新関東総和会の襲撃を受け、手術の甲斐なく死亡したのが平成3 年5月16日。更にこの事件の前に桃千代が高木を追って上京したが、このきっかけになった松下・斉藤を含 めた3人の上京は、同じ年の3月以前(帰路に使用した寝台特急“はやぶさ”のスジから類推)と断定できる 事から以下の様に推定できる。
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2)『空手部』の舞台となったエリアは?
端的に言えば、1〜15巻・29〜36巻(前半)までは大阪・京橋を始めとする関西圏、16〜28巻までが東京・新 宿や谷川岳山麓・筑波山頂等の首都圏、36巻(後半)からの残りが鬼泣き島や赤松総理邸等の瀬戸内海・中国 圏となるが、もっと突っ込んで考えた場合、より細分化される。例えば1巻途中では部活の合宿と称して北 海道・函館まで足を伸ばしたり、24〜25巻に掛けては『はやぶさ』で帰った桃千代達を追って高木がバイク で静岡まで遠征したりと、結構幅広い動きを見せている。
その中で明らかに舞台が判明しているものといえば、当然各高校名や大東京連合の支部名で、高木が実際そ こに足を運んでいるケースが多い。ただ、実在の校名と重複しないように配慮されているのは当然で、特に この類の端的なケースとして上げられるのが『守方南産業高校』である。これは高木が同校のツッパリ達に 要請(マスクメロンにつられた節あり?)され、バイク(Kawasaki400FX)で押しかけたものだが、守口市南部の 寺方地区と推測される。もっとも生活指導の教師がのたまっている『土曜の夜によく聞く音は』とのセリフ だが、あの近辺で暴走族が闊歩できそうなのは国道163号線位なもので、ここ数年来は取り締まりも厳しく なっているとの事…。同じことは平山恵二との阪奈道路でのバトルレースにもいえるが、あのシリーズが掲 載された頃は取締りが比較的緩やかだったが、数年後に走行禁止となった。止む無く国道163号線の清滝峠 近辺に移動したようだが、こちらも程なく走行禁止となってしまった。

3)高木の学歴は?
結果として、転校が意外と多いと云うべきだろうか…。高校も本編であがっているように対死国戦争後に関 五工から退学処分を食らい、福島先生の計らいで東京の西新宿学院に転校しているが、実は中学時代にも一 度転校している。高木の中学時代のエピソードと言うと殆どが“大川十中”と描かれており、ニックネーム の接頭詞にも“〜の極道高木”(7巻186ページより)と描かれているために大川十中出身と思われているが (事実、卒業証書はここでもらっている)、“勇次篇(2巻)”では“大川十中”ではなく“寝川八中”となっ ている。これをどう判断するかによって変わってくるのだが、単なる校名の変更なのか、それともある事件 の反省から転校したと見るかによって微妙ではあるが…。ただ、個人的な意見としては、転校と見たほうが 面白みはあるのではなかろうか…。
さて、本題の学歴問題は(どこかの学歴詐称で辞職した元議員みたいな書き方やな…)、
小学校…京橋第11小学校卒業  中学校…寝川八中入学→途中で大川十中転校、同校卒業
高校…関西第五工業高校入学、2年次に退学処分→西新宿学院高校転校、同校途中中退(?)
となる。実は件の“龍天昇篇〜善と悪篇”では陳々先生の臨終を看取った後、そのまま神戸へ大竹・木村・ 桃千代と共に掛けつけており、その後西新宿学院高校は全く出ておらず、同校生徒の佐藤も合流したものの 学校自体は無視されている。…となると、最後には高木は逮捕されており、その際に本来なら退学処分を食 らってもおかしくないのだが、花森西新宿学院校長も高木が転入当時には様々な面で期待を寄せていた節が あり、敢えて退学ではなく、卒業扱いにした可能性もありうる(余談ながら枚方市内には転入前の高校で得た 単位も考慮に入れる高校が実際にある)…。

4)高木と神雷、年齢差はいくつ?
これも難しい問題である…。ストーリー初期(阪神戦争辺りまで)は神雷の存在は殆ど触れられておらず、強 いてあげると高木が関五工入学時に森上とやりあった際、『大阪の番やった初代・(関五工空手部)主将を病 院送りにした』との森上のセリフがあるが、後半になると、これとの整合性が大きく失われていく…。つま り、コミックス13巻で森上・神雷・後藤乙生との経緯が語られ、これによると神雷が1年先輩とのこと、更 に高木と忌羅が初めて出会ったのは小学校5年生の頃だが、神雷の体格は既に完成されている。更に髪型も “大阪魂”の“象徴”である稲妻カットではなく、ごく普通のオールバックだが、この髪型は後に中学時代 の力山のところに伺うまで続けている。因みにその際の服装はいわゆる関五工空手部別注の襟だしガクラン で、加えてこの直後、既に大川十中で“極道高木”と恐れられていた高木が力山とナシつけに行っている。
ただ、これを“逃げ道”というのはいささか語弊があるが、2年半前“大阪が一つにまとまっていない頃” の神雷・森上2人の学年が明らかにされていないのが救いであり、さらに森上の負傷入院(+リハビリ)によ る留年の可能性が指摘されていない事により、これらを勘案すると4歳ないしは5歳と推測される。大体小 学生の低学年から見た中学生や高校生は相当大きく見えるし、成長期以前だったと思われる(小学校時代の) 高木に至っては尚の事と思われる…。

5)“大阪魂”初登場はいつ?
1989年6月…というのは私がその称号をペンネームとして使用して、初めて電波に乗った時であって、本論 とは関係ない(苦笑…)。
とは云うものの、高木の髪型の由来が紹介されると共に、“大阪の番”三代目と云う事が判明し、高木曰く 『空手部の伝統』と云わしめた髪型である事は確かで、加えて、そんな男を倒した日には『大阪・京都・奈 良・兵庫・和歌山まで名がとどろく』程の実力者の称号がなかなか判明しなかったのは、より大きなスケー ルの称号にするための高橋先生の判断(若しくは苦悩?)だったのではなかろうか…。
そんな中で正式な称号が“大阪魂”と作中で判明したのは、直接高木や森上の口から出たのではなく、神戸 軍団の大阪大襲撃の際の高木の回想シーンにおいてで、関五工入学後の森上とのタイマン勝負の後に、正式 な継承者との部内の承認を得た後、今度は千葉ら大阪魂補佐達との幹部会の席上での森上の言葉からである。 この際に高木と千葉ら補佐連と諍いを起こしかけ、当時高木の底知れぬ実力を見抜いていなかった彼らは高 木を“チンピラ”呼ばわりし、高木も『こんなダボらの頭はゴメン』とばかりに売り言葉に買い言葉状態で あわや一触即発…。その状態を切り抜けたのは森上の『腹でも切ったろやないか!!』の一喝だった。これか ら見ても明らかなように“大阪魂”の称号には凄まじいばかりのカリスマ性があり、阪神戦争後の対女凶・ 完結篇でも高木の言葉で大阪の猛者連が無抵抗状態となってしまった。
カリスマ繋がりの余談として…先日名古屋に出かけた際に立ち寄った某本屋にてふと見かけた書籍『リアル ファイト伝説』(だったとおもう…笑)(宝島社刊行)にコミック界の各種最強ランキングが掲載されており、 高木はその中の根性部門で2位(ちなみに1位は“あしたのジョー”の力石…これはまま納得。ジョーに合わ せるために実質的3ランクの減量してるからな…)、カリスマ部門では堂々の1位に輝いた…その選定理由が ふるっていて“大阪魂三代目”の称号は伊達ではない(核爆)…とのこと。さらに、想像バトルロイヤルも隣 の欄に掲載されており、それには高木と岩鬼(ドカベンシリーズ)、青田(嗚呼!花の応援団)の三つ巴では? と記されていた。

6)関五工と西新宿学院、偏差値はどっちが上?
作品を通して授業のシーンと言うのはあまりない。…というよりも、毎日のように日長切った張った(これっ てヤクザの世界よな…?)の状態でまともに授業に出ているとは到底思えないのだが。ただ、古今東西の学園 マンガを集めた『学園マンガ読本』(宝島社刊行)では関五工のみながら推定偏差値40と出ており、加えて最 終話では関五工OBの松下は母校の体育教師、斉藤は飲み屋チェーン店の経営者、そして極めつけが二代目 大阪魂・森上で、何と弁護士という設定。一方の西新宿学院側は大竹がタイ料理屋の店長、霜鳥・山本・小 堀の3人は共同でコンピュータ関連会社を運営…、と林が公務員(らしいな…)になったものの、少々見劣り する点は否めない。加えて一度高木が授業に出席(英語・リーダー)して当てられている場面があり、ここで の高木はパニックに陥りながらも後はすらすらと英文を読みこなしている(羨ましいな…・英語で苦心した監 修者の独り言)。その際の他の生徒のリアクションが茫然自失といった感があり、そこから判断すると西新宿 学院の偏差値は30代と推定される。もっとも西新宿学院側も関五工の森上や林(T)並のトップレベルの生徒 はいるだろうし、専門学校的性格の強い関五工と普通高校の西新宿学院とを同じ土俵に並べて比べる、とい う事自体無理があるのかもしれない。

7)何故松下君達は『はやぶさ』で帰った?
このコーナー、実はこの問いかけに対する自分なりの解釈を紹介したかったから…、というと些かの語弊が あるのだが、『空手部』にはまる以前からのコテコテの鉄道ファンである私としては新幹線があるにもかか わらず東海道在来線で帰った事情が知りたい所だし、そうでなくとも一般的な鉄道ファンとして当然の心理 ではないだろうか…。
まず第一に制服で上京した、という面から見ても恐らく学校をサボってきた可能性が相当高い(校則で旅行の 際にも制服着用と定められている、とも考えられなくもないが、泣く子もビビる関五工だけにそんな校則あ るとは到底思えない…)。サボった、となると余計に早く帰らないとばれた場合、大事に発展する危険性をは らんでいるが。加えて、費用の面でもかなり足が出ていると言う面に注目したい。つまり、新幹線開業前な らば“つばめ“”こだま”を始めとする在来線昼行特急が頻発していたが、(このエピソードが掲載された) 当時は寝台列車でしか在来線で東京〜大阪を結ぶ列車がなく、当然特急料金+寝台料金を払わねばならない。 今回のような場合、当然新幹線より料金が高くなる(現在は“サンライズ”があり、この列車には特急指定券 のみで乗車できる“ノビノビ座席”がある。その場合、当然新幹線より料金は安くなる)。
これらの面から勘案すると、始めから最悪の状況を予測し、どんな状況になっても結局は高木が追いかけて くるだろうと言う計算の下で、敢えて高木の“バスターFX”で追いつくことの可能な在来線特急を選択し たと推測される。そのハイパワー振りは松下・斉藤両君がかつて阪奈道路での死闘を目の当たりにしている (10巻参照)ので、それに期待をかけた可能性は十二分にある。結局の所、東京統一戦争の際に負った負傷も 癒えていないにもかかわらず“バスターFX”のパワーをフルに生かしきった高木の潜在能力には恐るべき ものを感じずにはいられないが…。

8)高木の女性に対するこだわりはどうして?
『残念ながら女を潰す拳は持っとらんのですわ』(10−24)
『まりもにも同じくらい大事なもんがあるんや… 女にしかない命より大事なもんがあるんや!!』(16−213 〜214)
『すまん!!俺に女を殴る拳はないんや…』(18−132)
これらのセリフに代表されるように高木には女性に対するある種のこだわりがある。実際には見たことはな いが、『空手部』連載初期に某所で『空手部』が『嗚呼!花の応援団』のパクリだと酷評されたが、この点 に関しては明らかに女を見るや否や×××、〇〇〇と叫んではヤリまくる、『花の応援団』の主人公A田A 道とは全く正反対のスタンスである。
さて、ここからこの問いの本論に入るが、実は高木に惚れた為に2人の女性が命を落としている。一人は高 木が中学時代の同級生・佐野優子で、もう一人は友人の妹・五月恵である。いずれも高木と敵対する暴走族 との抗争に巻き込まれた末に、暴行を受け茫然自失しているところを車にはねられ、死亡するという同じよ うな最期を遂げている。結果としてこの2件が高木のトラウマになっているのは否めない所で、心ならずと も女性と戦う羽目になった高木の苦悩がうかがえるのが冒頭のセリフである。かと言って、高木が一時期世 の中に蔓延った“アッシ−君”や“ミツグ君”と同種の人間かと言うと決してそうではなく、自分の心に素 直な人間であるだけである。この後は次の質問にも関連するので…。

9)高木て本当にフェミニスト?
女性と心ならずとも戦う羽目になった高木は、殆どの場合、戦いをどうにか避けようとして無抵抗になるケ ースが大半である。ただ唯一手を挙げたケースがデッドボーン篇での小川小百合に対してである。もっとも この場合、先の新宿対渋谷篇で周囲に赤っ恥をかかされ、渋谷部隊の頭としてのメンツがズタズタに引き裂 かれた小川の復讐の意味合いもあったのだが、そのためにとった小川の手段がまずかった…。何人も殺し、 ム所とシャバを頻繁に往復しているデッドボーンこと真島朴を高木と竹内を困らせるために雇い、竹内には 所期の目的を果たしたが、そのために竹内は瀕死の重傷を負い、さらに恐怖を覚えた彼女は竹内兄妹と真島 を残してその場を逃げ去る。しばらくして大竹らに捕らえられるが、真相を小川自身と大竹から聞いた高木 の形相は正に怒髪天をつくで、『血管ぶち切れたでェ!』の怒りの一声と共に正拳突きが彼女の顔面に…。
もっともこの直後、(マンガらしく・笑)竹内兄妹と血液型が同じだった小川と高木は共に大量の血液を並ん で提供するが、そのときの高木の言葉は、先の自分の言葉は丸っきり正反対ではある。これらから勘案する に、本当の意味でのフェミニストとは言いがたいが、女性への思いやりは人より強いと思われる。これは幼 少時代に母親の愛を殆ど知らずに育った人間には極めて珍しいと思われるが、それ故に現れた女性に対する ある種の憧れではないだろうか(そんな大したもんやないわい!って言われそうだが…)?

10)神雷の太極拳に田辺は過剰反応しなかったのは?
先のデッドボーン篇での経緯から高木に協力する格好になった小川が大東京連合4部隊による新宿・渋谷大 侵攻作戦の折、(恐らく旧渋谷部隊の幹部が収監されていたのと同じ)少年院に入れられていた“赤い稲妻” こと初代大阪魂・神雷を高木の救援に駆けつけ、雷電+田辺との死闘を演じる。この際、早々田辺には発勁 を放つが、雷電はさほど驚いた様子を見せず、吹っ飛んだ田辺も早いうちに復活、神雷のバックを取ってい わゆるチョークスリーパーにかける…。幸いにして百戦錬磨の神雷、一瞬のスキをついて脱出したものの、 体力の限界(?)を痛感する…。さてここで、神雷の発勁を食らった田辺だが、驚愕の表情を見せているもの の、あくまで“驚愕”であって“恐怖”ではない事に注目したい。つまり、本編を読みとおしている方なら ご存知の通り、神雷の発勁は黄流雲曰く(第4の極意を習得していないがための)『真の発勁』ではないのに 加えて、人並み外れた強靭な体力を持つ田辺故、まったくといってよいほど通用しなかったのだろう。事実、 高木が田辺とのタイマン(発勁?)勝負に持ちこんだ際には、高木の放った発勁には驚愕に若干恐怖の色合い が混じっている感が見うけられたし、田辺が林に発勁を放った際にはその場に居合せた神雷や大竹共々驚愕 と恐怖が文字通り入り混じった表情をしていた。ただ、田辺が百歩神拳の存在を知らなかったのか、あるい は発勁の絶大な威力に魅入られてしまい、何が何でも“発勁”(言い過ぎかも?)の思考になったとしても不 思議ではない…。事実この後の第二次関東戦争で田辺は“幻の秘拳”と呼ばれた酔拳を習得するのだが…。

11)高木は流雲から太極拳の何を教わったのか?
この質問は実は“空手部”本編からではなく、“空手部”を始めとする格闘技を題材に取ったコミックや小 説等各作品の疑問点などをピックアップしたいわゆる“雑学文庫本”の一冊、『格闘技マンガ・アニメ・ゲ ーム・ノベル 99の謎』(二見書房刊)のうち“空手部”の項の疑問点から出ている。この本によると、高 木が赤松剛鬼と最初やりあった際にはあっけなく破れているが、実は太極拳には“空手部”本編には出てい ないが、化勁(かけい)というものがあり、これを使えば剛鬼が得意とした合気柔術にも対応できるとの事。 しかしながら、太極拳を習得した頃の高木にはそこまで習得するほどの余裕がなかった、というのが真相で はないだろうか…。
当時、四国の来襲に加えて、その四国の頭が“初代大阪魂”にして、高木にとっての“心の兄”である神雷 だった事に計り知れない大きなショックを受けて、しばらくは神戸を放浪する…。そんな折に神戸の三本柱 と再会、龍虎兄弟の師匠にあたる流雲を紹介され、そこから太極拳の4つの極意を習得にかかるが、この時 点で、四国の再襲撃まで1週間もなく、とりあえず神雷と互角の勝負ができる発勁の習得のみを急いだとい うのが考えられる真相だろう。事実、死国戦争終結後、流雲は高木に“百歩神拳”を教えているが、これと て高木が急遽上京する事になったために中途になったのだろう。上京の際に流雲が高木に『発勁の極意は習 得したが、身になったわけではない』の言葉も中途半端に終った高木の修行に対する懸念だとすれば凡ての 辻褄はあうと思うのだが…。

12)大極寺はどの程度の歴史を持つのか?
あの阪神戦争の段階では龍虎兄弟曰く『中国500年の歴史の重さ』と言っているが、正直な所、これでは 明代(1368〜1644)の成立となり、“ラーメン以下”の歴史にしかならない(笑)。さらに、流雲達の父・黄天 昇の頃(おおよそ1940年代か?)で大極寺は8代目となるので龍虎兄弟の言う所の『500年の歴史』と言う のはここから持ち出されていると推測される。
その一方、天昇の末子・暗海が操る“邪極拳”は何千年も前からある暗殺拳という設定で、更に太極拳も実 際には同等の歴史を持つ拳である事は既にご存知の通りである。更に“龍天昇”に記された“大極寺の宝” というのが紀元前から蓄えられていたとされる凄まじい量の麻薬(後に剛鬼が父・剛之助直属“4人の護鬼” を借り受ける為に全体の約半分を売り飛ばしたが、その際の末端価格(推定)が20億!)等から判断するとどう 見ても紀元前からの歴史があると思われる。すなわち、大極寺自体にはそれほどの歴史はないが、太極拳を 有する黄家は相当の歴史を持つ家系だと判断できるだろう…。
さて、ここからはかなりの妄想モード(笑)に入りこむが、あの人気を博したマンガ“封神演義”にも黄家が 出てくるが、ここの家系も相当なもので代々の中国の軍事面を担当していただけではなく、『満朝の富貴、 ことごとく黄一門にあり』と記されているようにかなり裕福。加えて、作中には奇しくも“空手部”とは異 字同名の黄天祥(こうてんしょう)という人気キャラクターがいるので、血統的にはそれとの繋がりを持たせ てみたいところではある。

13)何処で高木は京阪電車に飛び込んだのか?(OVA版)
桃千代初登場のエピソードで、桃千代自身気付かないうちに関五工空手部看板を京都の高校へ渡してしまい、 厳しい叱責の後、行方が判明、最寄りの京阪京橋駅へ改札を飛び越えてホームへ駆け上がるが、間一髪の差 で間に合わず(原作ではホーム上で電車に飛びこんでいる)、あのkawasakiFX(当然“バスター”改造は施され ていない)を駆使して追いかけている。画面上ではしばらく京阪本線と並行して走った後、少し線路から離れ た後、アンダーパスを生かして電車内に飛びこんでいる…。当初は京橋から野江にかけていったん地上へ降 りる直前かと推測されたが、一気にスピードが乗る区間だし、加えて京橋〜守口市間はご存知の通り、京阪 線では唯一トップスピードを出せるので、この区間ではないだろう。となると後は、寝屋川市〜香里園間の グリーンシティそばか、牧野〜樟葉間の枚方市養父西町近郊だろう。
更に推測を重ねた結果、結論として後者であると判断した。第一の理由として、枚方市〜樟葉間では京阪国 道が併走しており、あの画面通りの行動が可能という事、更に前述の通り、京橋〜守口市間ではかなりすっ 飛ばしている京阪電車だが守口市以遠では“京阪カ〜ブ式会社”の異名の通りカーブがかなり多くなり、そ れに呼応するかのごとく停車駅も大幅に増えるのでどうしても所要時間が延びてしまう。更に高木のkawasaki FXも“バスター改造”なされていないとは言えそれなりのチューンアップはなされているだろう。こうなる と京橋でのロスタイムもここまでで解消され、追いつけるだろう。


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