2008/08/02

風の歌を聴け

 これが映画化されていることを知ってはいましたが、27年の時を経て初めて見ました。原作は1979年発行ですからもう30年近く前です。私は同年第3刷で読みました。これがその後「1973年のピンボール」を経て「羊をめぐる冒険」で完結する村上春樹初期三部作が世に出た始まりです。映画化は2年後、1981年だそうです。映画そのものの出来は、はっきり言ってそれほど衝撃的でも素晴らしいという程でもありません。原作にかなり忠実に作られています。特に台詞部分はもう殆ど原作棒読みと言って良いです。幾つか変えてある点の一つ、昭和51年5月の神戸まつり事件が出てきます。また原作でジェイズ・バーはビルの地下(私の推定では国道2号線と芦屋川が交差する辺り・特に根拠はありませんが)にありましたが、映画ではビルの上の階になっています。ジェイズ・バーがビルの上に引っ越すのはこの後2回ほど移転した時点のはずです。

 原作には神戸や芦屋といった地名は一切出てきません。しかしそこに書かれている「港町」が神戸、「街」が芦屋であることは、そこに住んだことがある者(注)が数十ページも読めば解る仕組みになっています。その他昭和時代の神戸三宮・元町や芦屋川辺りが背景に出てきて、懐かしい1時間半に浸ることができました。そのちょっと前に「ゆれるまなざし」CMモデルさんであった主演女優さんも素晴らしく良いです。村上春樹ワールドに浸っている人なら、話の種に一度見ても良さそうな映画でありました。

注:私は1970年代半ばの4年間、神戸市東灘区に住んでいました。

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