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動物のがん(腫瘍)

 動物にも腫瘍はできます。腫瘍の中で、悪性のものをがんと呼んでいます。近年動物医療のレベルアップに伴い、動物の寿命は長くなってきました。昔はいわゆる腫瘍年齢まで生きることが少なかったのですが、最近は長寿の動物が増えるに従って腫瘍の発生も多くなってきています。

 体に「しこり」ができるとがんではないかと心配になりますが、すべてがんということではありません。
「しこり」には腫瘍もあれば、腫瘍でないものもあります。
 腫瘍の場合、悪性のものもあれば良性のものもあります。さらに腫瘍は必ずしも「しこり」を作るとは限りません。
 これら腫瘍はどんな細胞が腫瘍になったのか、あるいは悪性か良性かによってそれぞれ名前が付けられます。また、それぞれに増殖や転移といった「挙動」が違い、腫瘍そのものが大きくなって困るものや、全身性に悪い作用をおよぼすもの、あるいは他の場所に転移しやすいものなどがあります。また、腫瘍の種類によって転移しやすい場所も違います。

 そこで重要になるのが、そのしこりがどんなものであるかということになりますが、それらは目で見ただけでどんなものであるかが判ることはほとんどありません。
「しこり」があるとき、それが腫瘍であるかそうでないのか、腫瘍であればどんな種類なのか、また、どの程度広がっているのかによって治療方法は違います。

 検査の結果、完治可能な腫瘍であれば、その可能性を追求する治療が望ましく、治療法には外科的治療や化学療法、あるいは放射線治療などがあります。完治の可能性があれば、多少のリスクがあっても積極的な治療が第一選択となります。
 しかしながら、腫瘍は必ずしも完治するものばかりではありません。その場合、腫瘍の種類によって、その腫瘍による病変の拡大をできるだけ防ぐことや、現在困っている症状の改善緩和、これから起きるであろう障害の回避、軽減などを中心に本人ができるだけ楽に生活できるように考えていくことが最優先になります。

 繰り返しになりますが、これらは相手(腫瘍)が何であるかによって作戦(治療)は異なります。

 人間にとっても、腫瘍は、未だに「死」や「痛み」を想像させる「不治」のイメージがあります。しかし、近年では人の腫瘍は必ずしもそういうものではなくなってきました。それは、腫瘍にも、種類・程度などが様々であり、早期に適切な処置を行うことによって余命を充分に永らえることも多くの場合可能になって来たからです。
 獣医療に於いても、腫瘍の研究が進み、多くの良い治療ができるようになってきています。腫瘍と聞いて、あきらめる必要はありません。適切な治療を受け、少しでも、普段と変わらない生活を長く保つことは、飼い主さんと、私たちとの協力によって実現可能なのです。
 しかし、人々が家族同様に飼っている動物に腫瘍が発生した場合、どのように考えて、何を優先すべきかは人間の場合とは、また別に考えなければなければならないこともあり、動物に対して、人での腫瘍治療を全く同様に適応するわけにもいきません。
 当院ではこういった観点から、動物の腫瘍を今後の診療の大きなテーマとして取り組み、、飼い主さんの不安をとりのぞき、動物たちの長生きを心から喜べるような医療を心がけたいと思っています。

  当院では腫瘍の診断と治療に力を注いでおり、院長は、日本獣医がん学会に所属し、腫瘍のU種認定医資格を取るなど、日々研鑽を積み、腫瘍に対して正しい判断と適切なアドバイス、病態に即した治療を心がけています。

 腫瘍について、不安に思うこと、疑問に思うことなどがありましたら、何でもご相談下さい。

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