| 観望日記 西海市 2010.07.18(日) やっと梅雨が明けて、仕事もひと段落。久しぶりに星見に行ってきました。この季節は天候が安定しないので、新しい場所の開拓を兼ねて双眼鏡での観望です。 過去、夏場に九重方面に出かけては、何度も悪天候に悩まされましたので山はあきらめて海に向かうことにします。衛星画像を見ても九州の南から吹き込む気流で中央の山地から東側には雲が居座っています。西側は大丈夫と安心していたら、夕方にかけては南の方から雲の塊が北上して来て、鳥栖周辺にも雨が降りました。これは独立した雲の塊のようなので、月の沈む夜半前にはどこかに行ってしまいそうな気配です。 とういう訳で九州の西の端、西彼杵(にしそのぎ)半島をめざします。そこから西には東シナ海しかありませんので、かなり暗い環境が期待できそうです。しかし、場所のあてがありません。とりあえずは七ツ釜鍾乳洞のあたりを目指して適当な場所を探しますが、夜中に観測地点を探すのはむりがあります。1時間ほど現地をうろうろしましたが良い場所が見つからず、しかたないので西海市から少し南に行ったあたりで海沿いの国道脇のパーキングエリアに椅子を出して観望を始めます。時々車が通りますが、いたしかたありません。 場所的には西から南にかけて海が広がっていて、絶好のポイントです。車さえ通らなければ。傾いたさそり座と、海からまっすぐ立ち上る天の川が美しく、海の上の星も良いもんです。透明度も上々で、空も十分な暗さです。スカイクオリティメータでは21.3とでました。はくちょう座が天頂付近にあってこれですから、九重なみかそれ以上の暗さです。海の向こうには島でもあるのか、工場のような明りが見えますが、それほど気になるレベルではありません。 見事な天の川と、横たわるように沈みつつあるさそり座を肉眼で堪能してから、12x36の防振双眼鏡で見ていきます。M6, M7、N6441(球状星団)と見てから天の川をさかのぼって、M8を見ます。肉眼でもはっきり、双眼鏡では二つに分かれたように見ます。その北にはM20とM21を含む星の一団があります。つる座のような少し歪んだ十字形で、その南北の端の恒星状の天体がM20とM21です。M20はそらし目で星雲状に見えてきます。 M24からM17、M16と流したあと、双眼鏡の限界に挑むことにします。 N6553: M8の2°ほど南東にある球状星団です。そらし目でかすかに見えました。小さいですが、恒星とはなんとか区別できます。(8.1v) N6638: いて座の22番星の近くにある球状星団です。そらし目でかすかに感じられます。小さいものの面積体であることがわかります。(9.1v) N6644: N663の近くにある惑星状星雲です。小さな惑星状星雲なので、微光星の配置をメモして星図ソフトで確認しますが、まったく見えていません。資料によると10.7vなので、さすがに無理がありました。 N6652: M69の近くにある球状星団です。これが怪しいという天体がありますが、恒星と区別がつきません。そらし目でかすかに見える程度です。これも恒星の配置をメモして後で調べたところ間違いなかったようです。(8.8v) M54, M70, M69: ついでにティーポットの底に沈んだメシエ球状星団を見ていきます。M54:淡い恒星状ですが、良く見ると恒星ではないことがわかります(7.6v)。M70:淡く小さいが、球状星団の見え方。弱い集光あり。近くに微光星の塊があって、一見、これと間違えそう(8.0v)。 M69:小さい星雲状で集光あり(7.6v)。 M9: あまり明るくはありませんが、しっかりした集光があってそこそこの大きさです(7.6v)。 N6342: M9の近くにある球状星団ですがどうやっても見えません。資料で確認すると9.8v、これは無理でした。 周辺の暗黒星雲も見ます。B90、これははっきり見えます。B86は小さすぎで見えません。隣接するN6520は見えているのですが。天の川をさかのぼって、たて座のLSCを見ます。東側の輪郭が明瞭で、入り組んでいます。30mmファインダーくらいでスケッチしてみたいところです。さらにさかのぼってわし座のB143を見ます。複雑に入り組んでいますが、12xではやや大きすぎです。 椅子の向きを変えてはくちょう座方面を見ていきます。まずはN7000が肉眼で見るかを検証してみます。肉眼ではデネブの東側に大きな三角形状の恒星雲が見えています。62番星、56番星、57番星、55番星、59番星、63番星に囲まれた領域です。これが一見、北アメリカのような形に見えますが、本物のN7000は57番星と62番星の間にあって、前記の恒星雲よりはかなり小さいものです。肉眼で見えている様子と、双眼鏡で見えているN7000を比較すると、N7000(散光星雲)は肉眼で見るには淡すぎることが良くわかります。 γCyg: 周辺に恒星が少ない気がします。 M29: 小さな四角形。そらし目で4〜5個が見える。 M27: 明るく、大きさもあって、分銅のような形がなんとかわかります。 M71: やや大きく、淡い。均一な明るさです。 M57: 12xの双眼鏡でもほとんど恒星状。これを双眼鏡で見定めるのは結構難しいです。 B168: コクーン星雲の回りの暗黒帯です。まっすぐ伸びた姿です。根元は大きく広がっています。 N7008:隣接する8.5等星は見えましたが、N7008は見えません。(10.8v) N6946:ケフェウス座の系外銀河。見えているような気もしますが、12x36ではちょっとムリがあるようです。 N6939:N6946の近くに見える散開星団です。淡く大きな姿が見えています。 以上、約2時間ほど見たところで切り上げることにします。 |