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2001年9月11日、22時30分。 帰宅して、台風情報を見ようとつけたテレビを消せなくなった。 映画でも見ているかのような非現実的な光景が、繰返し映し出されるブラウン管。ヒステリックに叫ぶレポーター。砂でできていたかのように崩れる高層ビル。いつかは訪れてみたいと憧れていた摩天楼が焦土と化してゆくのを、真夜中まで呆然と見守り続けた。 思想や信条は、いろいろあるだろう。飛行機を乗っ取り、ビルに突っ込んだ犯人だって、自分の信じるもののために命を投げうったことには違いない。 そのこと自体を批判できる立場には、私はいない。 報復に関する論議もかまびすしいが、憎しみからは何も生まれないなどと綺麗な言葉を並べるつもりもない。 万人に共通の正邪の基準などありえないし、60年前なら私だって日の丸振って大喜びしていたに違いないのだから。 誤解を恐れずに言うなら、所詮は他人事なのだ。外野が真剣に一喜一憂したところで、要らぬ混乱を招くのがオチだろう。 それでも。 まだ、あの瓦礫の中に埋まっている人がいる。万にひとつの望みを抱いて、愛する人を探し続ける人がいる。 その人たちの、ひとつひとつの命を、思いを救いたいと思う。 思想も信条もなく、 ただ素直に、ひとりの人間として私はそう思う。 だから。 今、自分にできることをやろうと思う。 偽善でも、自己満足でもいい。今目の前にできることがあるなら、そこから始めればいい。結果としてあの瓦礫の下の人々に、物資なり資金と、そしてわずかでも思いが届くのならば。どんな方法でも、どんなルートでも。 |