2-2 微分其の弐


 

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スティーブ・バルマー(マイクロソフトCEO)


1.導関数の公式

 基本的な関数の導関数を公式として列挙しておきます。

(式2-2.1)


続けて微分法の公式と呼ばれるものをいくつか。

(式2-2.2)

最後のやつだけ補足説明。これは合成関数の微分と呼ばれるもので、
y=f(z)、z=g(x)として、dy/dx = dy/dz・dz/dx とします。
例えばy=sin(x2)の場合、y=f(z)=sin(z)、z=g(x)=x2とおくと
dy/dz = cos(z)、dz/dx = 2x となりますから
dy/dx = 2x・cos(x2) となります。


2.テイラー展開


 関数f(x)を冪級数

(式2-2.3)

に展開することを考えます。なぜそんな面倒なことをするのかッ! 坊やだからさ。
ではなくてお約束だからです。…でもなくて、とりあえず(式2-2.3)の最初の数項だけ
計算してざくっと近似してみたりとかするんです。

さてf(x)を(式2-2.3)の形に展開するにはどうしたら良いでしょうか。
さてここで手を抜いて、f(x)が係数a0, a1, a2, …, an, … を適当に定めることにより
(式2-2.3)の形に展開できるとします。ちと乱暴ですがキニシナイ。
で、肝心の係数aiはどのようにして求めるのでしょうか?
(式2-2.3)にx=0を代入してみましょう。xを含む項は全て0となるので

f(0) = a0

となり、a0が求められました。次に(式2-2.3)の両辺をxで微分してみると、(※注)



となります。こいつにx=0を代入すればa1が求まります。同様にどんどん微分していけば、



となります。まとめると

(式2-2.4)


となります。(式2-2.3)のか替わりに



とすると、x=0ではなくx=αを代入すれば、あとは上と同様にして

(式2-2.5)

が得られます。(式2-2.5)をテイラー展開といいます。αを展開の中心とか呼びます
(式2-2.4)は0を中心としたテイラー展開になりますが、
これを特にマクローリン展開といいます。
初等関数のマクローリン展開を幾つか例として挙げときます。

(式2-2.6)



 では実際にsin(x)のグラフを見てみましょう。

(図2-2.1)

赤がcmathのsinf関数で求めたもので、青がマクローリン展開(n=2)、
緑がマクローリン展開(n=4)の結果です。
n=4になると、[-π, π]の範囲ではsinfとほぼ一致しているのが分かります。

この例でも現れているように、テイラー展開は展開の中心に近いほうが精度が高くなります。
マクローリン展開は0を中心としたテイラー展開なのでx=0近辺での精度が高く、
n=2の場合でもsinfの結果とほぼ一致しています。


(※注)当然のように微分してますが、このような項別微分が可能であるにはホントは条件が要ります。
つか上でやったテイラー展開の導出はかなりアレです。
が、結果は正しいのであまり気にしないように。


3.偏導関数

 いままでは独立変数が1つであるような関数を扱ってきましたが、
今度は独立変数が2つある関数 z = f(x, y) を扱ってみます。
2つの独立変数のうち1つを固定して、例えばyを一定としてxのみを変動させるとして
1変数関数のときと同じような極限

(式2-2.7)

を考えます。この極限が存在するとき、fは偏微分可能であるといい、∂f/∂x をf(x, y)の
xに関する偏導関数といいます。yに関する偏導関数も同様です。
偏導関数を求めることを偏微分するといいます。
偏導関数の表記法には



などがあります。


 実際の計算は、例えばfx(x, y)の場合、yを定数とみなして
xに関して(式2-2.1)などをつかって計算するだけです。部分微分とでも呼びたいですね。
偏導関数を英語ではpartial derivativeといいます。


 1変数の場合と同様に、偏導関数の偏導関数、つまり2階の偏導関数を考えることができます。
2変数の場合xで偏微分したものをyで偏微分する(あるいはその逆)などもあるので、
2階偏導関数は4種類あることになります。これらを次のように表記します。



同じ行に書いてあるものは全て同じ偏導関数を表しています。
偏微分する順番に注意してください。例えば2行目のものは
xで偏微分してからyで偏微分することを表しています。

さて実際に f(x, y) = x2y3 という関数の2階偏導関数を求めてみましょう。

fx = 2xy3
fy = 3x2y2

fxy = 6xy2
fyx = 6xy2

ありゃ? fxy = fyx となりました。これはたまたまなんでしょうか?
それとも常に成り立つのでしょうか?
実は fxy と fyx が連続であれば、fxy = fyx が成り立つことが知られています。
以後出てくる関数はこの条件を満たすとします。
より高階の偏導関数の場合も同様に、fxxy = fxyx = fyxx などとなります。

(式2-2.8)

を関数 z = f(x, y) の全微分といいます。独立変数の増分凅, 凉が十分に小さければ、
(式2-2.8)においてdx = 凅, dy = 凉 としたものはzの増分凛の近似となります。


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