2008/07/08
無理のある統計結果
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こんな情報を見つけ、「“パソコンより携帯電話を利用する時間が圧倒的に長い”人が8割以上!」という結論部分を先に読み、かなり驚きつつ詳細を読んでみました。もしそれが本当なら、PCを主・携帯を従として使っている私なんか殆ど竪穴式住居人であり、生きた化石にならないためには今すぐパケット定額契約してメールもWebも携帯を使いまくり、人に会って言う事には「電子ネットワークの活用は殆ど携帯です。パソコン?最近あんまり使ってないんですよね。埃被ってます。」なんて自慢そうに語らねばなりません。しかし、読めば解るように、これは一言で言えば「統計という名の嘘」です。 最初から自分に都合の良い結論を出すために、その結論が出るに決まっている調査を形ばかりやるという毎度お馴染の手口です。母集団の抽出に作為があるからです。“携帯電話によるインターネットリサーチ”という手法がどういうものであるかここには書かれていませんが、携帯電話のヘビーユーザーを対象とし、携帯電話を使って調査したものであることは確かです。携帯電話ヘビーユーザでない私には、そんな調査が行われていることすら知る機会はありませんでした。 |
しかも
> 10代〜50代のケータイユーザー607名の回答を集計しました。
って、都合の良い返事をしてくれるに決まっている人々ばかり、たったの607人集めて“電子ネットワーク利用は殆ど携帯です”ってお約束の返事を貰い、その調査を発表する時には、まるで世の中殆どの人が既に電子ネットワークは携帯電話でしか使っていないような大見出しで掲げるわけです。
この調査を行って発表した会社は、公式サイトによればこんな商いをなさっています。
> モバイルとマーケティングに関わるあらゆる企業の戦略策定・支援を行います。
> 携帯ビジネスの分析・見直しを、調査・コンサルティングによって、サポートします
> モバイルサービス企画、ユーザビリティ改善を得意としています。
なおこの会社の名誉のために一応補足しておきますと、上に書いたようなこの調査の背景は一連の調査結果報告に書かれており、積極的に隠蔽する意図は見られません。だからこの調査結果は真っ赤な嘘ではありません。ちゃんと読めば解るはずであり、結論部分だけ斜め読みして発信者に都合が良い誤解をする人は自己責任です。ただ、積極的に隠蔽しないとしても、少なくともこの調査は事実と異なる印象を読み手に与える恐れが極めて大きく、あえて言えば事実と異なる印象を与えることが目的と思えてなりません。なるほど“只で手に入る情報は必ず発信者の思惑によって方向付けられている”という情報化社会の常識を非常に解りやすく示している、これは好例ですね。
おまけ:PDF版も掲示されていました。