| 私のもとに、「自分の」スヌーピーのぬいぐるみがはじめてやってきたのは、7歳のクリスマスでした。 その朝枕元にいたのは、叔母のスヌーピーよりはふたまわりほど小さい、いわゆる「ミニ」サイズのスヌーピーでした。 2つ年上の兄の枕元にも、同じぬいぐるみが届いていました。兄妹で協議の結果、兄のに「すぬたろう」、私のに「すぬお」と名前をつけることに決め、母に報告にいきました。すると母はこう言いました。 「スヌーピーは、『スヌーピー』って種類の犬じゃなくて、名前なんだからわざわざ他の名前つけるのって、変じゃない?」 それもそうかと納得し、彼らは単にスヌーピー、あるいはスヌと呼ばれることとなりました。…ちなみにこれが尾を引いて、今や100匹を超えている(と思われる)我が家のスヌーピーたちには名前はついていません。特徴とかメーカーとかで呼び分けています。 さて、この新しい友達には、何かが足りないと私は思いました。それは首輪です。コミックで、チャーリーブラウンがスヌーピーに新しい首輪を買うストリップをその頃読んだと思います。私も、自分のスヌーピーに首輪を買ってあげたいと思い、母にせがんで買い物に連れて行ってもらいました。どこまで出かけたのかは覚えていませんが、とにかく自分のイメージにぴったりの赤い革の首輪(おそらく本来はブレスレットかなにか)を見つけることができました。 そして帰りの電車の中で、早速抱いていたスヌーピーの首に首輪をつけてやりました。1番細くなる穴に合わせても、若干のゆるみがありました。 「ちょっと大きかったみたいね」 そう言う母に、私はこう言い放ったのです。 「だいじょうぶだよ。すぐに大きくなるから!」 …幼いとはいえ、もう小学生です。ぬいぐるみが大きくならないことなど、百も承知の筈でした。しかし、そう言った時に、私は自分の言葉に何の疑いも持っていなかったのです。母と兄の爆笑を買いながら、なんでそんなに笑うんだろうと不思議に思っていたことを、今でもよく覚えています。 あれから、25年が経ちました。 彼はあれからずっと、私の側にいます。 すりきれた赤い首輪は、今もまだ少し大きいまま、彼の首を飾っています。 |