2006/12/03

アジアンタムブルー

 恋愛映画なんか見るのは、初代(広末涼子主演)の「恋愛寫真」以来ですからもう3年ぶりです。美男美女が出合い、モテ過ぎ男主人公は色々女性関係のトラブルを抱えながら女主人公に引かれていき、ハッピーエンドになるかと思いきや美貌の女主人公は不治の病を宣告されます。男女は残り少ない時間を一緒に過ごし、永遠に一緒にいたいと願いますが、運命は残酷に女主人公だけを奪い去っていき、男主人公が一人残されます。ま、「ある愛の詩」以来続くお涙頂戴色恋映画の王道を忠実になぞったものと申せましょう。「アジアンタム」とは観葉植物の一種であり、それが一度枯れ始めるともう何をやっても枯れていくことを止めることができない、その状態が「アジアンタムブルー」だそうです。

 死の宣告を受けた後、残り少ない時間を静かに過ごすため何と二人で南フランスの観光地へ行ってしまうとか、主演男優が42才で主演女優は21才ですから物語上もその年齢に近いとすれば、現実には欲得抜きの恋愛など成立しそうもないとか、末期癌患者の苦しみようはこんな風光明媚な海辺の街でハンモックにゆられながら眠るように美しく息を引き取りました、なんてものじゃないだろうとか、この年になりますとつい現実的に考えてしまいますが、それは冷静に考えればの話で銀幕上で違和感はありません。何しろもう主演女優さんがトンでもなく綺麗で、もうどっちみち現実の物語に見えないぐらいなんです。その主演女優さんはなんとピアニストさんでもあり、劇中で使用される曲もこの人が演奏しておられる由。抜群のスタイルと美貌に加え、天が二物・三物を与えている実例を見たい方は一度お運びの程。

 女主人公_洋子は死の直前に男主人公_隆二と一緒に海へ向かって後ろからセルフタイマーで写真を撮ります。写す場面ではシャッターが下りるところまで表現しません。死んだ後の回想シーンで、洋子は海ではなく男を見ている、その場面が写真に残っています。さらにその写真集が並んでいる場面がほぼラスト近くになりますが、写真家の名前が「山崎」洋子、つまり死ぬ前に二人は夫婦になったんだな、というのがよく見ていると解るという洒落た仕掛けもあります。これも又スタッフロール中席立ち率ゼロの良い映画でありました。

奇妙な日本語へ Home Pageへ