■JGTCってなに? JGTCとはモータースポーツのシリーズ・レースである『全日本GT選手権レース』(ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP)の略称です。全日本選手権は、日本のクルマ社会を支援する団体JAFの公認する 年間シリーズ戦のことです。全日本選手権では、年間数レースを日本各地で開催し、参加チームはその成績毎 にポイントを得ます。その年間トータルのポイントでシリーズ・チャンピオンを決定するのです。チャンピオ ンはドライバーの個人タイトルとチームに与えられるタイトルがあります。 ■JGTCに参加しているクルマは? JGTCではGTカーをベースにした車両(レーシング・マシン)でレースを競います。このGTカーは、元々ヨ ーロッパで大陸間を高速に、かつ快適に走るために生み出された車種です。したがって、各自動車メーカー は、このGTカーに最も優秀で強力なエンジンやボディ、シャシーをつぎ込みました。このため、GTカーはその メーカーを代表する高性能スポーツカーであるわけです。そのGTカーを基にレース専用に、より高性能に改造 されたクルマを用いてレースをするのがJGTCです。 2001年も国産車ではホンダNSX、日産スカイラインGT-R、トヨタスープラ、マツダRX-7、トヨタMR-S、日産 シルビア、スバルインプレッサなどが、外国車では、マクラーレンF1GTR、ポルシェ911GT3R、ランボルギー ニ・ディアブロ、フェラーリF360、ダッヂヴァイパーなどがJGTCに登場します。 JGTCでは、ベースとなる車両に対しての改造に一定の制限を設け、その実力を均衡させる規定を実施してい ます。これにより常に接近した迫力あるレースが展開され、ベース車両の優劣だけではない総合的なチーム力 を問うレースとなっています。 ■JGTCってどんなレース? JGTCの決勝レースでは1周3〜6kmのサーキットを周回し、総距離数250km〜1,000km程度を誰が一番速く走り 切るかを競います。この250km〜1,000kmという距離は、フォーミュラ・レースなどのスプリントレース(約 200km)と較べるとやや長く、あまりパワーを重視する改造をすると走り切れません。マシンのトータルバラ ンスが問われる難しい距離なのです。 また、マシンに積める燃料に制限があるために、レース中に必ず1度は燃料補給のためピット(作業のため の場所)に帰って再スタートしなくてはなりません。また、運転するドライバーも2人1組で、必ず途中で交代 しなくてはなりません。 このため、単にマシンが速いだけでなく、2人のドライバーのコンビネーションやピットで作業するメカニ ックたちの腕前、監督のレース戦略も問われるのです。JGTCはただのスピード競争ではなく、レーシング・チ ームの総合力を競う極めてシビアなレースなのです。 決勝レースの前日(土曜日)には、2回の予選が行われます。この予選はサーキット1周のタイムを競うもの で、各マシンが規定時間内に計測した最速のタイムを較べます。このタイムの最も速いチームが、翌日の決勝 レースで最前列の有利な場所からスタートできます。これはポールポジションと言われ、とても名誉のあると ともに決勝レースを戦う上で極めて有利になります。このポールポジションに続き、タイム順に決勝レースの スタート位置(スターティンググリッド)が決められます。 決勝レースで上位入賞したチームには、次のレースでハンデとしてウエイト(重り)が積まれます。つま り、勝てば勝つほどマシンが重くなり、不利になっていくのです。強いチームとドライバーはそれを乗り得る 技術が必要になります。これにより、車種の違いによる格差でなく、真の実力を問われることになるわけで す。また、一定の車種だけが有利にならず、常に競り合いのある迫力のあるレースが展開されるのです。 ■GT500、GT300って? JGTCには、車両の最大出力を基準にして2つのクラスを設置しています。 GT500クラスは、JGTCのトップクラスで最大約500馬力を基準とした車両が分類されています。このクラスの 車両は、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなど長い直線を持つコースでは約300km/hにせまる迫力ある走 りを見せ、国際的にも注目されています。また、参加チームの多くは国内外で活躍し、国際的にも通用するレ ーシングチームです。 GT300クラスは、最大約300馬力を基準とした車両が分類されています。このクラスはパワーが低い分、改造 個所が少なく済むため、有力なプライベート・チームが参加し、車両間の格差も少なく、常に激しいレースを 展開しています。 ☆主な車両規定 両クラス共通 ○市販される2ドア車であること ○カーボンブレーキやアクティブサスペンションなど高度な電子制御部品の追加搭載の禁止 ○シャシーと同一メーカーであれば他車種のエンジンへの換装は可能 ○ターボなど過給器の追加、ベース車両と同種ならばサスペンションの交換も可能 ○レースの均衡化に必要な場合は、特例として車種別に車両規定を別途設定 GT500クラス ○リストリクター(吸気制限部品)により約500馬力にエンジン出力を制限 ○最低車重 1,150kg(※過給器の有無/排気量により各々規定) ○タイヤ幅 359mm ○主な参加車両:NSX/スカイラインGT-R/スープラ/マクラーレンF1GTR/ ランボルギーニ・ディアブロなど GT300クラス ○リストリクター(吸気制限部品)により約300馬力にエンジン出力を制限 ○最低車重 1,050kg(※過給器の有無/排気量により各々規定) ○タイヤ幅 305mm ○主な参加車両:ポルシェ911GT3R/MR-S/シルビア/RX-7/インプレッサ/ ダッヂ・ヴァイパー/フェラーリF360など ■どんな選手が出てるの? JGTCには日本のトップ・ドライバーのみならず、F1、ル・マン24時間レースなど海外のトップカテゴリーを 経験した一流ドライバーが数多く参加しています。 2001年参戦ドライバーでF1レギュラードライバー経験者は、片山右京、エリック・コマスなどがいます。ま た、元2輪世界選手権GP500チャンピオンのワイン・ガードナー、94〜96年に米国のインディ500に参戦した松 田秀士、F1やインディーライツ等海外経験豊富な野田英樹、など国際的に活躍しているドライバーも数多くい ます。 もちろん、国内レースで活躍するトップドライバーも多数参加しています。日本一速い男の異名を持つ星野 一義を筆頭に、ドリキンこと土屋圭市、影山正彦・正美兄弟、飯田章等の日本のレース界の中心となるドライ バー、98年Fニッポンチャンピオンの本山哲をはじめとする、道上龍、脇阪寿一、金石勝智、立川祐路等フォ ーミュラでも活躍するドライバー、そしてストリート派の自動車ファンに人気のある竹内浩典、織戸学、山路 慎一、松本晴彦、小林且雄、ジムカーナチャンピオンの山野哲也、さらに歌手でもある近藤真彦など国内随一 の賑やかな顔ぶれとなっています。 JGTCでは、ドライバーは2人1組で競技をするため、若手ドライバーのビッグレースへの登竜門ともなってい ます。97年以降F1で活躍しているラルフ・シューマッハも96年のJGTCを走っています。また、マカオF3で活躍 した伊藤大輔、荒聖治、アンドレ・クートなどが現在JGTCに参戦しています。このように日本の、世界のレー ス界の頂点を目指す若手が数多く参加しています。 一方で、GT300を中心にトップ・アマチュアのドライバーのチャレンジも見受けられます。性別、年齢、キ ャリアを問わず対等に戦えるのがモータースポーツですが、JGTCはまさにその原点にあるレース・イベントな のです。