芥川龍之介年譜・その2

−初期習作の時代−

 事項                            作品

明治41年(1908年)17歳
この頃、暇を見つけては妖怪譚を読んでいた。           老狂人
                                死想
                                チャムさん
                                草苺の陰に眠れる
                                蛇と蛙の話
                                俳句12首

明治42年(1909年)18歳  
3月、千葉に旅行                        短歌1首
7月、一学期柔道大会に参加、中堅として1勝。          一学期柔道納会
8月、級友たちとともに槍ヶ岳に登る。              槍ヶ岳紀行
                                槍ヶ岳に登った記
10月、修学旅行で日光へ。                   日光小品
                                短歌13首
                                俳句11句

明治43年(1910年)19歳
このころの志望は歴史家で、「義仲論」を書いていた。       2月「義仲論」
3月、東京府立第三中学校を卒業。芥川は成績優秀者として表彰さ
れた。しかし残念ながら(?)主席は西川英次郎氏。この人物、
「追憶」「学校友だち」に出てくる。               4月短歌3首
5月、勝浦に旅行へ。                      「勝浦にて」
                                6月短歌3首
8月、一高合格。
8月、葛巻義敏誕生(姉ひさの子)。               8月俳句2首
9月、第一高等学校文科に入学。                 9月俳句1首
同級に恒藤恭、久米正雄、菊池寛など。              短歌「平塚に与ふる歌」9首

明治44年(1911年)20歳
2月、実父の持ち家に転居。                   2月詩1編
                                4月短歌2首
                                7月詩1編
                                8月断片語
9月、当時全寮制であった一高の原則に従い、寮に入る。
この頃からキリスト教に興味を覚えたらしい。英文聖書を贈られる
のもこの頃。世紀末文学を愛読し、懐疑主義、厭世主義の傾向が強
まった。(「或阿呆の一生」)

明治45年/大正元年(1912年)21歳
この年からオペラや演奏会に頻繁に出かけるようになった。     3月短歌1首
                                4月短歌4首
                                8月短歌6首
                                12月漢詩1編
                                   ロオレンゾの恋物語
                                   INPROMPTU
                                   VITA SEXUALIS
                                   詩14編

大正2年(1913年)22歳
アイルランド人記者ジョーンズと知り合う(「彼第二」)      3月短歌4首
4月、菊池寛が、一高を退学。
                                6月短歌1首
7月、一高を卒業。成績は2番。1番は恒藤恭。          8月
                                 短歌4首
                                 短歌「追憶二章」6首
                                 短歌「秋の歌」7首
9月、東京帝国大学に入学。                   9月
                                 短歌「秋の歌」12首
                                 短歌4首
                                10月詩1編
                                11月
                                 短歌「CONCERTにて」4首
                                 短歌8首
                                12月漢詩1編

                                「菩提樹」

大正3年(1914年)23歳
1月、鵠沼(藤沢市)の山本家別荘で滞在。            1月
神経質になっていて、友達を避けていたと思われる          短歌3首
1月17日、パルタザアル(アナトール・フランス)の翻訳を脱稿   パルタザアル
2月、第三次「新思潮」創刊。メンバーは              未来創刊号
山本有三、豊島与志雄、山宮允(大正元年入学)
芥川龍之介、久米正雄、佐野文夫、成瀬正一、土屋文明(2年入学)
松岡譲(3年入学)そして菊池寛                
4月14日、小説「老年」脱稿                  4月
                                 大川の水
                                 「ケルトの薄明かり」より
                                 短歌2首
                                5月
                                 老年
                                 紫天鵞絨
                                 桐
                                 詩1編
                                6月
                                 春の心臓
                                 詩「ふるさとの歌」
7月頃、恋愛の相手吉田弥生と文通。               7月
                                 薔薇
                                 短歌「京都旅情」など
                                 25首
8月14日、「青年と死」脱稿                  8月
「新思潮」が廃刊。                        短歌5首
                                 対話「路」
                                9月
                                 青年と死
                                 詩「ミラノの画工」
                                 客中恋
10月、田端に転居。田端といえば「文士村」のイメージだが、こ  10月
のころはポプラ倶楽部を中心とする「美術人村」だった。       若人
                                 クリモランド
                                11月
                                 短歌9首
                                12月
                                 俳句1句
「ひょっとこ」脱稿                        詩「隆達にまなびて」

大正4年(1915年)24歳
2月、吉田弥生との恋愛が破局に。このことは、後の芥川の人生に  2月
大きな影響を及ぼす。                       砂上遲日
                                3月
                                 短歌12首
                                5月
                                 短歌32首
                                6月
                                 短歌38首
                                 漢詩1編
7月、第四次「新思潮」刊行資金のため、ロマン・ロランの「トル  7月
ストイ伝」を翻訳。                        詩
                                 短歌7首
8月、松江に旅行。土地の新聞『松陽新報』に、芥川龍之介と署名  8月
して「松江印象記」を執筆。                    松江印象記
                                 漢詩4編、俳句1句
このころ、「羅生門」脱稿                    9月
                                 詩「受胎」「陣痛」
                                  「めぐりあひ」「希望」
                                 漢詩1編、短歌4首
                                10月
                                 俳句4句
11月、「鼻」を書き始める                   11月
                                 羅生門
12月、塚本文を結婚相手として意識しはじめた。         12月
                                 詩2編、漢詩1編、
                                 短歌6首
                                 暁