2007/12/10

モーターサイクル・ダイアリーズ

 原題はスペイン語で[Diarios de motocicleta]、それが英語で[THE MOTORCYCLE DIARIES]、そのままカタカタ邦題で「モーターサイクル・ダイアリーズ」という素直な命名です。映画はキューバ革命の英雄・ゲバラが大学卒業間際に行った南米ツーリングを描いています。足は1939年式ノートン500という、多分500ccサイドバルブ(?)単気筒のバイクでありまして、16歳で自動二輪免許を取り、青春がホンダCB550と共にあった私にとってはもうこの設定だけで飛びつきたくなります。どうして公開当時に見ないで、今頃見る気になったのか自分でも不思議なぐらいです。

 若者の旅行記となればそこで精神的な成長が描かれるのはお約束です。主人公ゲバラは裕福な家に生まれた医学生ですが、彼もこの南米ツーリングの中で貧しい人々や政治的信条から迫害される人々、破壊された街や病人を隔離する施設などを見、上流階級のお坊ちゃまから革命の闘士へ変貌していく兆しを見せます。最後のシーンで彼はアマゾン川を泳いで隔離病島(島全体が一つの隔離病棟のようなもの)へ渡り、患者たちから大歓迎されます。やはり革命の指導者になるような人は、他人を熱狂させる何かを持っているもののようです。

 基本的に実話だと思いますが、この中で“ハンセン病は感染しないから患者に素手で触っても問題ない”ことが語られます。もし1952年当時にこの医学的事実が判っていたとするなら、その後日本でも起きたこの病気に関する人権問題は何故防げなかったのかな?という映画の主題から少し外れた疑問も感じさせられました。

 感想をもう一つ。随分丈夫なバイクです。出発直後のシーンでバイクが川に落ちるのですが、私はこのシーンでもうバイクはダメになってしまったのでこの後の物語はどうするのだろうと心配してしまいました。何と次のシーンではバイクはまた元気に走り出し、それ以降何度か転倒シーンがあるのですが、確か3回目ぐらいに牛の群れに突っ込んで転倒するまで、このバイクは元気に走り続けたのでありました。500ccもある大型バイクが転倒すれば、そのまま“やっこらさ”と起して再度走り続けるなんてことはできるはずがないように思うのですが、そこはそこ、実話に基づいているとはいえ映画ですから細部は大きく脚色されているのでありましょう。

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