2007/03/04
12〜3世紀に世界最大の帝国「蒙古」を築いた初代皇帝:成吉思汗(Chinggis Khan)の半生を描く映画です。きっとモンゴル人俳優が全編モンゴル語で演じ、ウランバートル出身の68代横綱:朝青龍が友情出演したりしてるのではないかと思いけや、何と日本人俳優が全編日本語で演じていました。この主人公である成吉思汗は大陸に渡った源義経ではないかといった怪しい話もありますが、同じぐらい怪しい話がもう一つあります。彼は日頃側近に「耳に痛い知らせを余の耳に入れよ。」と言い続け、実際にマイナス情報を持ってきた者に褒美を与えたといった逸話です。そのシーンがあったら面白いなと思いつつ見ましたが残念ながらありませんでした。おっと、脱線。
話を映画の中身に戻しますと、何はさておき大掛かりな映画です。いくら何でもこれが全部実写ではなかろう、近くの顔が見える範囲が実写で、後ろはコンピュータグラフィックスだろうと思いながら見ていましたが、何とモンゴルの人口250万人に対してその1%超に当たる2万7千人のエキストラが出ているそうです。つまり、あの莫大な数の人々は実写ということです。ひたすら大掛かりなどっ派手映画ではありますが、結構印象的なシーンもあります。戦いに勝った祝宴で主人公「テムジン」(後の成吉思汗)は功績のあった部下一人一人の所へ行き、「コレコレこういう訳でお前は素晴らしい奴だ!」と大声で誉めます。「ナンのタレ兵衛。弓を持っては並ぶ者無し。祝福あれ!」なんてね。これこそ当にリーダーの真骨頂です。成吉思汗が何故蒙古を統一し得たかといえば、つまり人望があったからです。人望とは、要するに周りの人々の力を引き出す能力です。もっと言えば「アイツのためなら一働きしてやろう。」と思わせる能力です。その意味でこの祝宴のシーンも冒頭にご紹介したマイナス情報を持ってこいの逸話も、成吉思汗という人物を表す解りやすい場面と思います。
リーダーをやっていればメンバーのアラばかり見えてしまうこともあります。成吉思汗だって従わない一族や部下、そして勿論敵に対しては情容赦なく当たっています。しかし非情だけで人望は集まりません。メンバーの誉めるべき所を見付け、ちゃんと解るよう具体的に示して誉める、それも皆の前で大声で誉める、これがリーダーの器を示す一つの物差しじゃないかな、と思える印象深い場面でありました。