2009/11/15

マイティジャック

海底ドックに注水完了し、今まさに発進直前のマイティ・ジャック号。  これは映画ではなくTVドラマです。覚えている人は少ないでしょうね。ウルトラシリーズで一山宛てた円谷プロが1968年春に試みた、ハイテクメカ活劇とでも呼ぶべきSF劇でした。40年の時を経、今DVDになって戻ってきました。

 写っている自動車のナンバーは1桁の「5」ですし、コンピュータの出力は穴開きテープ、電話機は回転ダイヤル式と、今から思えば非常に古いSF活劇でした。スターウォーズ以降の“本当にその大きさに見える”特撮を見慣れてしまった今から見れば、如何にも小さなプラモデルを広角レンズで撮って何とか大きそうに見せている誠に質素な特撮ですが、当時中学生だった私は手に汗握る土曜日の夜を楽しんでいました。
敵の無敵戦艦“ジャンボ”の最期

 第10話「爆破指令」で、善玉側のスパイが悪玉「Q」の基地に潜入、敵の新兵器を撮影し、その後敵に見つかって追い詰められる部分があります。スパイはあえなく射殺されるのですが、その時既に写真はマイティジャック側に電送されていた、という展開になります。21世紀になったってそんな小さなカメラから無線で写真が送れるなんて事があるんだろうか、などと子供心にも怪しんでいましたが、今ではとっくに実現してしまいました。塾通いの小学生ですらカメラ付きの携帯電話を持ち歩いています。

 左の場面は、その写っていた敵の無敵空中戦艦“ジャンボ”がマイティ・ジャックと水中戦・空中戦の後、爆発四散するところです。なるほど、正義は必ず勝つようです。
地図店「Gelileo」の入り口  主人公たちが集い秘密基地への入口になっている地図店の名は劇中で「ガリレイ」と呼ばれていましたが、今見るとドアガラスには「Galilei」ではなく「Gelileo」と書かれています。「Galileo」でもなく「Gelileo」です。地図店は「ガリレオ」だったんですね。こんな所にまで凝るなんて、何かこの作品を作った人々の思いが滲み出てくるように見えます。
離水するマイティ・ジャック号です。水が映るとどうしても大きさ感を損ないますね。

 僅か1クール(3ヶ月・全13話)で終わってしまったので、この世界では失敗作に分類されるでしょう。宇宙人も怪獣も出てこない円谷プロ作品ではある意味無理もありませんが、この空飛ぶ無敵戦艦という機械像(人物像ならぬ)は、その後宇宙戦艦ヤマトの原型になったと私は信じています。「謎の円盤UFO」のスカイワンも、「原潜シービュー号」のフライングサブも、水中から発進して空を飛びますが、巨大戦艦そのものが空を飛ぶのはこれが初めてだったと思います。海底基地から発進するために、その都度保管庫の水を入れたり抜いたりするという大袈裟振りもよかったです。この作品自体は失敗作だったとしても、これを作ったことは無駄になっていないようです。

 理力が“失敗作をたくさん作る人々”と共にあらんことを。


 都内にお住まいで「MJフリーク」と仰る研究者の方からメールを頂戴しました。上で引用している地図店の名前綴りなど幾つかのご指導を頂き、このページは修正・再建立致しました。「MJフリーク」さん、有難うございました。かつて「旅の重さ」についても別の方からお便りを頂いたことがあります。こうして存在自体を覚えている人さえ少なそうな作品についてお便りを頂くことは、希少趣味人に取って大変な喜びです。有難い事です。2009/11/14

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