レースといっても、いろいろな種類がある! “2台以上の車が同一のコースを同時にスタートし、所定の距離を先に走破するか、 または所定の時間内にもっとも長い距離を走行した競技者が上位となる競技” − これが、基本的な「レース」の定義です。 前者はいわゆるスプリントレースを指し、後者は一般には耐久レースという区別のされ方をします。 F1や国内のトップフォーミュラレースであるフォーミュラ・ニッポンはスプリントレースであり、 フランスのル・マン24時間や、北海道の十勝で毎年夏に行われる十勝24時間レースは 代表的な耐久レースということになります。 いずれの場合も、完走した車両の中で最も速い平均速度で周回したクルマ(ドライバー)が優勝する、 それが自動車レースの基本的な原理です。 レースはそのほとんどが、そのために作られたサーキットコースで競われますが、中にはF1のモナコGPや、 “F3世界一決定戦”が行われるマカオGPのように一般公道を閉鎖して臨時に作られたコースで行われる場合もあります。 またル・マン24時間レースのようにサーキットと閉鎖された公道を組み合わせたコースで開催される場合もあります。 国内レース競技の種類 現在、国内ではさまざまな種類のモータースポーツが、多くの人々に楽しまれています。 日本国内において、JAF公認で行われているモータースポーツの種類と内容はおよそ次のようなものです。 レース モータースポーツと言えば、すぐにレースのことを思い浮かべる人は多いでしょう。 サーキットという決められたコースの中でライバル達のクルマと競争するのがレースです。 各地のサーキットでは入門者用のレースも開催されています。 ラリー 公道を走る競技がラリーですが、 もちろん公道上で抜きつ抜かれつのバトルをするのではありません。 ラリーは、区間ごとに決められた指示速度(もちろん制限速度内)を いかに正確に守って走行できるかで勝敗を決める競技です。 上級者向けのラリーでは、特定の場所を占有して、 タイムトライアル(決められたコースをいかに速く走るか)行うケースもあります。 スピード行事(ジムカーナ及びダートトライアル) 舗装された広場や駐車場(ジムカーナ)、及び非舗装路面(ダートトライアル)などに パイロンなどで作られた規定のコースを走り、そのタイムを競う競技です。 専用コースもたくさんあります。 レーシングカート 右足でアクセルを左足でブレーキを踏む、F1を小さくしたようなタイヤが剥き出しの マシンでレースを行う競技です。 遊園地にあるゴーカートを本格的にしたものと考えればよいでしょう。 以上の4種類が国内で行われている代表的なモータースポーツですが、 そのほかにも以下のような競技があります。 ヒルクライム カーブや急勾配などを含むコースで最短時間を競う一種のスピード行事です。 タイムトライアル サーキットやトラックなどで、所定のコースを最短時間で走る記録を競う競技で、 あくまで個別のタイムを比較する競技です。これも一種のスピード行事です。 ドラッグレース 平坦な直線の4分の1マイル、約400mを車両2台が同時にスタートして その所要時間を競う一種のレースです。 記録挑戦 所定の距離に対する時間、時間に対する距離から速度を算出し、 既存の記録に挑戦する競技です。 現在、国内では毎週のように全国各地のサーキットでレース競技会が開催されています。 競技会の数だけで年間で約130に及びますが、一回の競技会で複数のレースが行われるため、 個々のレースの数はその数倍になります。 JAFでは国内のレース競技会において優秀な成績を収めたドライバーやチームなどの栄誉を讃えるため、 これを認定する日本レース選手権規定を毎年制定しています。 日本レース選手権は、全日本選手権、地方選手権のふたつに区分されます。 前者に含まれるのは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(以下F・ニッポン)、 全日本GT選手権(以下GT)、そして全日本F3選手権(以下F3)の3カテゴリーです。 また地方選手権には、フォーミュラ4地方選手権(以下F4)、フォーミュラJ1600(以下FJ1600)、 ツーリングカー選手権が入ります。 国内で行われている全日本選手権の概要は以下の通りです。 Formula-Nippon 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン 全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは、95年までヨーロッパの国際F3000選手権と同等の規則に従って 開催されていた全日本F3000選手権がその前身です。 国際F3000選手権は96年から使用車両がワンメイク化されるなど大きな規則変更が実施されましたが、 国内では国際F3000とは一線を画す規則を作り、日本独自のフォーミュラ・カテゴリーとなりました。 今年はシャシーはレイナード、Gフォース(ともに英国製)の2種類が参戦、 排気量3000ccを上限とするエンジンは、無限が使用されます。 排気量はF1と同じですが、Fニッポンでは毎分9000回転で作動するレブリミッターの装着が義務づけられて いるのが大きな違いです。この制限により約450馬力程度のパワーを発揮しますが、その範囲内でより戦闘力の 高いエンジン特性を出力するために、日夜そのチューンナップにしのぎを削っているのです。 Grand Touring Car Championship 全日本GT選手権 スカイラインGT−R、スープラ、NSX、RX−7、MR−S、シルビアetc... こうした国内の一線級のスーパーカーが勢揃いし、 毎回熱いバトルを繰り広げるそれが全日本GT選手権(GT)です。 しかもレースの主役は、これら国産マシンばかりではありません。 ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニそして現在最高のGTマシンと言われるマクレーランF1GTRまでもが、 全日本GT選手権には参戦してきました。いわば世界中のスーパーカーが国内のサーキットを所狭しと駆け回る、 そんなゴキゲンなレースがGT選手権なのです。 GT選手権のマシンは、FIA/JAFの公認もしくはJAFの登録車両をベースとしていますが、 量産車ベースのレース車両としては最も改造の自由度が大きいために、 その中身は外見以上に純レーシングマシンと言ってもいいほどの改造が施されています。 例えばエンジンは同一メーカーの公認/登録エンジンであれば載せ変えは自由、排気量の制限もなく、 過給/自然吸気の制限もありません。 サスペンションも当初の形式さえ維持すれば改造はOKなので、アーム類をはじめ丸ごと交換するマシンがほとんどで、 中にはグループCカー(80〜90年代初頭の耐久レース界を一世風靡したレース専用に製作されたスーパーマシン) のサスペンションをそのまま移植したクルマもあります。 もちろん、こうしたさまざまなマシンをそのままの形でレースで競わせると、マシンの性能差が即、勝敗に直結するため、 GT選手権では、排気量ごとの車両最低重量や、エアリストリクターの装着が義務づけられており、 これによってイコールコンデイションが図られる仕組みになっています。 現在のGT選手権は、この車両最低重量、エアリストリクターの径によって第1部門(GT500)と第2部門(GT300) のふたつのクラスでチャンピオン争いが展開されています。この500や300という数字は、 各クラスのマシンのおよその最高出力を表しています。 従ってGTではよりハイパワーを誇るGT500のマシンが総合トップの座を常に争っています。 全日本選手権中、GT選手権は最もレース距離・走行時間が長く、250〜500 kmの距離を走ります。 ドライバーは二人ひと組で、必ずドライバー交代をしなければなりません。 ですから、最低一度は訪れるピットインでの作業が、勝敗の行方を左右することもあります。 つまりマシンの速さやドライバーの腕だけでなく、タイヤ交換や給油の作業能力、 さらにピットインのタイミングを冷静に判断するレース運びなど、他の全日本カテゴリーと比べ、 チーム全体の総合力が大きく問われるのがGT選手権なのです。 またGT選手権では、上位入賞マシンには次のレースから2種類のウエイトハンディ (強制的に重量物の積載を命じられること)が課せられますので、常に各所で激しいバトルが展開されています。 サーキットに響きわたるエギゾーストノート、そして息もつかせぬバトル。 スーパーカーがまさに異次元のデッドヒートを繰り広げるGT選手権は、 レースファンならずとも一見の価値のあるレースなのです。 AllJapanF3Championship 全日本F3選手権 F3はその名が示す通り、世界的に見てもF1や国際F3000(Fニッポン) に続いて第3にランクされるフォーミュラ・レースです。 日本人にわかりやすくいうと、F1が大リーグ、F3000が日本のプロ野球。 そしてF3は大学野球と言えるでしょうか。 プロフェッショナルドライバーになるための最後のステップというわけです。 最大の特徴は、F1や国際F3000が数カ国に渡って転戦するシリーズであるのに対し、 このF3はその国ごとにシリーズが開催されることで日本、イギリス、ドイツ、フランス、 イタリアなどで盛んに行なわれています。 これらのシリーズで上位にランクされたドライバーは、F1やF3000チームに見いだされ フォーミュラのピラミッドを駆け上がって行くことになります。 F3では国内シリーズとは別にフランス(ポー)、マカオ等で世界のF3ドライバーが参加する 言わば世界F3王座決定戦のような特別なレースがあり、世界中の注目を集めています。 そのウィナーは近い将来必ずF1で大活躍するからです。 そうした意味からも今後のフォーミュラの活性化を考えると、 このF3は最も重要なカテゴリーの一つと言ってもいいかもしれません。 F3のエンジンは年間2500台以上生産されFIAの公認を受けたものとされ、排気量は2000ccまでとされています。 96年までは最大出力は170〜180馬力程度に抑えられていましたが、97年からリストリクター径が拡大されたため、 その分エンジンの出力は一気に200 馬力まで引き上げられ、 より迫力あるハイスピードなレースが展開されるようになりました。 現在日本のF3で主流となっているのが、トヨタ、無限ホンダ、日産のエンジンです。 欧州ではオペル、ルノーなどもあり、 世界の自動車メーカーの主流エンジンがベースとなっているのもF3の特徴です。 シャシーの選択は自由ですが、現在は世界的にイタリアのダラーラ社が製造する F3マシンによるほぼワンメイクとなっています。 またタイヤは日本ではブリヂストン製のタイヤが使用されています。 国内レース競技車両の概要 レースマシンは、その構造によって細かく区別されている レースの競技車両は、大別すると(1)レース専用に作られた競技車両(フォーミュラカー等) (2)市販車をベースとした競技車両(ツーリングカー、グランドツーリングカー等)に大別できます。 レース専用競技車両を代表するものはフォーミュラカーです。 この“フォーミュラ”とは、もともとは「車両規則で定められた規格」を表す言葉であり、 日本でも人気のあるF1はそのまま訳せば「規格第一号」という意味です。 現在は、タイヤが露出した屋根のない一人乗りのレーシングカーを総称してフォーミュラカーと呼んでいます。 F1は言うまでもなくフォーミュラレースの最高峰に位置しています。 F1に次ぐフォーミュラカーは従来F2と呼ばれてきましたが、FIAは現在、F3000としています。 国内で行われている全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの車両がこれに属します。 そしてそれに続くのがF3となります。 また市販車をベースとした競技車両もさまざまな種類がありますが、 自動車メーカーはレースに使用されるベース車両については予めFIA、JAFから車両公認(車体、機械構造) を受けておく必要があります。 実際に使用される車両はレースのカテゴリーごとに決められる車両規則により公認車両そのままの場合もあれば、 広く改造を認められる場合もあります。 市販車ベースのレース車両についてもいくつかのカテゴリーがあり、 全日本GT選手権を走るマシンは「グランドツーリングカー」というカテゴリーに属します。 現在、国内で行われているJAF公認のレース競技に参加できるレース競技車両は、以下の9種類に分けられます。 1)「量産ツーリングカー」(N1) 2)「特殊ツーリングカー」(N2) 3)「グランドツーリングカー」(JAF-GT) 4)「フォーミュラJ1600」(FJ1600) 5)「フォーミュラ4」(F4) 6)「アールエス」(RS) 7)「JAFフォーミュラ3000」(JAF-F3000) 8)「フォーミュラ3」(F3) 9)「リブレ(その他の車両)」(NE) 上記のうち1)〜3)の車両は、量産車をベースとした競技車両です。座席数やベースとなる量産車の生産台数、 改造の範囲によって3種類に分けられているわけです。 また4)〜8)はレースのために専用に製作された車両です。 4)「フォーミュラJ1600」、5)「フォーミュラ4」、7)「JAFフォーミュラ3000」はいずれもフォーミュラカーを指し、 搭載するエンジンの排気量や、改造の範囲によって分けられています。 全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの参戦する車両は7)「JAFフォーミュラ3000」、 全日本フォーミュラ選手権に参戦する車両はその名の通り8)「フォーミュラ3」の車両規定に従います。 6)「アールエス」はタイヤを覆うカウルの付いたコンパクトなレーシングカーを指します。 8)までのグループのいずれにも属さない車両で競技会を開催することは原則としてできませんが、 JAFに申請し、その承認を得た車両規定ならびにJAFが定めた安全規定を満たした車両は 9)「リブレ」=その他の車両(NE)として、競技会を開催することができます。